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平成24年度こころを整えるフォーラム「観阿弥生誕680年世阿弥生誕650年記念―観阿弥と世阿弥の冒険―」が開催されました
2013年2月17日、京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画 平成24年度こころを整えるフォーラム「観阿弥生誕680年世阿弥生誕650年記念―観阿弥と世阿弥の冒険―」が、京都市中京区の大江能楽堂で開催されました。
▽開催日時:2013年2月17日(日)13:00~16:30(12:30受付開始)
▽開催場所:大江能楽堂
▽プログラム
・13:00~13:05 開会挨拶 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター長)
・13:05〜13:15 趣旨説明 鎌田東二 (京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
・13:15~13:50 基調講演 「能の世界と苦悩の表現」観世清和(二十六世観世宗家)ナビゲーター:鎌田東二
・13:50~14:30 実演 舞囃子「敦盛」観世清和
・14:30~14:50 休憩
・14:50~15:30 講演「能の発生とその時代」松岡心平(東京大学大学院総合文化研究科教授・日本文学・演劇)
・15:30~16:30 鼎談「観阿弥生誕680年・世阿弥生誕650年記念 観阿弥と世阿弥の冒険:伝統と革新」観世清和+松岡心平+鎌田東二(司会)
■100年を超える歴史の大江能楽堂で観阿弥・世阿弥の世界を探る
こころの未来研究センターでは、京都府との共同企画で数々のシンポジウムを行なってきました。2013年は、100年の歴史を持つ大江能楽堂を会場とする初の試みで開催。観阿弥、世阿弥の流れを汲むシテ方五流の最大流派である観世流の二十六世観世宗家・観世清和師、能を中心とする日本の中世芸能・中世文学の研究者として活躍する東京大学大学教授の松岡心平氏を迎え、能の発生と起源伝承、観阿弥・世阿弥が生き抜いた時代、能の表現と創造性について、舞囃子の実演をまじえたダイナミックな内容で繰り広げられました。
本シンポジウムの企画・ナビゲーターを務めた鎌田東二教授は開催の挨拶文で下記のように趣旨を紹介しています。
これまで京都府との共同企画として、2008年11月に「平安京のコスモロジー」(創元社より2010年に『平安京のコスモロジー』として出版)、2009年11月に「遠野物語と古典――物語の発生する場所とこころ」(創元社より2011年に『遠野物語と源氏物語――物語の発生する場所とこころ』として出版)、2010年11月に「平安京と祭りと芸能」(報告書掲載、また創元社より2013年に創元社より出版予定)、2011年11月に「ワザとこころ-葵祭から読み解く」(報告書および『モノ学・感覚価値研究第6号』に掲載、2012年3月刊)、2012年11月に「ワザとこころPartⅡ 祇園祭から読み解く」(報告書作成中、2013年3月刊予定)と5回にわたるシンポジウムを開催し、歴史都市・京都に伝わる伝統文化を、世界観・物語・芸能などの観点から論議してまいりました。
そして今回、これらの共同企画の延長で、シンポジウム「観阿弥と世阿弥の冒険」を開催する運びとなりました。本年は、観阿弥(1333~1384)生誕680年にして、世阿弥(1363~1443)生誕650年となります。その節目の年に、南北朝時代の混乱期を生き抜き、日本芸能史に新しい「複式夢幻能」という形式を確立していく観阿弥と世阿弥という2人の独創的な芸能者・芸術家の創造性の秘密とその「ワザとこころ」を探ることを通して、現代という混乱期を生き抜いていく知恵と活力と勇気を得たいと考えました。
そこで、能(猿楽・申楽)という芸能が、源平の合戦を始めとする戦乱や生老病死や無常の世相を含め、どのように時代の「苦悩」を掬い上げ、表現しているかを、観世宗家・観世清和師と能研究の第一人者である松岡心平氏を迎えて探ってみたいと思います。
(開催趣旨全文はこちらからダウンロードできます)
前半の基調講演は、演題 「能の世界と苦悩の表現」で観世清和 二十六世観世宗家のお話で始まりました。ナビゲーター役の鎌田教授から「宗家にとっての観阿弥、世阿弥とは」という質問が投げられると、「昨今、観阿弥、世阿弥に関する様々な研究がなされ論文や書籍も出ているが、私にとって流祖・世阿弥はより身近な存在」と話し、代々観世家に伝わる世阿弥自筆の能本『第六花修』をいかに守り通してきたか、宗家ならではのエピソードを披露されました。
観阿弥と世阿弥の違いについては、世阿弥の室町幕府という北朝方の規範の中で能を確立したスタイルと、おおらかに表現した観阿弥との差異は明らかであるとし、観阿弥の代表作『自然居士』をにふれながら、両者の生きざまと時代性について臨場感たっぷりに話しました。また、世阿弥の生涯を振り返り、晩年の奈良への回帰を表す作品の数々や、佐渡に流された出来事の真偽について「流刑された」とする鎌田教授と小気味よく意見を闘わせるなど、エネルギッシュな宗家の語りに満員の会場のムードが高まりました。
また、観世家が代々守り通してきた『風姿花伝』の話を皮切りに、特別な演目とされる修羅能『朝長』を紹介し、死者の魂を鎮め供養する能の役割について触れ、実演する『敦盛』の見どころについて、「ワキである敦盛を討ち取った熊谷直実が出家をした姿で現れたり、前シテが木こりを演じるという珍しい演目であり、今日お見せする舞囃子では敦盛が合戦前夜の酒宴を想起して舞い、敵であった直実に対して今は許し共に成仏しようという優しい願いが感じられる、そのような部分を見ていただきたい」と紹介。講演後、宗家による舞囃子「敦盛」の実演がありました。
続いて、松岡心平 東京大学大学院総合文化研究科教授が「能の発生とその時代」という演題で講演を行ないました。13世紀とされる能の成立について、それ以前の11世紀からの「後戸猿楽」に源流があると提唱する松岡教授は、本年1月に出版された『能を読む(1) 翁と観阿弥 能の誕生』(角川学芸出版、2013/1/24)に所収された「翁芸の発生」を紹介し、猿楽から能へと至る流れについて、滑稽な時代を演じた「散楽・猿楽の時代」、修正会で寺院の後戸に詰めて乱声を担当した猿楽が「鬼」を演じて仮面を獲得したとする「後戸猿楽の時代」、仮面のパフォーマンスを確立した「翁猿楽の時代」、そして仮面演劇、複式夢幻能が成立した「能の時代」と、4つの区分をもとに当時の様子を生き生きと解説しました。さらに、今回のテーマである「能の苦悩の表現」について、「受苦、苦の瞬間『朝長』は、人間の苦をとてもリアルに描く、その源流として下衆猿楽の人たちが翁より以前に後戸猿楽で演じていた"鬼"につながるのではないか」と説明。壮大な歴史の中での能の位置付け、その起源について長年の研究成果からの深い考察と知見で聴衆を惹きつけました。なお、3月には前述の書籍第二弾『能を読む(2) 世阿弥 神と修羅と恋』が出版され、松岡教授は鬼と世阿弥についての稿を執筆しています。
その後、登壇者3人による鼎談の時間となり、松岡教授の講演から続く形で「鬼と能」をテーマにディスカッションが始まりました。鬼を生涯のテーマとし、先の講演で出た『朝長』の最期に先祖が立ち会ったという鎌田教授の話を受け、宗家はシンポジウムのポスター(右上の画像)に登場する赤鬼(しゃっき)、黒鬼(こっき)の能面を紹介しながら、これらが代々観世家の「怨念」を納めているという本面たんすに翁面と共に収められていると話し、観世家と鬼の強い関係について語りました。その話に対し、鎌田教授からは天河弁財天社における鬼の祭祀について、松岡教授からは前述の本面たんすに収められた能面の順序が、翁が最も上ではなく鬼が上だという話から「やはり能の発生源として翁猿楽よりも鬼が出る後戸猿楽があるのでは」と自説との関連についての考察が出て場が盛り上がりました。また、能面に続いては囃子で用いられる楽器についての話題へと移り、鎌田教授は、能管が雅楽の笛では出ないひしぎの音の独自性について、死者の魂を呼び鎮める古来からの石笛に繋がるものでは、という考えを示しました。そこから発展し、宗家による海外で囃子を聞いた外国人からの「かけ声」に対する驚きの反応や、役者として能に登場する囃子方とオーケストラとの違いなどを紹介、さらに能面の持つ役割や鬼の面、女性面をつける際の精神、肉体のあり方、『翁』『三番叟』などに通ずる宗教性など、興味深いエピソードの数々が語られ、終始、会場は熱気で溢れました。
シンポジウムの締めくくりとして、観世宗家は東日本大震災後における鎮魂供養のための活動に触れ、「天下太平、国土安穏だけではなく、やはりいま生かされている、あるいは亡くなられた方々に対する供養ということを忘れてはいけないと思い、演じている。さらには未来に向かって明るい日本、美しい日本のための祈りの心を持ち続け、脈々と伝わる伝統を守り引き継ぎながらも、多くの皆様に能を観ていただくための能を日々考えている。どうか、皆様にはお気軽に能楽堂へ足を運んでいただき、自由な雰囲気でお能に接していただきたい」と話し、会場は大きな拍手で包まれ、鎌田教授の結びの法螺貝をもって、シンポジウムは終了しました。
▽シンポジウムの様子
シンポジウム「日本の聖地文化~相模国一宮寒川神社と延喜式内社研究」が開催されました
