ブータンニュース

2019年

第19回ヒマラヤ宗教研究会 国際レクチャー(The Nature and Role of Consciousness in the Tibetan Great Perfection (Dzogchen) Philosophy)を開催します

こころの未来研究センター上廣倫理財団寄付研究部門ブータン学研究室では、公開型研究会「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」を定期開催しています。今回は、「The Nature and Role of Consciousness in the Tibetan Great Perfection (Dzogchen) Philosophy」という題目にて、David Higgins博士(国際仏教学大学院・客員研究員)に、チベット密教ゾクチェン哲学における本質と意識の役割についてご講演頂きます。

(*使用言語は英語(通訳有)となります)

▽日時:2019年12月2日(月)17:00~19:00

▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室

    京都市左京区吉田下阿達町46(川端近衛南東角) http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/access/#honkan

▽参加費:無料

▽対象:どなたでも参加いただけます。

▽使用言語:英語(通訳有)

▽定員:50名

   申込みによる先着順とし、定員になり次第、締め切らせていただきます。

主催:京都大学こころの未来研究センター 上廣倫理財団寄付研究部門 ブータン学研究室

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Abstract:

This lecture will focus on the nature and role of consciousness in the philosophy of the Great Perfection (Dzogchen) tradition of the Ancient (Nyingma) school of Tibetan Buddhism. The Dzogchen philosophy of mind rests on a principal distinction between dualistic mind (sems) and primordial awareness (ye shes) which the tradition has deemed indispensable for understanding its distinctive views and practices. After considering how some of the tradition’s leading scholars characterized mind and primordial awareness in relation to Chinese and Indian Buddhist traditions during the post-Imperium Era of Fragmentation (9th–10th centuries), we will look at how it came to be regarded as a defining element of Dzogchen thought and practice. To this end, we will look at some of the key philosophical arguments that were used to justify the distinction in the classical period (12th to 14th centuries). The lecture concludes with an exploration of how the distinction was used in Dzogchen path hermeneutics to reconcile traditional gradualist and non-gradualist models of the Buddhist path and briefly considers some of its implications for contemporary studies of consciousness.

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参加ご希望の方は、E-mailにてお申込みください。

件名に「第19回ヒマラヤ宗教研究会申込み」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。

定員に達し、ご参加頂けない場合のみご連絡をさし上げます。

必要事項:①お名前(ふりがな)、②ご所属、③返信用ご連絡先(メールアドレス)

     ※返信用メールアドレスは明確にお願いします。

 

連絡先/申込先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス(平日9時~17時)

E-mail: kokoro-bh*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)

URL:http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

 

2019/10/24

2018年

熊谷誠慈特定准教授がプラハ大学(カレル大学)で招待講演を行いました

熊谷誠慈特定准教授(上廣倫理財団寄付研究部門)が、2018年11月27日に、プラハ大学(カレル大学)にて「チベット仏教の歴史および近隣ヒマラヤ地域への影響」と題した招待講演を行いました。同大学は、1348年に神聖ローマ皇帝カール4世によって創立された、中央ヨーロッパ最古の大学です。



2018/11/29

熊谷誠慈特定准教授が字幕監修を務めた映画『ゲンボとタシの夢見るブータン』が京都新聞をはじめ複数のメディアに紹介されました

 熊谷誠慈特定准教授(上廣倫理財団寄付研究部門)が字幕監修を務めた映画『ゲンボとタシの夢見るブータン』が、京都新聞(2018年8月23日付)をはじめ複数のメディアに紹介されました。(協力:京都大学ブータン友好プログラム)
 この度、京都新聞社より転載許可を頂きましたので、記事を当ページに掲載します。画像をクリックするとより大きくPDFページが開きます。
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「2018年8月23日 京都新聞掲載」

*ウェブニュースには一部有料記事がございます
朝日新聞:https://www.asahi.com/articles/ASL8R3VKNL8RPTFC005.html
毎日新聞:https://mainichi.jp/articles/20180730/dde/018/200/043000c
産経ニュース:https://www.sankei.com/entertainments/news/180817/ent1808170011-n1.html
福井新聞:http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/677183
ヤフーニュース:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180708-00000015-nataliee-movi

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▽上映スケジュール
・東京:8月18日(土)よりポレポレ東中野にて上映開始  
・大阪:8月25日(土)より第七藝術劇場にて上映開始 
・京都:9月1日(土)より出町座にて上映開始 
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2018/08/30

熊谷誠慈特定准教授が字幕監修を務めた映画『ゲンボとタシの夢見るブータン』が公開されました(京都公開記念特別講演会)

 熊谷誠慈特定准教授(上廣倫理財団寄付研究部門)が字幕監修を務めた映画『ゲンボとタシの夢見るブータン』が公開されました。協力:京都大学ブータン友好プログラム
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・東京:8月18日(土)~ ポレポレ東中野にて上映開始 https://www.mmjp.or.jp/pole2/
・大阪:8月25日(土)~ 第七藝術劇場にて上映開始 http://www.nanagei.com/movie/data/1261.html
・京都:9月 1日(土)~ 出町座にて上映開始 https://demachiza.com/movies/1817

 2018年9月1日、出町座にて、初回(12時30分~)の上映後(13時50分)、映画『ゲンボとタシの夢見るブータン』の京都公開記念特別講演会が開催され、熊谷特定准教授が「ブータンの伝統と現代」と題した特別講演を行います。
(*12時30分の上映回の鑑賞者が優先となります)https://demachiza.com/event/2064

▽日時
・映画:初回上映は2018年9月1日(水)12時30分~13時50分。9月7日までは1日2回上映。
・講演会:2018年9月1日(水)13時50分~(*映画鑑賞者限定となります)
▽場所:出町座
〒602-0823京都市上京区今出川通出町西入上ル三芳町133(出町桝形商店街内)
▽会場地図:https://demachiza.com/access
▽映画鑑賞料金:https://demachiza.com/price
▽会場TEL: 075-203-9862、FAX: 075-320-2526、E-mail: info@demachiza.com
▽会場HP:https://demachiza.com/

2018/08/21

2017年

広井教授と熊谷准教授が「幸せリーグ」実務者会議に参加し、講演および意見交換を行いました

 2017年7月19日、東京都荒川区ホテルラングウッドにて、「幸せリーグ」第12回実務者会議(平成29年度第1回実務者会議)が開催され、広井良典教授(上廣倫理財団寄付研究部門・兼任)と熊谷誠慈准教授(上廣倫理財団寄付研究部門)が参加しました。
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 会議の冒頭、幸せリーグの西川太一郎会長(東京都荒川区長・特別区長会会長)の挨拶に続き、幸せリーグ顧問として広井教授が挨拶を行いました。その後、熊谷准教授が「ブータンのGNH(国民総幸福)政策とその思想的背景」と題して基調講演を行いました。
 続けて、以下の6つのグループに分かれ、住民の幸福実感の向上に向けた全国自治体実務者によるグループ討議が行われ、広井教授と熊谷准教授が議論に加わり、全国自治体の実務者と活発な意見交換を行いました。
      1. 幸福度調査結果の政策反映
      2. 幸福度指標の活用、行政評価
      3. 人口減少・少子高齢化・雇用問題
      4. 子育て支援
      5. 町おこし・観光振興
      6. 地方創生・公共施設の総合的管理

(報告:熊谷誠慈准教授/上廣倫理財団寄付研究部門)

