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河合教授が編集、解説を執筆した『源氏物語と日本人 紫マンダラ』(河合隼雄著)が出版されました

1606kawai_mandara.png  河合俊雄教授が編集、解説を執筆した『源氏物語と日本人 紫マンダラ』(河合隼雄著)が、2016年6月、岩波書店より出版されました。岩波現代文庫の「〈心理療法〉コレクション」「〈子どもとファンタジー〉コレクション」に続く「〈物語と日本人の心〉コレクション」第1巻目となります。河合教授は、全コレクションの編者を務めています。
 解説では、臨床心理学者の著者が源氏物語をテーマに取り組んだ意味と意義についてふれ、「1.女性の物語とマンダラ」「2.中空と女性の意識」「3.個としての女性」に分け、作品で描かれた女性たちの意識を筆者がどのように読み解いたのか、心理療法の知見と共に紹介しています。


 河合隼雄財団のウェブサイトでは、本の魅力と味わい方が分かりやすく紹介されています。あわせてお読みください。


河合隼雄『源氏物語と日本人 紫マンダラ』が岩波現代文庫より発刊となりました | 河合隼雄財団ウェブサイト


臨床家の読んだ『源氏物語』 河合俊雄


 本書は電子版ではまだ流通していたものの、しばらく紙ベースでは絶版になっていたので、この<物語と日本人の心>コレクションの一冊目として復刊されることを非常にうれしく思う。この解説は、国文学者に書いていただいた方がよかったかもしれない。それによって河合隼雄による「源氏物語」の大胆な読みが国文学の専門家から見てもどの程度画期的なものであり、また逆にどのあたりに限界や問題があるのかがわかったかもしれない。筆者は赤坂憲雄氏や三浦佑之氏をはじめとする民俗学者・古代学者と臨床心理学者が一緒に『遠野物語』を読む研究会を長年開いてきて、その成果は『遠野物語:遭遇と鎮魂』という書籍になった。研究会の中で、臨床心理学や心理療法の立場からの読みが時には民俗学者や古代学者に新鮮な視点と全く新しい読みを提供することもあれば、逆に初歩的な誤りや文献学的に反証されているのを指摘されることもあった。この復刊を機会として、本書についての国文学の専門家からの評価も待ちたいところである。
 同じ臨床心理学者の筆者が解説を書くことになったので、長い間『源氏物語』を読んだことがなかったと冒頭で告白している河合隼雄の文献学的に不十分なところには気づくことはできないかもしれない。しかし臨床家がクライエントの語りを聴くように物語に耳を傾け、また夢幻的な源氏物語の世界をまるで夢を聴くように読み解いたところは、クローズアップできよう。.... (解説より)


『源氏物語と日本人 紫マンダラ』(岩波現代文庫〈物語と日本人の心〉コレクション)
著者:河合隼雄
編者:河合俊雄
発行:岩波書店/2016年6月
価格:1,404円(本体価格1,300円)
判型:A6並製・336頁
ISBN-10: 4006003447
ISBN-13: 978-4006003449


○目次
はじめに
第一章 人が「物語る」心理
第二章 「女性の物語」の深層
第三章 内なる分身
第四章 光の衰芒
第五章 「個」として生きる
あとがき
解説 臨床家の読んだ『源氏物語』 河合俊雄
〈物語と日本人の心〉コレクション 刊行によせて
人名索引


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