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  4. こころ観の思想史的・比較文化論的基礎研究
    (人類はこころをどのようにとらえてきたか?) (『こころ観』領域)

こころ観の思想史的・比較文化論的基礎研究
(人類はこころをどのようにとらえてきたか?) (『こころ観』領域)

研究代表者
鎌田東二 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
山極寿一  京都大学理学研究科教授 霊長類学・進化論・ゴリラ研究・理学博士
松本直子 岡山大学文学部准教授 認知考古学・博士(文学)
湯本貴和 総合地球環境学研究所教授 植物生態学・理学博士
矢野智司 京都大学教育学研究科教授 臨床教育学・博士(教育学)
入来篤史 理化学研究所・グループリーダー 脳科学・医学博士
長谷川敏彦 日本医科大学教授        医療人類学・公衆衛生学・医学博士
末木文美士 国際日本文化研究センター教授 仏教学・文学博士
センター参画
大石高典 京都大学こころの未来研究センター研究員
人類が「こころ」をどのようにとらえてきたかを、宗教・哲学・芸術・思想・科学の観点から多様なアプローチを試み、「こころ」観の多様性を浮き彫りにしつつ、その多様性の中の共通原理に迫ってゆく。そのための基礎研究として、思想史的かつ比較文化論的な考察を加え、「こころ」観の変遷や多様性を俯瞰する。その際、霊長類からのヒトへの進化の視点を念頭に置く。また、「こころ観」研究から抽出される論点を整理していく。
より具体的には、日本列島に生きた人々がどのようなこころを持ち、こころについての思想を持ったのかを通史的に見てゆく。①縄文遺跡から見る日本列島人のこころ、②弥生遺跡・古墳から見る古代人のこころ、③古事記・日本書紀・古語拾遺などの神話と古代神道から見る日本人のこころ観、④仏教から見るこころ観、⑤儒教から見るこころ観、⑥近代日本の「こころ」観(夏目漱石の「こころ」と宮沢賢治のこころ観など)、⑦空海の「秘密曼荼羅十住心論」と最澄の「道心」(山家学生式)観などについて、研究発表をしながら議論し、考察を加えてゆく。同時に、サルやチンパンジーやゴリラとヒトのこころについての連関と差異について、またこころ観の文化差や地域差や時代差(古代のこころ観と近代のこころ観など)、あるいは精神疾患との関係について、考察を加える。この「こころ観の研究」によって、さまざまなこころ研究の思想的前提を確認し、共通の土俵作りや、それぞれの研究者のよって立つ位置の自覚を促し、多様性を認めつつ、「こころ」モデルを析出・整理する。

2010/04/13

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