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河合教授、梅村研究員らの論文が『心理臨床学研究』に掲載されました

 河合俊雄教授、梅村高太郎研究員らの論文「甲状腺疾患患者のバウムと人格特徴」が、2016年2月、日本心理臨床学会の発行する『心理臨床学研究 』(Vol.33 No.6 2016)に掲載されました。


1604kawai_umemura.png金山由美・田中美香・河合俊雄・山森(卯月)路子・桑原晴子・梅村高太郎・長谷川千紘・鍛治まどか・西垣紀子 (2016) : 「甲状腺疾患患者のバウムと人格特徴」. 心理臨床学研究, 33(6), 591-601.


○論文の概要
 代表的な甲状腺疾患であるバセドウ病は,精神的ストレスとの関連が指摘され,心身症の一つに数えられます。この論文では,そのバセドウ病をはじめとする甲状腺疾患患者の心理的特徴を,バウムテストと呼ばれる描画技法を用いて検討しました。
 まず,バセドウ病患者のなかでも,医師から心理的問題を疑われてカウンセリングを依頼される者と,心理的問題はないとされ身体治療のみを受けている者とのあいだで,どのような人格の違いがあるのかを調べました。その結果,身体治療のみを受けている群のなかには,カウンセリングを受けている群より,病態水準としてはより重い状態にある者が少なくないことが明らかになりました。さらに,バセドウ病の他に,甲状腺機能低下症・結節性甲状腺腫という2つの甲状腺疾患も加え,この3群のあいだで人格特徴の比較を行いました。その検討から,バセドウ病の患者以上に,これまで心理的な観点からはあまり関心を向けられてこなかった甲状腺機能低下症と結節性甲状腺腫が重篤な心理状態にある可能性が示唆されました。
 この研究によって,甲状腺疾患患者の心理的特徴の一端が明らかにされたことで,言語的には表現されにくい患者の問題に対する理解や心理的援助の手がかりが得られたと言えます。


学会誌「心理臨床学研究」:日本心理臨床学会