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2018年

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2017年

畑中助教が大阪、京都で学校給食に携わる栄養士や教職員に向けて講演しました

 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、大阪、京都で学校給食に携わる栄養士や教職員に向けて2つの講演を行いました。


 2017年3月3日、大阪の貝塚市教育研究センターで開催された「平成28年度貝塚市栄養教諭・食育担当教職員研修会」では、上廣こころ学研究部門の「子どもの発達障害への心理療法的アプローチ」の成果から講演を行いました。講演のレポートと参加者の感想が、貝塚市教育研究センターのウェブサイトに掲載されています。


栄養教諭・食育担当教職員研修会を開催しました! | 貝塚市教育研究センター
http://www.kaizuka.ed.jp/kyoi-cn/


 また、2月17日には京都府学校給食会で開催された「学校関係栄養士研究会」(主催:全国学校栄養士協議会京都府研究会)で、「現代の子どもと発達の非定型化」をテーマに栄養教諭・学校栄養職員の方々を対象に講演を行いました。


17.03.07

阿部修士准教授の著書『意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策』が出版されました

0701abe_book.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の著書『意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策』が2017年1月、講談社より出版されました。
 本書は、認知神経科学を専門とする阿部准教授が、人間の意思決定の仕組みについて、心理学、脳科学における研究成果をもとに興味深い事例の数々と分かりやすい言葉で綴った、人の「こころ」を様々な角度から知ることのできる一冊です。


 講談社のWebメディア クーリエ・ジャポンには、書籍誕生のエピソードや執筆に至った経緯を阿部准教授みずからが執筆したエッセイが掲載されています。こちらもぜひお読みください。


「理性と感情、どちらが優位か?」ハーバードで気づいたこと|話題の新刊『意思決定の心理学』著者書き下ろしエッセイ - クーリエ・ジャポン



『意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策』
著者:阿部修士
発売日:2017年01月11日
出版社:講談社
価格:本体1,300円(税別)
判型:四六 208ページ
ISBN-10:4062586452
ISBN-13:978-4062586450


《目次》
はじめに
第一章 二重過程理論--「速いこころ」と「遅いこころ」による意思決定
第二章 マシュマロテスト--半世紀にわたる研究で何がわかったのか?
第三章 「お金」と意思決定の罠――損得勘定と嘘
第四章 「人間関係」にまつわる意思決定――恋愛と復讐のメカニズム
第五章 道徳的判断の形成――理性と情動の共同作業
第六章 意思決定と人間の本性――性善か性悪かを科学的に読む
第七章 「遅いこころ」は「速いこころ」をコントロールできるのか?
あとがき
引用文献
索引


意思決定の間違いと限界
 わたしたち人間にとって、生きているということは不断の意思決定の連続です。あなたが今この本を読んでいるのは、あなたの意思決定の結果であり、これからどこまで読み進めるのかもあなたの意思決定によって左右されます。わたしたちはこうした意思決定を、自分の思考や信念に基づいて行っていると思いがちです。ところが、わたしたちの意思決定は意識の外で自動的に起こるこころのはたらきに大きく影響を受けています。
 実際、自分の決断や判断の理由を、うまく説明することはそう簡単ではありません。昨日は我慢できた食後のデザートを、今日は我慢できなかったのはどうしてでしょうか?仕事を早く終わらせなければいけないとわかっているのに、友人から飲みに誘われてお店をはしごしてしまったのはどうしてでしょうか?
 頭ではやめた方が良いとわかっているのに、ついやってしまった、そんな経験は誰にでもあることでしょう。二度と同じ失敗をしないと誓ったはずなのに、また繰り返してしまうことも決して珍しくはありません。お金の損得を考える、他人との付き合いを考える、道徳的な善悪を考える、こうした様々な日常生活の行為や判断の中で、わたしたちは意思決定の間違いやすさや限界と常に隣り合わせです。そしてこうした意思決定を生み出しているのは、わたしたちの脳です。
(中略)
 本書の目的は、過去の心理学の研究成果を踏まえた上で、①主に脳科学の視点から、「速いこころ」と「遅いこころ」のはたらきを理解すること、②そういった脳のはたらきが、人間の道徳性や社会性などに関わる、きわめて高度な意思決定をも支えていること、この二点を解きほぐしていくことにあります。....

(「はじめに」より)


出版社の書籍ページ  (冒頭を試し読みできます)
Amazon.co.jp の書籍ページ

17.02.14

上廣こころ学研究部門「発達障害の子どもへの心理療法的アプローチ」プロジェクトの研究成果となる2つの論文が『箱庭療法学研究』に掲載されました

 上廣こころ学研究部門の臨床心理学領域「発達障害の子どもへの心理療法的アプローチ」研究プロジェクトの研究成果となる2本の論文が、『箱庭療法学研究』第29巻第2号(発行:日本箱庭療法学会)に掲載されました。


 1つは、畑中千紘助教が筆頭著者である「発達障害のプレイセラピーにおける保護者面接の意義と可能性」、もう1つは近年注目されているトピックを扱った「診断を受けながらも発達障害とは見立てられない事例の特徴」です。


1. 「発達障害のプレイセラピーにおける保護者面接の意義と可能性」


畑中千紘、田中崇恵、加藤のぞみ、小木曽由佳、井芹聖人、神代末人、土井奈緒美、長谷川千紘、高嶋雄介、皆本麻実、河合俊雄、田中康裕(2016)発達障害のプレイセラピーにおける保護者面接の意義と可能性. 箱庭療法学研究 第29巻2号 1-12. 


○論文について
本論文は、発達障害の子どものプレイセラピーを行う際に、その保護者についても正しく見立てを行い、子どもの見立てとの組み合わせを理解した上で面接を行うことの重要性を示したもので、原著として掲載されています。


2. 「診断を受けながらも発達障害とは見立てられない事例の特徴」


皆本麻実・畑中千紘・梅村高太郎・田附紘平・松波美里・岡部由茉・粉川尚枝・鈴木優佳・河合俊雄・田中康裕(2016)診断を受けながらも発達障害とは見立てられない事例の特徴. 箱庭療法学研究 第29巻2号 43-54.


○論文について
近年、発達障害の診断を受けていても実際に会ってみるとそうとは見立てられない事例が増えていることを受け、なぜ発達障害と診断を受けたと思われるかによって4つの群に分け、その子どもの特徴の理解につなげようとするものです。
これは、単純に誤診が多いということではなくて、発達障害らしいエピソードがあっても、それが器質的な要因に由来しないと思われるグレーゾーンのケースが増えていることと関連し、注目されているトピックを扱っています。


(報告:畑中千紘助教・上廣こころ学研究部門)


上廣こころ学研究部門・臨床心理学領域
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/uehiro/p3.php

17.01.24

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2016年

上廣こころ学研究部門 2016年度研究報告会「多様化するこころと共生」を開催しました

1612houkoku_uehiro.png こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 2016年度研究報告会「多様化するこころと共生」を、2016年12月11日、稲盛財団記念館大会議室にて開催しました。


 2012年4月に創設した「上廣こころ学研究部門」は、公益財団法人上廣倫理財団の支援のもと、現代の日本社会が必要とする、倫理を含む広義の「こころ学」に関するユニークな学際的研究に取り組んでいます。2016年度の報告会は「多様化するこころと共生」をテーマに、5名の研究者による口頭発表を行いました。午前中に開催した「こころの未来研究センター研究報告会2016『こころの拡がりと未来』」に続き、センターの取り組みに支援をいただいている関係者をはじめ、学内外の研究者、大学院生、学部生など、昨年を上回る114名にご参加いただきました。


 はじめに吉川左紀子センター長が開催の挨拶として、「上廣こころ学研究部門は、創設から5年の区切りを迎えました。大学を取り囲む厳しい環境のなか、若い研究者たちを外部より支援してくださることを本当にありがたく思うと共に、今後もこころと倫理をつなぐ研究を進めていきます」と話しました。続いて、公益財団法人上廣倫理財団の丸山登事務局長より来賓のご挨拶として、「研究者の皆さんには、多くの人々の生き方や考え方を追い求める努力の手助けになる研究を行っていただきたい。こころの未来研究センターを支援していることを大きな誇りに思っています」との言葉を頂戴しました。その後、河合俊雄教授が本研究部門の紹介を行い、メンバー構成や研究活動のあらまし、報告会の流れを紹介しました。


