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阿部准教授が解説を執筆した『モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(上・下)』(ジョシュア・グリーン著)が出版されました

1509abe_moral.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が解説を執筆した『モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ (上・下)』(ジョシュア・グリーン 著/竹田円 訳)が、岩波書店より出版されました。


 阿部准教授は2010年から12年にかけて、著者のハーバード大学心理学科教授のグリーン氏のもとで研究し、その成果をまとめた論文が2014年、『Journal of Neuroscience』に掲載されました。本書は、日本でも話題となったサンデル(ハーバード大教授)の「正義」に関する一連のレクチャーで登場した道徳ジレンマ、「トロッコ問題」などをいちはやく神経科学と結びつけ、人間の道徳判断の本質解明に挑んだ新たな道徳哲学の本です。


 出版社の許可を得て、阿部准教授の解説文(PDF)を掲載します。また、出版社の書籍ページでは、上下巻それぞれの一部を読むことができます。下記リンク先にアクセスしてお読みください。


<内容紹介>


これが,道徳の正体だ. では, どうすればいい?

 税制,福祉,中絶,死刑,同性婚,環境規制......何が正義か,誰がどんな権利をもつかをめぐって現代社会は引き裂かれる.人々が自分の考えを心の底から正しいと信じて争うとき,対立を解決する方法はあるのか.今こそ生物学,心理学,哲学,社会科学の知見を統合し,道徳とは何かを徹底的に理解しよう.そこから人類すべてが共有できる普遍的な道徳哲学が生まれる.


<目 次>


【上巻】
序章 常識的道徳の悲劇
第一部 道徳の問題
第1章 コモンズの悲劇
第2章 道徳マシン
第3章 あらたな牧草地の不和
第二部 速い道徳,遅い道徳
第4章 トロッコ学
第5章 効率性,柔軟性,二重過程脳
第三部 共通通貨
第6章 すばらしいアイデア
第7章 共通通貨を求めて
第8章 共通通貨の発見
原注/索引


【下巻】
第四部 道徳の断罪
第9章 警戒心を呼び覚ます行為
第10章 正義と公正
第五部 道徳の解決
第11章 深遠な実用主義
第12章 オートフォーカスの道徳を超えて
著者より/謝辞/解説(阿部修士)
書誌/原注/索引


<解説>
阿部修士(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門)


 これまでの本とは一線を画する、新たな道徳哲学の本がついに翻訳・出版された。著者のジョシュア・グリーン氏は、若くしてハーバード大学心理学科の教授となった新進気鋭の研究者である。彼は21世紀初頭に、「少数の命を犠牲にしてでも多数の命を救うべきか?」といった人間の道徳判断に関わる脳のメカニズムを、世界に先駆けて報告し、一躍時の人となった。彼の研究は心理学と神経科学、そして道徳哲学を独創的に融合させたものであり、今なお世界中の多くの研究者に多大な影響を与え続けている。本書は彼のこれまでの研究の集大成であり、極めて野心的かつユニークに、科学的な知見-とりわけ心理学や神経科学といった、人間のこころと脳のはたらきに関する最新の知見を織り交ぜながら、道徳哲学を議論する珠玉の一冊である。


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『モラル・トライブズ―― 共存の道徳哲学へ(上)』岩波書店
『モラル・トライブズ―― 共存の道徳哲学へ(下)』岩波書店