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【教員提案型連携研究プロジェクト】甲状腺疾患におけるこころの働きとケア (『負の感情』領域)

研究代表者
河合俊雄 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
田中美香   隈病院・臨床心理士 臨床心理学
金山由美   京都文教大学臨床心理学部・教授 臨床心理学
桑原晴子   岡山大学大学院教育学研究科・講師 臨床心理学
深尾篤志   茨木市保健医療センター・所長 心療内科
梅村高太郎  京都文教大学臨床心理学部・講師 臨床心理学
                                    (教員提案型)
 甲状腺疾患は,しばしば抑うつや情緒不安定などの精神症状を伴うことから,心理療法を希望する患者が少なくない。甲状腺疾患患者の心理療法は,「負の感情」をもって葛藤に留まる神経症患者とは異なる構造をもつ可能性が指摘されているが,その心理的機序については未だ不明の部分が大きい。本プロジェクトは,甲状腺疾患患者のこころの働きを検討し,どのような心理療法的アプローチが可能かを検討するものである。
 甲状腺疾患のなかでもバセドウ病は,古くから心身症の1つに挙げられ,心理的問題と関連深いことが知られている。実際医師からカウンセリングにリファーされることも多いが,カウンセリングに導入される事例は,内科治療のみの事例に比べて寛解率が低いことが報告されており,通常の薬物療法では改善の難しそうな患者がカウンセリングにリファーされている可能性が示唆される。身体的アプローチにおいても心理的アプローチにおいても,甲状腺機能の状態と心理的特徴の関連を把握しておくことは重要であると思われる。本研究では,手術という身体治療に伴う甲状腺疾患患者の心理的特徴の変化を継続的に追い,甲状腺疾患患者のこころと身体の関係について検討する。医療の実際において,どのような患者が心理療法に適しているか,また心理療法を併用しなくてもどのような変化が患者に生じているのかを検討することで,広い意味での心のケアを考慮した医療に寄与できると考えられる。

2012/06/04

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