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河合俊雄教授が中之島香雪美術館で「明恵の夢の現代における意味」と題した講演を行いました

 2019年4月18日、中之島香雪美術館の特別展「明恵の夢と高山寺」において、河合俊雄教授が「明恵の夢の現代における意味」と題した講演を行いました。

 河合俊雄教授


 明恵は、中世を生きた高山寺の高僧で、ユング派分析家・河合隼雄先生が『明恵、夢を生きる』(1987、京都松柏社;1995、講談社+α文庫)において「夢記」を研究したことでも知られています。

 本講演では、「夢」にアプローチすることを通して、明恵の内面において夢が深まり、展開していくありさまが次々に示され、明恵の稀有ともいえる生き方に夢が大きな意味をもっていたことが明らかにされました。明恵にとって、また日本文化にとっても重要なテーマである身体性・女性性の夢が紹介され、そのクライマックスともされる夢が、ユングの「結婚の四位一体性」から読み解かれました。そして、明恵の夢は、閉じられた個人のこころに留まるのではなくてそれを超えたところに到達すること、またそうした究極の存在・無から現実や主体が立ち上がってくることが示され、華厳経の「理事無礙」「事事無礙」というキーワードから考察されました。明恵の夢を読み解くうちに、現代の発達障害やLGBTといったテーマにも考察が至りました。そして、古代から中世への移行期に生きた明恵のあり方は、モダンからポストモダンへの移行期にある「現代」において、豊かな示唆を与えてくれるものであることが述べられました。

 フロアは定員250名で満員となり、講演が進むにつれて明恵の印象的な夢に惹きこまれ、夢の意味や現代的問題への考察が示されるたびに感嘆や納得の声があがりました。「明恵の夢と高山寺」の展示と合わせて、中世を生きた明恵の夢やその生き方がリアリティをもって立ち上がってくるようで、圧倒されるような時間となりました。

  会場の様子

 



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 開催案内チラシ(表)

 開催案内チラシ(裏)




2019/04/19

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