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【教員提案型連携研究プロジェクト】子どもの発達障害への心理療法的アプローチ (『発達障害』領域)

研究代表者
河合俊雄 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
田中康裕 京都大学教育学研究科・准教授 臨床心理学
十一元三 京都大学医学研究科・教授 精神医学
黒川嘉子 佛教大学文学部・准教授 臨床心理学
高嶋雄介 天理大学・講師 臨床心理学
共同研究員
小木曽由佳 京都大学こころの未来研究センター・日本学術振興会特別研究員PD
井芹聖文  京都大学大学院教育学研究科・大学院生
土井奈緒美 京都大学大学院教育学研究科・大学院生
神代末人  京都大学大学院教育学研究科・大学院生
皆本麻実  京都大学大学院教育学研究科・大学院生
長谷川藍  京都大学大学院教育学研究科・大学院生
センター参画
畑中千紘 京都大学こころの未来研究センター  特定研究員
長谷川千紘 京都大学こころの未来研究センター 特定助教
                                    (教員提案型)
発達障害に関しては,近年脳科学による研究が進み,それに伴って薬物療法や訓練教育が中心的な対応になりつつある。心理療法は,主に二次障害に関わるものと考えられるようになっている。しかしながら,臨床実践においては発達障害に対する心理療法は確かな成果をあげている。H20~H22の3年間は,主に事例検討会を重ね,発達障害の中心となる特徴として「主体性の欠如」を捉え,それに対して「主体性の発生」に立ち会う心理療法が有効であることを確かめてきた。それを受けて,H23~は発達障害の子どもを対象にプレイセラピーを6ヶ月実施し,発達指数の変化から心理療法の効果を実証的に検討してきた。これまでに15の事例を受け入れ,プレイセラピーにおける「融合」と「分離」の過程が重要であり,発達指数に改善の見られた事例では特に「分離」の契機が生じていることが分かってきている。
本年度は,①【発達障害・セラピー群】を主軸に,対照群として②【非発達障害・セラピー群】と,③【発達障害・セラピーなし群】を置き,群間の検討から,発達障害の子どもへの心理療法の効果や質について検討する。また,発達障害という診断を受けた子どもを抱える環境を包括的に理解し,効果的な治療的対応を考えるために,保護者面接についても検討する。
発達障害に対する心理療法のエッセンスについて,論文等で専門家へ発信するとともに、セミナー・研修会などを通して,一般にも広く発信することを目指す。そのことにより,発達障害に関する1つの重要なオプションとしての心理療法的アプローチがさかんになり,また一般に発達障害への関わり方についての正しい知識が伝わるようになることが期待される。

2014/08/29

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