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【教員提案型連携研究プロジェクト】ポスト成長時代の経済・倫理・幸福

【平成28年度 教員提案型連携研究プロジェクト】ポスト成長時代の経済・倫理・幸福
研究代表者
広井 良典 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
佐藤 宏嗣  東京都荒川区自治総合研究所 研究員
宮下 佳廣  鎮守の森コミュニティ推進協議会 会長
松葉 ひろ美 千葉大学大学院人文社会科学研究科 特別研究員
センター参画
内田 由紀子 京都大学こころの未来研究センター 特定准教授
                     (教員提案型)
90年代後半から日本社会は実質的なゼロ成長時代に入り、人口減少社会への移行や高齢化の進展とも相まって、経済の限りない「拡大・成長」を軸とする従来の社会とは大きく異なる、新たな社会モデルの構想や価値意識・原理等の転換が求められるに至っている。
 そうした転換の柱の一つとなるのが、そこでの「経済と倫理」の関係性の再編である。「経済と倫理」という二者は、一見対極にあるようにも見えるが、”日本資本主義の父”とされる渋沢栄一の『論語と算盤』や近江商人の「三方よし」の家訓にも象徴されるように、元来は不可分の関係にあり、それは現代におけるいわゆるソーシャル・ビジネスや社会起業家の理念ともシンクロナイズする。
 他方、近年では「GDPに代わる指標」や「幸福度指標」をめぐる議論や政策が活発化し、国内では東京都荒川区の「GAH(荒川区民総幸福度)」や、同様の理念を共有する85自治体のローカル・ネットワークとしての「幸せリーグ」(研究代表者の広井はその顧問の一人)の展開が生じている。
 以上のような動きは、ポスト成長、あるいは「ポスト資本主義」とも呼びうる時代の構造変化の中で生成している、深い次元で相互に浸透し合う現象群であり、これらを理論的・実証的に吟味しつつ、ある意味で日本が先駆的に経験しようとしているポスト成長時代の新たな社会構想とそこでの人間のありようを考究するのが本研究の内容となる。 

2016/04/27

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