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「第11回こころの広場 人の『こころ』のきた道とこれから」が開催されました

2012-09-05no1.png8月18日、京都府との共同企画による一般公開イベント「第11回こころの広場 人の『こころ』のきた道とこれから」が、稲盛財団記念館大会議室にて開催されました。
▽開催日時:2012年8月18日(土)13:00-16:30
▽場所:稲盛財団記念館 大会議室
▽プログラム
13:30〜13:10 挨拶 吉川左紀子(こころの未来研究センター長)
13:10〜14:00 講演 内田亮子(生物人類学者:早稲田大学国際教養学部教授)
「進化の時空間で『人間性』について考える」
14:00〜14:50 講演 入來篤史(脳科学者:理化学研究所シニアチームリーダー・こころの未来研究センター特任教授)
「『こころ』はどこに宿るのか:身体と文化の狭間で」
14:50-15:10 休憩
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15:10-16:30 討論 内田亮子 入來篤史
司会 近藤令子 (こころの未来研究センター)
▽参加総数 161名
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人間のこころはどのように生まれ、どのように変化してきたのでしょうか。
「人間らしさ」はこれからの社会にとって、どのような意味をもつのでしょうか。
進化、脳、身体、環境、文化をキーワードに、気鋭の生物人類学者、脳科学者の講演と対話を通して考えます。
(「こころの広場」案内ポスターより)
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2008年に始まった京都府との共同企画事業「こころの広場」は、今回で第11回目を迎えました。毎回、異なるテーマで多彩な講演者を招いて開催する本イベントですが、今回は生物人類学者の内田亮子先生と、脳科学者の入來篤史先生にお越しいただきました。
第1部では、早稲田大学国際教養学部の教授である内田亮子先生より「進化の時空間で『人間性』について考える」というテーマで講演を行なっていただきました。内田先生は、数百万年の時間の流れのなかで人類がいかに進化し、その過程でどのように人間特有のふるまいや文化、社会性が育まれてきたかを数多くの研究事例をもとに発表されました。
第2部では、理化学研究所脳科学総合研究センター象徴概念発達研究チームのシニアチームリーダーであり、2012年春からこころの未来研究センター特任教授に着任された入來篤史先生が「『こころ』はどこに宿るのか:身体と文化の狭間で」と題し、人の活動を制御する高度な情報システムである脳の発達と進化とその仕組みについてお話しくださいました。ニホンザルに道具を使用させた画期的な実験から得た研究成果をはじめとする多彩な事例をもとに、人間の進化の歴史と現在までに解明されている数々の事象を紹介し、脳の働きと環境がいかに人の「こころ」をなりたたせているかを語ってくださいました。
後半の討論では、質問用紙に記載された参加者からの質問や意見に対して、内田先生、入来先生がそれぞれ回答する形で行なわれました。
「(内田先生のお話にあった)人類の『暴走』について、より詳しく解説してほしい」という質問に対しては、「これまでの『共進化』から、近代社会では加速度的に技術を用いた環境改変、環境操作が行なわれており、人間が生態系の中で突出してしまっている状況を”暴走”と表現している」(内田)「他の動物種の速度を超えた人間の進化を暴走といった場合、その帰結が破滅につながる可能性は高いが、それを抑制するメカニズムを考えることも研究になり得るのではないか」(入来)と、それぞれが回答。
また、「人のこころの進化の『これから』についてどう考えているか。今後劇的な変化はあるのか」という問いには「環境問題、領土問題、戦争など様々な”暴走”が続くなかで、良い変化があることをのぞんでいる。身体としての進化についてはもちろんあるだろうが、大きくはのぞめないだろう」(内田)、「進化しないはずはない。変容しないはずはない。何が起こるか分からないのが進化だが、それを受け入れていくしかない。実は既に現代社会の中で大きな変化の萌芽が生まれているのかもしれない」(入来)、といったお話があり、会場は最後まで熱気で溢れていました。
終了後、参加者からのアンケートには、「『心』という定説のない、得体の知れないものについてその状況証拠を数多く提起されて参考になった」、「生物の進化の過程で人間性、こころがどう発生していくのかが理解できた」などの感想が寄せられました。
こころの広場は、今後も人の「こころ」をキーワードに開催して参ります。どうぞ次回もご期待ください。
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2012/09/05

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