幸せリーグ ~住民の幸福実感向上を目指す基礎自治体連合~
http://rilac.or.jp/shiawase/

2017/07/26

熊谷教授が編著者の『ブータン:国民の幸せをめざす王国』が刊行されました

 熊谷誠慈准教授(上廣倫理財団寄付研究部門)が編著者の『ブータン:国民の幸せをめざす王国』が2017年7月、創元社より刊行されました。
 日本では2011年にブータン国王ご夫妻が来日されブータンブームが起こり、2017年には、秋篠宮眞子さまがブータンを訪問され、ニュースとなっています。
 ブータンは物質的繁栄とともに国民の幸福を追求する国として知られ、同国の国民総幸福(GNH)政策は国連も注目、日本では東京都荒川区を中心に、全国100近くの自治体が参加して「幸せリーグ」が設立されるなど、地方行政にも大きな影響を与えています。
 しかし、ブータンの国民は本当に幸福度が高いのか、仏教王国だが紛争はないのか、近代化との兼ね合いはどうなっているかなど、これまでほとんど伝えられなかったブータンの実像を様々なエピソードを交えながら紹介し、経済と幸福との関係、指導者のあり方など、日本の進路を考える上でも示唆に富む内容となっています。
 全体は以下の4部、計10章から構成され、上廣倫理財団寄付研究部門の熊谷准教授が第1章を、また、今枝由郎特任教授が第3章、4章を執筆しています。

1707kumagai_book.jpg<目次>
第1部 ブータンの歴史
  第1章 ブータンの歩みをたどる(熊谷誠慈)
  第2章 日本とブータンの交流史―京都大学を中心に(栗田靖之)
第2部 ブータンの文化
  第3章 仏教と戦争-第四代国王の場合(今枝由郎)
  第4章 ブータンの仏教と祭り-ニマルン寺のツェチュ祭(今枝由郎)
  第5章 イエズス会宣教師の見たブータン-仏教とキリスト教(ツェリン・タシ)
  第6章 ブータンの工芸品(ラムケサン・チューペル)
第3部 ブータンの社会
  第7章 輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代(西平直)
  第8章 ブータンの魅力とGNHの現在-世界はGNH社会を求めるのか(草郷孝好)
  第9章 「関係性」から読み解くGNH(国民総幸福)(上田晶子)
第4部 ブータンの自然・環境
  第10章 東ブータンの自然と農耕文化(安藤和雄)
<書籍情報>
『ブータン:国民の幸せをめざす王国』
編著:熊谷誠慈
出版社:創元社 (2017/7/13)
価格:1,800円+税
単行本:240ページ
ISBN-10: 4422360027
ISBN-13: 978-4422360027

出版社 書籍ページ (より詳しい目次が掲載されています)
Amazon.co.jp 書籍ページ

2017/07/19

2016年

熊谷准教授がベルゲン大で研究集会「Buddhism, culture and society in Bhutan」を開催しました

熊谷誠慈准教授が、2016年6月19日から25日にかけてノルウェー・ベルゲン大学で開催された第14回国際チベット学会に参加しました。6月22日には、熊谷准教授主催の研究部会「Buddhism, culture and society in Bhutan」がおこなわれ、各国の研究者らがブータンの社会、文化に関する研究発表と討論をおこないました。
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Panel7 – Buddhism, culture and society in Bhutan
Wed 22 June (Auditorium Q)
Convener: Seji Kumagai

9.00-9.15: Opening of panel.
9.15-9.45: Seiji Kumagai: A study through biographies and chronicles on Tsangpa Gyare (1161-1211), the founder of the Drukpa Kagyu School.
9.45-10.15: Felicity Shaw: The National Library and Archives of Bhutan: from literary repository to guardian of collective memory.
10.15-10.45: Brian Shaw: Becoming a modern Bhutanese: the continuing development of civil society and social media in a time of change 1972-2015.
10.45-11.15: Tea and coffee break.
11.15-11.45: Johanna Prien: Ritual paraphernalia used by pawo and neyjorma spirit mediums in rural Western Bhutan.
11.45-12.15: Per Sørensen and Hou Haoran: Transnational kinship network: history of the ruling rGya family at the Ra-lung seat between the 15th and 16th centuries.
12.15-12.45: Dagmar Schwerk: Tracing the life and intellectual agenda of a 20th century Bhutanese scholar and yogin, the Sixty-Ninth rJe mKhan-po dGe-‘dun-rin-chen (1926-1997).
12.45-13.45: LUNCH
13.45-14.15: Lungtaen Gyatso: Holistic education: redefining the purpose of education in the Royal University of Bhutan.
14.15-14.45: Tashi Tshering: The Tashigomang: portable shrines of Bhutan.
14.45-15.15: Françoise Pommaret: The Bumthang web: migrations, alliances, economy and religion.
15.15-15.45: Tea and Coffee break.
15.45-16.15: Akiko Ueda: Symbolic, monetary and nutritional values of rice: “food security” re-examined in Bhutan’s rural context.
16.15-16.45: Akinori Yasuda: Some remarks on the lTa ba klong yangs discovered by Dorje Lingpa.
http://www.iats.info/

2016/07/01

熊谷准教授が「京都大学春秋講義(平成28年度 春季講義)テーマ:宗教と平和」で講演します(4月6日開催)

1603kumagai.png 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が、2016年4月6日に京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホールで開催される「京都大学春秋講義(平成28年度 春季講義) 宗教と平和」で講演をおこないます。
 春秋講義は、京都大学における知的資源を広く学内外の人々に伝えるために、一般の方に無料開講しています。今回、熊谷准教授の講演テーマは「仏教は平和に寄与しうるか?ーブータンの事例を中心に」です。仏教学を専門とし、現地に赴きインド、チベット、ブータンの仏教を研究する熊谷教授が、今回は特にブータンの国に焦点を当て、仏教の本質と仏教国の現状、仏教がいかに平和に寄与するものか、具体的事例と共に考察します。
 参加費、事前申込は不要です。下記リンクにアクセスし、詳細をご覧ください。
京都大学春秋講義(平成28年度 春季講義) | 京都大学ウェブサイト

2016/03/18

2015年

第6回ブータン文化講座 「輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代」を開催しました

 2015年10月20日、こころの未来研究センターブータン学研究室の主催による第6回ブータン文化講座 「輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代」が、稲盛財団記念館3階大会議室で開催されました。
 ブータン学研究室では、アウトリーチ活動の一環として「ブータン文化講座」を定期開催しています。今回は、教育学研究科の西平直教授をお招きし、「輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代」をテーマにご講演いただきました。司会進行は、ブータン学研究室の熊谷誠慈准教授が務めました。

○参加者アンケートより
・教育、現代の若者という側面でブータンについて知ることができた。(学部生)
・ブータンの人たちの根源としての輪廻の話が面白かった。(社会人)
・ブータンの方々の来世を意識する生活がとても印象的だった。(大学院生)
・グローバリゼーションを西側のモノサシで測ることで他国を見ることは無理であることが分かった。(社会人)
・表面的には発展が急速に進んでいても、思想等の根底にある部分はそう簡単に変わらないのだと感じ興味深かった。(学部生)
・抽象的なGNH論ではなく、現実のブータンで若者がどのように生きているのかを知り興味をもちました。(社会人)

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[開催ポスター]
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[DATA]
第6回ブータン文化講座
「輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代」
▽ 日時:2015年10月20日(火) 17:00~19:00(16:30開場)
▽ 場所:京都大学稲盛財団記念館3階 大会議室
▽ 講演者:西平 直(京都大学大学院教育学研究科・教授)
▽ 司会進行:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター准教授)
▽ 主催:京都大学こころの未来研究センター ブータン学研究室
▽ 参加者数:98名