 研究報告は、まずはじめにカール・ベッカー教授が「多様化するこころと倫理」と題し、人々の価値観の多様化が急速に進む現代社会が持つ様々な問題を取り上げながら、本研究部門が目指すべきテーマと今後の展望について話しました。続いて、阿部修士准教授が「利己性の制御と幸福感:心理学と脳科学の視点から」と題し、准教授ら3名を中心に取り組んでいる幸福感プロジェクトの成果と知見を報告しました。三つめの報告は、清家理助教が「認知症をもつ人と家族介護者双方のWell-beingとストレスコーピング:医療倫理学・社会福祉学・老年医学の視点から」と題して、認知症をもつ人、家族介護者のニーズに即した包括的教育支援プログラムでの研究成果と具体的事例を紹介しました。四つめの報告は、畑中千紘助教が「非定型化する現代のこころ:臨床心理学の視点から」というタイトルで、臨床心理学の領域から本研究部門で扱う発達障害に続く現代特有のこころの問題について最新の研究知見を紹介しました。最後に、熊谷誠慈准教授が「アジアの精神性と幸福観:インド、チベット、ブータンを中心に」と題し、ブータンの国民総幸福度(GNH)政策における伝統的精神性の応用例、他国への応用例などを検討し、ポスト経済成長時代における「より良い生き方」について考察しました。締めくくりとして、広井良典教授が「それぞれの研究報告はミクロからマクロに及ぶ多様な発表であると同時に、深い部分でつながり合う内容で、現代社会の課題を学際的に研究し掘り下げ問題提起するものだった」と総括し、報告会は終了しました。


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[DATA]
上廣こころ学研究部門 2016年度研究報告会「多様化するこころと共生」
▽日時:2016年12月11日(日)14:30~17:40(14:00 受付開始)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム
・14:30-14:35 センター長挨拶:吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター 教授・センター長)
・14:35-14:40 来賓ご挨拶:丸山登(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)
・14:40-14:55 上廣こころ学研究部門の取組紹介:河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター 教授・副センター長・上廣こころ学研究部門兼任)
・14:55-15:35 研究報告①「多様化するこころと倫理」カール・ベッカー(京都大学こころの未来研究センター 教授・上廣こころ学研究部門兼任)
・15:35-16:00 研究報告②「利己性の制御と幸福感:心理学と脳科学の視点から」阿部修士(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定准教授)
・16:00-16:10 休憩
・16:10-16:35 研究報告③「認知症をもつ人と家族介護者双方のWell-beingとストレスコーピング:医療倫理学・社会福祉学・老年医学の視点から」清家 理(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定助教)
・16:35-17:00 研究報告④「非定型化する現代のこころ:臨床心理学の視点から」畑中千紘(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定助教)
・17:00-17:25 研究報告⑤「アジアの精神性と幸福観:インド、チベット、ブータンを中心に」熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定准教授)
・17:25-17:40 総括:広井良典(京都大学こころの未来研究センター 教授・上廣こころ学研究部門兼任)
司会:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)
▽参加人数:114名

16.12.29

多世代共創プロジェクト アイデアワークショップ

多世代共創プロジェクト
アイデアワークショップ

現在、立上げ計画中の「多世代共創プロジェクト」は、少子高齢化社会においてその可能性に注目が集まりながら、実質的な効果がいまだ十分に検証されていない「多世代共創(=世代の垣根を越えて人々が何かを作る)」に取り組むものです。
具体的には、幅広い世代を対象としたワークショップ等の実践、そして実践にもとづく実証研究を継続することによって、プロジェクトを通じた各世代の人々の変化を記録、検証し、ひいては世代を超えた共生と共創の可能性を探ろうとするものです。
このたび、プロジェクトのキックオフイベントとして、今後実施するワークショップのアイデアを募り、具体化していくための「アイデアワークショップ」を開催します。アート作品、料理、歌や演劇、新しい遊びやスポーツ、社会に役立つようなプロジェクト...多世代で共創する「もの」や「活動」のアイデアを、参加者の皆さんに幅広くご提案いただければと思います。
大学生や研究者の方、会社員の方、子育て中の方、定年退職された方など、ご年齢やご所属を問わず、たくさんの方のご参加をお待ちしています。

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▽企画名:多世代共創プロジェクト アイデアワークショップ
▽日時:2016年12月23日(金・祝) 14:00~16:30(13:30開場)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階 大会議室
    京都市左京区吉田下阿達町 アクセス
▽参加費:500円(飲み物とお菓子をご用意する予定です)
▽対象:どなたでもご参加いただけます。
▽定員:30名(申込みによる先着順とし、定員になり次第、締め切らせていただきます)

主催:京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門、Tera school(NPO法人寺小屋プロジェクト)
協力:同志社女子大学 現代社会学部社会システム学科 教授 日下菜穂子、京都市立芸術大学 美術学部哲学研究室 講師 永守伸年

申込方法 
インターネットまたはメールでのお申込みが可能です。
Tera Schoolのウェブサイト(http://www.teraschool.jp)の、イベント・ニュースのページからフォームにご記入ください。
E-mailにてお申込みの場合は、メールの題名を「12/23ワークショップ参加希望」としていただき、
①お名前、②ご年齢、③ご所属、④お電話番号、⑤ご参加人数を、Tera School事務局(mail@teraschool.jp)にお送りください。

16.12.14

畑中助教が平成28年度栄養教諭支援セミナー(主催:大阪府学校給食会)で講演しました

 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、2016年10月28日に公益財団法人大阪府学校給食会主催による「平成28年度栄養教諭支援セミナー」で大阪府内の栄養教諭、学校栄養職員の方々を対象に講演を行いました。

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<講演内容>
 発達の問題を抱えるお子さんに対する食育、お子さんや保護者の方との関わり方、理解の仕方について、上廣こころ学研究部門の「子どもの発達障害への心理療法的アプローチ」プロジェクトの成果などをもとにレクチャーしたものです。
 最近の学校現場では、発達障害という診断を受けたお子さんもたくさんおられます。発達障害についての基本的な理解に加え、診断の有無にかかわらず、発達のあり方が多様なパターンをとるようになってきているという現状についてもお話ししました。この講習会は11月にも第2回が行われる予定です。


<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>


16.11.16

京都大学こころの未来研究センター 上廣こころ学研究部門 2016年度研究報告会 「多様化するこころと共生」

京都大学こころの未来研究センター
上廣こころ学研究部門 2016年度研究報告会

「多様化するこころと共生」
※定員に達したため締め切りました(2016/12/6)

こころの未来研究センターでは2012年4月より、公益財団法人上廣倫理財団の御寄付により上廣こころ学研究部門を開設しました。
本研究部門では現代の日本社会が必要とする、倫理を含む広義の「こころ学」に関するユニークな学際的研究活動を行っています。
今年度の研究報告会は「多様化するこころと共生」をテーマに、5名の研究者による口頭発表を行います。


昨年の研究報告会の様子はこちらからご覧いただけます。
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/news2/2016/01/151220uehiro.php

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▽ 日時:2016年12月11日(日)14:30~17:40 (14:00~受付開始)

▽ 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 アクセス
    (京都市左京区吉田下阿達町46(川端近衛南東角))

▽ 参加費:無料

▽ 定員:100名(申込みによる先着順)。定員になり次第、締め切らせていただきます。

▽ プログラム
  
14:30-14:35 センター長挨拶
        吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター 教授・センター長)

14:35-14:40 来賓ご挨拶
        丸山 登 (公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)

14:40-14:55 上廣こころ学研究部門の取組紹介
        河合俊雄 (京都大学こころの未来研究センター 教授・副センター長・上廣こころ学研究部門兼任)

14:55-15:35 研究報告①「多様化するこころと倫理」
        カール・ベッカー(京都大学こころの未来研究センター 教授・上廣こころ学研究部門兼任)

15:35-16:00 研究報告②「利己性の制御と幸福感:心理学と脳科学の視点から」
        阿部修士(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定准教授)

16:00-16:10 休憩

16:10-16:35 研究報告③「認知症をもつ人と家族介護者双方のWell-beingとストレスコーピング:医療倫理学・社会福祉学・老年医学の視点から」
        清家 理(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定助教)

16:35-17:00 研究報告④「非定型化する現代のこころ:臨床心理学の視点から」
        畑中千紘(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定助教)

17:00-17:25 研究報告⑤「アジアの精神性と幸福観:インド、チベット、ブータンを中心に」
        熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定准教授)