2013年2月27日、シンポジウム「日本の聖地文化~相模国一宮寒川神社と延喜式内社研究」が稲盛財団記念館3階大会議室で開催されました。本シンポジウムは、こころの未来研究センター 鎌田東二教授が研究代表を務める「癒し空間の総合的研究」プロジェクトにおける研究成果発表の場として開催。2012年3月に出版された『日本の聖地文化――寒川神社と相模国の古社』に収録した内容について、それぞれの研究者が最新の知見をまじえて紹介しました。また、寒川神社宮司の利根康教氏、寒川神社禰宜で方徳資料館副館長を務める加藤迪夫氏をコメンテーターとしてお迎えしました。
▽日時:2013年2月27日(水)13:00~17:00
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽主催:京都大学こころの未来研究センター「癒し空間の総合的研究」プロジェクト(研究代表:鎌田東二)
▽プログラム
第一部『日本の聖地文化――寒川神社と相模国の古社』(鎌田東二編著、創元社、2012年3月刊)からの提言 13時~15時30分
話題提供者:原田憲一、中野不二男、五反田克也、湯本貴和、河角龍典 ※登壇者の所属・肩書・専門は下記書籍の目次を参照ください
司会:鎌田東二
第二部 総合討論「日本の聖地文化と寒川神社と延喜式内社研究」15時45分~17時
コメンテーター:加藤迪夫(寒川神社方徳資料館副館長・寒川神社禰宜)+話題提供者
『日本の聖地文化――寒川神社と相模国の古社』鎌田東二編著、創元社、2011年3月刊
序 章 パワースポット・ブームと聖地文化 鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
第1章 相模の国の地質と古代 原田憲一(前京都造形芸術大学教授・現在:NPOシンクタンク京都自然史研究所特別研究員・地球科学)
第2章 相模の国の花粉分析 五反田克也(千葉商科大学准教授・花粉分析)
第3章 相模湾の海水準と宇宙人文学 中野不二男(JAXA主幹研究員・京都大学宇宙総合学ユニット特任教授・宇宙人文学)
第4章 相模の国の生態系と古代遺跡 湯本貴和(前総合地球環境学研究所教授・現在:京都大学霊長類研究所教授・生態学)
第5章 相模の国と寒川神社周辺の地理学的考察 河角龍典(立命館大学文学部准教授)
第6章 縄文中期最大の住居跡・岡田遺跡と寒川神社 小林達雄(國學院大學名誉教授)
第7章 寒川神社と相模国の古社の歴史と民俗 鎌田東二
終 章 関東地方の聖地文化 鎌田東二
■多角的な視点から総合的に「癒し空間」「聖地文化」を研究
シンポジウムの第一部では、「『日本の聖地文化――寒川神社と相模国の古社』(鎌田東二編著、創元社、2012年3月刊)からの提言」として、プロジェクトに参画した研究者達が一堂に会し、本にまとめたこれまでの研究成果を発表しました。
「癒し空間の総合的研究プロジェクト」の要(かなめ)的な位置付けにある相模国一之宮 寒川神社は、方位除・八方徐で全国唯一といわれ、年間参拝者数200万人を超える関東を代表する神社です。平安時代の『延喜式』によれば、相模国の古社13社の中でもとりわけ格式の高い社格に位置づけられています。
冒頭、登場した鎌田教授は、寒川神社を中心とする縄文寒川文化圏や方位信仰、延喜式内社を多角的に調査したプロジェクトの歩みを説明。寒川神社が2009年に開設した方徳資料館が方位信仰に関する研究を開始するにあたり、鎌田教授に声がかかったエピソードなども紹介し、「プロジェクトは人々に安心や救済をもたらす『癒し空間』の役割を多角的に解明することを目的とし、様々な手法で総合的に研究を進めてきた。宇宙空間からの衛星データに基づいて、延喜式内社が時代毎の海水準とどのような関係になるかを調べるなど、科学的なデータをもとに、日本の聖地である神社の歴史的・環境的位置関係の推定に取り組んだ。京都をひとつのめやすとして、寒川神社のある相模の国の癒し空間までを研究することにより、癒しと救済がどのようにおこなわれていたかを総合的に研究した成果の全てをまとめたのが本書である」と、『日本の聖地文化~相模国一宮寒川神社と延喜式内社研究』の意義について語りました。
また、2011年の東日本大震災や和歌山での洪水被害がプロジェクトに与えた影響についても説明。「震災後は4度に渡り、現地の被災状況とそこにおける延喜式内社を含む神社仏閣の調査を行なった。浸水線ギリギリのところで津波被害の難を逃れ、震災後に人々の救済の場として役割を果たす神社や寺を訪問調査したことで、聖地が人々の安全を守り救う役割を果たしたことが分かった。間もなく5度目の調査に行き、震災があった3.11には被災地の海でみそぎを行ない、この時季の冷たい水に自ら浸かることで、被災地の問題を実感的に捉えていきたい。また、もうひとつ重要なポイントとして、神事によって神をなぐさめ人々を悦ばせる神楽など、人々の力を内側から活性化させる力が芸能にある。東日本大震災では石巻市の雄勝法印神楽の復興を目の当たりにし、芸能の力を実感した。今回のプロジェクトは、災害も含めた自然との関係性も対象としながら自然科学の方法を駆使し、神社の持つ機能を追究してきた」と語りました。
本書の章順に行なわれたプロジェクト成果発表では、原田憲一 前京都造形芸術大学教授・現NPOシンクタンク京都自然史研究所特別研究員が「相模の国の地質と古代」、五反田克也 千葉商科大学准教授が「相模の国の花粉分析」、中野不二男 JAXA主幹研究員・京都大学宇宙総合学ユニット特任教授が「相模湾の海水準と宇宙人文学」、湯本貴和 前総合地球環境学研究所教授・現京都大学霊長類研究所教授が「相模の国の生態系と古代遺跡」、河角龍典 立命館大学文学部准教授が「相模の国と寒川神社周辺の地理学的考察」について、それぞれ報告しました。
■神社、研究者が力を出し合い研究成果へ
第二部では、はじめに2本の資料映像「方位信仰と平安京」「寒川神社と相模國の聖地文化」が上映されました。プロジェクト研究の基本知識を網羅した映像を視聴したのち、第一部の発表者とコメンテーターによる総合討論・質疑応答が行なわれました。
コメンテーターとして登壇した寒川神社方徳資料館副館長・寒川神社禰宜の加藤迪夫氏は、「このような形で神社と研究者が力を出し合い成果を上げたことは、神社界としても新たな方法であり先見の明があるといえる」とコメント。学問調査対象としても注目される寒川神社の調査をさらに深め、神社の歴史と謎を紐解いていきたいと話しました。
活発な質疑応答が行なわれた第二部の締めくくりとして、寒川神社宮司の利根康教氏より挨拶があり、「寒川神社では、地域への還元事業として病院、老健施設、結婚式場を運営している。こうした社会活動の一環として、本プロジェクトでは3年間、先生方に寒川神社と相模国について研究を行なっていただいたが、地質学や宇宙物理学などの側面から神社を調査する手法に驚くと共に、様々な現象に対して子細に調べ上げる研究者の取り組みに感心した。素晴らしい試みに感謝申し上げたい」との感想がありました。
最後に鎌田教授は「長時間に渡って最新の研究成果をふまえた有意義な会を持つことができた。今回のプロジェクトの成果として本書があり、この本をふまえてシンポジウムを開催できた。これに続いて第二弾、第三弾と調査研究を進化させていきたい」とさらなる研究の発展へと意気込みを語り、シンポジウムを終了しました。
▽発表者・コメンテーター・シンポジウム風景
第3回「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」シンポジウム・研究会の逐語録を公開します。
2012年7月11日に開催された第3回「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」シンポジウム・研究会の逐語録をこちらからお読みいただけます。
「京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画シンポジウム ワザとこころ パートⅡ ~ 祇園祭から読み解く」が開催されました
「京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画シンポジウム ワザとこころ パートⅡ ~ 祇園祭から読み解く」が、2012年11月25日、稲盛財団記念館3F大会議室(ポスター展示)にて開催されました。
▽開催日時:2012年11月25日(日)13:00~17:00
▽開催場所:京都大学 稲盛財団記念館3階大会議室
▽参加者数:103名
▽プログラム
趣旨説明 鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
映画上映 『京都歳時記 祇園祭』(監督:大重潤一郎)
基調講演 「祇園祭から見るワザとこころ~祇園祭の世界観」
脇田晴子(滋賀県立大学名誉教授・石川県立歴史博物館館長・文化勲章受章者)
報告1 「祇園祭の神事」橋本正明(八坂神社権禰宜)
報告2 「祇園祭の山鉾巡行について」吉田孝次郎(公益財団法人祇園祭山鉾連合会理事長)
パネルディスカッション 司会:鎌田 東二
■「祇園祭」を通して、内在するワザとこころを読み解く
2011年に開催した「ワザとこころ~葵祭から読み解く」に続き、京都を代表する祭り「祇園祭」に込められた「ワザとこころ」を探るシンポジウムが開催されました。