2015/11/13

熊谷准教授が TEDxKyotoUniversity に登壇しました【動画をご覧いただけます】

 2015年6月7日、京都大学芝蘭会館(山内ホール)にて開催されたプレゼンテーションイベント TEDxKyotoUniversity で、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)がスピーカーとして登壇しました。
 TEDxKyotoUniversity には、山極寿一京大総長をはじめ、学術、エンターテイメント、アートなど様々な分野で活躍するスピーカーが参加し、プレゼンテーションをおこないました。熊谷准教授は、「Achieving Happiness through Wisdom(智慧を通じた幸福の実現)」というテーマで英語による講演をおこない、ブータン王国の国民総幸福政策を例として取り上げ、同政策の根底に存在する仏教哲学思想を紹介し、古き伝統知の応用可能性について論じました。さらに、国民総幸福(Gross National Happiness)の次なる概念として、地球総幸福(Gross Global Happiness)の重要性を訴えました。
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同講演の動画は下記のリンク先で視聴可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=AhQFz5cYk9Q

2015/07/24

ダムチョ・ドルジ ブータン王国内務大臣ご臨席のもと、熊谷誠慈准教授の出版記念祝賀会が行われました。

【イベント名】Bhutanese Buddhism and Its Culture出版記念祝賀会
【日時】2015年2月27日(金)10:30~11:30
【場所】王立ブータン研究所(ブータン王国ティンプ市)
 熊谷誠慈特定准教授(上廣こころ学研究部門)の近著『Bhutanese Buddhism and Its Culture』 (Kathmandu: Vajra Publications, 2014)の出版記念祝賀会が、ダムチョ・ドルジ内務大臣臨席のもと、ブータン王国ティンプ市の王立ブータン研究所にて開催されました。
 熊谷准教授が同書の内容を解説し、ブータン仏教研究プロジェクト紹介およびブータン学の展望について講演を行った後に、ダムチョ・ドルジ内務大臣、カルマ・ウラ王立ブータン研究所長、Vajra Publicationのビドゥル・タンゴル社長から祝辞が述べられました。
 なお、出版記念祝賀会の模様は、同日夜9時からのBBS(ブータン国営放送)のニュースで放送され、BBSのホームページには記事が記載されています。
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  BBS(ブータン国営放送)ニュース(2015年2月27日)より
放送された映像はこちらからご覧いただけます。
▽BBS(ブータン国営放送)のウェブ版はこちら
「Book titled “Bhutanese Buddhism and Its Culture” launched」
http://www.bbs.bt/news/?p=48839

2015/03/02

熊谷准教授の編著『Bhutanese Buddhism and Its Culture』が出版されました

1412kumagai_book.jpg 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が企画・編集をおこなった『Bhutanese Buddhism and Its Culture』(ブータン仏教とその文化)が、2014年12月、Vajra Publicationsより出版されました。同書には、ダムチョ・ドルジ内務文化大臣(ブータン王国)の巻頭言を皮切りに、カルマ・ウラ所長(王立ブータン研究所)、フランソワーズ・ポマレ研究ディレクター(フランス国立科学研究所)などの著名なブータン学者の論考が載録されています。本センターからは、熊谷准教授、松下賀和研究員、安田章紀研究員が寄稿しています。
 ブータンといえば「国民総幸福(GNH)」という政策が有名ですが、この政策はおろか、ブータン文化全般の根底に、仏教の思想が存在しています。熊谷准教授は、2012年1月より、王立ブータン研究所(Centre for Bhutan Studies)と共同で「ブータン仏教研究プロジェクト」(Bhutanese Buddhism Research Project)を進めてきました。本書は、同プロジェクトの中間報告として、ブータンの仏教と文化を、宗教学、人類学、開発学、教育学など多角的な視点から考察した研究書です。

○書誌情報
書名:Bhutanese Buddhism and Its Culture
著者:Seiji Kumagai(編著)
出版社:Vajra Publications
本体価格:40 USD
ページ数:250
初版発行:2014年12月1日
ISBN-10:9937623235
ISBN-13:978-9937623230
○目次
-Foreword by Damcho DORJI (Minister, Ministery of Home & Cultural Affairs)
-Introduction Seiji KUMAGAI
[Chapter 1. Nyingma School]
– Karma URA “Longchen’s Forests of Poetry and Rivers of Composition in Bhutan: “The illuminating map – titled as forest park of flower garden – of Bumthang, the divine hidden land” composed in 1355 by Longchen Ramjam (1308-1363)”
– Akinori YASUDA “A Study of Rgyud bu chung Discovered by Pema Lingpa”
[Chapter 2. Drukpa Kagyu School]
– Gembo DORJI “The Lho-Druk Tradition of Bhutan: The Arrival and Spread of Buddhism”
– Karma URA “Monastic System of the Drukpa Kagyu (‘Brug pa bka’ brgyud) School in Bhutan”
– Thupten Gawa MATSUSHITA “Introduction to the Theory of Mahāmudrā by the Founder of Drukpa Kagyü, Tsangpa Gyaré Yeshe Dorje (1161-1211)”
[Chapter 3. Other Schools]
– Françoise POMMARET “Bon in Bhutan. What is in the name?”
– Seiji KUMAGAI “History and Current Situation of the Sa skya pa School in Bhutan”
[Chapter 4. Buddhist Culture]
– Lungtaen GYATSO “A Note on the Concept of Happiness and Prosperity”
– Akiko UEDA “Understanding the Practice of Dual Residence in the Context of Transhumance: A Case from Western Bhutan”
– Elizabeth MONSON “Alternative Voices: The Unusual Case of Drukpa Kunley (‘Brug pa kun legs)”
– Riam KUYAKANON KNAPP “Contemplations on a Bhutanese Buddhist Environmental Narrative”
– Dendup CHOPHEL and Dorji KHANDU “Byis pa’i dpa’ bo: The Dance of Youthful Heroes”

Amazon.comの商品ページ(英語サイト)
出版社の書籍紹介ページ(英語サイト)

2015/02/03

第5回ブータン文化講座 「『関係性』から読み解くGNH(国民総幸福)」を開催しました

 2014年12月4日、こころの未来研究センターブータン学研究室の主催による第5回ブータン文化講座「『関係性』から読み解くGNH(国民総幸福)」が、稲盛財団記念館3階大会議室で開催されました。
 ブータン学研究室では、アウトリーチ活動の一環として「ブータン文化講座」を定期開催しています。今回は、名古屋大学大学院国際開発研究科の上田晶子先生をお招きし、「関係性から読み解くGNH(国民総幸福)」をテーマにご講演いただきました。
○参加者アンケートより
・GNHについてブータン人の生活感覚、そして関係性の視点から通常聞くGNHの議論以上に主体的でリアリティある議論を聞くことができてよかった(大学院生)
・自分が関心を持っている分野のお話だったので、勉強になった(社会人)
・非常に具体的なレベルに落としこまれていて興味深かった(大学院生)
・GNHを「 関係性」 から考えると今までと違いブータンの幸福の見え方をより具体的に感じることができた(学部生)
・多方面からの幸福論を伺うことができ、未来の政策論を考えていく上で大変参考になった(大学院生)
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[開催ポスター]
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[DATA]
第5回ブータン文化講座
「関係性」から読み解くGNH(国民総幸福)
▽日時:2014年12月4日(木)17:00 ~ 19:00 (16:30開場)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽主催:京都大学こころの未来研究センターブータン学研究室
▽講演者:上田晶子(名古屋大学大学院国際開発研究科准教授)
司会進行:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター准教授/上廣こころ学研究部門)
▽参加者数:44名

