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『ミネルヴァ通信「究」』に河合教授の連載第7回が掲載されました

 ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』3月号に河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層」が掲載されました。


 連載第7回目のテーマは「身体の病と心理療法」です。
 こころとからだの関係はふしぎなもので、どこかでつながっていると思われることが多いけれど、そのつながりは一定ではありません。
 河合教授は、心理療法がデカルトに代表されるような心身を峻別する考え方に基づいて始まったものであることを指摘しつつ、そのプロセスの中では心と身体の関連が見えてくることがあると述べています。
 心理療法からのアプローチで、身体症状がよくなったり、あるいは逆に、体が緩んでそれまで風邪など引かなかった人が
風邪を引くということもあるというので不思議です。
 そして、「心理」療法といいながらも、身体がかかわってくるからこそ、イメージを通じたアプローチも重要であると指摘しました。

(解説:畑中千紘助教・上廣こころ学研究部門)


1703kawai_kiwameru.pngこころの最前線と古層(七)
「身体の病と心理療法」  河合俊雄


 近代の心理療法は、一九世紀末におけるフロイトによるヒステリーの治療ではじまった。手足の麻痺、目が見えなくなることをはじめとした様々な感覚器官の障害などの、一見すると身体的な症状を示す人に対して、フロイトはそれが身体的な原因によるのではなくて、その人の無意識的な葛藤による心理学的な原因があることを明らかにしていった。またそれを睡眠による想起、後には自由連想の方法を用いて解決しようとした。
 その際に、身体の麻痺などが神経的や筋肉的な問題によるのではないことが重要で、もしそうであれば身体的な治療を行うことになるし、心理療法は有効な試みでないことになる。心理療法はこころの問題にアプローチする方法である。その意味で心理療法は身体的原因が除外されてから、消去法的に浮かび上がることが多い。
 特に病院でカウンセラーとして仕事をしていると、様々な他科から、身体の不調を訴えて訪れたけれども、いろいろな検査を行っても問題がないし、精神的なものではないかということでリファーされてくる患者さんに会うことが多い。
 ところが、前近代の癒しの技法では、こころの病と体の病の間に区別はなかった。....


(論考より)


出版社のページ(ここから『究』の講読が可能です)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b281136.html