17:25-17:40 総括
        広井良典(京都大学こころの未来研究センター 教授・上廣こころ学研究部門兼任)

申込方法  
E-mailまたはFAXにてお申込みください。件名に「上廣報告会 申込み」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
必要事項:①氏名(ふりがな)②所属・職名 ③返信用ご連絡先(メールアドレスまたはFAX番号)
※定員に達し、ご参加頂けない場合のみ、ご連絡を差し上げます。

連絡先/申込先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス
(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-uh*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
FAX:075-753-9680
URL: http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

16.11.02

阿部准教授の総説が『老年精神医学雑誌』に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の総説"アルツハイマー病における記憶錯語"が、学術誌『老年精神医学雑誌』vol. 27(August 2016)に掲載されました。


160906abe.png○書誌情報
阿部修士(2016)
アルツハイマー病における記憶錯誤
老年精神医学雑誌 27 (8): 840-845
http://184.73.219.23/worldpl/17_seisin_igaku_zassi/28-8.htm#4


○論文の概要
アルツハイマー病における認知機能障害の中でも、とりわけ顕著に発現するのが記憶障害です。記憶障害は典型的には、過去の記憶が抜け落ちてしまう症状に特徴づけられます。しかし、実際には経験していない事象についての誤った記憶を想起する「記憶錯誤」を呈することも少なくありません。本稿では、特に「虚再生」と「虚再認」という二種類の記憶錯誤に焦点を当て、阿部准教授が以前に行っていたアルツハイマー病の虚再認に関する研究を紹介しながら、その背景にあるメカニズムについて論じています。

16.09.06

第11回京都大学ヒマラヤ宗教研究会 国際ワークショップ

ヒマラヤの伝統知と心身技法
ヒマラヤの伝統知と身心技法は現代社会に応用できるか

※定員に達したため締め切りました(2016/9/26)


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古くから、瞑想修行者たちは、様々な疾病の予防法や治療法として、瞑想修行の効果を実体験してきました。
ここ数十年来、身心の鍛錬や、その治療法的使用が注目されるようになってきましたが、チベットの精神的伝統においては、身心の鍛錬が、個人の身体や活力、心を癒す方法として広く利用されています。
本講演では、「ヒマラヤの伝統知と身心技法は現代社会に応用できるか」をテーマとして、2日間に渡り、議論を深めていきます。
1日目は、「健康法としての呼吸法:ボン教のヨガが人体に及ぼす影響」をテーマに、ボン教のヨガを用いた統合医療研究の第一人者であるテンジン・ワンギェル博士に、ボン教の伝統知、ヨガの理論、日常生活への応用法を、科学的な実験結果とともに解説して頂きます。
2日目は、1日目と同じく、テンジン・ワンギェル博士により、「ボン教のドリーム・ヨガ」をテーマについて講演して頂きます。「ドリームヨガ」は、チベットの瞑想修行者たちが何百年もの間、体験し発展させてきた、夢や睡眠を利用し、人間のもつ純粋な内在的意識を覚醒させる強力なツールであり、「心の本質」を認識することを目的とします。本講演では、睡眠と覚醒、さらには夢と死の関係に焦点を当てながら『ドリーム・ヨガ』について解説して頂きます。


▽日時:2016年9月26日(月)、27日(火) 16時半~19時
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
 地図 http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/about/access.html
▽講演者:テンジン・ワンギェル博士(リクミンチャ・インターナショナル代表)
▽講演①:「健康法としての呼吸法:ボン教のヨガが人体に及ぼす影響」(9月26日)
▽講演②:「ボン教のドリーム・ヨガ」(9月27日)
▽指定討論者:マルク=ヘンリ・デロッシュ(京都大学総合生存学館 准教授)
       上田祥行(京都大学こころの未来研究センター 特定助教)
       小西賢吾(金沢星稜大学 専任講師)
▽総合司会:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター 上廣こころ学研究部門 特定准教授)
▽参加費:無料
▽使用言語:英語・日本語(逐次通訳が入ります)
▽対象:どなたでもご参加いただけます。
▽定員:50名(申込みによる先着順とし、定員になり次第、締め切らせていただきます。)


【タイムスケジュール】
○ 9月26日(月)
16:30-16:35 開会挨拶(熊谷誠慈, 京都大学こころの未来研究センター 上廣こころ学研究部門 特定准教授)
16:35-18:15 講演「健康法としての呼吸法:ボン教のヨガが人体に及ぼす影響」(テンジン・ワンギェル博士, リクミンチャ・インターナショナル代表)*発表50分、通訳50分。
18:15-18:25 休憩
18:25-18:40 研究者との討論
       討論者 マルク=ヘンリ・デロッシュ(京都大学総合生存学館 准教授)
            上田祥行(京都大学こころの未来研究センター 特定助教)
18:40-18:55 質疑応答
18:55-19:00 閉会

○ 9月27日(火)
16:30-16:35 開会
16:35-18:15 講演「ボン教のドリーム・ヨガ」(テンジン・ワンギェル博士)*発表50分、通訳50分。
18:15-18:25 休憩
18:25-18:35 研究者との討論
       討論者 小西賢吾(金沢星稜大学 専任講師)
18:35-18:55 質疑応答
18:55-19:00 閉会


【講演者紹介】
テンジン・ワンギェル博士
リクミンチャ・インターナショナル創立者・代表。作家。ボン教の本山メンリ寺にて博士号(ゲシェー)を取得。アメリカ合衆国、メキシコ、南米、ヨーロッパ、アジア各地でボン教(ヒマラヤの土着宗教)の哲学や瞑想法に関する講演活動、実技指導を行う。ヒマラヤの伝統知と身体技法を、現代社会の日常生活に応用する方法を模索。ヒューストンのアンダーソン癌センター等と共同研究を進める。『チベッタン・ヒーリング:古代ボン教・五大元素の教え』、『チベット:聖なる呼吸法』、Awakening the Sacred Body; Tibetan Sound Healing; Awakening the Luminous Mind; The True Source of Healing; The Tibetan Yogas of Dream and Sleep; Healing with Form; Energy and Light; Wonders of the Natural Mind; Tibetan Yogas of Body; Speech and Mind; and Unbounded Wholeness (with Anne Klein)など著書多数。詳細はリクミンチャ・インターナショナルのHP (http://www.ligmincha.org/index.php/en/)を参照されたい。

申込方法 
定員は50名(申込先着順)となっております。参加ご希望の方は、E-mailにてお申込みください。
件名に「ヒマラヤ宗教 国際ワークショップ申込み」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
定員に達し、ご参加頂けない場合のみご連絡をさし上げます。
必要事項:①お名前(ふりがな)、②ご所属、③返信用ご連絡先(メールアドレス)
     ※返信用メールアドレスは明確にお願いします。

連絡先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-event-2*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
URL:http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

16.08.25

河合教授が「日本遊戯療法学会 第22回大会」にシンポジストとして登壇しました

 2016年8月20日・21日、日本遊戯療法学会第22回年次大会が奈良県天理市の天理大学で開催され、初日の公開シンポジウム「発達障害と遊戯療法」(於:陽気ホール)で、河合俊雄教授がシンポジストとして登壇しました。


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 河合教授は「発達障害の見立てと遊戯療法における転機」というタイトルで発表しました。これは上廣こころ学研究部門・子どもの発達障害への心理療法的アプローチの成果をもとにしたものです。


 発達障害が時代の変遷と共に増加してきた流れがある中で、昨今では、発達障害と診断を受けていてもそうは見立てられない事例が増えていることを指摘し、そのような事例の状態像について具体的に示しました。一般的な子どもの発達を俯瞰してみても、従来の心理学理論よりも発達が遅れているようにみられる現象が描画の発達的研究から読み取れることを例にあげ、現在では発達が「非定型化」してきていることについて述べました。


<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>


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日本遊戯療法学会 第22回大会ホームページ
http://www.tenri-u.ac.jp/gr/chs/pt/symposium.html

16.08.22

ヒマラヤ・ブータン地域研究国際ワークショップ

ヒマラヤ・ブータン地域研究国際ワークショップ


▽日時:2016年8月4日(木) 13:00~16:30

▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室
     京都市左京区吉田下阿達町46(川端近衛南東角)

▽共催:京都大学地(知)の拠点事業、科研A「アジアの在地の協働によるグローバル問題群に挑戦する実践型地域研 、研究連携基盤 次世代研究者支援、京都大学ブータン研究会(第18回)

