1. top
  2. ニュース
  3. セミナー・研究会
  4. こころの未来研究センター研究報告会2011が行なわれました。

こころの未来研究センター研究報告会2011が行なわれました。

日時:2011年12月10日(土) 13:00 ~17:30
場所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室(ポスター会場:小会議室Ⅰ・Ⅱ)
***** プログラム *****
挨拶:吉川左紀子 (こころの未来研究センター長)
「カウンセリング対話における“聴き方”」
長岡千賀 (こころの未来研究センター研究員・認知心理学)
「農業コミュニティの社会関係資本:“つなぐ”役割の検証」
内田由紀子 (こころの未来研究センター准教授・文化心理学)
ポスターセッション
「こころの調整機能と“きずな”」
吉川左紀子 (こころの未来研究センター教授・認知心理学・認知科学)
指定討論
山極寿一 (京都大学大学院理学研究科教授・霊長類学・人類学)
定藤規弘 (自然科学研究機構生理学研究所教授・画像診断学・システム神経科学)
総合討論
報告会の概要はこちらです(PDFファイル)。
IMG_0791.JPG IMG_0749.JPG IMG_0772.JPG
IMG_0729.JPG IMG_0783.JPG IMG_0802.JPG
IMG_0739.JPG IMG_0741.JPG P1060524.JPG
報告のアブストラクト
カウンセリング対話における”聴く”ということ
     長岡千賀(こころの未来研究センター研究員)
話を「聴く」ことは,「話す」ことと対にすると,「図と地」の「地」,「静と動」の「静」にあたるが、実際には対話の様相を決める大きな要因になる。良い聴き手と出会うことで話し手が新しい発想を得るといったことも起こる。そこで、対話における「聴くこと」の意味や,「聴く人の存在」が人のこころを変える力について,実証的に明らかにすることを目標として,臨床心理学,認知心理学,社会心理学を専門とする研究者が集まり,カウンセリング対話に焦点を当てて研究してきた.研究の方法は,(1)模擬カウンセリングを収録し,50分間の対話中の発話や沈黙の時間やまばたきの回数を計測する,(2)その時系列的な変動パターンをみるなど,長時間の対話における行動をできるだけ定量的に分析する ,(3)対話中の内観を収録後に報告してもらい行動と発言内容と照らし合わせて考察を深めるというものである。本報告では、日常対話と比べた結果分かってきたカウンセリング対話の特徴を報告するともに,カウンセラーとの対話を通して,相談者がカウンセラーに頼りきりにならずに自らが自律的に考え気付きを得る様子,それに前後してカウンセラーが覚悟を決めたり真剣勝負と思ったりするなど,カウンセラーの相談者に対する真剣な姿勢,そしてこうしたことを可能にする2者の関係性について論じたい。
農業コミュニティの社会関係資本:”つなぐ”役割の検証
     内田由紀子(こころの未来研究センター准教授)
2008 年から行ってきた普及指導員への調査研究について報告する。この研究は、社会心理学・文化心理学の立場から見て、農業コミュニティーは日本的対人関係や文化のベースになっていること、そのなかで普及指導員は「プロ」として、絆形成に向けての活動を行っていることに着目して研究を始めた。全国約 4000 人におこなった調査研究の結果から、農村コミュニティーで、生活レベルの向上に一定の役割を果たしているのは、コミュニティー内の互いの信頼関係<ソーシャル・キャピタル>であり、そしてそのソーシャル・キャピタルの上昇に効果をもつのは普及指導員自身のコミュニケーション能力や、他の機関との連携活動能力、普及指導員自身の職場や地域との結びつきであることが明らかになった。また、普及指導員の活動は技術指導という「スペシャリスト機能」と、ネットワーク作りに関わる「コーディネート機能」を持っているが、特にコーディネート機能にかかわる農業者支援の活動が、農業地域での成果を上げていることも明らかになった。今後はソーシャル・ビジネス場面でのコーディネート機能の役割への援用、そして日本の「農」の現場における絆形成などについて研究を発展させてゆきたい。
こころの調整機能と”きずな”
     吉川左紀子(こころの未来研究センター教授)
「感情・認知機能におよぼす他者・モノの影響」プロジェクトの研究を中心に報告する。まわりに他者がいると、不安が強まったり緊張するといったネガティブな影響がある半面、応援団がチームの力をよりよく発揮させるように、ポジティブな効果もある。これまで、周囲にいる他者のネガティブな影響に関する研究が多かったが、ポジティブな効果に注目した研究も重要である。他者の存在が心の機能を安定させたり、機能を亢進するとすれば、それはどういうしくみなのかをいろいろな課題で調べよう、というのがプロジェクトの研究目的である。モニタ画面の4隅に提示される「表情写真」がパソコン中央に提示されるパターンに対する判断にどう影響するかを調べる認知実験課題を実施した。すると、「笑顔」が周囲にあるときに、(笑顔とは無関連な)視覚探索のパフォーマンスが上がることが分かった。怖い顔や中性の顔に比べて、あるいはモザイクのような無意味なパターンに比べて、笑顔が提示されたときに遂行成績が促進されるのである。こうした促進効果は、「おいしそうな食べ物」の写真 vs.「まずそうな食べ物」の写真ではみられない。つまり「周囲にある笑顔」が重要だったと考えられる。報告では、このほかの「笑顔効果」についても簡単に紹介して、こころの調整機能におよぼす他者の影響について考察する。

2011/12/12

これまでのニュース
年別リスト

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

PAGE TOP