2015/01/05

2014年

第3・4回京都大学ヒマラヤ宗教研究会の報告

【イベント名】第3・4回京都大学ヒマラヤ宗教研究会
【日時】 2014年10 月6日(月)16:30~18:00(第3回)
         11月17日(月)17:00~19:30(第4回)
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【発表者】 小西賢吾(京都大学こころの未来研究センター・研究員)
【講演題目】 「フィールドからみるボン教研究―ボン教の地域性に着目して」
【概要】
 「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」の第3・4回研究会を開催しました。本研究会は、ヒマラヤ圏の宗教・歴史・文化に関心を持つ若手研究者が最新の研究成果を共有・議論する場として、昨年度からこころの未来研究センターで立ち上がったものです。今回はこころの未来研究センター小西賢吾研究員が、ヒマラヤ圏の基層文化を考える上で不可欠な宗教「ボン教」について、最新の研究動向とフィールドワークの成果を2回にわたって紹介しました。講演の要旨は以下の通りです。
 ボン(ポン)教は、かつてチベット高原に仏教が伝来する以前から存在したといわれる宗教であり、近年ではヒマラヤ圏の基層文化を理解する上で不可欠な要素として国際的に注目を集めている。古代チベット王国の衰亡後、11世紀から仏教の「後伝期」のはじまりと並行して、ボン教もまた教義の整備を進め、現代に受け継がれる「ユンドゥン・ボン」の体系が成立した。その教義は、氏族による継承と、中央チベットのメンリ僧院を代表格とする僧侶共同体による継承の二つの側面をもっている。そのため、均一な教義・テクストにとどまらず、各地域に根ざした世界観もまた継承されてきた。
 発表者は、チベット高原東端部のシャルコク地方(中国四川省アバ州松潘県)でのフィールドワークを通じて、固有の地域性と、地域を越えたグローバルなネットワーク双方に支えられてボン教の実践が存続する動態を研究してきた。近年中国の急速な経済発展を背景に、現金収入が増加した人びとは多くの財を宗教活動に投じることが可能になった。それが端的に表れたチョルテン(仏塔、供養塔)建設の事例では、土地神を軸とするローカルな宗教空間と、よりユニバーサルな教義が複合しながら、「村を守る」宗教シンボルが確立したことを論じた。またシャルコクは20世紀以降地域を越えて展開するボン教徒ネットワークの重要な結節点でもあり、ボン教徒が現代の社会変容の中で自らの独自性と生き残りを模索する場となっていることを論じた。そしてボン教の現状をとらえるためには、欧米、中国、日本などを含めた研究者の連携が不可欠であることにも言及した。
 研究会には各分野の研究者が参加して活発な意見交換が行われ、ヒマラヤ宗教の現代的展開とその意義を多角的に議論する場となりました。
                       (小西賢吾 こころの未来研究センター研究員)

2014/11/20

【京大学部生・院生むけ】京都大学付属図書館のレクチャーシリーズ第4回(11月27日)で熊谷准教授が講演します

 2014年11月27日に京都大学付属図書館1階ラーニング・コモンズで開催されるレクチャーシリーズ第4回 で熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が講師を務めます。
 テーマは「チベット・ブータンの宗教文化研究の紹介 〜文献研究およびフィールド研究の両側面から〜」です。仏教がインドから他国へとどのように伝播し、受容され展開していったかを、熊谷准教授がおこなってきた文献学やフィールド研究などに基づきながら解説します。
 セミナーの対象は、京都大学の学部学生、大学院生です(無料・自由参加)。該当者で興味のある方は、下記ページに詳細が載っていますので、ご覧ください。
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京都大学付属図書館レクチャーシリーズ<第4回>熊谷誠慈准教授(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門)

2014/11/14

京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズの講演録が公開されました

1409kyodainochi.png こころの未来研究センターでは、研究拠点のある京都以外の様々な場所に研究者が赴き、研究成果を発信しています。
 2014年5月から6月にかけて、京都大学東京オフィスで4回に渡っておこなわれた連続講演会「東京で学ぶ 京大の知 シリーズ15『こころの未来-私たちのこころは何を求めているのか』」には、吉川左紀子センター長、河合俊雄教授、内田由紀子准教授、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)らが参加し、それぞれの研究分野での知見や成果を紹介し、ディスカッションをおこないました。
 この度、各講演会の詳しいレポートが京都大学のウェブサイトに公開されました。満員盛況となったレクチャーの様子をぜひご覧ください。
 以下、それぞれの概要とレポートへのリンクです。
○「日本文化における主体性とは何か -日本人の意識、感情、関係性からの考察」(2014年5月28日 )
講演者:内田由紀子准教授、ディスカッサント:吉川左紀子センター長
写真と詳しいレポート(PDF)
○「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から こころの未来研究センター」(2014年6月4日)
講演者: 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、ディスカッサント:河合俊雄教授
写真と詳しいレポート(PDF)
○「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福とその根底に横たわる精神性」(2014年6月11日)
講演者:熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)、ディスカッサント:吉川左紀子センター長
写真と詳しいレポート(PDF)
○「主体性は超えられるのか? -心理療法における揺らぎと超越」(2014年6月25日)
講演者:河合俊雄教授 、ディスカッサント:内田由紀子准教授
写真と詳しいレポート(PDF)

2014/09/04

熊谷准教授のインタビューが京都新聞「探求人」に掲載されました

 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)のインタビューが、8月23日付京都新聞朝刊の教育面「探求人」に掲載されました。インタビューでは、研究室での様子を写したカラー写真と共に、熊谷准教授が研究人生へと踏み出したいきさつからブータン仏教と出逢ったきっかけ、現在、ブータン学研究室で取り組んでいる古文書の解読や現地に溶け込んでの活動など、独創性に満ちた研究生活がいきいきと語られています。

1408kumagai_kyotonp.png「探求人 『幸せの国』の仏教思想に迫る よりよい社会へのヒント ブータンと精神文化交流を」京都大こころの未来研究センター准教授 熊谷誠慈さん(34)仏教学
 「GNHが生まれたルーツを探ることで、現代社会に応用できる知恵を見つけられないだろうか」。そんな思いから、12年に「ブータン学研究室」を京都大こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門に設け、国内やブータンの研究者とともにブータン仏教の研究を始めた。
 対象とするのは他の研究者が手をつけていない領域だ。現地で探し出した古文書を日本に持ち帰って解読を進める一方、寺院や遺跡を訪ね、僧侶や土地の長老からその歴史を聞き取った。これまでの研究で、ブータン仏教の二大宗派であるドゥク派とニンマ派、少数宗派のサキャ派の思想や成り立ちの全体像がつかめてきた。
(記事より)

