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広井良典教授の論説が神戸新聞など全国の地方紙に掲載されました

 広井良典教授の論説が神戸新聞2019年1月28日付朝刊など全国の地方紙に掲載されました(共同通信配信)。

 タイトルは「拡大成長から持続可能性へ―「ポスト安倍」時代のビジョン」で、最近言及されるようになった「ポスト安倍」という言葉は、次期総理といった次元を超えて、日本社会の今後のありようの根幹に関わる意味があるとしつつ、安倍政権時代の基調をなしてきた「経済成長が全ての問題を解決してくれる」という発想が、1000兆円を超える累積債務などかえって将来世代への負担のツケ回しを増やし、日本社会の未来を危うくさせているとし、最近行ったAI活用のシミュレーション結果も紹介しながら、「拡大・成長」を基調とする社会のあり方から、将来世代を含めた「持続可能性」に軸足を置いた社会へのシフトを提起する内容となっています。

[識者の視点]拡大成長から持続可能性へ―「ポスト安倍」時代のビジョン  広井 良典氏
 「ポスト安倍」という言葉が折りに触れて聞かれるようになった。差し当たってそれは、安倍晋三氏に続く自民党の次期総裁ないし次期総理は誰かという文脈で語られるのが一般的だが、私はもっと深い、ある意味で日本社会の今後のありようの根幹に関わるような内容が含まれていると考えている。
 改めて確認すれば、現在に続く「安倍時代」の基調をなしてきたのは「経済成長が全ての問題を解決してくれる」という発想に集約される、高度成長期の日本をそのまま延長したような思考だったと言える。
 その一つの典型は、消費税増税の2度にわたる延長である。結果として、それまでの累積も含めて、政府の借金は1千兆円に及ぶという、国際的に見ても突出した水準に至った。累積債務の在り方についてはさまざまな議論があるが、これらの借金をいずれ誰かが負担しなければならないことは確かである。
 要するに私たちは自らの税負担を忌避しながら、そうした膨大な債務を将来世代につけ回しているのである。背景にあるのは、成長によりおのずと税収は増え借金もやがて解消されるという、高度成長期的な、あるいは昭和的とも呼び得る思考の枠組みにほかならない。
 先送りは限界
 このように見ていくと、ポスト安倍時代の中心的なテーマとして、これまでの「拡大・成長」を基調とする社会の在り方から、将来世代を含めた「持続可能性」に軸足を置いた社会へのシフトということが浮かび上がるだろう。
 私は、この点こそが日本にとって真の意味でのターニングポイントであり、正念場ではないかと考えている。
 現象レベルで見ても、来年の東京五輪が終わればある種のバブル後の社会となる。また「2025年問題」と言われるように、団塊世代という巨大な人口群が全て「後期高齢者」となる。そして人口減少社会がいよいよ本格化するのがまさにポスト安倍時代なのである。積み重ねてきた先送りが限界を超え、日本社会にとっての難問が一気に浮上する時代と言ってよい。
 ではどのような対応が求められるのか。……
 
(神戸新聞2019年1月28日付朝刊より)

2019/02/25

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