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河合教授が解説を執筆した『河合隼雄の幸福論』が出版されました

1411kawai_kofukuron.png 河合俊雄教授が解説を執筆した『河合隼雄の幸福論』(PHP研究所)が、2014年9月に出版されました。河合隼雄京都大学名誉教授が東京新聞と中日新聞に寄せた59のエッセイが集められており、もとは1998年に『しあわせ眼鏡』という題で海鳴社から出ていたものがスタイルを新たに復刊しました。


 心理学者として多くの人や出来事に関わってきた著者は、さまざまなエピソードを紹介しながら「幸福」について綴っています。軽妙な語り口のなかに、はっとさせられる生き方のヒントが数多く詰まっており、読み進めるうちに心がほぐれ、いつしか「幸福は、人生の一副産物にすぎないのではないか」という著者の言葉がすっと心に染み通ります。河合俊雄教授は、本が作られ復刊に到った経緯をはじめ、著者の「幸福」をめぐる豊かな考察の裏側にある心理学者としての姿勢、エッセイが書かれた90年代という時代について解説し、本の味わいをより深くしています。


「幸福論」とは言っても、これは決してある幸福観を体系的に展開したり、ましてやそれを読者に押しつけたりするものではない。「はじめに」にあるように、心理療法家である河合隼雄からすると、何らかの意味で不幸な状態にあって、そこから脱却して幸福を求めている人に会うことが多い。その意味で「幸福」とは何だろうと考えざるをえない。しかし何をもって幸福というのか、そもそも幸福とは大切なのか、まさに「深く考えはじめると難しくなる」のが幸福の特徴とさえ言える。
 それに対して本書は、著者が様々なことを経験していく中で、幸福ということをそのつど考えていったものである。(中略)
 具体的な経験を元にしていくのは、幸福についての興味深いアプローチであると思われる。というのも抽象的に幸福論や幸福観を扱っても、それはしょせん「絵に描いた餅」にとどまるのではなかろうか。われわれは常に自分自身の限られた人生の中で、幸福を見出していかざるをえない。その意味で具体的な経験を手がかりにして幸福について考えていくのはすぐれた方法であろう。そこには必然的に具体例による制限が加わり、また著者の人間が関わってくる。さらにこれは、心理療法における「事例研究」の大切さを常に強調していた河合隼雄の姿勢にもつながる。


(「《解説》河合隼雄の幸福論」より)


『河合隼雄の幸福論』
著者:河合隼雄著 《臨床心理学者》
発行:PHP研究所/2014年9月
価格:1,296円(本体価格1,200円)
判型:新書判並製
ISBN:978-4-569-82108-5


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