□関連情報
こころの未来研究センター ブータン学研究室のページはこちら

2014/09/01

京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画「第13回こころの広場」を開催しました

1408kokoronohiroba_1.png 8月6日、京都府と京都大学こころの未来研究センターの共同企画による「第13回こころの広場 悩みと不安のイマ、むかし ~心理学と宗教学から考える~」が稲盛財団記念館3階大会議室でおこなわれました。
 「こころの広場」は、毎年、「こころ」について多彩なテーマで一般の皆さんと考えるシンポジウムです。今年も大会議室を埋め尽くす満員のご参加をいただき開催しました。今回は、臨床心理学者と仏教学者がそれぞれの専門分野から、「悩みや不安」のむかしといまにスポットをあて、現代の私たちがどんな悩みと向き合っているかについて考える、ユニークなイベントとなりました。
 冒頭、司会進行を務めた河合俊雄教授が、シンポジウムの主旨とこころの未来研究センターの取り組みについて紹介しました。「センターは、幅広い視点からこころを研究しています。私は臨床心理学が専門ですが、現代の人々の『悩み』のタイプが変わってきたように思います。この『悩み』や『不安』の変化について、文献に基づいた研究を進める熊谷准教授と、実践に基づいた研究を進める畑中助教、それぞれの知見から広く長い視点で見つめていきます」と話しました。
 はじめの講演者として熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)は、「悩みと不安のむかし 古き仏教は悩みや苦しみとどう向き合ってきたか」というタイトルにて発表をおこないました。「私は仏教学、宗教学を専門としているので、過去と現在、あるいは世界と日本を比べながら、仏教が悩みや不安とどう向き合ってきたかを考えてみたい」と話し、講演を「0.イントロダクション」「1.原始仏教の説く『苦』」「2.部派仏教や大乗仏教の説く『苦』」「3.仏教の死生観」「4. 悩みと不安のイマ」に分け、仏教の大きな流れ、苦悩への対応、死生観、時代や宗派、地域差について紹介しました。
 熊谷准教授は、原始から教典で説かれているブッダの教えの目標は、心の生み出す「苦」をいかにしてのりこえるか、ということであり、仏教の根源的なテーマが苦悩から開放され乗り越えることだと、紹介しました。その「苦」にも様々な原因とタイプがあり、怒りや恨み、妬みや物惜しみなど、苦悩に関わる心の作用が部派仏教や大乗仏教で事細かに分類され、仏教における「苦」がいかに大きなテーマであるかを詳細に解説しました。また、死の恐怖について仏教は民衆の苦悩といかに向き合ってきたか、それぞれの時代と地域における死生観を紹介しました。最後に現在、世界各地で仏教がどのように広がっているのか、インド、ブータン、チベット、アメリカ、日本それぞれの仏教の特徴を紹介。日本では古くからの仏教が衰退する一方で、娯楽、観光の対象として文化的側面で注目されているものの、仏教の本質が再評価されているにはまだ到っていない、現代人の苦悩や悩みに対応する仏教としてはまだ課題なかばである、と現状を話しました。締めくくりとして、熊谷准教授は、「今日は仏教にかぎって話したが、仏教に限らず様々な古き知恵や伝統をたずねることで、現代の苦悩をのりこえ幸福の可能性を見いだすことができるのではないか」と提言しました。
 続いて、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が「悩みと不安のイマ:現代の悩みのかたちを考える」というテーマで講演をおこないました。「私のほうでは現代人のこころの変化についてお話ししたい。悩みや不安の形から今のこころはどうなっているのか、私自身の10年の臨床心理士の経験からみつめてきた変化を追いながらご紹介したい」と前置きをし、「1.心理療法の前提:こころの『中』への窓口」「2.イマの悩みのかたち:『深さ』の消滅?」「3.くさいものにもふたいらず?:社会・文化的側面」「4.心理テストに現れた変化:プロジェクト研究より」「5.イマのこころのかたち:『関係』に溶け出す<私>」という分け方で、数多くの事例と共に解説しました。
 畑中助教ははじめに、河合隼雄名誉教授の著書『カウンセリングを語る』(講談社+α文庫)や『新版・心理療法論考』(創元社)などを引用し、「心理療法は、その人の悩みのさらに中をみつめる作業。悩んでいる人は、悩みを話すことで自分のこころを見つめ直すことができる」と、心理療法が果たす役割と意義について説明。最近のクライエントの特徴として「簡単にカウンセリングにやってくる」「自分の心のなかで葛藤しない」など、悩み方の変化を紹介。「学期のはじめには授業登録の仕方が分からない、という悩みが心理相談室に寄せられる」というエピソードでは会場に笑いとどよめきが起こりました。また、過去に共同で取り組んだ「トイレ研究」の事例を紹介し、汚さを感じさせず他の空間と区別がなくなってきたトイレが現代人のこころのありようと共通している、と指摘。ロールシャッハ・テストに見る心理テストでは、何が見えているかをはっきりと答えない反応をする人が増え、主体性のなさが浮き彫りとなっていること、SNSやラインに見られるインターネットのサービスでタイムラインの中にそれぞれのつぶやきがまぎれ、中身よりもつながりを重視する傾向、「自分というものが関係に溶け出している」ことを指摘し、「悩みも不安も自分の内部に宿るものではない。だから葛藤もしない。それがイマの悩みや不安の形なのではないか」とこころの変化について考察しました。
 講演のあと、河合教授の進行にて討論の場がもたれました。来場者からの質問やコメントに応えながら、三人によるディスカッションがおこなわれました。河合教授は、「熊谷さんの話を聴き、仏教は心理学であり、分析的な心理療法に通じると思った」と話し、「近代の意識は関係性が重視されるなか、その関係というものがどんどん狭まっている。仏教の関係性はおのれと宇宙にまで及ぶが、現代人の関係性はどんどん閉じた方向へと進んでいる」と指摘しました。熊谷准教授は、「『我がない』という意味では現代の若者が持っている悩みはある種、仏教的だと思ったが、仏教はもともとある我を徹底的に否定する。しかし、現代人には最初から我がない、というのは不思議。似て非なりという感覚だ」と感想を述べました。同じような指摘は参加者から寄せられたコメントにもあり、自我、主体性、関係性をめぐる興味深い考察がなされました。畑中助教は、「人の苦しみに入っていき、それを超えるための教えを説く仏教は、心理療法そのものだと思った。今回、思いがけず仏教と心理療法のつながりを実感した」と話し、河合教授は「今回で得たことをヒントに研究を進めて、共同プロジェクトへとつなげていければ」と今後への展望を話し、シンポジウムを締めくくりました。
 参加者へのアンケートからは「古き仏教の話と現代人のこころの話、それぞれを対比できて良かった」、「熊谷先生の話で仏教の全般が分かり、勉強になった。畑中先生の話からは日頃感じている『今の若者像』がやはり現実なんだなと感じられ、納得しつつも不安になった」、「若い研究者二人の発表は新鮮で興味深く、元気になれた。こころに関する取り組みが知れてよかった」「河合教授の話から二人の発表者の人柄や意図がよく分かった」といった感想が数多く寄せられました。今後も、こころの未来研究センターでは、研究現場からの知見や研究者の声を多くの方々にお届けし、こころについて共に考える場を持ち続けて参ります。
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<開催ポスター>
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<DATA>
▽日時:2014年8月6日(水)15:00~18:00 (受付開始 14:30~)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム
15:00~15:10 はじめに 河合俊雄(こころの未来研究センター・教授/臨床心理学)
15:10~16:00 講演1 熊谷誠慈(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門・特定准教授/仏教学・チベット学)『悩みと不安のむかし:古き仏教は悩みや苦しみとどう向き合ってきたか』
16:00~16:50 講演2 畑中千紘 (こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門・特定助教/臨床心理学)『悩みと不安のイマ:現代の悩みのかたちを考える』※講演順序が当日変更となりました
16:50~17:10 休憩
17:10~18:00 ディスカッション+質疑応答
総合司会:河合俊雄
主催:京都府/京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:131名

