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河合教授がエッセイを寄稿した『井筒俊彦全集 第七巻』<月報第7号>が刊行されました

1410kawai_izutsuzensyu.png 思想家・井筒俊彦の著作をまとめた『井筒俊彦全集』(慶應義塾大学出版会)が、2013年秋より順次刊行されています。各巻には毎回、著名人が執筆する『月報』が添えられており、2014年9月に出版された第七巻『イスラーム文化 1981年-1983年』の<月報第7号>に河合俊雄教授のエッセイが掲載されました。

「経験と哲学、イメージとことば ー井筒俊彦からの学びー」河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授)
 井筒俊彦という思想家の名前を知ったのは、一九七八年一月の『思想』における今道友信との対談「東西の哲学」が最初であったと思う。そのころの私はまだ京都大学教育学部の二年生で、実験実習、臨床心理学概論など心理学の専門の授業が既にはじまっていて、これから本格的になっていこうとしていたところだった。
 しかし私の関心はむしろ哲学の方に向いていく。幸いにきわめて自由というかルーズな大学であったので、文学部の辻村公一先生のハイデガー講読、上田閑照先生のマイスター・エックハルト講読などを潜って聴講していった。短いテキストを厳密に読んでいくことから深い思想が浮び上がってくることはまるで魔法のように思われたのである。そしてそれは私の経験に響くところがあった。
 一方で臨床心理学やユング心理学という経験や実践に裏づけられた学、他方で哲学という文献を読むことに基づく学への平行した関心というのは、やがて私の中に葛藤を引き起こす。また同時に私の中で、この両方は対立するものではなくて、共通するものがあるのではないかという予感も生まれてきた。
 その際に私をおおいに勇気づけてくれ、また参考になったのが井筒俊彦の著作である。
(『井筒俊彦全集 第七巻』<月報第7号>より)

 『井筒俊彦全集』は、全12巻+別巻で構成され、2015年秋までに全巻が刊行される予定です。
慶應義塾大学出版会『井筒俊彦全集』特集ページ
 なお、2014年11月8日には、井筒俊彦生誕100年記念トークセッションが慶應義塾三田キャンパスで開催され、河合教授が登壇します(参加無料/要申込)。興味のある方は、下記リンクをご覧ください。
141108izutsu_poster.png
井筒俊彦生誕100年記念トークセッション 「伝播する井筒俊彦」

2014/10/27

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