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『ミネルヴァ通信「究」』に河合教授の連載第37回が掲載されました

 ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』2019年9月号に、河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層」が掲載されました。  

 今回のテーマは「死者と前近代の世界」です。  

 今回の連載から、心理療法の中で出会うことも多く、クライエントにとって大切なテーマとなる「死のテーマ」が取り上げられています。
まず教授は、死への恐怖が意識や自意識の芽生えとともに生じるものであることから、死について恐怖心を抱くことは人間に固有の感覚であり、また西洋近代的な死生観と捉えられると指摘しています。そして、こうした西洋近代的な死生観に対して、前近代の世界では死がどのように捉えられていたのか論じていきます。
 前近代の世界では、「生と死が循環する世界観」、つまり、「死は絶対的な終わりではなくて、死から生へと戻ってくることがある」と考えるような世界観が、日本だけでなく世界に広く認められていたことを、教授はお盆やハロウィーンを例に挙げながら説明しています。そして、このような前近代の死生観は、こころの古層として、現代の私たちにも残っているのではないか、と教授は考えています。例えば、心理療法の中でクライエントがお盆の頃に亡くなった近親者が戻って来る夢を見ることや、ユングが『赤の書』に記した不思議な体験は、死んでも「あの世」のような向こうの世界があり、死者とも繋がって生きているという感覚が、現代の私たちにも残っていることの現われと捉えられ、そうした死生観は私たちの「生」もより豊かなものにしてくれているのではないかと教授は述べています。

(解説:粉川尚枝 特定研究員)

 こころの最前線と古層(三七)「死者と前近代の世界」河合俊雄                            

心理療法家なら誰でも、「死にたい」と訴えたり、自殺を試みたりするクライエントに出会ったことがあるであろう。なかには本当に自殺に至ってしまうケースもある。また近親者や友人の死や、自らの死の恐怖もクライエントにとって大切なテーマである。近年においては、ターミナルケアや介護の問題を通じて、心理療法のなかで死に焦点が当たることがある。谷川俊太郎との対談において、河合隼雄は自分が心理療法という仕事をやっている中核には、自らの死の恐怖があることを告白している。今回から死のテーマを検討してみたい。
ところで、死の恐怖というのは当然のものなのであろうか。
…(論考より)

出版社のページ(こちらから『究』の講読が可能です)

https://www.minervashobo.co.jp/book/b474035.html

2019/09/03

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