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『ミネルヴァ通信「究」』に河合俊雄教授の連載第29回が掲載されました 

 ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』2019年1月号に河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層」が掲載されました。

 今回のテーマは「現代の夢と異界」です。

 今回の連載では、夢のもつ「異世界性」がテーマに論じられています。前近代の世界観の特徴は、あの世や神話的世界とのつながりであり、夢についても“夢は現実と直結していると同時に、異界にもつながっている”というのが前近代の一般的な見方でした。このようなあの世の存在が、近代においては徐々に薄れていく中でも、まだ夢にはその「異世界性」が認められてきた一方で、こうした夢のもつ異世界性のために、心理療法において、夢は現実の悩みや困り事とは関係がない、荒唐無稽なものと相談者からみなされがちで、夢を扱うことには困難が伴ってきたと著者は指摘しています。
 しかし、こうした夢について語ることへの抵抗が、最近は減っているように思われることに著者は着目し、その変化の背景として、現代におけるヴァーチャルリアリティの浸透の影響を論じています。現代において、ゲームや様々なSNSなど、ヴァーチャルリアリティの中では、私たちはふだんとは全く異なる世界に生きて、全く違った人格になることができますが、夢もこれと同様に、「深い」世界や「異界」としてではなくて、一つのヴァーチャルリアリティとして認められているのではないかと著者は考えます。そして、そのために夢を語ることの違和感や抵抗は減ってきており、夢見手が夢に入っていくことによって、ふだんとは違った人となり、それがその人の人格の変容に繋がる可能性を論じています。

(解説:粉川尚枝 特定研究員)

こころの最前線と古層(二九)「現代の夢と異界」河合俊雄

 ユング以後で最も有名なユング派分析家・思想家であるジェイムズ・ヒルマンに『夢と冥界』(The dream and the underworld ’ 邦訳『夢はよみの国から』青土社)という著書がある。これは夢を冥界、あの世からもたらされるものとして捉えたものである。前近代において、夢が現実と直結していることを述べたが、同時に異界につながっているというのは一般的な見方であったと思われる。河合隼雄は『日本人の心を解く』(岩波現代全書)の中で、「中世日本の夢においては、死の世界は簡単に入れるものであった」と述べていくつか例を挙げている。

 前近代の世界観の大きな特徴は、あの世や神話的世界とつながっていることである。…

(論考より)

 

出版社のページ(こちらから『究』の講読が可能です)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b427630.html

2018/12/19

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