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【教員提案型連携研究プロジェクト】倫理的観点に基づく認知症介護の負担改善 (『負の感情』領域)

【平成26年度 教員提案型連携研究プロジェクト】倫理的観点に基づく認知症介護の負担改善 (『負の感情』領域)
研究代表者
清家 理  京都大学こころの未来研究センター 特定助教
共同研究員
荒井 秀典  京都大学医学研究科 教授
鳥羽 研二  国立長寿医療研究センター 総長
鷲見 幸彦  国立長寿医療研究センター 副院長
櫻井 孝   国立長寿医療研究センターもの忘れセンター長
武田 章敬  国立長寿医療研究センター地域医療連携 部長
原田 亜希  金城学院大学心理臨床相談室 臨床心理士
松本 光生  京都大学人間・環境学研究科 大学院生
センター参画
カール・ベッカー 京都大学こころの未来研究センター 教授
Jason Danely    京都大学こころの未来研究センター 外国人研究者
                                    (教員提案型)
【研究背景と目的】
近年、認知症患者は急増の一途である。診療や治療が進展した反面、在宅介護支援体制は遅滞している。その打開策として、「今後の認知症施策の方向性(平成24年6月:通称:オレンジプラン)」が提言され、早期支援機能、危機回避支援機能を基本とした、危機管理的事業計画が示された。しかし、根拠に基づいた支援介入の指標や支援指針は提示されていない。
 一方、従来から介護は「重荷、負担」とネガティブに捉えられてきた側面があり、特に多様な症状経過を辿る認知症は、介護者のパーソナルストレイン、ロールストレインが錯綜し、バーンアウトを誘発しやすい。それは、介護者の心身がネガティブな状況に陥ると、認知症患者の病状悪化につながり、さらに介護困難を来す、悪循環に陥るからである。介護者のパーソナルストレイン、ロールストレインの客観的把握は、多くの国で汎用されているZarit-Burden-Interview(以下、ZBI)が中心的であるが、限界がある。それは、①ZBIが、支援介入の指針を提示していない、②現在の認知症患者や家族の状況を反映していない、③「介護=重荷・負担」を前提としており、「介護=困難なもの、ストレス負荷」という、社会的スティグマを助長させる危険性を孕んでいる、以上三点が挙げられる。
そこで本研究(平成25年度開始の3カ年計画)では、認知症に特化した介護QOLを把握するスケール開発とスケールの臨床活用マニュアル作成を研究目的とする。
【研究意義:期待される効果】
 本研究の成果を以て、①介護当事者の声が反映されること、かつ、②認知症医療・看護・介護状況を的確に把握でき、支援・介入の指標が提示されること、③支援・介入した効果を測定できること、以上三点の効果が挙げられる。これらの効果は、社会資源の公平分配につながる倫理的活用の指標にもなり、政策提言の一助になりうると考える。

2014/10/07

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