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2017年度こころの科学集中レクチャー「こころの謎~脳・体・こころとの関係~」が開催されました

 2017年度こころの科学集中レクチャー「こころの謎~脳・体・こころとの関係~」が、2018年2月22日から2月24日にかけて稲盛財団記念館大会議室で開催されました。内田由紀子准教授が企画した集中レクチャーは、3日間にわたり、それぞれの先生方の講義とディスカッションをおこなうユニークな試みです。一人の先生の授業から学ぶという従来型の学習スタイルではなく、研究者同士の最先端のディスカッションやそこから生じるアイディアの創発を目の当たりにする、非常にエキサイティングな時間です。
 初日は阿部修士准教授より、正直さや嘘といった道徳的意思決定について、神経科学的な観点から話題提供がありました。具体的には、人が正直に振る舞うかどうかを規定する要因として、その個人の報酬感受性が関与している可能性を示され、脳画像研究を用いた研究を紹介されました。さらに「うそが付けない」とされるパーキンソン病患者や「道徳性が欠如している」とされる米国刑務所内の囚人(サイコパス)を対象にした研究例をもとに、道徳的意思決定に関連する神経基盤に関して論じられました。
 2日目の梅田聡先生(慶應義塾大学文学部 教授)の講義では、内受容感覚(interoception)という切り口から「脳・心・身体」の3者関係について理解を深めるアプローチが紹介されました。具体的な内容としては、内受容感覚に関連する神経基盤として島皮質があること、内受容感覚によって影響を受けるとされている要因として、不安の高さや共感のしやすさなどを示されました。また、未来に関する認知・思考ともいえる不安と内受容感覚の関連性を踏まえ、内受容感覚が未来思考性へ与える影響についても論じられました。
 3日目の北山忍先生(ミシガン大学心理学部教授/センター特任教授)による講義では、文化と心理傾向の関係性を社会生態学的な視点から解説し、このようなマクロな文化が個人の脳レベルに取り込まれていくプロセスについて神経心理学的知見を交えて論じられました。さらに、こころの文化差が身体的健康に及ぼす影響として、従来欧米の研究で不適応的だと言われてきた神経症傾向が東洋文化で適応的に働く可能性について最新の知見を紹介されました。
 「脳・体・こころとの関係」という今回のテーマについて、神経心理学、文化心理学、生理心理学、社会生態学など多岐にわたるアプロ―チで総合的な理解を深めることができ、非常に貴重な学びの時となりました。講師のみならず受講生も積極的にディスカッションに参加し、ダイナミックでエキサイティングな心理学の世界を体験できた3日間でした。

(報告:京都大学こころの未来研究センター 新谷茉奈)

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[開催案内]
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[DATA]
▽日時:2018年2月22日(木)、23日(金)、24日(土)10時より18時まで
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階 大会議室
▽講師:阿部修士(京都大学こころの未来研究センター特定准教授)
    梅田 聡(慶應義塾大学文学部教授)
    北山 忍(ミシガン大学心理学部教授)
▽ 受講資格:京都大学の学部生・院生・研究者
▽ 参加人数:41人

2018/03/06

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