『Journal of Analytical Psychology』第67号に、河合俊雄教授の論文が掲載されました
『Journal of Analytical Psychology』第67号に、河合俊雄教授の論文が掲載されました。
河合俊雄. (2022). The symbolic and non-symbolic aspect of image: clinical and cultural reflections. Journal of Analytical Psychology, 67 (2), 621–634.
〔構成〕
Dream work and undistorted dream in Freud
Analytical psychology and symbol
Jung and the directness of dream
Dual aspect of the non-symbolic
Pathology of the non-symbolic
Dreams in Japanese medieval times and non-symbolic directness
The non-symbolic in contemporary times
この論文では、箱庭や夢のようなイメージが象徴性を持たずに、直接的な表現となる場合を取り上げ、その病理性や時代性について論じています。河合教授は、自閉スペクトラム症(ASD)を始め、イメージが象徴性を持たないことを特徴とする複数の病理を紹介することに加えて、歴史的・文化的な視点からも、非象徴的なイメージが生じる意味を考察していきます。中世の日本では、例えば私たちの夢は他者に共有され、イメージが非象徴的に理解されていましたが、ASDが増加し、また、現実と非現実の境界が曖昧となっている現代もまた、再び直接的で非象徴的なイメージが優位になっているのではないかと教授は指摘しています。
2022/10/03