吉岡洋特定教授の論文が収められた『臨床精神医学』が刊行されました
吉岡洋特定教授の論文が収められた『臨床精神医学』3月号(Volume48, Number3)がアークメディアより刊行されました。
本書は、時代とともに変化してゆく精神医学を、今日の話題と絡めて、社会的側面から、あるいは生物学的側面から複眼的にとらえた特集を企画、掲載しています。
2019年3月発行号の特集は「精神医学と芸術の多様な接点」。
吉岡特定教授の論文は、「アール・ブリュットの芸術哲学」と題して掲載されています。
<抄録>
アール・ブリュットとは、精神疾患の有無にかかわらず行われる独特の自発的表現(とその作品)を意味するが、精神疾患がそのきっかけになることも少なくない。アール・ブリュットはこれまで、正規の美術教育なしに行われる美術活動と定義されてきたが、むしろ美術を制度的に美術たらしめている「歴史」に所属しない美術と考えた方が、より適切な定義ではないかと思われる。アール・ブリュットの作家たちは自らの作品の価値や保存に関心が薄く、アール・ブリュットを論じる際には制度的美術とは全く異なった視点が必要だと思われる。現実的にはアール・ブリュットは制度的な美術内部に取り込まれつつ。美術それ自体の起源における脱制度性や超歴史性を不断に喚起する特異点のごとき存在として大きな重要性を持つ。
「臨床精神医学 3月号(Volume48, Number3)」
特集 “精神医学と芸術の多様な接点”
出版社:アークメディア
発売日:2019.03
定価:3,240円
サイズ:B5判
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2019/03/15