はじめに趣旨説明を行った鎌田教授は、「センターでは『こころ(kokoro)に対して脳科学から宗教学までのあらゆる研究分野や研究方法を通してアプローチしていますが、その中のひとつとして『こころ』に迫る観点として『ワザ』に注目した『こころとモノをつなぐワザの研究プロジェクト』があり、伝統芸能・芸術、身体技法や修行など様々な分野の『ワザ』研究を進めています」とプロジェクトを紹介。「京都府との共同企画では、歴史都市・京都に伝わる伝統文化である祭にスポットをあて、昨年度のシンポジウム『ワザとこころ 〜葵祭から読み解く』に引き続き、シリーズ第二弾として『祇園祭』を通して、そこに内在する『ワザとこころ』を読み解くという企画をしました」と、今回のシンポジウム開催の背景を説明しました。
さらに、「持続千年首都・平安京の長期的維持を支えた要素には、水、祈り、ものづくり、里山文化、地方との交通・交換ネットワークなどがあり、豊かな山城の水都であった平安京には官祭・民祭・私祭など様々なレベルで祈りや祭りが行われました。官祭の最大のものとして、昨年のシンポジウムでとり上げた『葵祭』があります。そして、官民挙げての最大の祭として『祇園祭』が平安京・京都を支え続けている、といえます。日本を代表する『祇園祭』の『ワザとこころ』を探求する今回のシンポジウムを通して、地元京都の伝統の奥深さと面白さを再発見・再検証していただければ幸いです」と、話しました。(鎌田教授の開催趣旨説明全文はこちらでお読みいただけます。)
講演にさきがけて、大重潤一郎監督による映像作品『京都歳時記 祇園祭』が上映されました。自然や伝統文化をテーマとし、人間への深い洞察で様々な土地の人と文化を映像作品に残してきた大重監督が、日本人の魂である祇園祭を記録した貴重な映像です。会場の大画面に、都の人々が祭と向き合う姿、守り継がれる祭の伝統が息づく様子が映し出されました。なお、大重監督は、現在、2002年から12年の歳月をかけて沖縄県久高島の暮らしと祭祀を記録している映画『久高オデッセイ』の第三部の製作に取り組んでいます。(『久高オデッセイ』第三部・風章の制作に関する情報はこちらでお読みいただけます。)
■ 時代の変化のなかで町衆が支えた祭としてダイナミックに発展
基調講演では、滋賀県立大学名誉教授の脇田晴子先生(石川県立歴史博物館館長・文化勲章受章者)に「祇園祭から見るワザとこころ〜祇園祭の世界観」という演題でお話いただきました。
日本中世の商業史や女性史、芸能史研究などで知られ、2005年に文化功労者、2010年に文化勲章受章を受賞されている脇田先生は、『中世京都と祇園祭―疫神と都市の生活 (中公新書)』をはじめとする多数の著書でも知られています。
脇田先生は、祇園祭の誕生のいきさつと特色について、「恐ろしい疫病罹災から免れるために"疫病神"である牛頭天王を祀った、ある意味矛盾から生まれた祭」として、そのユニークな由来を紹介。平安時代末期、後白河法皇の勅命により作られたと言われる「年中行事絵巻」を示しながら「祇園御霊会」の様子をリアルに説明。鎌倉期にかけては、祭祀に奉仕することで商売や税の免除を受けていた「神人」と呼ばれる人々の存在があり、南北朝期にかけて町衆たちが祇園祭の担い手として活躍し始めるいきさつをお話しくださいました。
祇園祭を支えた「町組」の成り立ちとその構成については、町組の地図や山鉾の所在図を示しながらの説明があり、応仁の乱で中断した祭が町衆の力で復活させ、神社から独立した不即不離の関係で町組主体の祭礼が成長していった様子、さらに各地へと祇園祭を手本にした祭が広まった様子などが詳しく語られました。
基調講演の終わりに鎌田東二教授は、「さまざまな図版をもとに祇園祭の奥深さを解説くださった。葵祭が神を祀った古代の祭である一方、祇園祭は平安時代からは町人たちの自治的な力強さによって盛り上がり、その後全国でも祇園祭を手本とする祭が広がっていった。神社との関係も、不即不離を維持した祇園祭は、中世的な祭の典型といえます」とコメントしました。
■ 祭の復興にこめられた人々の思い。受け継がれるワザとこころ
その後、報告1として、八坂神社権禰宜(ごんねぎ)の橋本正明氏に「祇園祭の神事〜神輿を中心として」という演題でお話いただきました。豊富な歴史資料をもとに、御霊会や神輿の初見からはじまり、神事「神輿洗式」など祇園祭の神事や神幸路のルート、担い手の変遷などを数々の神社に残された文献や写真資料をまじえながら説明くださいました。
報告2では、祇園祭山鉾連合会理事長の吉田孝次郎氏が「祇園祭の山鉾巡行について」という演題でお話しくださいました。北観音山町に生まれた吉田氏は、50年以上に渡って囃子方を務め、『京都祇園祭の染織美術―山・鉾は生きた美術館』 (京都書院アーツコレクション) の監修もされています。山や鉾にかける染織品の歴史調査をもとに、織物が朝鮮王朝やアジアなど各地から渡来したルーツをはじめ、祇園御霊会が応仁の乱、戦争などの数々の歴史の波風を受け中断しながらも復興を遂げ、より華やかになっていった今昔のエピソードをお話しくださいました。また、祭の象徴ともいえる「祇園囃子」の発生と、囃子で奏でられる能管、太鼓、鉦(かね)それぞれの役割の変遷、山鉾のスタイルの移り変わりなどのエピソードを詳しくご紹介くださいました。
報告後、鎌田教授は「お二人の話を通して、戦乱などで途絶えた祭を復興するプロセスをお聞きするなかで、東日本大震災後の被災地での祭の復興とあいまって、人々が何を大切にしてきたのか、祭の根本精神、ワザとこころを伝えていくさまが切実に伝わってきました。また、古代中世近世の各段階の変化のなかで祇園御霊会からできあがってきた祭のダイナミックな展開を実感できました」と話すと共に、囃子で吹かれる笛についての考察として、自身が持つ石笛(いわぶえ)を披露したのち、「祭で用いられる笛が能管である理由について、世阿弥研究会での研究や自分の笛の経験をもとに考察すれば、古代の石笛からのルーツと関係性があるのではないか」と熱く語りました。
引き続き、会場では3名の講演者の方々と鎌田教授によるパネルディスカッションが行われ、祇園祭のワザとこころに関する様々なエピソードや討論が活発に繰り広げられました。
第1回こころを整えるフォーラム「沖縄久高島と京都の中学生の『地元文化自慢授業』」が開催されました
10月20日、第1回こころを整えるフォーラム「沖縄久高島と京都の中学生の『地元文化自慢授業』」が京都大学稲盛財団記念館大会議室で開催されました。
▽開催日時:2012年10月20日(土)13:00~17:00
▽開催場所:京都大学 稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム
13:00-13:20 趣旨説明(鎌田東二 こころの未来研究センター教授)
挨拶:兼島景秀(沖縄県南城市立久高小中学校長)
13:20-14:10 久高中学校(沖縄県南城市久高島)の生徒による「島自慢授業」
14:10-15:30 西賀茂中学校(京都市北区)・和知中学校(京都府船井郡京丹波町) の生徒による「地元文化自慢授業」
15:30-15:45 休憩
15:45-17:00 ディスカッション
コメンテーター:やまだようこ 京都大学名誉教授・立命館大学特別招聘教授(発達 心理学)
司会:鎌田東二(宗教哲学・民俗学)
閉会挨拶 新宮雅之(京都府京丹波町立和知中学校長)
【特別関連企画】
10:30~12:00/記録映画上映「久高オデッセイ第二部 生章」(大重潤一郎監督作 品)
京都府とこころの未来研究センターの共同企画として開催した本フォーラムでは、初めての試みとして、「神の島」として尊崇される沖縄県の久高島で、島民と共に伝統文化を守り続けている久高中学校と、地元の伝統的な祭りを守る活動を行っている京都市立西賀茂中学校、芸能の伝承を担っている京丹波町立和知中学校の三校の生徒が集い、「地元文化自慢授業」と称して、地元文化の実演発表等とディスカッションを行いました。
開催の趣旨と経緯について、京都府と共にフォーラムを企画し、当日の司会進行を務めた鎌田東二教授はこのように紹介しています。
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「この催しは、1年以上の準備を経て開催にこぎつけました。昨年9月に行われた久高 島の大運動会(幼稚園・小学校・中学校・島民全員参加)にやまだようこ先生(京都大学名誉教授)ともども参加し、兼島景秀久高小中学校長先生や久高島留学センター代表の坂本清治先生とお話しする中で、今日の催しの基本構想が生まれてきました。
いじめや不登校や無気力など、学校現場を浸食している教育の諸問題を解決してい く糸口の一つとして、生徒本人が生活しているそれぞれの地域の「地元文化」をどう捉えるかは、問題解決にすぐにはつながらなくても、重要な糸口になるはずだと考えます。なぜなら、それによって、生徒自身が、自分自身の立ち位置や、自分たちの家族や、 共同体や社会の歴史と現実を深く見つめ、考えていくきっかけとなると思うからです。そして何よりも重要なのは、この社会を、この世界を構成しているのは、自分た ちだけでなく、いろいろな人々、もの、いのち、環境あってのことと、他者を理解し 大切に思う心を育む機会になると確信するからです。「地元文化」に対する深い関心と愛情と誇りなしに、「他文化」に対する深い理解と 尊敬心は生まれにくいのではないでしょうか?
