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【教員提案型連携研究プロジェクト】終末期に対する早期支援 (『きずな形成』領域)

【平成26年度 教員提案型連携研究プロジェクト】終末期に対する早期支援 (『きずな形成』領域)
研究代表者
カール・ベッカー 京都大学こころの未来研究センター 教授
共同研究員
鷲見 幸彦 国立長寿医療研究センター 副院長
武田 章敬 国立長寿医療研究センター 地域医療連携部長
銘苅 尚子 国立長寿医療研究センター 地域医療部副室長
住江 浩美 国立長寿医療研究センター 地域医療室専任看護師
梶原 直美 京都大学人間・環境学研究科 大学院生
金田 伊代  京都大学人間環境学研究科博士課程 大学院生
センター参画
Laura Specker 京都大学こころの未来研究センター 外国人研究者 
  
                  (教員提案型)
日本は、未曾有の超高齢社会に突入し、医療費が国家財政を逼迫し続けている。
一方で、高度先進医療技術の進展により、重篤な病態でも延命治療が可能になった。
先行研究では、高齢者の多くは、「判断能力が無くなったら、延命治療を望まない傾向にある」ことが示されている。しかし、現行制度では、患者や家族が事前に延命治療有無の希望を明示しない限り、延命治療が実施される。この現状は、延命治療を望まない者にとっては、生命医学倫理の四大原則である「自己決定」や「無危害」が阻害されていることになる。つまり、万一に備えて、各個人が生き方や生きる方向性を決定していないと、個人や社会全体が、幸福や心の安寧を得ることが保持されない。さらには社会資源が有効に活用されず、財政逼迫化による社会全体への悪影響が懸念される。
これらの懸念の打開策として、生きる目標や意思の明確化実践である「Advance Care Planning(以下、ACP)」が考えられる。これは、自己決定を促進させる、意思決定支援の画期的な取り組みである。医療現場(特に救急医療、終末期、認知症中期~末期の場面)で医療従事者の葛藤が起きやすいため、日本でも「事前指示書」の記載を行う医療機関が増加している。しかし、その形式は、医療処置内容の決定に終始し、「どのように生きたいか(意思決定)」を表明したものではない。これでは、医療主導型の意思決定であり、患者や家族の意思や自律の尊重が見えなくなってしまう。そこで本研究では、ACPを「生きていく場所や方法に関する意思決定を計画的に支援していくプロセス」と操作的に定義し、日本人の倫理に即したACPの開発を目的とする。

2014/10/07

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