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『ミネルヴァ通信「究」』に河合俊雄教授の連載第33回が掲載されました 

 ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』2019年5月号に、河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層」が掲載されました。

 今回のテーマは「心理療法の内と外」です。

 今回の連載からは、症状へ対処する方の心理療法に焦点が当てられ、近年の心理療法の形態そのものの変化がテーマになっています。
 著者はまず、近代に成立した心理療法が、精神科や相談室を自主的に相談に訪れ、自ら問題と向かい合おうとするクライエントを対象にしていたのに対し、近年では、むしろ心理療法家の側が被災地やクラス・病院など「外」に出向き、クライエントの自主性に委ねるのではなく、サービスとして心理療法を提供しようとする傾向が強まっていると指摘します。
 この「内」と「外」という視点から、近代に成立した心理療法が、症状や問題を個人の「内面」の問題として受け止め、治療者との個人契約と秘密保持という「内面」を作り出してきたことに著者は着目しています。そして、近年、上述のような心理療法のアウトリーチ化や、心理療法の国家資格化が進む中で、他職種連携が強調され、治療者の法的責任から個人の治療的判断で秘密保持を行うことが不可能になるなど、近代の心理療法が大切にしてきた個人や「内面」は、壊されていっているのではないかと考えています。
 著者はこうした変化を考える上で、前近代の世界では、問題行動や病気が、その人個人の原因によるものではなくて、悪霊などの共同体全体の問題に起因していて、その解決も共同体全体で共有しないといけないと考えられてきたこと、そのため前近代の世界での癒しは、閉じられた個人に対してではなく、共同体に開かれて行われていたことに触れています。そして、近年の心理療法の形態の変化には、こうしたこころの古層と思われていた共同体的な側面が、システムとして現れているようだと述べています。

(解説:粉川尚枝 特定研究員)

こころの最前線と古層(三三)「心理療法の内と外」河合俊雄

 しばらく精神病という症状の視点から書いてきたので、今回からは症状への対処をする心理療法のほうに焦点を当てて考えてみたい。
 症状が変化してくると、それに対応する心理療法も変わっていくのは当然のことである。…

(論考より)


出版社のページ(こちらから『究』の講読が可能です)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b451810.html

2019/04/23

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