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河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』の書評が『心理臨床学研究』に掲載されました

1411kawai_shinririnsho.png 日本心理臨床学会が発行する学会誌『心理臨床学研究』vol.32 No.3 に、河合俊雄教授と田中康裕教育学研究科准教授が編著者を務め、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が二つの章を執筆した『大人の発達障害の見立てと心理療法』(創元社)の書評が掲載されました。評者は、滝川一廣学習院大学教授です。
 『大人の発達障害の見立てと心理療法 』は、上廣こころ学研究部門における臨床心理学領域のプロジェクトの一つである「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」の研究成果がまとまった一冊です。書評では、全体に流れるテーマである「主体」の立ち上がりや世界の捉え分けに着目しながら書籍の全体像と各章の概要を紹介し、「『発達障害』を、ひとつのこころのあり方という観点から捉えて、心理療法的なアプローチの必要性と可能性とを追究し」、「『発達障害』とはいかなる現象かを考える上で示唆に富む内容をもっている」と評しています。

書評1『大人の発達障害の見立てと心理療法 河合俊雄/田中康裕 編』 評者 滝川一廣 学習院大学文学部
 本書の「発達障害」とは公汎性発達障害(自閉症スペクトラム)を指す。これを, 脳中枢神経系の障害という観点からではなく, ひとつのこころのあり方という観点から捉えて, 心理療法的なアプローチの必要性と可能性とを追究しているのが, 本書の大きな特色である。
 もう一つの特色は, 「大人」の発達障害を対象としたことである。ここで大人とは, 単に「成人年齢者」の謂いではなく, アンバランスはあるにせよ, 発達の歩みに極端なおくれはなく(だから幼小児期には発達障害とは気づかれず), 基本的な発達水準は成人レベルに達した人たちを指す。たとえば成人言語によるコミュニケーションが可能で, その点でも心理療法的アプローチに開かれていると言える。裏返せば, そこまで精神発達を遂げながらもなお抱える困難さに, この人々固有の「こころのあり方」が見てとれる。それがどんなあり方なのか, 1章で河合俊雄, 2章で田中康裕が論じている。
 河合は, そのこころのあり方の中核に「主体のなさ」を見る。そしてこれが本書所収の諸論文を貫く縦糸となっている。「主体」とはなにか。…
(書評より)

河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』が出版されました
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2014/11/06

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