▽タイムテーブル

13:00-13:05 Opening Remarks by Dr. Seiji Kumagai (Uehiro Associate Professor, KRC, Kyoto University)
13:05-13:10 Introduction by Dr. Kazuo Ando (Associate Professor, CSEAS, Kyoto University) *Introduction of Prof. Ando's research project.
13:10-13:50 "Household Air Pollution and Potantial Health Implication in Rural Bhutan" by Dr. Tenzin Wangchuk (Dean,Academic Affairs, Sherubtse College)
13:50-14:30 "The Living Tales of Ama Jomo, In Merak Village, Trashigang District, Bhutan" by Mr. Sumjay Tshering (Lecturer, Sherubtse College, RUB)
14:30-14:40 Break
14:40-15:20 "Water pollution in Kanglung Area, Trashigang District, Bhutan" by Ms. Pema Choden (Lecturer, Sherubtse College, RUB)
15:20-16:00 "Economic Development and Emerging Environmental Problems in Bhutan" by Mr. Ngawang Dendup (School of political science and economics, Waseda University)
16:00-16:25 Free Discussion
16:25-16:30 Concluding Remarks by Dr. Kazuo Ando

(*Presentation: 25 minutes, Question & Answer: 5 minutes)


▽受講資格:研究者・学生・大学職員

▽使用言語:英語

▽参加費:無料

連絡先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-liaison*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
URL:http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

16.07.29

上廣フォーラム~日本人の生き方 「わが師・先人を語る」 京都大学の知の伝統

上廣フォーラム~日本人の生き方 「わが師・先人を語る」
京都大学の知の伝統

※定員に達したため締め切りました(2016/8/23)

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▽ 日時:平成28年9月11日(日) 13:30~16:30 (受付開始 13:00~)
▽ 会場:京都大学 稲盛財団記念館3階大会議室
      (京都市左京区吉田下阿達町46(荒神橋東詰))
▽ 参加費:無料
▽ 定員:120名(申込による先着順) *定員になり次第、締め切らせていただきます。
▽ 対象:一般
*NHKラジオ第二放送(693kHz)文化講演会 同時収録

■プログラム
  13:30~13:40  開会挨拶
  13:40~15:00 位田隆一 (滋賀大学学長)「シャルル・ショーモン先生と田畑茂二郎先生:国際法の新しい視座への導きの師たち」
  15:10~16:30 山極壽一 (京都大学総長)「二人の恩師の夢、今西錦司先生と伊谷純一郎先生」


■共催:公益財団法人上廣倫理財団 京都大学こころの未来研究センター

申込方法
E-mail またはFAXでお申込みください。件名に「京都大学の知の伝統シンポジウム」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
必要事項:①氏名(ふりがな)②ご連絡先(E-mail または Fax番号)
申込受付完了後、こちらよりご連絡差し上げます。

連絡先/申込先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス
(平日9時~16時)
E-mail: kokoro-uh*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(お手数ですが、*を@に変えてください)
FAX:075-753-9680
URL:http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

16.07.27

第17回京都大学ブータン研究会

第17回京都大学ブータン研究会 (Monarchy And Democracy in Bhutan)


▽日時:2016年7月21日(木) 17:00~18:30

▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階 小会議室1
     京都市左京区吉田下阿達町46(川端近衛南東角)

▽発表者:カルマ・テンジン(京都大学東南アジア研究所・研究員)

▽発表題目:Monarchy And Democracy in Bhutan

▽受講資格:研究者・学生・京大の職員

▽使用言語:英語

▽参加費:無料

連絡先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-liaison*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
URL:http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

16.07.15

阿部准教授、中井研究員の共著論文が『Neuroimage』に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、中井隆介研究員らの論文 "Causal relationship between effective connectivity within the default mode network and mind-wandering regulation and facilitation" が、学術誌『Neuroimage』Vol.133(June 2016)に掲載されました。


1607abe_nakai.pngKajimura S, Kochiyama T, Nakai R, Abe N, Nomura M (2016)
Causal relationship between effective connectivity within the default mode network and mind-wandering regulation and facilitation
Neuroimage 133: 21-30
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1053811916002056 ※認証有り


○論文の概要
 先行研究より,非侵襲脳刺激法の一つである経頭蓋直流刺激法を用いて,注意散漫をもたらすマインドワンダリング(思考のさまよい)を低減可能であることが示されていました(Kajimura & Nomura, 2015)。本研究ではfMRIを用いることで,それがデフォルトモードネットワークと呼ばれるヒト脳の中核的ネットワークを調節することによって生じる可能性を示しました。本成果は,デフォルトモードネットワークの機能理解に貢献するのみならず,非侵襲脳刺激法による注意散漫状態の低減といった臨床応用につながる神経科学的根拠を提供するものです。なお,この研究はこころの未来研究センター連携MRI研究施設のMRIを用いて行われました。


○Abstract
Transcranial direct current stimulation (tDCS) can modulate mind wandering, which is a shift in the contents of thought away from an ongoing task and/or from events in the external environment to self-generated thoughts and feelings. Although modulation of the mind-wandering propensity is thought to be associated with neural alterations of the lateral prefrontal cortex (LPFC) and regions in the default mode network (DMN), the precise neural mechanisms remain unknown. Using functional magnetic resonance imaging (fMRI), we investigated the causal relationships among tDCS (one electrode placed over the right IPL, which is a core region of the DMN, and another placed over the left LPFC), stimulation-induced directed connection alterations within the DMN, and modulation of the mind-wandering propensity. At the behavioral level, anodal tDCS on the right IPL (with cathodal tDCS on the left LPFC) reduced mind wandering compared to the reversed stimulation. At the neural level, the anodal tDCS on the right IPL decreased the afferent connections of the posterior cingulate cortex (PCC) from the right IPL and the medial prefrontal cortex (mPFC). Furthermore, mediation analysis revealed that the changes in the connections from the right IPL and mPFC correlated with the facilitation and inhibition of mind wandering, respectively. These effects are the result of the heterogeneous function of effective connectivity: the connection from the right IPL to the PCC inhibits mind wandering, whereas the connection from the mPFC to the PCC facilitates mind wandering. The present study is the first to demonstrate the neural mechanisms underlying tDCS modulation of mind-wandering propensity.

16.07.11

熊谷准教授がベルゲン大で研究集会「Buddhism, culture and society in Bhutan」を開催しました

 熊谷誠慈准教授が、2016年6月19日から25日にかけてノルウェー・ベルゲン大学で開催された第14回国際チベット学会に参加しました。6月22日には、熊谷准教授主催の研究部会「Buddhism, culture and society in Bhutan」がおこなわれ、各国の研究者らがブータンの社会、文化に関する研究発表と討論をおこないました。


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Panel7 - Buddhism, culture and society in Bhutan
Wed 22 June (Auditorium Q)
Convener: Seji Kumagai


9.00-9.15: Opening of panel.
9.15-9.45: Seiji Kumagai: A study through biographies and chronicles on Tsangpa Gyare (1161-1211), the founder of the Drukpa Kagyu School.
9.45-10.15: Felicity Shaw: The National Library and Archives of Bhutan: from literary repository to guardian of collective memory.
10.15-10.45: Brian Shaw: Becoming a modern Bhutanese: the continuing development of civil society and social media in a time of change 1972-2015.
10.45-11.15: Tea and coffee break.
11.15-11.45: Johanna Prien: Ritual paraphernalia used by pawo and neyjorma spirit mediums in rural Western Bhutan.

11.45-12.15: Per Sørensen and Hou Haoran: Transnational kinship network: history of the ruling rGya family at the Ra-lung seat between the 15th and 16th centuries.

12.15-12.45: Dagmar Schwerk: Tracing the life and intellectual agenda of a 20th century Bhutanese scholar and yogin, the Sixty-Ninth rJe mKhan-po dGe-'dun-rin-chen (1926-1997).

12.45-13.45: LUNCH

13.45-14.15: Lungtaen Gyatso: Holistic education: redefining the purpose of education in the Royal University of Bhutan.

14.15-14.45: Tashi Tshering: The Tashigomang: portable shrines of Bhutan.

14.45-15.15: Françoise Pommaret: The Bumthang web: migrations, alliances, economy and religion.

15.15-15.45: Tea and Coffee break.

15.45-16.15: Akiko Ueda: Symbolic, monetary and nutritional values of rice: "food security" re-examined in Bhutan's rural context.

