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『ミネルヴァ通信「究」』に河合教授の連載第6回が掲載されました

 ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』2月号に河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層」が掲載されました。


 連載第6回目のテーマは「心理療法と巡礼」です。
 心理療法においては、たとえば妄想という症状が主観的な体験として生じてくるように、主観的体験が眼目となります。
 しかし、時には「巡礼」という形で現実の外へ出る動きが大切に感じられることがあります。それには、単に主観的に何が感じられるかだけではなくて、その場所がもつパワーや神秘の力を借りられるところがあるからかもしれません。河合教授はそのことを以下の引用部分のように指摘しています。
 残念ながら絶版になってしまいましたが、鎌田東二先生との共著『京都、「癒しの道」案内』はそのような意味で、非常にユニークで魅力的な案内所でもありました。

(解説:畑中千紘助教・上廣こころ学研究部門)


1702kawai_kiwameru.pngこころの最前線と古層(六)
「心理療法と巡礼」  河合俊雄


 心理療法においては、あくまで主観的体験が眼目である。妄想や症状も、主観的体験だからこそ生じてくる。だからお寺にしろ神社にしろ、それ自体が持つ意味ではなくて、それをどのように主観的に感じられるかが重要である。時にはそれの歴史的、宗教的意味と全く異なるかもしれない。それに対して巡礼においては、その聖地が実際に持っているパワーや神秘が重要である。それは主観的なもので汲み尽くせない。近年においてパワースポットブームが生じたり、聖地を訪れることが流行したりしているのは、場所の持つ力というのが見直されているのかもしれない。われわれのこころの古層には、場所の持つパワーを感じる能力がまだ生きているのであって、歴史的に伝わってきた聖地というのは依然として重要なのであろう。


(論考より)


出版社のページ(ここから『究』の講読が可能です)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b279516.html