そんなことを考えながら、本日の催しに取り組んでまいりたく思います。」
(当日の配布資料より)
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第一部では、鎌田教授による趣旨説明の後、兼島景秀 久高小中学校長の挨拶があり、久高島中学校生徒と先生らによる「地元文化自慢授業」が始まりました。
はじめに引率担任で琉球舞踊の名手である大城寿乃先生が琉球古典舞踊「かせかけ」 を披露し、会場が一気に沖縄ムードに包まれました。その後、生徒みずからの手によるパワーポイントでの久高島紹介があり、生徒がお面をかぶって踊る「あぶじゃーまー」、琉球空手の実演、ダイナミックなエイサーが披露され、ラストは会場の参加者を巻き込んでのカチャーシーで盛り上がりました。
続いて西賀茂中学校の生徒が、地元の上賀茂神社との繋がりを紹介し、職場体験プロジェクトで習った「神楽(かぐら)」の舞を披露したほか、東日本大震災を機に始まった福島県いわき市立小名浜中学との交流活動を紹介。「東日本に元気と笑顔を」というキャッチフレーズで大規模な募金活動やビデオレター交換、Tシャツ制作など被災地を支援するために元気に活動する様子を伝えました。
第一部最後には和知中学校が登場。ハッピを着た生徒らによる和太鼓の演奏で始まり、激しい動きと共に見事な太鼓の音が会場全体に響き渡りました。パワーポイントでは四季折々の和知の様子が紹介され、京都府指定無形民俗文化財となっている和知人形浄瑠璃を生徒らが地元の人々の指導のもと、昨年の国民文化祭での上演に向けて必死に取り組む活動の様子が、臨場感あふれる写真説明とビデオで紹介されました。
第二部では、各校の生徒によるディスカッションが行われ、冒頭で挨拶に立ったコメンテーターのやまだようこ京都大学名誉教授が「久高中の発表は、自分たちの文化を誇りに思いながら世界に発信する力を感じた。伝統文化が血肉となっている。西賀茂中は、自然への感謝や祈りと、東日本大震災の被災地への取り組みを繋げて発表し、その大切さを私たちに教えてくれた。和知中は、人形浄瑠璃や和太鼓の迫力や、発表のなかでの『和知が好き。誇りに思う』という言葉がとても良かった。(イベント全体を通じて)自分たちの地域や文化を誇りに思い、他文化、他地域と交流して世界に開いていくことが大切だ」と感想を述べ、米心理学者のエリクソンが作った「Generativity=ジェネラティビティ(次世代へと繋ぎながら、価値を生み出す行為に積極的にかかわっていく、という意味)」を引用しながら、「3校の発表から、伝統を継承し次へ伝え、新しいものを生み出しながら、生きる力も生み出す、そんな良い循環を感じた」と感想を述べました。
鎌田教授の進行のもと行われたディスカッションでは、各校の生徒が自分たちの発表の感想や、他校の発表を見て感じたこと、やまだ名誉教授からの「なぜ伝統を守りたいと思うのか?」といった質問に対する意見を活発に発言しました。「久高島のエイサーはとてもカッコ良かった。自分たちの太鼓にも取り入れたい(和知中学)」「自分たちの発表は、他校ほどダイナミックではなかったが、祈りや自然への感謝の気持ち、被災地への支援活動などは独自のものだと再確認した(西賀茂中学)」「沖縄の伝統行事は、僕たちの祖先が大事にしてきたもの。僕たちの代でそれをなくしたくない。これからも後輩に伝えていきたい(久高中学)」など、各校がそれぞれの思いを熱く語っていました。
来場した参加者もマイクを取り感想を述べました。過疎が進む久高島の再生をめざして設立され、島の活性化に貢献する山村留学センターの坂本清治さんが、「このようなフォーラムが実現して嬉しい。全国の限界集落といわれる場所の状況が年々厳しくなっているなか、地元と外部の人が繋がっていく取り組みが大切だと感じている。中学生の皆さんは今日のフォーラムで出会った人、関心を持ってくれた人と関わっていくことで、次の社会を作り出してほしい」と話しました。
フォーラムの締めくくりにあたり、西賀茂中学校の西田教頭は「京都には数多くの伝統文化があるが、あるのが当たり前という感覚になっているところがある。今回、あらためて伝統を足もとから見直す機会が得られたのではないか」とコメント。和知中学の新宮校長は、「今日はこころを整えるというテーマについて考えてきたが、生徒たちが一生懸命取り組み、発表した伝統芸能は、今後も途絶えることなく自然と調和しながら、世代から世代へと引き継がれるべき日本の誇れる文化だと思う。この文化が継承されていくことが日本の未来を支るものと信じています」とフォーラムを総括しました。
鎌田教授は、フォーラムを終えた感想として、このようにコメントしています。
「こころの未来研究センターは、その名の通り、豊かな "こころの未来" を創造していくというミッションを持っていますが、研究方面からだけでなく、さまざまな社会実践や社会教育活動と連携しながら "豊かなこころの未来" を創造していくことも大事な仕事の一つだと考えてます。とりわけ、今回、14~15歳の、本当に打てば響く年齢の少年・少女たちに "こころを 整え、練る" 機会と場と環境を提供できることがどれほど重要ですばらしいことか、 改めて強く感じました。これを機に、さらに構想をあたため、何らかの形で、継続していくことができれば "豊かなこころの未来づくり" に少しでもお役にたつことができるのではないかと、 一層気を引き締めて頑張っていきたいと思います。」
▽フォーラムの様子
こころの未来研究センターでは、引き続き京都府との連携により地域と文化、学際研究と社会を結ぶ様々な取り組みを行って参ります。
次回の京都府との共同企画シンポジウムは、「ワザとこころ パートⅡ ~ 祇園祭から読み解く」というテーマで11月25日(日)に開催します。
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第2回ブータン文化講座「イエズス会宣教師の見たブータン ―仏教とキリスト教―」が開催されました
10月18日、こころの未来研究センター・ブータン学研究室主催「第2回ブータン文化講座『イエズス会宣教師の見たブータン ―仏教とキリスト教―』」が、稲盛財団記念館大会議室にて開催されました。
▽開催日時:2012年10月18日(木)17:00~18:30(16:30 開場)
▽開催場所:稲盛財団記念館3階大会議室
▽概要:
講演者:ツェリン・タシ(ブータン王立自然保護協会、RSPN)
通訳・解説 :今枝由郎(フランス国立科学研究センター、CNRS)
コメンテーター:熊谷誠慈(京都女子大学・京都大学)
▽参加総数:110名
第2回ブータン文化講座は、ブータン王立自然保護協会(RSPN)で理事を務めるツェリン・タシ氏を迎え、「イエズス会宣教師の見たブータン ―仏教とキリスト教―」という演題でご講演いただきました。また、通訳および解説者として、第1回ブータン文化講座の講師である今枝由郎先生(フランス国立科学研究センター、CNRS)にもご登壇いただきました。
ツェリン・タシ氏は1973年、ブータンのパロで生まれ、シェルブツェ大学を卒業後、インドのデリー大学と王立ブータン経営研究所(Royal Institute of Management)で修士号を取得し、現在はブータン王立自然保護協会で理事を務めておられます。ブータンの歴史、環境、文化など様々な分野において幅広い知識を持ち、『The Mysteries of Raven Crown』(単著, 2008)、『Symbols of Bhutan』(単著, 2011)、『Bold Bhutan Beckons』(共著, 2009)など多数の著書があります。
講演では、1963年から95年までの32年間に渡り、ブータンの近代教育システムの構築に貢献したイエズス会の宣教師、ウィリアム・マッキー神父の半生について、神父の回想録などをもとに振り返りながら、異教徒からみた仏教国ブータンについて解説しました。マッキー神父は、キリストに 仕える宣教師でありながら、仏教国ブータンの人々の信仰心と祈りの実践に多大な影響を受け、ブータンで生涯を終えるまでの30余年、一人の改宗者も出さなかったということです。
子供時代、インドのダージリンでイエズス会系のミッションスクールに8年間通った経験を持つツェリン・タシ氏は、講演の初めに「学校ではブータン人の生徒はすべて仏教徒で、授業をさぼるためにミサに通っていました」と語り、会場の笑いを誘いました。「学校ではキリスト教ならではの聖歌隊などの活動もありましたが、どれも楽しい思い出として残っています。マッキー神父もイエズス会の任命を受けて、教育機関での仕事を始めました」と、自身のキリスト教体験を振り返りながら、神父がアジアでの布教を開始した経緯について紹介しました。
1946年、マッキー神父はインドのダージリンで布教活動を始めたものの、63年に国外退去を命じられました。その時、ブータン第3代国王が神父をブータンに招へいします。以来、ブータンで数々の学校設立に携わり、生徒たちと寝食を共にした神父は、仏教徒である彼らが熱心に祈る姿に強い感銘を受けました。神父は、「生徒たちの祈りは自らの深奥に入り込み、感覚や心のレベルよりも 深い、存在の本質的レベルにまで達している」と記し、自身も彼らにならい、瞑想や祈りを実践することで、「『父』『子』『精霊』という三位が体内で一体となり、神の実体を体験できるように なった」と書き残しているそうです。
ツェリン・タシ氏は、マッキー神父がキリスト教徒の視点から、驚きと戸惑い、そして敬愛の心をもってブータン人をみつめていたことを、様々なエピソードから紹介しました。そして、ブータンの家々にある男女が抱き合う姿のヤプユム像が、二元性と合一性の実践と理解を促すものであり、 生活の隅々に信仰が息づいていること、結婚や誕生の通過儀礼はなく死に際しての宗教儀式が非常に細かいこと、神を至高の存在とするキリスト教と異なり「誰でも仏になれる」仏教思想がブータン人に根付いていることなど、マッキー神父がブータン人を「きわめて神に近い存在」と高く評価していたことを紹介しました。