16.15-16.45: Akinori Yasuda: Some remarks on the lTa ba klong yangs discovered by Dorje Lingpa.


http://www.iats.info/

16.07.01

阿部准教授の論文が『Neuroscience』に掲載されました

1605abe_neuroscience.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と、2014年度までこころの未来研究センターに日本学術振興会特別研究員として在籍していた伊藤文人東北福祉大学特任講師らの執筆した論文が、学術誌『Neuroscience』Vol.328 に掲載されました。


 本研究は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、老若男女様々な人物の顔に対する価値判断の神経基盤を調べた研究です。腹内側前頭前野と呼ばれる報酬の処理に関わる領域の活動が、男性参加者と女性参加者では異なっており、男性では顔の性別や世代の違いを顕著に反映することが明らかとなりました。


Ito A, Fujii T, Abe N, Kawasaki I, Hayashi A, Ueno A, Yoshida K, Sakai S, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2016)
Gender differences in ventromedial prefrontal cortex activity associated with valuation of faces
Neuroscience 328: 194-200

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306452216301324 ※認証有り


○Abstract

Psychological studies have indicated that males exhibit stronger preferences for physical attributes in the opposite gender, such as facial attractiveness, than females. However, whether gender differences in mate preference originate from differential brain activity remains unclear. Using functional magnetic resonance imaging (fMRI), we investigated the patterns of brain activity in the ventromedial prefrontal cortex (vmPFC), a region critical for the valuation of faces, in response to elderly male, elderly female, young male, and young female faces. During fMRI, male and female subjects were presented with a face and asked to rate its pleasantness. Following fMRI, the subjects were presented with pairs of faces and asked to select the face that they preferred. We analyzed the vmPFC activity during the pleasantness-rating task according to the gender of the face stimulus (male and female) and the age of the face stimulus (elderly and young). Consistent with the results of previous studies, the vmPFC activity parametrically coded the subjective value of faces. Importantly, the vmPFC activity was sensitive to physical attributes, such as the youthfulness and gender of the faces, only in the male subjects. These findings provide a possible neural explanation for gender differences in mate preference.

16.05.19

熊谷准教授が「京都大学春秋講義(平成28年度 春季講義)テーマ:宗教と平和」で講演します(4月6日開催)

1603kumagai.png 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が、2016年4月6日に京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホールで開催される「京都大学春秋講義(平成28年度 春季講義) 宗教と平和」で講演をおこないます。


 春秋講義は、京都大学における知的資源を広く学内外の人々に伝えるために、一般の方に無料開講しています。今回、熊谷准教授の講演テーマは「仏教は平和に寄与しうるか?ーブータンの事例を中心に」です。仏教学を専門とし、現地に赴きインド、チベット、ブータンの仏教を研究する熊谷教授が、今回は特にブータンの国に焦点を当て、仏教の本質と仏教国の現状、仏教がいかに平和に寄与するものか、具体的事例と共に考察します。


 参加費、事前申込は不要です。下記リンクにアクセスし、詳細をご覧ください。


京都大学春秋講義(平成28年度 春季講義) | 京都大学ウェブサイト

16.03.18

阿部准教授の論文が『Experimental Brain Research』に掲載されました

1603abe_EBR.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文が、『Experimental Brain Research』に掲載されました。
 ヒトを対象としたエピソード記憶の研究では、source memory とよばれる情報源の記憶(例:ある話を誰から聞いたか)についての研究が盛んにおこなわれてきました。近年では destination memory とよばれる伝達先の記憶(例:ある情報を誰に話したか)についての研究もおこなわれるようになり、両者の異同について議論がなされています。
 今回の fMRI を用いた研究では、destination memory の神経基盤にアプローチし、内側側頭葉と destination memory との関連を明らかにしました。


Mugikura S, Abe N, Ito A, Kawasaki I, Ueno A, Takahashi S, Fujii T (2016)
Medial temporal lobe activity associated with the successful retrieval of destination memory
Experimental Brain Research 234: 95-104
http://link.springer.com/article/10.1007/s00221-015-4415-5 ※認証有り


○Abstract
Destination memory is the process of remembering to whom we tell particular things. Although recent behavioral studies have clarified the cognitive nature of destination memory, the neural mechanisms underlying destination memory retrieval remain unclear. We used functional magnetic resonance imaging (fMRI) to determine whether the medial temporal lobe (MTL), a structure that has been implicated in recollection-based memory, is activated during the successful retrieval of destination information. During a study phase before fMRI scanning, the subjects told a series of facts to either a woman or a man. During fMRI scanning, the subjects were asked to judge whether each fact presented was old or new, and if they judged it as old, to indicate, including a confidence rating (high or low), whether the subjects had told that fact to either a man or a woman. We found that successful destination retrieval, when compared to failed destination retrieval, was associated with increased activity in the parahippocampal gyrus. We also found that the confidence level (high vs. low) for destination memory retrieval was associated with increased activity in another (posterior) region of the parahippocampal gyrus. The present study suggests that the successful retrieval of destination information depends highly on MTL-mediated recollection processes.

16.03.03

中井研究員、阿部准教授の論文が『Psychiatry Research: Neuroimaging』に掲載されました

1603nakai_FRN.png 中井隆介研究員、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)らの論文が『Psychiatry Research: Neuroimaging』に掲載されました。
 社会不安障害は、他者からの否定的な評価に対する極度の不安と恐怖を症状の一つとし、脳機能の異常との関連が示されています。一方で、社会不安障害は非臨床群−臨床群のスペクトラム性が示唆されているにもかかわらず、非臨床群における傾向と脳機能との関連については未だ不明でした。そこで本研究では、非臨床群における「他者からの否定的な評価に対する恐怖尺度(FNES)」を主とした心理学的尺度得点と脳機能(機能的結合,グラフ解析指標)との関連について検討しました。その結果、FNES得点と海馬傍回/眼窩前頭皮質の機能的結合および右頭頂葉の情報伝達経路としての関与の程度を示す指標とが負の相関を示すことが明らかとなりました。これらの領域は臨床群においても異常が見られることから、本研究結果は社会不安障害がスペクトラム障害であることを支持するとともに、FNESが社会不安スペクトラムの検出に有用である可能性を示しています。


Kajimura S, Kochiyama T, Nakai R, Abe N, Nomura M (2015)
Fear of negative evaluation is associated with altered brain function in nonclinical subjects
Psychiatry Research: Neuroimaging 234 (3): 362-368
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0925492715301177 ※認証有り


○Abstract
Social anxiety disorder (SAD), which involves excessive anxiety and fear of negative evaluation, is accompanied by abnormalities in brain function. While social anxiety appears to be represented on a spectrum ranging from nonclinical behavior to clinical manifestation, neural alteration in nonclinical populations remains unclear. This study examined the relationship between psychological measures of social anxiety, mainly using the Fear of Negative Evaluation Scale (FNES), and brain function (functional connectivity, degree centrality, and regional betweenness centrality). Results showed that FNES scores and functional connectivity of the parahippocampal gyrus and orbitofrontal cortex and the betweenness centrality of the right parietal cortex were negatively correlated. These regions are altered in SAD patients, and each is associated with social cognition and emotional processing. The results supported the perspective that social anxiety occurs on a spectrum and indicated that the FNES is a useful means of detecting neural alterations that may relate to the social anxiety spectrum. In addition, the findings indicated that graph analysis was useful in investigating the neural underpinnings of SAD in addition to other psychiatric symptoms.

