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【教員提案型連携研究プロジェクト】負の感情研究-怨霊から嫉妬まで (『負の感情』領域)

研究代表者
鎌田東二 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
長谷川敏彦  日本医科大学教授    医療人類学・医学博士
畑中千紘 京都大学こころの未来研究センター特定助教
奥井遼  京都大学こころの未来研究センター特定研究員
共同研究員
和崎聖日 日本学術振興会PD研究員 文化人類学・人間・環境学修士
                                    (教員提案型)
 人間の「こころ」のはたらきの中で特に大きな影響を及ぼすのが「負」の感情である。「負」の感情には、例えば、怒り、憎しみ、恨み、嫉みなどさまざまあるが、その「負」の感情をコントロールすることは容易ではなく、「攻撃」に代表される社会的行動の最も強力な「動機」となり得るとされてきた。
本研究では、これまで「負」とされてきた感情を、「正」の感情との相補的な関係や、「正」の感情との可換性を手掛かりに、同時代の諸社会における参与観察と様々な時代の文献解釈を往還しつつ分析し、野外研究、文献研究のみならず、実験研究、臨床研究も加え、それら四つの研究手法を戦略的に組み合わせてアプローチしていく。
 具体的には、まず、怨霊、祟り、怨念、呪い、復讐などの歴史民俗事例に関する文献記述を批判的に見直し、再解釈を行う。また、文学・音楽・演劇・舞踊などに表象されてきた「負」の感情表現(例えば、『源氏物語』『平家物語』、世阿弥の複式夢幻能、夏目漱石、遠藤周作、大江健三郎などの作品)に応用し、「負」の感情の克服に芸術が通時代的に果たしてきた役割を解明する。
これらの文献・フィールド・実験・臨床による基礎研究を踏まえて、「負の感情」をコントロールする技法を研究し、その基礎研究を応用研究に結びつけてゆく。

2012/06/04

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