32年間のブータン滞在期間において、誰一人としてキリスト教への改宗者を出さず、ブータン人の仏教信仰と暮らしに寄り添いながら国の教育システム構築に貢献したマッキー神父。「神父の死 後もイエズス会からの宣教師の派遣はあったが、宗教に関して圧倒的な寛容さと包容力でブータン人と交わり続けたマッキー神父の存在は特別なものであり、死後17年経った今もなおブータン人から尊敬を受け、多くの人々の記憶に生き続けています」と、ツェリン・タシ氏は神父の功績を讃えて講演を締めくくりました。
後半の質疑応答では、質問用紙に記載された参加者からの質問や意見に対して、ツェリン・タシ氏が回答し、今枝先生が解説する形で行なわれました。「ブータンの仏教徒はキリスト教をどのように理解しているのか」という質問に対しては、「まず、 ブータンには"宗教"という言葉がない。そのかわりに"心を直す"、という意味の言葉があります。 そのことから分かるように、全ての思想、信仰に寛容であるといえます」との回答がありました。
「キリスト教を布教しなかったことで、イエズス会との確執はなかったのか?」という質問に対しては、今枝先生がマイクを取り、「(確執は)あったと思う。マッキー神父はひとりで東ブータンに滞在し、ブータン人とのみ接していた。80年代半ばになり、ブータン国王から国の最高栄誉となる賞を受けたことでイエズス会本部が彼の功績を認めた。そのときローマからブータンにやって来た女性記者が、神父への取材の感想として『私にはマッキー神父がキリスト教徒とは思えない』と語った出来事があります」と、ブータンに長く滞在した今枝先生ならではのエピソードを紹介しました。さらに、「マッキー神父はキリスト教徒としてはむしろ異端で、だからこそブータン人と心を通い合わせたのではないか」と述べました。
また、「ブータンの学校にはいじめはあるか?」という質問には、ツェリン・タシ氏は「長い話を短く言えば」と前おきして、「70年代、国連からの来訪者が地方の学校の生徒に、"国のために死ねますか?"と質問したところ、挙手する者は誰もいなかった。しかしその後、"国王のために死ねるか?"と聞いたところ、全員が手を挙げた。ブータンはこれまで、小さい村ごとに文化を守ってきた。そのために植民地にならなかった」と回答しました。その答えの真意を伝える形で、今枝先生が次のように補足解説しました。「いじめは日本独特の問題であると思う。ツェリン・タシ氏の挙げた例については、ブータンは小さな村社会の集まりで、ひとつの国という概念が人々にはない。 国のためにと言われてもピンとこないが、国王のことは尊敬しており、村人同士の結束力は強い。 そんな"村社会"であるため、全員が相互依存の関係にあって、相手の足を引っ張り、それがいじめへと発展するということは生活の中でありえない。そういう状況なので、いじめということは彼(ツェリン・タシ氏)にはピンとこないのだろう」。
最後に、司会進行を務めた熊谷准教授は、「今回の講演は、異なる宗教間の対話と 尊重について、おおいに示唆を与えてくれた。ブータン国民は、宗教を問わず互いを尊重し愛するという、自分以外の他者の文化、個性を認める気質がある。そんなブータンの仏教信仰に根ざした国民性について研究を進めることができれば、日本社会にも生かしていけると思う。今後もブータンについての研究を深め、その成果を皆さんと共有していきたい」と、締めくくりました。
こころの未来研究センター ブータン学研究室では、今後もブータンの仏教思想を様々な角度から研究し、その成果を社会に発信して参ります。
「第11回こころの広場 人の『こころ』のきた道とこれから」が開催されました
8月18日、京都府との共同企画による一般公開イベント「第11回こころの広場 人の『こころ』のきた道とこれから」が、稲盛財団記念館大会議室にて開催されました。
▽開催日時:2012年8月18日(土)13:00-16:30
▽場所:稲盛財団記念館 大会議室
▽プログラム
13:30〜13:10 挨拶 吉川左紀子(こころの未来研究センター長)
13:10〜14:00 講演 内田亮子(生物人類学者:早稲田大学国際教養学部教授)
「進化の時空間で『人間性』について考える」
14:00〜14:50 講演 入來篤史(脳科学者:理化学研究所シニアチームリーダー・こころの未来研究センター特任教授)
「『こころ』はどこに宿るのか:身体と文化の狭間で」
14:50-15:10 休憩
15:10-16:30 討論 内田亮子 入來篤史
司会 近藤令子 (こころの未来研究センター)
▽参加総数 161名
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人間のこころはどのように生まれ、どのように変化してきたのでしょうか。
「人間らしさ」はこれからの社会にとって、どのような意味をもつのでしょうか。
進化、脳、身体、環境、文化をキーワードに、気鋭の生物人類学者、脳科学者の講演と対話を通して考えます。
(「こころの広場」案内ポスターより)
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2008年に始まった京都府との共同企画事業「こころの広場」は、今回で第11回目を迎えました。毎回、異なるテーマで多彩な講演者を招いて開催する本イベントですが、今回は生物人類学者の内田亮子先生と、脳科学者の入來篤史先生にお越しいただきました。
第1部では、早稲田大学国際教養学部の教授である内田亮子先生より「進化の時空間で『人間性』について考える」というテーマで講演を行なっていただきました。内田先生は、数百万年の時間の流れのなかで人類がいかに進化し、その過程でどのように人間特有のふるまいや文化、社会性が育まれてきたかを数多くの研究事例をもとに発表されました。
第2部では、理化学研究所脳科学総合研究センター象徴概念発達研究チームのシニアチームリーダーであり、2012年春からこころの未来研究センター特任教授に着任された入來篤史先生が「『こころ』はどこに宿るのか:身体と文化の狭間で」と題し、人の活動を制御する高度な情報システムである脳の発達と進化とその仕組みについてお話しくださいました。ニホンザルに道具を使用させた画期的な実験から得た研究成果をはじめとする多彩な事例をもとに、人間の進化の歴史と現在までに解明されている数々の事象を紹介し、脳の働きと環境がいかに人の「こころ」をなりたたせているかを語ってくださいました。
後半の討論では、質問用紙に記載された参加者からの質問や意見に対して、内田先生、入来先生がそれぞれ回答する形で行なわれました。
「(内田先生のお話にあった)人類の『暴走』について、より詳しく解説してほしい」という質問に対しては、「これまでの『共進化』から、近代社会では加速度的に技術を用いた環境改変、環境操作が行なわれており、人間が生態系の中で突出してしまっている状況を"暴走"と表現している」(内田)「他の動物種の速度を超えた人間の進化を暴走といった場合、その帰結が破滅につながる可能性は高いが、それを抑制するメカニズムを考えることも研究になり得るのではないか」(入来)と、それぞれが回答。
また、「人のこころの進化の『これから』についてどう考えているか。今後劇的な変化はあるのか」という問いには「環境問題、領土問題、戦争など様々な"暴走"が続くなかで、良い変化があることをのぞんでいる。身体としての進化についてはもちろんあるだろうが、大きくはのぞめないだろう」(内田)、「進化しないはずはない。変容しないはずはない。何が起こるか分からないのが進化だが、それを受け入れていくしかない。実は既に現代社会の中で大きな変化の萌芽が生まれているのかもしれない」(入来)、といったお話があり、会場は最後まで熱気で溢れていました。
終了後、参加者からのアンケートには、「『心』という定説のない、得体の知れないものについてその状況証拠を数多く提起されて参考になった」、「生物の進化の過程で人間性、こころがどう発生していくのかが理解できた」などの感想が寄せられました。
こころの広場は、今後も人の「こころ」をキーワードに開催して参ります。どうぞ次回もご期待ください。
第3回「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」シンポジウム・研究会が開催されました
7月11日、第3回「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」シンポジウム・研究会が稲盛財団記念館大会議室にて開催されました。
▽開催日時:2012年7月11日(水)13:00-17:00
▽場所:稲盛財団記念館 大会議室
▽プログラム
第1部:13:00-14:30
趣旨説明 :鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
基調報告1:玄侑宗久(福島県三春町福聚寺住職・作家)
『福島の現在と宗教の役割と課題』
基調報告2:島薗進(東京大学教授・宗教学)
『宗教者災害支援連絡会の活動15ケ月を振り返って』
コメンテーター:稲場圭信(大阪大学准教授・宗教社会学)
第2部:14:45-17:00
報告1 :黒崎浩行(國學院大學准教授・宗教学)
『被災地の神社と復興の過程」
報告2 :一条真也(本名:佐久間庸和:株式会社サンレー社長・北陸大学客員教授)
『東日本大震災とグリーフケアについて』
コメンテーター:鈴木岩弓(東北大学教授・宗教民俗学)
井上ウィマラ(高野山大学准教授・スピリチュアルケア学)
ディスカッション:司会・鎌田東二
こころの未来研究センターでは、2011年4月より「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」を立ち上げ、震災後のこころの再生に向けた研究ならびに取り組みを継続しています。