16.03.03

柳澤助教、阿部准教授の論文が『Journal of Experimental Psychology: General』に掲載されました

1603yanagisawa_JEP.png 柳澤邦昭助教、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)らの論文が『Journal of Experimental Psychology: General』に掲載されました。
 本研究は、自尊感情の高さによる死関連刺激に対する認知・情動処理の違いと、死の脅威に対する防衛的反応の違いを報告した研究です。自尊感情の低い人に比べ、自尊感情の高い人では、死関連刺激を処理する際に、情動の認知的制御に関わる右腹外側前頭前野と扁桃体が効果的に相互作用していることが明らかとなりました。加えて、自尊感情の低い人は、死への脅威に対する防衛的反応を示しやすいことが明らかとなりました。なお、この研究は、こころの未来研究センター連携MRI研究施設のMRIを用いておこなわれました。


Yanagisawa K, Abe N, Kashima ES, Nomura M (2016)
Self-esteem modulates amygdala-VLPFC connectivity in response to mortality threats
Journal of Experimental Psychology: General 145 (3): 273-283
http://psycnet.apa.org/journals/xge/145/3/273/


○Abstract
Reminders of death often elicit defensive responses in individuals, especially among those with low self-esteem. Although empirical evidence indicates that self-esteem serves as a buffer against mortality threats, the precise neural mechanism underlying this effect remains unknown. We used functional magnetic resonance imaging (fMRI) to test the hypothesis that self-esteem modulates neural responses to death-related stimuli, especially functional connectivity within the limbic-frontal circuitry, thereby affecting subsequent defensive reactions. As predicted, individuals with high self-esteem subjected to a mortality threat exhibited increased amygdala-ventrolateral prefrontal cortex (VLPFC) connectivity during the processing of death-related stimuli compared with individuals who have low self-esteem. Further analysis revealed that stronger functional connectivity between the amygdala and the VLPFC predicted a subsequent decline in responding defensively to those who threaten one's beliefs. These results suggest that the amygdala-VLPFC interaction, which is modulated by self-esteem, can reduce the defensiveness caused by death-related stimuli, thereby providing a neural explanation for why individuals with high self-esteem exhibit less defensive reactions to mortality threats. (PsycINFO Database Record (c) 2016 APA, all rights reserved)

16.03.03

阿部准教授がNPO法人ニューロクリアティブ研究会・創造性研究奨励賞を受賞しました

IMG_8328.JPG 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が、NPO法人ニューロクリアティブ研究会の2015年度研究者支援「創造性研究奨励賞」2等を受賞しました。
 同賞は、「脳と創造性に関する研究」ならびに「創造的人材の育成」 を目的とし、研究者および開発者の支援をおこなう活動の一環で設けられたもので、2015年度は、「研究者支援」(創造性研究奨励賞) と 「開発者支援」 (開発研究奨励賞)の2部門で募集がありました。阿部准教授の研究テーマ「道徳的意思決定に与える創造性の影響-認知神経科学的研究-」は、「創造性」に関する脳科学的エビデンスの解明、または創造性技法の活用を目指した開発研究として、「研究者支援」(創造性研究奨励賞)の部門で2等を受賞しました。
 なお、授賞式は2016年3月14日に東京でおこなわれる同NPO法人による「第17回NCLセミナー『創造する脳~いのちの始まりの脳科学』」にて開催されます。


○阿部修士准教授のコメント

「自分の研究を評価していただけて、大変嬉しく、光栄に思います。賞の名に恥じぬよう、クリエイティブなこころを持ち合わせて研究を続けたいと思います。」


[受賞DATA]
2015年度 研究者支援「創造性研究奨励賞」
NPO 法人 ニューロクリアティブ研究会(NeuroCreative Lab)
http://www.neurocreative.org/jp/?page_id=1285
研究テーマ:「道徳的意思決定に与える創造性の影響-認知神経科学的研究-」


16.02.29

清家助教の解説記事が『糖尿病ケア』に掲載されました

 糖尿病治療に関わる医療スタッフのための専門誌『糖尿病ケア』2016年1月号(メディカ出版)に、清家理助教の解説記事が掲載されました。
 糖尿病と認知症が特集テーマとなった本号の「不安を解決!認知症なんでもQ&A 医療スタッフの疑問編」において、清家助教は、認知症患者とその家族のためのこころのケアや社会的支援に関する質問に答えています。


1602seike_tonyo.png「不安を解決!認知症なんでも Q&A 医療スタッフの疑問編」
京都大学 こころの未来研究センター 上廣こころ学研究部門 助教/
国立長寿医療研究センター もの忘れセンター 外来研究員
清家 理(せいけ あや)


Q10 認知症の糖尿病患者さんの家族が介護疲れのようで心配です。どうすればよいでしょうか。


... 筆者たちは、包括的な学習と介護者との相互交流を通じて、介護者の人々の身体的、精神的つらさの緩和を目指す主旨で、「家族教室」というアクションリサーチ(社会還元型の実践的研究)を実施しています。その研究結果のうち、介護者には以下3点の学習ニーズが確認されました。(1)認知症の概論的理解(認知症のしくみ、進行過程と出現症状、治療方法など)、(2)薬剤に関する知識の習得(認知症治療に使う薬剤の効用、服薬拒否や飲み忘れへの対応方法)、(3)ケアに関する知識の習得(同じことを何度も言う、いきなり怒り出すことなどへの対応方法)。なかでももっとも高い割合を占めたニーズは、(1)認知症の概論的理解です。


Q11 認知症をもつ人のための、おもな社会的支援を教えてください。


... 社会的支援には、大きく2種類あります。それは、(1)フォーマルサポート(公的機関が行う制度に基づいた支援<例:介護保険制度による通所リハビリテーションなど>)、(2)インフォーマルサポート(家族やボランティアなどが互助的に無償で提供する、非専門的な支援<例:認知症カフェ、認知症当事者の会など>)です。認知症をもつ人が、人として尊重され、安心して生きていくためには、(1)と(2)の複合的活用が大切です。


(記事より)


糖尿病ケア2016年1月号 | メディカ出版

16.02.09

第10回ヒマラヤ宗教研究会

第10回ヒマラヤ宗教研究会
Traditional Tibetan Buddhist Scholars on Dharma, Law and Politics: philosophical discussions in Boudhanath (Nepal)

▽日時:2016年7月15日(金) 14:00~15:30

▽場所:京都大学稲盛財団記念館2階 225会議室
    京都市左京区吉田下阿達町46(川端近衛南東角)

▽発表者:ミゲル=アルヴァレス・オルテガ(セビリア大学・法哲学部)

▽発表題目:Traditional Tibetan Buddhist Scholars on Dharma, Law and Politics: philosophical discussions in Boudhanath (Nepal)

▽受講資格:学生・研究者

▽使用言語:英語

▽参加費:無料

連絡先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-liaison*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
URL:http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

16.02.08

上廣こころ学研究部門 2015年度研究報告会「身体(からだ)からこころを問い直す」を開催しました

 こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 2015年度研究報告会「身体(からだ)からこころを問い直す」を、2015年12月20日、稲盛財団記念館大会議室にて開催しました。


 こころの未来研究センターでは2012年4月より、公益財団法人上廣倫理財団の支援のもと「上廣こころ学研究部門」を開設し、現代の日本社会が必要とする、倫理を含む広義の「こころ学」に関するユニークな学際的研究活動をおこなっています。今年度の研究報告会は「身体(からだ)からこころを問い直す」をテーマに、3名の研究者による口頭発表とディスカッションをおこないました。午前中に開催した「こころの未来研究センター研究報告会2015『からだ・こころ・きずな』」に引き続き、センターの取り組みに支援をいただいている関係者をはじめ、学内外の研究者、大学院生、学部生など97名にご参加いただきました。


 冒頭、吉川左紀子センター長が挨拶に立ち、「上廣こころ学研究部門では上廣倫理財団のご支援とご理解のもと、『京都大学の知的伝統を受け継ぐと共に、こころと倫理をつなぎ未来に向かう研究を推進する』という主旨で研究に取り組んでいます」と説明しました。続いて、丸山登公益財団法人上廣倫理財団事務局長より来賓のご挨拶を頂き、財団設立に到るエピソードと財団の活動理念、京都大学と本報告会に寄せる期待についてお話を頂きました。その後、鎌田東二教授が本研究部門の取り組みを紹介しました。ひとつめの研究報告は、門前斐紀研究員が「芸術からこころを問い直す」と題し、芸術活動に備わる倫理的作用に焦点をあて、東日本大震災における芸能復興の事例などを用いて発表しました。続いて、梅村高太郎研究員が「心身症からこころを問い直す」と題し、平成26年度より取り組んでいる「身体疾患・症状に関する心理療法の研究」プロジェクトから発展させた実証研究の成果と知見を報告しました。三つめの報告では「介護からこころを問い直す」と題し、カール・ベッカー教授が長らく取り組んできた介護者・看護者が直面する心理的ストレスに関する研究と、介護者・看護者のストレス予防の為の診断法についての研究成果を紹介しました。


 その後、部門研究者による全体討論がおこなわれ、熊谷誠慈准教授の司会進行のもと、清家理助教、畑中千紘助教、福島慎太郎青山学院大学総合文化政策学部助教らが発表者と共にディスカッションをおこないました。締めくくりとして、河合俊雄教授が「若手研究者は上廣こころ学研究部門という、非常に豊かでハードな環境のなか研究に取り組んでいる。今日、登壇した若い人たちの話から、アクションリサーチのなかで起こってくることを見つめることの大切さをあらためて認識した」と総括し、報告会は終了しました。