2014/08/19

第10回ブータン研究会の報告

【イベント名】第10回京都大学ブータン研究会
【日時】 2014年7月17日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 西澤和子氏(京都大学霊長類研究所・研究員)
【講演題目】「ブータンの新生児に寄り添って:- 3年間の活動報告と今後の展望 -」
【発表概要】
 ブータンの抱える問題の1つとして慢性的な医師不足が挙げられます。特に新生児医療を担う小児科医は、ブータン国内に計7名しかおらず、毎年何千人と生まれてくるブータンの子供たちを僅か7名の医師で診察・治療しなければならないという困難な状況が存在するようです。
 今回は、現地で3年間、小児科医として医療・研究活動に従事してこられた西澤和子氏をお招きし、ブータンの新生児医療の現状と今後の課題について、自らのご体験やご研究にもとづいてお話し頂きました。
 ブータンを含む途上国が先進国に比べて平均寿命が低いことの主原因の1つとして、幼児の死亡率が高いことが挙げられます。ブータンにおける小児死亡率は下がりつつあるそうですが、依然として1カ月未満の死亡率は高いとのことです。その原因としては、高度な医療設備を持つ病院や小児科医の数が不足していることや、道路の未整備により救急搬送が困難な地域が多数存在するなど、様々な要因があるようです。
 また、これまでのブータンの医療においては臨床のみに力が注がれていたそうですが、西澤氏は、今後の医療の質改善を加速させるために、研究・教育・臨床の3つのバランスの重要性を説いておられます。さらに、病院や医師の数を劇的に増やすことは困難なため、限られた施設、人材、物資を効率よく活用する医療体制を構築していく必要があります。現在、西澤氏はティンプの王立病院を中心として、保健省と共同で、研究・教育・臨床を強化するための政策・システムづくりを行っておられるとのこと。今後のさらなるご活躍が期待されます。
 京都大学では、2010年に開始された京都大学ブータン友好プログラムに加え、2013年には京都大学付属病院、ブータン医科大学、ブータン政府保健省が三者覚書を締結し、京都大学側から医師や看護師が定期派遣されています。今回の研究会には、ブータン滞在をされた京大病院のスタッフも複数参加し、現地で経験した臨床や教育などについて様々な議論が交わされました。また、人類学や開発学、宗教学などの研究者からは、ブータンの文化や社会、死生観などと医療との関わりについて多数の質問や議論が行われました。
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2014/07/28

Mapping the Mindの動画公開のお知らせ

 2014年4月11日、12日に京都ホテルオークラにて、ダライ・ラマ法王ご臨席のもと、米国Mind & Life Instituteとの共催にて国際会議Mapping the Mindを開催したことをご報告しましたが、このたび会議の動画をウェブ上で公開する運びとなりました。
 当日は「こころ(mind)」をテーマとして、科学と宗教の垣根をこえて、自由闊達な対話が行われました。対話の内容とともに、会場の和やかな中にも熱気あふれる雰囲気も感じていただければと存じます。関係者一同、動画の公開にあたってご協力くださったみなさまに深謝申し上げます。
 動画は4つのセッションに分かれていますので、以下からご覧下さい。
(講演タイトルは以下のリストをご参照ください。なお、英語での会議となります点ご了承下さい。)
セッション1

セッション2

セッション3

セッション4

セッション1
ダライ・ラマ法王による基調講演
今枝由郎(元フランス国立科学研究センター 研究ディレクター) 
“Buddhism through History and Culture” (「歴史と文化を通した仏教」)  
トゥプテン・ジンパ(マギル大学兼任教授) 
“Buddhist Abhidharma as a Source for Mapping the Mind”
(「こころの再定義の源としての仏教アビダルマ思想」)
リチャード・デヴィッドソン(ウィスコンシン大学教授) 
“Change Your Brain by Transforming Your Mind: Neuroscientific Studies of Meditation”
(「こころを変えて脳を変える:瞑想の脳科学的研究」)
  モデレーター:アーサー・ザイエンス(Mind & Life Institute代表)
セッション2
ジェイ・ガーフィールド(イェールNUS教授)
“Cognitive Illusions: A Yogācāra Perspective” (「認識の錯覚:仏教瑜伽行学派の観点から」)
アーサー・ザイエンス(アマースト大学名誉教授/Mind & Life Institute代表)
“The Role of Mind in Quantum Physics” (「量子物理学におけるこころの役割」) 
森重文(京都大学数理解析研究所教授)
“Mathematics in Comparison with Art: Looking for Applications, Truth or Beauty?”
(「芸術との比較における数学:求めるものは応用か、真理か、それとも美か?」)
モデレーター:入来篤史(理化学研究所 シニア・チームリーダー)
セッション3
北山忍(ミシガン大学教授/京都大学こころの未来研究センター特任教授)
“Cultural Neuroscience: Connecting Culture, Brain, and Genes”
(「文化神経脳科学:文化・脳・遺伝子をつなぐ」)
ジョアン・ハリファックス(ウパーヤ禅センター長・創立者/老師)
“A Process-based Map of Compassion and its Implications on Compassion Training”
(「プロセスベースによる慈悲の位置づけと、慈悲の修練におけるその影響」)
下條信輔(カリフォルニア工科大学教授/京都大学こころの未来研究センター特任教授)
“Implicit Mind, Sympathy, and Shared Reality”
(「潜在的なこころ、共感、そしてリアリティの共有」)
モデレーター:入来篤史(理化学研究所 シニア・チームリーダー)
セッション4
バリー・カーズィン(ヒューマンバリュー総合研究所所長)
“Emotional Plasticity: A Healthy Society”
(「情動の可塑性:健全な社会の構築に向けて」)
松見淳子(関西学院大学文学研究科長/教授)
“Mapping the Mind of Children and Creating a Positive School Environment: Evidence-Based Practice in Psychology”
(「子どものこころを探り、ポジティブな学校環境を創る:心理学におけるエビデンスベースの実践」)
長尾真(京都大学元総長)
“How Close Can Computers Get to Human Beings?”
(「コンピュータはどこまで人間に近づけるか」)
モデレーター:ジョアン・ハリファックス(ウパーヤ禅センター長・創立者/老師)
総合司会:
 熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門特定准教授)
 マルク=ヘンリ・デロッシュ(京都大学白眉センター・特定助教) 

2014/06/27

京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズで熊谷准教授が講演しました

 京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」が、全4回に渡って港区の京都大学東京オフィスでおこなわれています。第3回目は、2014年6月11日、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部)が「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福政策とその根底に横たわる精神性」という演題で講演しました。当日は、吉川左紀子センター長が司会進行とディスカッサントを務め、講演についての説明やセンターの活動等を紹介するとともに、講演後に熊谷准教授とディスカッションを行いました。
 なお、第4回目は6月25日、河合俊雄教授による講演がおこなわれます(申し込み受付終了)。後日、ホームページにてご報告します。
 京大のウェブサイトでもレポートが掲載されました。
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか- 第3回を開催しました。(2014年6月11日) – 京都大学
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[開催ポスター]
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[DATA]
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」
第3回「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福政策とその根底に横たわる精神性」
▽日時:2014年6月11日(水) 18時30分~20時00分
▽場所:京都大学東京オフィス(港区)
▽講師:熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
▽内容:「 近年、ブータンの「国民総幸福」(GNH)は大きな注目を集めていますが、そもそもブータンの人々はどのような精神性を持ち、いかなる幸福を求めているのでしょうか。宗教学の視点から考えていきたいと思います。」
▽参加者数:103名

2014/06/23

第2回京都大学ヒマラヤ宗教研究会の報告

【イベント名】第2回京都大学ヒマラヤ宗教研究会
【日時】 2014年6 月2日(月)16:30~18:00
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【発表者】 安田章紀(京都大学こころの未来研究センター・研究員)
【講演題目】 「ゾクチェン概論」
【概要】
 「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」の第2回研究会を開催しました。本研究会は、ヒマラヤ圏の宗教・歴史・文化に関心を持つ若手研究者が最新の研究成果を共有・議論する場として、昨年度からこころの未来研究センターで立ち上がったものです。今回はこころの未来研究センター安田章紀研究員が、ヒマラヤ圏で継承された宗教思想体系として知られる「ゾクチェン」について解説し、最新の知見を紹介しました。講演の要旨は以下の通りです。
 「ゾクチェン」は、チベット仏教ニンマ派の教義として有名であるが、その内実はあまり知られていない。ゾクチェンと一言にいっても、ほとんど一千年にも及ぶ長い歴史があり、それに携わった思想家・実践家も膨大な数に上る。例えば、ニンマ派の代表的学僧である14世紀のロンチェンパ1人をとっても、彼のゾクチェンの中には、「心部」の徹底した抽象的一元論と、「教誡部」の、哲学、儀式、身体技法が混然一体となった複雑な体系とが、共存している。しばしば発せられる「ゾクチェンとは何か」という問いに答えるには、歴史的にも思想的にも、未解明な部分があまりに大きいと言わざるを得ないのが現状である。したがって、これからの展望としては、残された膨大なゾクチェン文献の1つ1つに即し、どんな種類のゾクチェンが存在したかを逐一記録し、分析していく作業が求められる。
 研究会には仏教学、宗教学、歴史学、文化人類学等の研究者が参加して活発な意見交換が行われ、分野を越えた議論を通じてヒマラヤの宗教思想を理解する意義を共有する場となりました。
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(小西賢吾 こころの未来研究センター研究員)