本プロジェクトにおけるシンポジウム・研究会では、毎回、様々な立場で活動をおこなう研究者、宗教家、専門家などを招き、分野の垣根を超えた発表と意見交換をおこなっています。
3回目を迎えた今回も多彩な報告者やコメンテーターを迎え、会場には一般参加の方々をはじめ、研究者、学生などが数多く集まりました。会場となった稲盛財団記念館大会議室は満席となりました。
はじめに、前回同様、震災で亡くなった人々への哀悼と復興への祈りがこめられた鎌田東二教授の法螺貝の音が会場に鳴り響き、シンポジウムがスタートしました。
鎌田教授による趣旨説明の後、第一部の基調報告会が始まり、福島県三春町福聚寺住職・作家の玄侑宗久氏が「福島の現在と宗教の役割と課題」で被災地、福島の現状について報告。現地の復興の遅れについて多くのエピソードと共に訴えながら、宗教者の立場から考えた被災者の心のケアの重要性を強調しました。
続いて東京大学の島薗進教授(宗教学)が、「宗教者災害支援連絡会の活動15ケ月を振り返って」というテーマで基調報告をおこないました。
大震災の後、宗教者がどのように被災地と関わってきたか、災害支援連絡会の歩みを紹介。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を引用しながら被災者のこころへのアプローチの重要性や、高野山足湯隊の活動を例に挙げつつ"傾聴すること"の大切さを強調するなど、印象的な場面が多々ありました。第一部のコメンテーターとして、稲場圭信大阪大学准教授(宗教社会学)が登壇し、お二人の報告に対する意見を述べました。
東日本大震災の発生時刻である14時46分に1分間の黙祷の時間を持ったのち、第2部がおこなわれました。
1番目の報告として、國學院大學の黒崎浩行准教授(宗教学)が、「被災地の神社と復興の過程」を報告しました。神社の被災状況のデータ紹介をはじめ、神社がいかに被災地住民の支えとなったか、被災地と神社の復興と再生に向けての今後の課題などが、豊富な写真と共に紹介されました。
続いて、一条真也氏(株式会社サンレー社長・北陸大学客員教授)による「東日本大震災とグリーフケアについて」の報告がありました。一条氏は冠婚葬祭事業を手がける企業を経営しながら作家としても幅広く活動し、「有縁社会」の提唱や、遺族の悲しみを癒す「グリーフケア」のサポート活動などを積極的におこなっています。報告では、大震災後に葬祭事業者が経験したエピソードの紹介をはじめ、遺族の心のケアの必要性やサポートの実践例、グリーフケアをおこなうにあたってのアドバイスなど、実践者ならではの非常に細やかで具体的な提案がありました。
第2部のコメンテーターとして東北大学の鈴木岩弓教授(宗教民俗学)、高野山大学の井上ウィマラ准教授(スピリチュアルケア学)が登壇し、島薗・一条両氏の報告を受けての意見が述べられました。
会の最後には登壇者全員によるディスカッションがおこなわれ、締めくくりとして鎌田東二教授から、今後のこころの未来研究センターの東日本大震災関連プロジェクトについてのプラン説明があり、「今回登壇された方々をはじめとする連携研究員の協力をあおぎながら、今後もこのようなシンポジウム・研究会を定期的に開催して研究と議論を深め、社会への発信・提起をおこなっていきたい」と決意を示しました。
来場者にご協力をお願いしたアンケートには、「宗教的側面から震災と復興、心のケアを見つめる良い機会になった」「地域の伝統文化から心を復興していくことが、人々の心の支えに大変重要であることが改めて認識できた」、「震災での心の再生の重要性と継続の必要性を感じた」といった多くの意見が寄せられました。
〜シンポジウムの様子〜
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第3回「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」シンポジウム・研究会 逐語録
第2回の逐語録と資料はこちら
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/eqmirai/2012/01/2.html
第1回ブータン文化講座が開催されました
7月6日、こころの未来研究センターブータン学研究室が主催する「第1回ブータン文化講座」が稲盛財団記念館大会議室にて開催されました。講演者に本年6月までフランス国立科学研究センター(CNRS)で研究ディレクターを務められた今枝由郎先生を迎え、「仏教と戦争―第4代ブータン国王の場合―」という演題で講演いただきました。
▽開催日時:2012年7月6日(金)17:00-18:45
▽場所:稲盛財団記念館3階大会議室
▽講演プログラム
・主催者挨拶 吉川左紀子(こころの未来研究センター)
・17:05-18:05 今枝由郎(フランス国立科学研究センター, CNRS)
『仏教と戦争―第4代ブータン国王の場合―』
・18:10-18:45 座談会 コメンテーター 熊谷誠慈(京都女子大学)
今枝先生は、チベット・ブータン歴史文献学を専門領域とし、幅広い視点からチベット、ブータン研究に取り組んでおられます。大谷大学文学部を卒業後、1974年からフランス国立科学研究センター(CNRS)に勤務。81年から90年にかけて約10年間、ブータン王立図書館顧問として同国に赴任し、王立図書館の整備に尽力されました。87年にはパリ第七大学で文学博士号を修得し、カリフォルニア大学など国内外の大学で客員教授を歴任され、2012年6月にCNRSを退官されました。ブータンに関する著書も多く、最近では『ブータンに魅せられて』(岩波新書, 2008)『日本仏教から見たブータン仏教』(NHKブックス, 2005)などが話題となり、ブータン研究の第一人者として広く知られています。
国民総幸福を国の理念に掲げ、実際に人々の幸福度が高い国として世界的に注目を集めるブータン。こうした先進的な理念を国の政策に取り入れたのが、先代の王にあたる第4代ブータン国王ですが、実は数多くの政治的危機に直面した経験の持ち主でもあります。
第4代国王の治世時のほぼ全時期に渡ってブータンと関わりのあった今枝先生は、今回の講演で、国王が戦時危機を乗り切るために取った施策とその根底にある仏教思想について豊富なエピソードと共に語ってくださいました。
講演前半では、72年から80年代中頃にかけて起こったチベット人問題、続いて90年前半に起こったネパール難民問題など、第4代国王の統治中には様々な軍事問題が起こっていた歴史的事実の紹介がありました。
そして、一般に知られていない最近の出来事として、2003年にブータン南部地域に軍事拠点を設けたインド・アッサム分離派ゲリラ一掃のための軍事行動についての紹介があり、そこで第4代国王が兵士に対し強調した「ブータン軍の目的は戦争することではなく平和を保つ事である」との信念通り、あくまで不殺生を第一に掲げ、捕虜を自国の兵士同様に扱い、戦勝後も大きな式典を催さず、戦死した11名のブータン軍兵士と共に敵の死亡ゲリラ兵に対しても追悼の祈りを捧げたことなどを、国王周辺の人々の体験談や文献からの引用、今枝先生本人の調査で得た事実も交えて語られました。
こうして最小限の犠牲でゲリラ兵掃討に成功した軍事行動の背景には、ブータンの仏教国としての強い意識、厳格な不殺生の教えが根底に根付いているからだと今枝先生は考察し、第二次世界大戦時の日本との明らかな違いも指摘しました。
今枝先生は、現在注目されている国民総幸福の理念についても、ただ理論的に作られたものではなく、「その基盤にある最も重要な部分に仏教の教えがあり、国王はそれに最も忠実だったことがうかがえる」と強調し、講演を締めくくりました。
講演に続いて、コメンテーターの熊谷誠慈京都女子大学講師(こころの未来研究センター連携研究員)との対談がおこなわれました。
熊谷氏は講演の感想として、「昨年のブータン国王の来日を機に、ブータンに関する注目度が高まり様々な情報が溢れるなか、ブータンを周辺諸国との関係もふまえた広い視点で見つめたいと考えていました。今回の講演は、仏教と戦争というインパクトのあるテーマでしたが、ブータンが仏教国としてどのように歩んできたのか、今枝先生には広い視点から分析していただけたと感謝しています」と話しました。
対談では、会場の参加者から寄せられた質問が紹介され、「ブータン人にとっての幸福とはどのようなものか?」という問いに対し、今枝先生は「ブータンには“幸せ”という抽象概念を表す言葉がない。ただ、彼らの感覚の源泉として家族の存在があり、身近な人の絆が一番重要という意識が強い。また、驚くこととして祈りに費やす時間が長く平均で1日1時間は超えている。老人だけでなく若い人もよく祈り、祈りの内容も、願いを叶えるためというよりは、ひとりで自分を見つめる時間という要素が強い。祈らないと幸福になれないか、というとそういう意識はないようだが、それでも多くの人が毎日祈っている。今の日本にはないことだと思う」と語りました。
最後に、「西洋化が進むブータンはどう変わっていくか」というブータンの未来に対する問いには、「今後のブータンは変わるという見方をする人は多いが、違う側面もある。そのひとつは、お坊さんや尼さんの存在。ブータンには、僧侶や尼など、経済活動を一切しない人が50人に1人いると言われており、どの人にも親戚にはそういう人がいて、社会のなかで受け入れられている。こうした人たちは経済面では役に立たないが、精神的な支えや教えを周囲の人々に与えている。そのことが、ブータン人の幸福感や人生観、充実感に大きな影響を与えているのではないか。日本や他の社会のように、近代化による豊かさや、働くことで多くの収入を求めるといった方向と同じ道をたどるとは一概に言えないと思う」と、ブータン人特有の仏教文化に根ざした精神基盤について語りました。
会場となった稲盛財団記念館大会議室は、定員150名を超える参加者の方々で席が埋まり、最後までメモをとる人や、熱心に耳を傾ける人で熱気に包まれました。
・・・・・・・・・・・
