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『ミネルヴァ通信「究」』に河合俊雄教授の連載第23回が掲載されました

 ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』2018年7月号に河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層」が掲載されました。
 今回のテーマは「解離と古層の交錯」です。
 前々回の連載から、現代の解離現象、解離性症状がテーマとなっていますが、今回の連載では、村上春樹の作品がとり上げられ、「近代意識によって抑えられていたこころの古層」との交錯について、論じています。
 論考では、現代において、この世とあの世、現実と超越などの連関が失われたため、現代の問題として「大きな連関の喪失」が生じている、とのユングの指摘が着目されています。そして、村上春樹の作品においても、「個人の意識が解離し、人々がつながらないのは、世界が解離しているためであるというモチーフ」が強く感じられる、との言及がなされています。
 著者は、現代において喪失した連関を、イメージを通して回復しようというのが、ユングの試みであったと述べた上で、この解離した世界とどう関わることができるかは、現代に生きるわれわれにとって、重要な課題であると指摘しています。

(解説:粉川尚枝 特定研究員)

20180700_Kawai_Minerva.JPGこころの最前線と古層(二三)「解離と古層の交錯」河合俊雄

 前回において、前近代の憑依というあり方の復活とも捉えることのできる解離性症状の現代性について指摘した。しかしこれは近代意識によって抑えられていたこころの古層が、近代意識によるコントロールの弱まりによって再び姿を現したとも考えられる。解離の前近代性と現代性、あるいは表現を変えればポストモダン性の交錯するところをうまく描き出しているのが村上春樹の作品であると思われる。
 たとえば・・・

(論考より)

出版社のページ(ここから『究』の講読が可能です)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b371954.html

2018/06/27

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