負の感情と生きがい観教育 (『負の感情』領域)
研究代表者
カール・ベッカー 京都大学こころの未来研究センター 教授
共同研究員
風間明日香 京都大学人間・環境学研究科 博士後期(心理学)
奥野元子 京都大学人間・環境学研究科 博士後期(心理学)
服部晃次 大阪教育大学大学院 家政教育専攻博士課程 博士前期(教育学)
センター参画
内田由紀子 京都大学こころの未来研究センター助教
近年、中高学校の教員は、従来であれば親が果たしてきた役割と責務を担わされるようになっている。挨拶などの礼儀作法から、人権やいのちの尊重、さらには自尊心を持つことまで、「親」ではなく「教員」がすることが期待されている。だが、従来の学校教育にはそのようなカリキュラムは皆無に等しかったので、教員自身も学校で教わった覚えはなく、教える手本がないまま手探り状況におかれている。同時に、生徒の学力を向上させるようにとの要請もあるので、教員は時間にも追われており、生徒の指導困難をも受け、疲労や燃え尽き、勤務拒否までも示している。
上記の課題に対しても多少の解決策を目指すために、本プロジェクトは(1)教員自身の疲労やニーズを調査した上、(2)教員の精神的支援と(3)生徒の集中・落ち着き・従順さ改善などを研究する。その目的を少しでも果たせたら、過去三年の連携を通じて、京都府や京都市の教育関係者が協力してくれる見込みとなっているところである。すなわち(1)燃え尽きる危険性のある教員の特定と理解に加え、その後、(2)燃え尽き防止につながる共同作業を進めてゆき、最終的には(3)イメージ療法や深呼吸法などを教育現場でも活かせることを検討する。
2010/04/14