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鎌田教授の講演録が『比較文明』に掲載されました

131204hikakubunmei29.png 鎌田東二教授の講演録が、比較文明学会の学会誌『比較文明 第29号』に掲載されました。鎌田教授は、2012年11月17日に京都大学稲盛財団記念館で開催された比較文明学会第30回大会で、原田憲一京都造形芸術大学教授、松本亮三東海大学教授と共に「みやこと災害の文明論」(司会:阿部珠理立教大学教授) に登壇し、「持続千年首都・平安京の生態智」という演題で講演しました。その講演録全文が掲載されています。


「みやこと災害の文明論<講演会> 京都大学稲盛財団記念館、二〇一二年十一月十七日 司会 阿部珠理 講演者 原田憲一・鎌田東二・松本亮三」


「持続千年首都・平安京の生態智」鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター)


 私の研究のキーワードの一つは「生態智」で、原田憲一さんたちと一緒にまとめた『平安京のコスモロジー』(創元社、二〇一〇年)の中でもその概念を展開しました。その「生態智」とは、「自然に対する深く慎ましい畏怖・畏敬の念に基づく、暮らしの中での鋭敏な観察と経験によって練り上げられた、自然と人工との持続可能な創造的バランス維持システムの技法と知恵」であるとわたしは定義しました。ここが肝心な点ですが、まずもって、「自然に対する深く慎ましい畏怖畏敬の念」があって、それをもって、「暮らしの中での鋭敏な観察と経験」によって磨きをかけ、錬磨された「自然と人工との持続可能な創造的バランス維持システムの技法と知恵」。
 そのような「生態智」という観点から平安京を見ていったときに、平安京が何故一〇〇〇年以上も続いたということが一体どういうことなのか、「その創造的バランス維持システム」を見ていくことができる。そしてこの平安京研究から二一世紀に必要な世界平安都市モデルを構想していくことができるのではないかと考えたわけです。そこで、物づくりとか物の流れとかを含む、二一世紀の「モノ学」を構想していこうと考えました。そしてそのモノの中には、霊性を含んだモノも入る。というのも、物の怪というのは霊的怪異現象ですから。そこで、霊性を含んだ生態智や身体智、総合智をもう一回よみがえらせていって、そのような研究が世直しや心直しにつながっていきたいという願いをもって研究して参りました。


(講演録より抜粋)


比較文明学会のウェブサイト