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現代における自己意識・他者意識の研究 (『こころ観』領域)

研究代表者
河合俊雄 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
田中康裕  京都大学教育学研究科・准教授  教育人間学・博士
赤坂憲雄  東北芸術工科大学・教授  民俗学
猪股剛   和歌山県立医科大学・准教授  臨床心理学・博士
岩宮恵子  島根大学・教授 臨床心理学
今石みぎわ 東京文化財研究所・学芸員 民俗学・博士
川合正裕  奥会津書房・職員 民俗学・修士課程修了
畑中千紘  立命館大学学生サポートルーム・契約カウンセラー
橋本尚子  京都学園大学人間文化学部・准教授
                                            (教員提案型)
心理療法は、主に神経症を対象としてきたが、神経症も心理療法も近代意識の確立と密接に関わっている。つまり、自分で自分を内省し、自分と自分が葛藤するという「自意識」なくして神経症はありえないし、また心理療法もありえない。自意識と同時に「内面性」というのも重要な要素である。
ところが、近年における心理療法においては、自傷・犯罪などの行動化する問題を含む解離症状や発達障害が増えてきており、それらにおいては、葛藤や自意識の問題というのが認められない。これはある意味で、心理療法というパラダイムそのものを揺るがすほどになっている。
本研究では、明治以降に西洋との出会いによって、急速にプレモダンな意識から近代意識の確立を迫られた日本人の意識において、大きな変化が起こっているのではないかということを、心理療法の事例、文学・芸術作品の検討、さらには思想的なアプローチを含めて研究していきたい。
これによって、こころ観がどのような歴史的背景を持ち、またどのような方向に変化してきているかという、まさにこころの未来のビジョンを提供していけると思われる。

2011/06/23

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