151220uehiro_yoshikawa.png 151220uehiro_maruyama.png
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[開催ポスター]
151220uehiro.png


[DATA]
▽日時:2015年12月20日(日)14:30~17:45(14:00 受付開始)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム
・14:30 - 14:35 センター長挨拶 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター・教授/センター長)
・14:35 - 14:40 来賓ご挨拶 丸山登(公益財団法人 上廣倫理財団・事務局長)
・14:40 - 14:50 上廣こころ学研究部門の取組紹介 鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター・教授/上廣こころ学研究部門兼任)
・14:50 - 15:20 研究報告①「芸術からこころを問い直す」門前斐紀(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・非常勤研究員)
・15:20 - 15:50 研究報告②「心身症からこころを問い直す」梅村高太郎(京都大学こころの未来研究センター・非常勤研究員)
・15:50 - 16:20 研究報告③「介護からこころを問い直す」カール・ベッカー(京都大学こころの未来研究センター・教授/上廣こころ学研究部門兼任)
・16:20 - 16:40 休憩 (質問用紙回収)
・16:40 - 17:40 部門研究者による全体討論 モデレーター:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)、ディスカッサント:清家理(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)、畑中千紘(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)、福島慎太郎(青山学院大学総合文化政策学部・助教)
・17:40 - 17:45 閉会の挨拶 河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター・教授/上廣こころ学研究部門兼任)
司会:阿部修士(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)
▽参加人数:97名

16.01.15

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2015年

第6回ブータン文化講座 「輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代」を開催しました

 2015年10月20日、こころの未来研究センターブータン学研究室の主催による第6回ブータン文化講座 「輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代」が、稲盛財団記念館3階大会議室で開催されました。

 ブータン学研究室では、アウトリーチ活動の一環として「ブータン文化講座」を定期開催しています。今回は、教育学研究科の西平直教授をお招きし、「輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代」をテーマにご講演いただきました。司会進行は、ブータン学研究室の熊谷誠慈准教授が務めました。


○参加者アンケートより


・教育、現代の若者という側面でブータンについて知ることができた。(学部生)
・ブータンの人たちの根源としての輪廻の話が面白かった。(社会人)
・ブータンの方々の来世を意識する生活がとても印象的だった。(大学院生)
・グローバリゼーションを西側のモノサシで測ることで他国を見ることは無理であることが分かった。(社会人)
・表面的には発展が急速に進んでいても、思想等の根底にある部分はそう簡単に変わらないのだと感じ興味深かった。(学部生)
・抽象的なGNH論ではなく、現実のブータンで若者がどのように生きているのかを知り興味をもちました。(社会人)


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[開催ポスター]
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[DATA]
第6回ブータン文化講座
「輪廻のコスモロジーとブータンの新しい世代」


▽ 日時:2015年10月20日(火) 17:00~19:00(16:30開場)
▽ 場所:京都大学稲盛財団記念館3階 大会議室
▽ 講演者:西平 直(京都大学大学院教育学研究科・教授)
▽ 司会進行:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター准教授)
▽ 主催:京都大学こころの未来研究センター ブータン学研究室
▽ 参加者数:98名

15.11.13

阿部准教授、大塚研究員、中井研究員、吉川教授らの共著論文が『Frontiers in Aging Neuroscience』に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、大塚結喜研究員、中井隆介研究員、吉川左紀子教授らによる共著論文が『Frontiers in Aging Neuroscience』(published: 29 September 2015) に掲載されました。


 高齢者を対象として、運動機能と認知機能の関係性について、fMRIを用いて調べた研究です。目標志向的な歩行が遅い高齢者では、速い高齢者と比べて、視覚ワーキングメモリ中の小脳や大脳基底核の活動が低下し、前頭前野の活動が上昇していることを報告しました。この研究は、こころの未来研究センター連携MRI研究施設のMRIを用いておこなわれました。


 論文は全文をウェブで読むことができます。下記の画像もしくはリンクにアクセスしてお読みください。


Kawagoe T, Suzuki M, Nishiguchi S, Abe N, Otsuka Y, Nakai R, Yamada M, Yoshikawa S, Sekiyama K (2015)
Brain activation during visual working memory correlates with behavioral mobility performance in older adults
Frontiers in Aging Neuroscience 7: 186


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Brain activation during visual working memory correlates with behavioral mobility performance in older adults | Frontiers in Aging Neuroscience

15.10.23

畑中助教が日本箱庭療法学会第29回大会で研究発表をおこないました

1510hatanaka_hakoniwa.png 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、2015年10月10日・11日に東北福祉大学(宮城県仙台市)で開催された日本箱庭療法学会第29回大会において、「身体的違和感を訴える女性の夢の展開-外的な語りとイメージの関連に着目して-」と題する研究発表をおこないました。


 近年、心理療法場面においても内面が語られにくい事例が増えていることが指摘されていますが、本研究発表では、身体的な訴えが繰り返される事例での夢の展開を素材として、他者や薬など、外的なもののせいにされていた違和感が身体によって引き受けられ、やがては夢のイメージとして内在化されていくプロセスについて分析しました。


 現代的な事例の心理療法的展開のひとつのあり方を提示すると共に、心理学的には一見、無意味にも見える身体的な訴えが当人にとっていかに重要な意味をもちうるかについても示した発表となっています。


<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>


日本箱庭療法学会第29回大会ウェブサイト

15.10.20

「発達障害の子どもへの心理療法的アプローチ」の成果を日本箱庭療法学会第29回大会で発表しました

 2015年10月10日・11日に東北福祉大学(宮城県仙台市)でおこなわれた日本箱庭療法学会第29回大会において、上廣こころ学研究部門のプロジェクト「発達障害の子どもへの心理療法的アプローチ」の成果を2つの研究発表として発表しました。


 「発達障害とは見立てられない子どものプレイセラピー(1)」では、これまでプロジェクトで受け容れた事例の見立てと発達検査の結果を総合的に分析し、発達障害と診断を受けていても、そうとは見立てられないという現象がどうして近年起こりやすくなっているのかについて、検討しました。その結果、現在の診断基準は原因論を想定していないために表面的には類似したエピソードがある場合、周囲が心配するためにそう見えてしまう場合など、誤解されやすいいくつかのパターンがあることが明らかになりました。


 そして、「発達障害とは見立てられない子どものプレイセラピー(2)」では、そうしたケースのプレイセラピーではどのような展開がみられるかについて、3事例をとりあげて詳細な検討をおこないました。本プロジェクトでは、自閉症スペクトラム障害の子どもさんに対して心理療法的アプローチを行っていますが、診断の有無とは別に臨床的な見立てを行い、その子に添ったアプローチをすることを重視しています。上記の研究発表では、来談時の見立てと発達検査の結果から適切に見立てをするための理論構築と、その臨床的裏付けを行いました。


 臨床が主体の学会のため、基礎研究は少ない学会であるにもかかわらず、会場にはたくさんの方にお越しいただき、本研究プロジェクトへの関心の高さが感じられました。本研究結果の詳細については、今後、論文にまとめて発表する予定です。


<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>


上廣こころ学研究部門「発達障害の子どもへの心理療法的アプローチ」
(プロジェクト概要ページ)
日本箱庭療法学会第29回大会ウェブサイト

15.10.18

京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 2015年度研究報告会 「身体(からだ)からこころを問い直す」

京都大学こころの未来研究センター
上廣こころ学研究部門 2015年度研究報告会

「身体(からだ)からこころを問い直す」
※定員に達したため締め切りました(2015/11/20)


こころの未来研究センターでは2012年4月より、公益財団法人上廣倫理財団の御寄付により上廣こころ学研究部門を開設しました。
本研究部門では現代の日本社会が必要とする、倫理を含む広義の「こころ学」に関するユニークな学際的研究活動を行っています。
今年度の研究報告会は「身体(からだ)からこころを問い直す」をテーマに、3名の研究者による口頭発表とディスカッションを行います。

昨年の研究報告会の様子はこちらからご覧いただけます。
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/news2/2015/01/1412uehiro-houkokukai.php

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▽ 日時:2015年12月20日(日)14:30~17:45(14:00 受付開始)

