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内田准教授が第3章を執筆した『文化を実験する: 社会行動の文化・制度的基盤 』が出版されました

1410uchida_book.png 内田由紀子准教授が第3章を執筆した『文化を実験する: 社会行動の文化・制度的基盤 』が、2014年10月、勁草書房より出版されました。


 「フロンティア実験社会科学」シリーズの一冊として刊行された同書は、山岸俊男 一橋大学国際経営研究科特任教授(北海道大学名誉教授)の編集により、内田准教授のほか、竹村幸祐滋賀大学准教授、増田貴彦アルバータ大准教授などセンターでの研究実績のある研究者を含む8名の執筆者がそれぞれの分野から最新の研究成果と知見を紹介しています。内田准教授は、第3章「文化変容と心の適応」を担当し、文化心理学の理論的背景、日本の変化とグローバリゼーション、制度的環境の変化、心の新しい文化への適応プロセスと今後の展望などについて幅広い知見から解説しています。


第3章 文化変容と心の適応


 文化は具象物ではない。したがって, これが文化です, と示すことはできない. しかし私たちは「文化の中を生きている」という実感を持っている. 日常生活は文化的な習慣に彩られ, 人々は文化的ツール(たとえば言語)を使って他者とコミュニケーションをとっている. さらに, 文化はある一定の連続性を保ちながら, いっぽうで様々な環境要因あるいは文化同士の相互交流を通じて, 流動的に変化している. たとえば私たちは源氏物語や平家物語を読んで, 1000年前に生きた人々の心と現代の日本人の心に通底する何かを感じることもできるし, 時代による違いにも気づかされる.
 文化心理学の研究では, 主に比較文化研究のデータを通じて「文化はどのように心の性質をつくりだし, また, 心の性質がどのように文化を再生産するのか」を明らかにしてきた(詳しくは増田による第1章参照). ここでいう「心の性質」は認知, 自己, 対人関係の基盤, 感情などである. 中でも文化的習慣や価値観によって形成される「自己」や, 「人一般についての理解のモデル」である「文化的自己観」についての理論がもたらしたインパクトは大きく(北山, 1998: Markus & Kitayama, 1991), その後日本文化における相互協調性, 北米文化における相互独立性に対応する心のあり方が検証されてきた. (中略)
 本章では, 文化変容と心の適応について, 文化心理学の領域に限らない様々な証左をもとにして検証し, 今後文化変容の問題についてどのような取り組みが可能であるのか, その展望を述べてみたい.


(「はじめに」より)


『文化を実験する: 社会行動の文化・制度的基盤』
・編著:山岸俊男
・発売日:2014年10月25日
・判型・ページ数:A5判・216ページ
・定価:本体3,200円+税
・ISBN 978-4-326-34917-3


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