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【教員提案型連携研究プロジェクト】こころとモノをつなぐワザの研究 (『こころ観』領域)

研究代表者
鎌田東二 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
梅原賢一郎  京都造形芸術大学教授 美学・芸術学・文学修士
岡田美智男  豊橋技術科学大学大学院教授 生態心理学、認知科学、ロボット研究、工学博士
藤井秀雪   京都造形芸術大学ものづくり総合研究センター主任研究員 マネキン研究
上林壮一郎  京都造形芸術大学准教授 デザイン、芸術学修士
井上ウィマラ 高野山大学准教授 スピリチュアル・ケア学、瞑想法、身体技法
倉島哲    関西学院大学社会学部准教授 社会学、身体技法論
大重潤一郎  NPO法人沖縄映像文化研究所理事長
須藤義人   沖縄大学こども学科専任講師
佐久間庸和  北陸大学未来創造学部客員教授
奥井遼    京都大学こころの未来研究センター特定研究員
山田真由美  作曲家・音楽家
共同研究員
アルタンジョラー  千葉大学文学研究科博士課程
                                    (教員提案型)
「こころ」に迫る観点として「ワザ」に注目したい。「ワザ(技・業・術)」とは、人間が編み出し、伝承し、改変を加えてきたさまざまな技法である。その技法には、呼吸法や瞑想法などを含む身体技法や各種の芸能・芸術の技法やコミュニケーション技術など、実に多様で豊かな種類がある。このようなワザに着目することにより、人間のこころと、人間が作り上げてきた物や道具や観念世界などとの相互関係を具体的に吟味できる。ワザはこころとモノとをつなぐ媒介者である。
通常、物は目に見えるが、こころは目に見えない。だが、こころはさまざまなワザを通して、物の世界に形を与え、人間世界に広がりと深みをもたらした。古くは、わが国では神を呼び出し、交わり、生命力を高め強化する技法を「ワザヲギ」と呼んだ。ワザは諸種の儀礼・芸能・芸術・技術・学芸・ライフスタイルを含み、人間はこのワザの力によって豊かな文化を形成し、生の充実をはかろうとしてきた。
「ワザ」は「こころ」と同様に、広がりと多義性を持つ言葉である。柔道では「ワザアリ」という語がそのまま国際判定語になっているが、世界共通語としての「ワザ」の世界を探求し、「ワザ」の本質と意味、またそのヴァリエーション(諸相)を研究することによって、こころと生の豊かさと面白さや楽しさを捉え、それぞれの生活実践に生かし応用することができる。そしてそれが個性と自由を担保したこころ直しと世直しにつながってゆく。

2012/06/04

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