2014/06/10

第9回ブータン研究会の報告

【イベント名】第9回京都大学ブータン研究会
【日時】 2014年5月15日(木)16:30~18:00
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 藤澤道子(京都大学東南アジア研究所・研究員)
【講演題目】「サムテガンBasic Health Unit (BHU)からの報告」
【発表概要】
ブータンの代名詞とも言えるGNH(国民総幸福)には、4つの柱とともに9つの領域が存在しますが、「健康」(Health)はGNHの9領域の1つとして、ブータンの国政における重要なテーマの1つとなっています。今回は、藤澤道子先生に、ブータンの医療事情についてお話頂きました。
 藤澤先生は、西ブータンのワンデュポダン県、ニショ郡、サムテガンのBasic Health Unit(BHU)を拠点として、同BHUの現地スタッフと共同で、高齢者の日常生活の自立維持を目指すべく、サムテガン地域の高齢者の疾患および身体機能の調査を進めてこられました。これまでの調査により、同地域では高血圧や貧血の患者が多いことが分かり、また糖尿病が増加傾向にあるとの疑いも起こってきたそうです。
 今後は、BHUでの検診をさらに進めていかれるとともに、現地スタッフと共同で、調査結果の分析を進めるとともに、地域での高齢者支援システムの構築を進めていかれるとのことで、今後のご研究ならびに現地への成果還元がさらに期待されます。
 質疑応答中には、現地の伝統的な食文化と疾患との関係性や、都市化と肥満・糖尿病などとの関係性について、さらには栄養学的視点からの質問や議論が行われました。
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藤澤道子先生(京都大学東南アジア研究所)
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研究会終了後の集合写真

2014/06/02

熊谷准教授の共編著「Current Issues and Progress in Tibetan Studies」が出版されました

ISYT proceedings.jpg 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)の共編著「Current Issues and Progress in Tibetan Studies」が、神戸市外国語大学から出版されました。
 本書は、熊谷准教授らが2012年9月に神戸市外国語大学にて開催した、Third International Seminar of Young Tibetologists(第3回国際若手チベット学会)の発表者の中から選ばれた30名の若手研究者たちの論稿を集めた論文集です。本書には、宗教学、哲学、言語学、人類学、社会学など、多岐にわたる分野の若手研究者が、チベットをテーマとした論文を提出しており、チベット学という学術分野の持つ学際性を際立たせています。
 書誌情報は以下のとおりです。

Tsuguhito Takeuchi, Kazushi Iwao, Ai Nishida, Seiji Kumagai and Meishi Yamamoto (eds.): Current Issues and Progress in Tibetan Studies: Proceedings of the Third International Seminar of Young Tibetologists, Kobe 2012 (Journal of Research Institute, vol. 51), Kobe: Kobe City University of Foreign Studies. 2014.

2014/04/17

第4回ブータン文化講座を開催しました

 第4回ブータン文化講座が2月24日、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。今回は関西大学社会学部教授の草郷孝好先生をお迎えし、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)の司会進行で「ブータンの魅力とGNHの現在 ~世界はGNH社会を求めるのか~」というテーマで講演いただきました。
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 今や「GNH」(国民総幸福)という言葉は、ブータンという国の代名詞となっている感があります。第4回ブータン文化講座では、開発学がご専門の草郷孝好先生に、GNHについて、「ブータンの魅力」、「ブータンのGNH」、「GNHに対する世界の目」、「GNHと日本の取り組み」という4つの観点からお話をいただきました。
 ブータンは1960年代からようやく開国を始めた小国として、いわば「最後尾からの近代化」という困難な事業に取り組まねばなりませんでした。その際、先進国の近代化をただ真似るのではなく、自ら「望ましい社会のあり方」を決め、その方向に沿って、適切な近代化の方策を自己決定する、その羅針盤として、GNHを掲げるに至ったのです。GNHは「公正な社会経済の発展」、「文化保存」、「よい政治」、「環境の保全」という4本柱からなっていますが、これらが現代の国際社会が目指す方向と合致していることは、GNHをテーマとする国際会議の開催や、国際幸福デーの制定からはっきりと知ることができます。また我が国とGNHとの関わりとしては、「量」から「質」への大胆なモデルチェンジが必要な時代が到来していること、それを受けて、兵庫県に代表される幾つかの自治体が「良質な」社会発展を目指し、長期的な見通しに立って、実際に政策の形成と導入を進めつつあることが指摘されます。
 講演では、豊富な統計データに加え、ブータンの人々との交流など先生ご自身の体験や取り組みも交えて、分かりやすくお話しいただきました。会場からは、GNHが指標として独り歩きしてはいないのか、ブータンの実社会ではGNHがどのように認知されているのか、といった踏み込んだ質問が多数なされました。
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<報告:安田章紀研究員(上廣こころ学研究部門)>
[開催ポスター]
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[DATA]
第4回ブータン文化講座「ブータンの魅力とGNHの現在 ~世界はGNH社会を求めるのか~」
▽日時:2014年2月24日(月)17:00 ~ 19:00 (16:30開場)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講演者:草郷孝好(関西大学社会学部・教授)
司会進行:熊谷誠慈(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門准教授)
▽参加者数:101名

2014/03/06

2013年

第8回京都大学ブータン研究会の報告

【イベント名】第8回京都大学ブータン研究会
【日時】 2013年12月5日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 永澤哲氏(京都文教大学 総合社会学部 准教授)
【講演題目】「浄土のために踊ること―第二次ドゥアル戦争とドチュラ祭―」
【概要】
 ブータンといえばGNH(国民総幸福)が思い起こされますが、この理念の背景にはブータンの伝統的な思想、とりわけ仏教思想が存在しています。ブータンという国の理解にはブータンの仏教を理解しておく必要があります。今回は、チベット密教の専門家(仏教学・文化人類学)である永澤哲氏に、2003年の第二次ドゥアル戦争とドチュラ祭との関係についてお話を頂きました。
 ブータンは1990年代後半より、ブータン南部に立て籠もっていたアッサム分離・独立派ゲリラに対し、再三の退去要求をしていましたが要求は受け入れられませんでした。2003年にはインド側からゲリラ掃討に関する最後通牒を受けたことで、アッサムゲリラの国外一掃軍事作戦を行いました。しかし、非暴力・不殺生を掲げる仏教的倫理観と、この軍事行動との狭間で、ブータンは大きなジレンマを抱えるに至りました。戦争後、勝利パレードなどは一切行われず、ドチュラ峠には、ゲリラ側およびブータン側の戦没者慰霊のため仏塔が建立され、ドチュラ祭が行われるようになりました。
 本ご発表では、戦争に至る経緯やその後の展開について時系列にご解説頂いたのち、ドチュラ祭で行われている踊りについても詳細に解説をして頂きました。会場からは、ブータンにおける仏教の位置づけや、経典や踊りの浸透具合や理解度などについて多岐にわたる質問がなされました。
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2013/12/25