こころの未来研究センター ブータン学研究室では、今後もブータンの仏教思想を様々な角度から研究し、その成果を社会に発信して参ります。
京都伝統文化の森推進協議会 第4回公開セミナー「京のみやこの神性を災害から読み解く」が行われます。
京都伝統文化の森推進協議会 文化的価値発信事業 第4回公開セミナー(センター後援)が行われます。
「京のみやこの神性を災害から読み解く」
セミナー概要:日本は、今、様々な自然災害に直面し、私達がこれまで築いてきた「早さ」や「便利さ」といった生活様式を見直す時期に来ているのではないでしょうか。そこで、本セミナーでは、平安の時代より受け継がれてきた「京都における自然の力に寄り添って生きる技術」を、土地の利用法や建築技術、その具体例等に基づいて、紹介します。
日時:平成24年6月7日(木)14:30-17:40(開場14:00)
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 (京都市左京区吉田下阿達町46(荒神橋東詰))
定員150名(申込み不要。先着順で定員になり次第締切。)
参加費無料
問い合わせ先:京都伝統文化の森推進協議会事務局
京都市産業観光局農林振興室林業振興課内
℡:075-222-3346,FAX:075-221-1253
「身心変容技法の比較宗教学――心と体とモノをつなぐワザの総合的研究」が行なわれました。
日時:2012年 1月27日(金) 13:00-17:00
場所:京都大学稲盛財団記念館 3階 大会議室
科学研究費補助金:基盤研究(A)
「身心変容技法の比較宗教学――心と体とモノをつなぐワザの総合的研究」
一般公開シンポジウム
≪プログラム≫
13:00-13:10
趣旨説明:鎌田東二
(研究代表者、京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
第1部
13:10-14:10
基調講演:内田樹
(神戸女学院大学名誉教授・凱風館館長・哲学・身体論)
「身心変容技法としての武道と芸道~合気道と能を中心に」
第2部
14:10-14:40
講演:町田宗鳳
(分担研究者 研究分担者、広島大学大学院総合科学研究科教授・比較宗教学・仏教研究)
「禅と念仏の身心変容技法」
第3部
15:00-15:15
指定討論者:齋木潤
(研究分担者、京都大学大学院人間・環境学研究科教授・認知科学)
15:15-15:30
棚次正和
(研究分担者、京都府立医科大学医学研究科教授・宗教哲学・祈り研究)
15:30-17:00
パネルディスカッション 司会:鎌田東二
沖縄・久高島のワザとこころ~その過去と現在(第2回こころ観+ワザ学研究会+負の感情研究会)が行なわれました。
日時:2011年11月24日(木)10時30分~17時
場所:稲盛財団記念館3階大会議室
テーマ「沖縄・久高島のワザとこころ~その過去と現在」
映画上映:大重潤一郎監督作品
「久高オデッセイ 第二部 生章」(70分)「水の心」(30分)
シンポジウム:
パネリスト:
大重潤一郎(NPO沖縄映像文化研究所理事長・映画監督)
「久高島のワザとこころ」
須藤義人(沖縄大学専任講師・映像民俗学)
「沖縄の民俗文化・祭祀芸能文化におけるワザの伝承について」
坂本清治(久高島留学センター代表)
「久高島山村留学と負の感情の乗り越えと成長」
指定討論者 やまだようこ(京都大学教育学研究科教授・発達心理学)
パネル・ディスカッション+質疑応答
司会進行 鎌田東二
ワザとこころ―葵祭から読み解く― が行なわれました。
日時:2011年11月23日(水・祝日)13時~17時
場所:稲盛財団記念館3階大会議室
第一部 映像上映と講演
上映 『京都歳時記 葵祭』 (30分)
講演「京の祭りと沖縄の祭りを比較して」(20分)
大重潤一郎(映画監督、NPO法人沖縄映像文化研究所理事長)
第二部 パネルディスカッション
「下鴨神社(賀茂御祖神社)の葵祭と神饌」
嵯峨井建(賀茂御祖神社禰宜・神社祭祀研究・京都大学非常勤講師)
「上賀茂神社(賀茂別雷神社)の葵祭と競馬と葵」
村松晃男(賀茂別雷神社権禰宜・NPO法人葵プロジェクト理事・事務局長)
「京の祭りのワザとこころを探る」
やまだようこ(京都大学大学院教育学研究科教授・発達心理学)
司会 鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
主催:京都府/京都大学ころの未来研究センター
後援:古典の日推進委員会
第10回こころの広場「進化とこころ~「こころ」も進化した?」が行われました。
『京都大学シンポジウムシリーズⅣ:宗教と災害~東日本大震災の現場からの報告と討議』が行われました。
『京都大学シンポジウムシリーズⅣ:宗教と災害~東日本大震災の現場からの報告と討議』が行われました。
2011年7月20日13:00~17:00 京都大学稲盛財団記念館 3階 大会議室
6月25日に関西学院大学で開催されるシンポジウム「こころと文化をはかる心理学的研究の展開」にて、内田准教授とセンターに滞在しているノラサクンキット外国人特別研究員が講演を行います。
こころと文化の関連を検討する最新の知見が発表されます。案内ちらし(PDF)
関西学院大学心理学研究室ホームページでの情報
第9回こころの広場「里山の生き物と人間のこころ」が行われました。
第9回こころの広場「里山の生き物と人間のこころ」が行われました。
里山は人間が関与する二次的な自然です。その里山は、わたしたちの暮らしやこころとどのように関わってきたのでしょうか。岩手県一関市の例を中心に、里山におけるこころの問題を考えてみます。
日 時:平成23年1月29日(土)14:00~16:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
第一部 「里山の生き物と人間のこころ」
講師:秋道智彌先生(総合地球環境学研究所副所長・教授・生態人類学)
第二部 座談・質疑応答
司会進行:鎌田東二 (京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学)
主 催:京都府・京都大学こころの未来研究センター
「こころの未来研究センター研究報告会2010」が行われました。
こころの未来研究センター の今年度の研究成果を報告する「京都大学こころの未来研究センター 研究報告会2010」が行われました。
「こころを知り、未来を考える」をテーマに、研究報告と指定討論の先生方からのコメント、総合討論、連携プロジェクトのポスターセッションが行われました。
学内外から約100名の参加者があり、活発な交流がみられました。
日時:2010年12月18日(土) 10:00 ~17:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
研究者、学生対象
***** プログラム *****
10:00 ~10:10 挨拶:吉川左紀子(こころの未来研究センター長)
*** 第1部:「こころ観」領域 ***
10:10 ~ 10:40 「メタ認知機能からこころを考える」 船橋新太郎(こころの未来研究センター教授)
10:40 ~11:10 「こころをめぐる思想と技法―日本宗教史の事例から」 鎌田東二(こころの未来研究センター教授)
11:10 ~ 11:30 指定討論 島薗 進(東京大学教授) 菅原和孝(京都大学教授)
11:30 ~12:00 総合討論
*** 第2部:ポスター発表 ***
12:00 ~14:00 連携研究プロジェクト・ポスター発表
*** 第3部:「現代の生き方」領域 ***
14:00 ~ 14:30 「新人看護師のバーンアウト調査」 カール・ベッカー(こころの未来研究センター教授)
14:30 ~15:00 「現代日本の若者における社会的適応感」 内田由紀子(こころの未来研究センター助教)
15:00 ~15:30 「発達障害からみた現代の意識」 河合俊雄(こころの未来研究センター教授)
15:45 ~ 16:15 指定討論 島薗 進(東京大学教授) 高橋英彦(京都大学講師)
16:15 ~ 17:00 総合討論
国際シンポジウム2010 『東洋のこころでストレス過多社会を生き抜く』が行われました。
こころの未来研究センター国際シンポジウム2010
東洋のこころでストレス過多社会を生き抜く
古代より東洋人は精神統一や瞑想法を実践してきました。ストレスの多い現代社会でも、最近の医学は東洋的瞑想や精神統一の有用性を証明しています。
このシンポジウムでは、国内外の研究と実践を紹介しました。
日 時 : 2010年11月28日(日)13:00~18:30
11月29日(月)13:00~17:00
場 所 : 京都大学稲盛財団記念館 3階 大会議室
11月28日(日) 13:00 ~ 18:30
13:05~13:45 「ストレス過多社会」
カール・ベッカー(京都大学こころの未来研究センター教授)
13:45~14:45 「マインドフルネスとヨーガ」
ダンテ・シンブラン (フィリピン・ラサール大学教授)
14:45~15:00 休憩
15:00~16:00 「東洋的心身治癒法」
セシリア・チャン (香港大学教授)
16:00~17:00 パネルディスカッション
17:15~18:30 ヨーガや気功の実践指導(インド式、中華式、日本式)
11月29日(月) 13:00 ~ 17:00
13:00~14:00 「気功と健康」
ライピン・ユエン(香港中華統合医学治療中心所長)
14:00~15:00 「瞑想の医学的研究」
安藤満代 (聖マリア学院大学教授)
15:00~15:15 休憩
15:15~16:00 「病院や学校における瞑想」
大下大圓(飛騨千光寺住職)
16:00~17:00 パネルディスカッション
京都府・京都大学こころの未来研究センター共同企画シンポジウム「平安京と祭りと芸能」が行われました。
京都府・京都大学こころの未来研究センター 共同企画シンポジウム「平安京と祭りと芸能」 Heiankyo, Rituals and Performing arts
