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『ミネルヴァ通信「究」』に河合教授の連載第12回が掲載されました

 ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』8月号に河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層」が掲載されました。
 今回のテーマは「イニシエーション」です。
 たとえば現在では成人式に参加しなくても社会的に大きな問題となることはありませんが、そのように人生の節目に行われる儀式は形骸化してきている側面があります。
 しかし、「社会の表面ではイニシエーションが無意味になってしまっていても、こころの古層ではそれが未だに働いている」と著者は指摘します。そして、歯医者や美容院、心理療法などが現実的にもイメージのレベルでも、現代におけるイニシエーションのモチーフとなりやすいことについて述べています。

(解説:畑中千紘助教・上廣倫理財団寄付研究部門)

1708kawai_kiwameru.pngこころの最前線と古層(一二)
「イニシエーション」  河合俊雄
 前回までに何度か「象徴」をテーマに取り上げたが、それと密接に関連しているのが「儀式」である。たとえばキリスト教におけるミサという儀式においては、パンとワインの象徴性が非常に重要になる。仏式のお葬式におけるお焼香など、儀式において使われるもの、決まった動作には、ふだんは意識されていない場合でさえ、極めて高い象徴性が含まれているのである。
 さて、そのような儀式のなかで、「イニシエーション」というのが心理療法の過程を理解する上でしばしば重要となる。イニシエーションは「通過儀礼」とも訳されていて、出生、成人、結婚、死などの人生の節目を超えるための儀式で、特に子どもから大人になる儀式が、ファン・へネップをはじめとする文化人類学者によって取り上げられて有名になった。(中略)
 それでは文化人類学を通じて再発見されたイニシエーションは、近代社会にとっても意味を持っているのであろうか。….
(論考より)

出版社のページ(ここから『究』の講読が可能です)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b308359.html

2017/07/26

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