第1回精神と科学との対話研究会の報告

【イベント名】第1回精神と科学との対話研究会
【日時】 2013年9月19日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【テーマ】研究者と宗教者が語る宇宙・生命・宗教
【発表者】
・磯部洋明(京都大学学際融合教育研究推進センター・准教授)
・齊藤博英(京都大学白眉センター、iPS細胞研究所・准教授)
・熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター・准教授)
コメンテーター 松山大耕氏(臨済宗妙心寺塔頭 退蔵院 副住職)
【発表概要】
 宗教は、しばしば非科学的、時として非現実的などとも言われることがあります。では、高度な科学的知識を持ち、進んだ社会に生きるわたしたちが、それでもなお神社やお寺に参ったり、あるいは神・仏の前で婚姻の誓いを交わしたりするのはなぜでしょうか。こうした現象の背後に存在する感情は、論理的に説明することが難しいように思われます。だからこそ、宗教に対して胡散臭さを感じながらも拒絶しきれず、一定のジレンマを抱える人が少なからずいるのでしょう。
 しかしながら、宗教は果たして本当に非科学的なのでしょうか?近代科学とは対話できないのでしょうか?このような疑問がきっかけとなって、「精神と科学との対話研究会」を始めることになりました。本研究会は、異分野の研究者および実務家が集い、宗教と科学の間の共通点と相違点を吟味し、それぞれの役割および価値について認識しなおすことを目的としています。
 第1回の研究会は、「お寺で宇宙学」との共同企画として、同企画者で宇宙物理学者の磯部洋明氏、分子生物学者の齊藤博英氏、宗教学者の熊谷誠慈が、互いの研究分野の紹介を交えながら、「宇宙・生命・宗教」について議論を行いました。また、妙心寺塔頭退蔵院の松山大耕副住職が、宗教家としての立場から各発表へのコメントを行い、その後、「宇宙空間における宗教はどのようなものになるのか?」、「宗教を科学的に検証する必要はあるのか?」など、様々なテーマについて、参加者全員で討議を行いました。
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左から磯部准教授、松山副住職、齊藤准教授
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研究会の風景

2013/10/22

第1回京都大学ヒマラヤ宗教研究会の報告

【イベント名】第1回京都大学ヒマラヤ宗教研究会
【日時】 2013年9月13日(金)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【司会者】 熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター・准教授)
【概要】
 ヒマラヤ地域には、チベット仏教やヒンドゥー教、ボン教、さらには地域ごとの土着信仰など様々な宗教形態が存在していますが、その文化的影響はインドから中国、遠くモンゴルにまで及びます。しかしながら、通常、研究は地域ごと、分野ごとに棲み分けて行われるため、同じヒマラヤ地域の宗教文化を対象とする研究者でありながら、相互の情報交換・共有は難しいのが現状です。
 そこで、このたび、こころの未来研究センターは、ヒマラヤ地域の宗教およびその文化圏に関する研究に取り組む若手研究者を中心に互いの研究情報を交換し、若手間の交流を活性化することによって、ヒマラヤ圏の宗教文化研究全体の底上げを目指し、「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」を立ち上げました。
 第1回は、国内の若手研究者が集まって当研究会の方針を確定するとともに、今後のヒマラヤ宗教研究のありかたについて議論を行いました。今後、定期的に研究会を開催するとともに、メーリングリストやSNSなどを用い、参加者各自の研究の進捗について適宜情報交換を行っていく予定です。
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2013/10/22

2013年度前半期のブータン研究会・ワークショップの報告

2013年度前期には、計3回のブータン研究会・ワークショップを開催いたしました。
以下、各研究会、ワークショップの概要をご報告いたします。
【イベント名】第5回京都大学ブータン研究会
【日時】 2013年4月25日(火)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 上田晶子(大阪大学グローバルコーポレーションセンター・准教授)
【講演題目】「ブータンの農村におけるフードセキュリティ」
コメンテーター 熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター・准教授)
【発表概要】
近年、ブータンでは、首都ティンプへの人口集中とともに、各地で都市化が進行しています。その一方で、農村地域では過疎化に歯止めがかかりません。今回は上田晶子氏に、ブータンの農村におけるフードセキュリティの問題についてお話頂きました。
ブータンでは近代化が進むにつれ、道路交通網が変化し、労働形態が変容を遂げて来ています。また、都市化による首都ティンプへの人口集中の反面、過疎化によって農村地域がいかに変貌しつつあるかなどを事細かに解説して頂きました。さらに、食糧としての作物生産のみならず、換金作物による収入や、農業以外の収入源の実際などについても、これまでの歴史と現状の両面から、詳しく説明して頂きました。
 質疑応答では、コメンテーターの熊谷誠慈氏が、仏教学の視点から、ブータンの農村文化に垣間見える仏教的理念についてコメントを行いました。また他の参加者からも、中国との交易の歴史と現況、香辛料や食品の種類、都市部と農村部との関係などについて、多くの質問や意見が寄せられ、活発な議論が取り交わされました。
【イベント名】第6回京都大学ブータン研究会
【日時】 2013年7月4日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 福島慎太郎氏(こころの未来研究センター・研究員)
【講演題目】「ブータンのGNH政策と幸福の多層性」
コメンテーター 内田由紀子氏(京都大学こころの未来研究センター・准教授)
【発表概要】
 GNH(国民総幸福)は、ブータン王国の代名詞ともいえる理念であり、国策の大きな基盤となっています。この理念を理解しなければ、ブータンという国の現在を理解することは難しいと言えます。
今回は、地域社会学、社会心理学の専門家である福島慎太郎氏に、地域社会学的視点から、ブータンのGNH政策の現状と今後の展望についてお話頂きました。
福島氏は、西ブータンのハ県の幸福度が他地域よりも高いことに注目し、その理由の1つとして農村コミュニティが機能していることを挙げました。日本でも都市部より農村部が高い幸福度を維持していることから、この現象は、地域差を超えた普遍的なものではないかという見解が、実例を交えながら解説され、幸福実現のためにコミュニティ(人のつながり)がいかに重要であるかが明確に示されました。
質疑応答では、コメンテーターの内田由紀子氏が、経済的な豊かさとこころの豊かさ、都市部と地方、地域と個人などのバランスをとりながら、いかに幸福度を高めていくべきかについて、さらに議論を掘り下げ、参加者全員で討議を行いました。

【イベント名】ブータンワークショップ(第7回京都大学ブータン研究会)
【日時】 2013年9月11日(水)13:00~14:30
【場所】 京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
【発表者】 高橋孝郎氏(国際金融公社:元ブータン首相フェロー)
【講演題目】「ブータンのGNH(国民総幸福)政策の詳細と現状」
コメンテーター 内田由紀子氏(京都大学こころの未来研究センター・准教授)
【発表概要】
 ブータンはGNH(国民総幸福)を単なるスローガンに留めず、具体的な政策に反映させるために幾つもの施策を講じており、今や国内外から大きく注目されています。
本ワークショップでは、元ブータン首相フェローの高橋孝郎氏にお越し頂き、GNHの解説を行って頂いた上で、氏がGNH委員会の実務を自ら経験される中で学ばれた政府の取り組みの骨子と、GNH 調査から読み取れるブータンの現状について語って頂きました。また、ブータンの国会における与野党逆転を引き起こした本年7月の総選挙の背景にある経済問題についても解説して頂きました。そして、ブータンとGNH の可能性、そして日本がブータンから学ぶべき点など、有益な提言を行い、お話しを締めくくられました。
 質疑応答では、ブータンの金融政策や農業政策、国内の物流や輸出入、さらに、ブータンに対して日本以外の国々がどのような関心を抱いているかなど、様々な視点から質問がなされ、大変活発なディスカッションが行われました。

ワークショップの様子

GNH政策の基本構造を解説する高橋孝郎氏

2013/10/17

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