開催日時:平成22年11月13日(土曜日) 13時00分~17時00分
開催場所:金剛能楽堂
プログラム
挨拶 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター長)
第一部 基調講演「平安京と祭り」
上田 正昭(京都大学名誉教授・歴史学者)
第二部 シンポジウム「平安京と芸能と癒し空間」
パネリスト
天野 文雄(大阪大学名誉教授・中世文学・能楽研究)
西平 直(京都大学教育学研究科教授・臨床教育学)
河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授・臨床心理学)
司会
鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学、民俗学)
主催:京都府、京都大学こころの未来研究センター
特別協賛:財団法人 金剛能楽堂財団
後援:古典の日推進委員会
上田 正昭先生
天野 文雄先生 河合 俊雄教授
西平 直先生 鎌田東二教授
第8回こころの広場「うわさはなぜ歪む?-うわさに秘められたこころの秘密」が行われました。
京都府・京都大学こころの未来研究センター 共同企画
開催日時:2010年 10月 16日(土)14:00~16:00場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
講師:木下冨雄先生(財団法人国際高等研究所フェロー・京都大学名誉教授・社会心理学)
司会進行:内田 由紀子 (京都大学こころの未来研究センター助教・ 社会心理学・文化心理学)
うわさは、私たちの生活に潤いをもたらす楽しい側面と、逆に、私たちを傷つける危険な側面を併せ持っています。この楽しさと危険性の背後にあるのが、「うわさはそれを語る人のこころと、その時代的背景が投影される」というメカニズムです。ここではそのメカニズムとそれに基づく歪みの法則性を、具体的なデータとともに述べたいと思います。
第7回こころの広場「聞くことの本質 -プロカウンセラーの聞く技術-」が開催されました。
京都府・京都大学こころの未来研究センター 共同企画
第7回こころの広場「聞くことの本質 -プロカウンセラーの聞く技術-」
趣旨
「沈黙は金,雄弁は銀」「言多くは品少なし」「一度語る前に二度聞け」など、とかく聞くことが語ることよりも重視されています。また、われわれは「しゃべりすぎた」と反省することは多いのですが、「聞き過ぎた」と反省することはほとんどありません。どうして聞くことがそんなにも大切なのでしょうか。聞くことの本質をお話ししたいと思います。
日 時:2010年 8月 1日(日)14:00~16:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
第一部 「聞くことの本質 -プロカウンセラーの聞く技術-」
講師:東山紘久(帝塚山学院大学専門職大学院教授・元京都大学副学長・臨床心理学)
第二部 座談・質疑応答
司会進行:河合俊雄 (京都大学こころの未来研究センター教授・臨床心理学)
連携研究プロジェクト『依存症に関わる総合的研究』シンポジウムが行われました。
開催日時:平成22年3月14日(日)13:00~17:30
開催場所:京都大学 百周年時計台記念館 2階 国際交流ホール
『依存学ことはじめ
-はまる人生、はまり過ぎない人生、人生の楽しみ方-』
***** プログラム *****
13:00 ~ 13:10
『はじめに』
船橋新太郎(京都大学こころの未来研究センター)
13:10 ~ 14:00
『依存と集中力、そして楽しい人生 -達人たちは皆、何かに「はまって」いた-』
谷岡一郎(大阪商業大学)
14:10 ~ 15:00
『熱中と依存の境界線』
村井俊哉(京都大学大学院医学研究科)
15:10 ~ 16:00
『依存の脳を観る』
澤本伸克(京都大学大学院医学研究科)
16:05 ~ 17:20
討論『依存学とは』
西村周三、谷岡一郎、村井俊哉、福山秀直、川本八郎、栗田 朗、坂田和重
澤本伸克、船橋新太郎、勝見博光(司会)
17:20 ~ 17:30
『依存学ことはじめ』
西村周三(京都大学理事・副学長)
こころの未来研究センター 研究報告会(2007-2009年)が行われました。
日時:2010年2月20日(土)、21日(日)
場所:芝蘭会館 稲盛ホール、山内ホール
プログラム
2010年2月20日(土) 13:00~18:00
◆ 吉川潔(京都大学理事 副学長) 挨拶
◆ 長尾真(国立国会図書館 館長)
「こころの研究への期待」
◆船橋新太郎(こころの未来研究センター教授・神経生理学)
「脳の働きを通して、人のこころをひもとく-『こころとからだ』領域のめざすこと」
指定討論:入来篤史(理化学研究所・神経生理学)、長谷川寿一(東京大学・進化心理学)
◆吉川左紀子(こころの未来研究センター教授・認知心理学)
「こころとこころはつながるか-『こころときずな』領域の探求と実践」
指定討論:乾敏郎(京都大学・認知神経科学)、山極寿一(京都大学・進化人類学)
◆全研究プロジェクトの紹介とポスターセッション
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2010年2月21日(日) 10:00~16:30
◆ 鎌田東二(こころの未来研究センター教授・宗教哲学)
「こころの練り方-モノ・ワザ・身体・場所を通して」
指定討論:島薗進(東京大学・宗教学)、福山秀直(京都大学・脳機能画像学)
◆ カール・ベッカー(こころの未来研究センター教授・倫理学)
「生きがい感と心身のケア」
指定討論:島薗進(東京大学・宗教学)、渡邊克巳(東京大学・認知科学)
◆ 河合俊雄(こころの未来研究センター教授・臨床心理学)
「近代意識の過去と未来とその周辺」
指定討論:北山忍(ミシガン大学・文化心理学)、野間俊一(京都大学・精神医学)
◆ 総合討論 「こころの研究から未来へ」
入來篤史 北山忍 野間俊一
吉川左紀子(司会)
◆尾池和夫(国際高等研究所 所長)
「こころの未来への思い」
>>>要旨はこちらです。
第6回こころの広場が行われました。
京都府・京都大学こころの未来研究センター 共同企画
山鳥 重(神戸学院大学人文学部教授・神経心理学)
「こころの仕組み―知・情・意の世界―」
開催日時:平成22年1月17日(日)14:00~16:00
場 所:京都文化博物館別館ホール
「こころ」を考える高校生フォーラム が行われました。
開催日時:2009年12月13日(日)午後1時30分~3時30分
京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画
京都府と京都大学こころの未来研究センターの協働により、次世代を担う高校生とともに「こころ」の問題について考えるフォーラムを開催しました。
「イキモノはつくれるか?」をテーマに、医師でもあり、生体工学、再生医療の研究者である講師と府立高校生が、最先端の医療や「イキモノ」について語り合いました。
内 容 テーマ:「イキモノはつくれるか?」
講師:京都大学工学研究科 富田 直秀(とみた なおひで) 教授
司会:吉川 左紀子(よしかわ さきこ) 京大こころの未来研究センター長
対談:府立高校5校の企画協力委員(12名)
シンポジウム 『遠野物語と古典 物語の発生する場所とこころ』が行われました。
京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画シンポジウム
物語の発生する場所とこころ 遠野物語と古典
日 時:11月23日(月・祝)13:00~17:00
場 所:芝蘭会館 稲盛ホール
基調講演 「『遠野物語』と『源氏物語』の距離」
山折哲雄(宗教学者・元国際日本文化研究センター所長)
第一部 「遠野物語の場所とこころ」
石井正己(東京学芸大学教授・遠野物語研究所研究主幹)
「源氏物語の場所とこころ」
山本淳子(京都学園大学教授・源氏物語研究)
「歌と物語の発生」
上野 誠 (奈良大学教授・万葉古代学研究所副所長)
第二部 「東北おばあたちの物語の発声現場」
川村邦光 (大阪大学教授・宗教学)
「遠野物語における場所とこころの接点」
河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授・臨床心理学)
「総括コメント」
山折哲雄
挨拶 高柳俊郎(遠野物語研究所所長)
趣旨説明・司会:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学)
第5回こころの広場が行われました。
第5回こころの広場(京都府との連携事業)が催されました。
『イマドキの思春期~昔と変わったこと、変わらないこと~』
日 時:10月25日(日)14:00~16:00(受付開始13:30~)
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
第一部 「イマドキの思春期~昔と変わったこと、変わらないこと~」:
岩宮恵子(島根大学教育学研究科教授・臨床心理学)
第二部 質疑応答
司会進行:河合俊雄 (京都大学こころの未来研究センター教授・臨床心理学)
第4回こころの広場が行われました。
第4回こころの広場(京都府との連携事業)が催されました。
「医療が治せない病~老病死のこころのケア」
日 時:6月27日(土)13:30~16:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
第一部 「老病死のこころのケア」:
大下大圓
(京都大学こころの未来研究センター研修員、飛騨高山千光寺住職)
カール・ベッカー
(京都大学こころの未来研究センター教授、倫理学・宗教学)
第二部 座談・質疑応答
司会進行:平石 界(京都大学こころの未来研究センター助教・心理学)