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鎌田教授の書評が『比較文明』に掲載されました

IMG_0716.jpg 鎌田東二教授が執筆した書評が、比較文明学会の発行する機関誌『比較文明』第31号に、掲載されました。『聖なる木の下へ アメリカインディアンの魂を求めて』(著:阿部珠理/角川学芸出版/2014年4月)を取り上げた鎌田教授は、インディアンの精神世界を読み解いた書籍の全体像や、比較文明学者である著者の取り組みを紹介しています。


[書評] 阿部珠里 著『聖なる木の下へ アメリカインディアンの魂を求めて』 鎌田東二


 本書『聖なる木の下へ アメリカインディアンの魂を求めて』は、一九九四年十一月に日本放送出版協会より上梓された『アメリカ先住民の精神世界』(NHKブックス)の文庫化である。本書にはラコタ族のメディスンマンであるクロー・ドッグのことが折に触れて出てくるが、「第一章 メディスンマンを訪ねる」は一九九二年八月のクロー・ドッグとの出会いから始まり、その章の最後はクロー・ドッグの次の予言で締め括られる。(中略)
 「アメリカインディアンの魂」とは、まず何よりも「彼らが崇拝する彼らの偉大なるスピリット、宇宙を形作った大神」(三九頁)である「ワカンタンカ」に対する信仰であろう。著者は言う。「ワカンタンカは原初の存在であり、それから生み出された全てのものに、その魂が宿っている。山、川、大地、風、動物、植物など森羅万象の全ては、ワカンタンカの魂を持つ、タク・ワカン(聖なるもの)である。」(四○頁)と。そして続けてそれを本居宣長の『古事記伝』の「カミ」の定義「常ならず、畏きもの」(正確には「尋常ならずすぐれたる徳のありて可畏きもの」)と繋げて説明する。それにより、日本人の「カミ」観と「アメリカインディアンの魂」の根幹にある「ワカンタンカ」の信仰との間にある親和性に気づかされ、比較文化ないし比較文明論的な示唆を得ることができる。


(書評より)


比較文明学会ウェブサイト