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内田准教授が寄稿した『女性研究者とワークライフバランス: キャリアを積むこと、家族を持つこと』が出版されました

1409uchida.png 内田由紀子准教授が論考を寄稿した『女性研究者とワークライフバランス: キャリアを積むこと、家族を持つこと』が、2014年9月に新曜社より出版されました。
 本書は、日本心理学会が発酵する一般向けの学会誌『心理学ワールド』第52号から57号に掲載されたコラムと、第76回日本心理学大会でのワークショップ「研究者のワーク・ライフ・バランス:いろいろな子育てのかたち」をベースに、5人の心理学者がそれぞれの結婚、育児、研究との両立、社会との向き合い方、気持ちの持ちよう、パートナーとの関わりなどについて綴ったユニークな本です。論考の最後にはそれぞれの配偶者のコラムも掲載され、パートナーの目線からの意見も合わせて読むことができます。
 2003年に結婚し、一児を育てながらこころの未来研究センターで研究活動に取り組む内田准教授は、自身の結婚、出産、育児について、パートナーや家族と共に苦心と工夫を重ねながら、自分たちの仕事と暮らしに適したスタイルを編み出していった経緯を詳しく紹介しています。配偶者のコラムでは、みずから育児休業を取り妻を支えた夫側の育児観や、夫婦それぞれが納得して家庭環境を築き上げるために議論を重ねることの重要性などが説かれており、読みごたえのある内容となっています。

遠距離結婚生活の中での育児と研究生活 内田由紀子
 この書籍を手にしておられるのは研究者のワークライフバランスの問題に、社会的・学術的あるいはごく個人的な感心を持っているひとではないだろうかと思います。そしてその中にはこれから結婚や出産を控えているひと、あるいはその希望を持っている人が含まれていると思います。
 私自身が結婚し、子どもを産む前にいちばん聞きたかった話しはなんだろうと考えてみると、「身近な、けれどもロールモデルになる」話しでした。「子育てと研究の両立はパワフルにこなしています。第三者にも誰にも頼らず自分たちでバリバリ仕事をしながら子どもを(しかも三人や四人)育てました」というスーパーウーマンの話を聞いても「ああ、自分には無理だ……やめておこう」と尻込みするだけだったからです。むしろ、普通の人が普通に苦労しながら、それでもなんとかなるのかどうかを知りたかった。(中略)
 家庭生活と研究生活のバランスの取り方は、家族の関係性や事情によることであり、他人の話がどれぐらい情報価を持つかはよくわかりません。人の話は人の話に過ぎない中で、第三者の体験談が役に立つとすれば、ライフスタイルの一つのオプションを知ることで、自分の「常識」や「こうあるべき」の再評価をする機会となることにあると思います。遠距離生活も、夫の育児休業も依然として日本社会の本流とは言えませんが、私の経験を一つのカウンターケースとして呈示できればと思います。
(「1 はじめに」より)

□書籍情報
『女性研究者とワークライフバランス――キャリアを積むこと、家族を持つこと』
仲真紀子・久保(川合)南海子 編
出版社:新曜社
A5判並製144頁
定価:本体1600円+税
発売日:2014年9月17日
ISBN 978-4-7885-1406-5
出版社の書籍紹介ページ
Amazon.co.jpの書籍ページ

2014/10/05

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