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阿部准教授の総説「不正直さの個人差を生み出す脳のメカニズム」が『Clinical Neuroscience』Vol.33 02月号に掲載されました

 神経領域を扱った医学誌『Clinical Neuroscience Vol.33 02月号』(発行:中外医学社/2015年2月)に、阿部修士准教授の総説「不正直さの個人差を生み出す脳のメカニズム」が掲載されました。


 「社会脳―Social Brain」がテーマとなった同誌2月号において阿部准教授は、昨年『Journal of Neuroscience』に掲載された自身の論文をはじめとするこれまでの研究成果の紹介やfMRI装置を用いた実験手法の解説をまじえながら、人間の正直さ・不正直さを生み出す脳のメカニズムに関する研究の背景と今後の展望を述べています。


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阿部修士 (2015)
不正直さの個人差を生み出す脳のメカニズム
Clinical Neuroscience 33 (2): 159-161 (中外医学社 東京)
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これまでの脳機能画像研究と限界点
 近年のヒトの脳の研究においては,陽電子断層撮像法 (positron emission tomography:PET)や機能的磁気共鳴 画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)といった脳機能画像法の進歩に伴い,心理学的な課題を行なっている最中の脳活動を画像化することが可能である. 21世紀に入ってからは,不正直さ,すなわち嘘の神経基盤の研究が飛躍的に増加しており,多くの研究成果が報告されている.(中略)
 しかし,これまでの嘘の神経基盤に関する研究の多くにおいては,嘘を科学的に研究する上では見過ごせない重要な問題点が残されている.それは実験に参加している被験 者が,実験者から嘘をつくよう明示的に指示されていた点にある.嘘をつくことが実験という特殊な環境で正当化さ れていれば,被験者は嘘をつくことによる緊張感もなければ,罪悪感も生じない.本来,嘘は相手にばれないように つこうとするものであり,嘘をつくことが相手にあらかじめ把握され,かつ許容されている状況では現実世界における嘘とはいえない.したがって,「真実とは異なる回答をする」という点は比較的容易に実験的検討が可能であるが, 自発的な嘘の神経基盤にアプローチするのはそれほど簡単ではない.
 こうした背景のもと,近年の研究では Greeneらが開発したユニークな実験パラダイムに基づいた研究が報告されている.筆者らは最近,彼らのパラダイムを応用した研究によって,不正直さの個人差を規定する脳のメカニズムの一端を明らかにしたので,本稿にて紹介する.


(総説より)


□関連ページ
Clinical Neuroscience Vol.33 (15年) 02月号 社会脳 ―Social Brain(中外医学社ウェブサイト)
阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました(2014.8.6)