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第6回東日本大震災関連シンポジウム「こころの再生に向けて~5年目を迎えた被災地の「復興」と現実」が開催されました

 第6回東日本大震災関連シンポジウム「こころの再生に向けて~5年目を迎えた被災地の「復興」と現実」が7月9日、京都大学稲盛財団記念館大会議室でおこなわれました。
 こころの未来研究センターでは、東日本大震災後に「震災関連プロジェクト」を立ち上げ、被災地での調査活動やこころのケアに関する支援活動を継続しておこなっています。第6回目を迎えた震災関連シンポジウムは、「震災後の「復興」と現実」をテーマに開催しました。はじめに、司会者の鎌田東二教授が法螺貝を奉奏したのち、参加者全員で黙祷を捧げました。鎌田教授は、これまで震災プロジェクトで取り組んだ調査研究活動の報告をおこなうと共に、今回のシンポジウムについて、「現実に進行している事態の中から目に見える『物質的復興』を測ることは比較的容易です。しかし、目に見えない『心の復興』を測ることは極めて困難だと言えます」と話し、5年目を迎えた被災地の現状について討論していきたい、と主旨を伝えました。
 第一部初めの基調講演では、福島県三春町の福聚寺住職で作家の玄侑宗久氏が「福島、いとあはれなり」という演題にて講演しました。復興活動の陰に隠れている福島の過酷な現状について、「あはれ」という言葉の意味を紐解きながら語りました。続いて、鈴木岩弓東北大学教授が「被災地に誕生する”祈りの場”」という演題で講演。多くの人の命が失われた震災で、残された人々がいかに死者と繋がりを持っているかを様々な事例とともに挙げ、死者と生者を結ぶ場として祈りの場が創出されてきた現場を伝えました。続いて、稲場圭信(大阪大学准教授が「被災地の記憶と震災伝承:気仙沼震災伝承マップの取り組み」という演題で、気仙沼市で取り組む心のケアの道のりや被災地の記憶を記録し伝承する取り組みについて話し、新たに生まれた「共感縁」などについて紹介しました。続いて、井上ウィマラ高野山大学教授が「津波復興太鼓:マインドフルネスとレジリエンスの視点から」という演題で、震災後から継続して通い取り組んでいる被災地の心のケアを段階的に紹介し、マインドフルネス、レジリエンス(極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力)などの観点から震災後の心のケアと今後の復興に必要な「トランスレーション型のリーダー」について提唱しました。4人の講演後、金子昭天理大学教授と黒崎浩行國學院大學准教授が、それぞれの専門からコメントを提供。その後、鎌田教授が進行役となって、登壇者らによる総合討論がおこなわれました。
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[開催ポスター]
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[DATA]
▽日時:2015年7月9日(木)13:00~17:30
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽テーマ:「5年目を迎えた被災地~その「復興」と現実」
▽プログラム:
趣旨説明:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター・教授(宗教哲学・民俗学))
基調報告(1):「福島、いとあはれなり」玄侑宗久(作家/福聚寺(福島県三春町)・住職)
基調講演(2):「被災地に誕生する”祈りの場”」鈴木岩弓(東北大学・教授(宗教民俗学))
基調報告(3):「被災地の記憶と震災伝承:気仙沼震災伝承マップの取り組み」稲場圭信(大阪大学・准教授(宗教社会学))
基調報告(4):「津波復興太鼓:マインドフルネスとレジリエンスの視点から」井上ウィマラ(高野山大学・教授(スピリチュアルケア))
コメンテーター:金子昭(天理大学・教授(倫理学))、黒崎浩行(國學院大學・准教授(宗教学・神社地域論))
司会:鎌田東二
▽参加者数:約100名
主催:京都大学こころの未来研究センター震災関連プロジェクト「こころの再生に向けて」
共催:科研「身心変容と霊的暴力~宗教経験における負の感情の浄化のワザに関する総合的研究」(身心変容技法研究会)+聖地文化研究会(「生態智の拠点としての聖地文化」)

2015/08/31

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