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「こころを知る、未来を考えるーダイアログBAR」第3回を開催しました

PB286943.JPG 11月28日、「こころを知る、未来を考えるーダイアログBAR in 京都大学こころの未来センター」第3回が、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。この秋、学問の世界にあらたな『つながり』とアイデアの共創をもたらすことを目的に、こころの未来研究センターがNPO法人ミラツク、株式会社ウエダ本社と共同で初開催したイベントは、今回で本年度最終回を迎えました。
 第3回は「伝統産業の新しい形」をテーマに、株式会社細尾代表取締役の細尾真生氏、株式会社和える代表取締役の矢島里佳氏、こころの未来研究センターの内田由紀子准教授、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が登壇し、リレートークをおこないました。
 はじめに、株式会社細尾の細尾氏がマイクを持ち、元禄年間(1688年)創業の歴史を持つ西陣織の老舗が産業衰退の危機を乗り越え、国際市場で活躍するに至った道のりを紹介。伝統的な技法に新たな技術を加えてマーケットを世界に広げることに成功し、ビジネスを発展させた経緯をエネルギッシュに語りました。次に、株式会社和えるの矢島氏が「学生時代、19歳のときに職人の技に惚れ込んで、みずから企業に提案して職人たちを取材し始めたことが起業のきっかけだった」と自身のビジネスの原点を振り返ると共に、伝統産業の良さを次の世代に伝えてつなげられるよう、子供のための製品開発に力を入れていること、職人同士をつなげ、彼らの特徴に合った仕事を創出する支援活動を始めていることを紹介しました。続いて内田准教授と熊谷准教授がそれぞれ、自身が研究者の道へ至った経緯を紹介。熊谷准教授は「始めは見向きもされなかったブータンの研究だが、ブータン国王の来日やGNH(国民総幸福量)が紹介されたことなどがきっかけで、その良さに光が当たり注目されるようになった。伝統産業も現代社会では軽視されがちかもしれないが、ちょっとしたアイデアで欠けている部分を補えば、その魅力が再認識され、使ってくれる人々の幸福につながると思う」と話し、「アイデアと工夫で、そのものの持つ魅力に光を当てる」取り組みの必要性と可能性に言及しました。
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 その後も内田准教授の進行のもと、細尾氏、矢島氏それぞれが取り組む「既存のビジネスの枠組みや市場の限界」を乗り越えるためにおこなってきた挑戦や、他の企業がなし得なかった工夫と努力について熱いトークが繰り広げられ、「これからの経営はお金を稼ぐためではない。『ビジョン、夢、ミッション』の3つをどれだけ持てるか。伝統産業の世界でも、やり方次第で若い人ががんばれる環境を作り出している。若者の持つやる気はすごい。そのすごさを活かしていきたい」(細尾)、「研究者もある意味、職人のような部分を持っていると思う。自身の研究を『売っていく』という意味ではスキルがないかもしれないが、職人同士や異なる業界同士が出会うための工夫やつながりのアイデアからヒントを得れば、研究者としてのフィールドを広げていけるのではないか」(内田)、「製品の良さを伝えるための手段として、研究者の力を借りていきたい。コラボレーションできる研究者を常に求めています」(矢島)、といった発言が次々に出て、場が盛り上がりました。
 後半は、参加者が持ち寄った10のトピックについて、ゲストと参加者が混ざり合って語り合う対話の時間が持たれました。提案されたトピックは「名もなき伝統産業を世に広めるには」「京都×WEB」「経験からうまく学ぶには」「心理学の伝統芸」「高校生に何を学んでほしいか」など、多彩な内容が集まりました。それぞれのトピックに対し4人ごとにテーブルに分かれ、立場や世代の異なる参加者が意見を交わし合いました。
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[DATA]
「こころを知る、未来を考える ダイアログBAR in 京都大学こころの未来センター 第3回~伝統産業の新しい形~」
▽日時:2013年11月28日(木)18:30-21:00(18:20開場)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3F大会議室
▽内容:
前半:4名のゲストによるセッション
株)細尾 代表取締役 細尾真生 氏
株)和える 代表取締役 矢島里佳 氏
こころの未来研究センター 内田由紀子准教授
こころの未来研究センター 熊谷誠慈准教授
後半:参加者主体でトピックを持ちよるダイアログ(小グループディスカッション形式)
▽主催:京都大学こころの未来研究センター
▽共催:NPO法人ミラツク、株式会社ウエダ本社
▽第3回の参加者数:45名
[開催ポスター]
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2013/11/29

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