▽ 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 アクセス
    (京都市左京区吉田下阿達町46(川端近衛南東角))

▽ 参加費:無料

▽ 定員:100名(申込みによる先着順)。定員になり次第、締め切らせていただきます。

▽ プログラム
  ・14:30 - 14:35 センター長挨拶
   吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター・教授/センター長)

  ・14:35 - 14:40 来賓ご挨拶
   丸山登(公益財団法人 上廣倫理財団・事務局長)

  ・14:40 - 14:50 上廣こころ学研究部門の取組紹介
   鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター・教授/上廣こころ学研究部門兼任)

  ・14:50 - 15:20 研究報告①「芸術からこころを問い直す」
   門前斐紀(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・非常勤研究員)

  ・15:20 - 15:50 研究報告②「心身症からこころを問い直す」
   梅村高太郎(京都大学こころの未来研究センター・非常勤研究員)

  ・15:50 - 16:20 研究報告③「介護からこころを問い直す」
   カール・ベッカー(京都大学こころの未来研究センター・教授/上廣こころ学研究部門兼任)

  ・16:20 - 16:40 休憩 (質問用紙回収)

  ・16:40 - 17:40 部門研究者による全体討論
   モデレーター:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)
   ディスカッサント:清家理(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)
   畑中千紘(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)
   福島慎太郎(青山学院大学総合文化政策学部・助教)

  ・17:40 - 17:45 閉会の挨拶
   河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター・教授/上廣こころ学研究部門兼任)

申込方法  ※定員に達したため締め切りました(2015/11/20)
E-mailまたはFAXにてお申込みください。件名に「上廣報告会 申込み」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
必要事項:①氏名(ふりがな)②所属・職名 ③返信用ご連絡先(メールアドレスまたはFAX番号)
※定員に達し、ご参加頂けない場合のみ、ご連絡を差し上げます。

連絡先/申込先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス
(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-uh*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
FAX:075-753-9680
URL: http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

15.10.16

畑中助教が翻訳に携わった『子どもと親の関係性セラピー(CPRT)』が出版されました

1509hatanaka_cprt.png 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が翻訳に携わった(おもに9章、19章を担当)『子どもと親の関係性セラピー(CPRT)』(著:ゲリー・L・ランドレス、スー・C・ブラットン、監訳:小川裕美子、湯野貴子)ならびにその手引書にあたる『子どもと親の関係性セラピー(CPRT)治療マニュアル』(著:スー・C・ブラットン、ゲリー・L・ランドレス他、訳:小川裕美子、湯野貴子)が2015年8月、日本評論社より出版されました。


 プレイセラピーのスキルを親に教え、親自身が子どもとプレイセッションをおこなう「CPRTトレーニング」について解説した書籍です。畑中助教は、「第9章 CPRT トレーニングセッション3 親子プレイセッションのスキルと手順」、「第19章 CPRTの研究成果」の翻訳を担当しました。


『子どもと親の関係性セラピー(CPRT)治療マニュアル 10セッションフィリアルセラピーモデル』| 日本評論社ウェブサイト
『子どもと親の関係性セラピー(CPRT)治療マニュアル』| 日本評論社ウェブサイト


15.09.09

fMRI体験セミナー2015 を開催しました

1509fmri.png 2015年9月1日、2日の両日、「fMRI体験セミナー2015」をこころの未来研究センター連携MRI研究施設南部総合研究1号館地階MRI実験室にて開催しました。


 本セミナーは、おもに学内の大学院生・学部生・研究員を対象に、現在の脳機能画像研究における主要ツールの一つ「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)」による研究を、センターのMRI実験室を用いて実際に体験・学習してもらうために実施しています。3度目を迎えた2015年は、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、上田祥行助教、柳澤邦昭助教、浅野孝平研究員が企画運営、レクチャーおよび実験指導を担当。今年も教育学研究科、文学研究科、人間環境学研究科、総合生存学館、高等教育研究開発推進センターなどから両日合わせて12名が参加しました。


 はじめに、MRIの基礎と脳機能画像研究の概要について説明を受け、参加者全員がfMRI装置を実際に使った課題をおこないました。MRI装置の中では、右手の運動と左手の運動をおこなう課題を体験。実験後は、その場で担当者と共にデータの解析へ。運動課題によって脳のどの領域に活動が生じているかを実際に見て分析に挑戦し、質疑応答とディスカッションで知識を深めました。


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<参加者の感想> ※アンケートより一部抜粋


・実験でMRIに入ったのは初めてだったので、今後の実験デザインを考える上でも参考になりました。また。先生方から様々なお話を伺え、その場で解析もしていただけたので、イメージもわきました。
・装置の中に実際に入ることができ、被験者の気持ちが少し分かってよかったです(実際に実験を組む時の参考になります)。
・内容が充実していました。体験、講義、ディスカッションのバランスが良かったです。
・初めて自分の脳を見て、とても感動しました。(略)ますます脳への関心が高まり、脳科学の分野の先生方のお話もきくことができたので、素晴らしい機会になりました。
・異分野の研究について勉強できました。


[DATA]
「fMRI体験セミナー2015」
▽日時:2015年9月1日(火)、2日(水)13:00~17:00 
▽場所:南部総合研究1号館地階MRI実験室
▽参加費:無料
▽対象:京都大学に所属する大学院生。今後、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)による研究を行おうと考えている方。
▽担当者:阿部修士(こころの未来研究センター・特定准教授)、上田祥行(こころの未来研究センター・特定助教)、柳澤邦昭(こころの未来研究センター・特定助教)、浅野孝平(こころの未来研究センター・特定研究員)
▽主催:京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:1日・6人、2日・6人


<報告:阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)>

15.09.08

阿部准教授が解説を執筆した『モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(上・下)』(ジョシュア・グリーン著)が出版されました

1509abe_moral.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が解説を執筆した『モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ (上・下)』(ジョシュア・グリーン 著/竹田円 訳)が、岩波書店より出版されました。


 阿部准教授は2010年から12年にかけて、著者のハーバード大学心理学科教授のグリーン氏のもとで研究し、その成果をまとめた論文が2014年、『Journal of Neuroscience』に掲載されました。本書は、日本でも話題となったサンデル(ハーバード大教授)の「正義」に関する一連のレクチャーで登場した道徳ジレンマ、「トロッコ問題」などをいちはやく神経科学と結びつけ、人間の道徳判断の本質解明に挑んだ新たな道徳哲学の本です。


 出版社の許可を得て、阿部准教授の解説文(PDF)を掲載します。また、出版社の書籍ページでは、上下巻それぞれの一部を読むことができます。下記リンク先にアクセスしてお読みください。


<内容紹介>


これが,道徳の正体だ. では, どうすればいい?

 税制,福祉,中絶,死刑,同性婚,環境規制......何が正義か,誰がどんな権利をもつかをめぐって現代社会は引き裂かれる.人々が自分の考えを心の底から正しいと信じて争うとき,対立を解決する方法はあるのか.今こそ生物学,心理学,哲学,社会科学の知見を統合し,道徳とは何かを徹底的に理解しよう.そこから人類すべてが共有できる普遍的な道徳哲学が生まれる.


<目 次>


【上巻】
序章 常識的道徳の悲劇
第一部 道徳の問題
第1章 コモンズの悲劇
第2章 道徳マシン
第3章 あらたな牧草地の不和
第二部 速い道徳,遅い道徳
第4章 トロッコ学
第5章 効率性,柔軟性,二重過程脳
第三部 共通通貨
第6章 すばらしいアイデア
第7章 共通通貨を求めて
第8章 共通通貨の発見
原注/索引


【下巻】
第四部 道徳の断罪
第9章 警戒心を呼び覚ます行為
第10章 正義と公正
第五部 道徳の解決
第11章 深遠な実用主義
第12章 オートフォーカスの道徳を超えて
著者より/謝辞/解説(阿部修士)
書誌/原注/索引


<解説>
阿部修士(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門)


 これまでの本とは一線を画する、新たな道徳哲学の本がついに翻訳・出版された。著者のジョシュア・グリーン氏は、若くしてハーバード大学心理学科の教授となった新進気鋭の研究者である。彼は21世紀初頭に、「少数の命を犠牲にしてでも多数の命を救うべきか?」といった人間の道徳判断に関わる脳のメカニズムを、世界に先駆けて報告し、一躍時の人となった。彼の研究は心理学と神経科学、そして道徳哲学を独創的に融合させたものであり、今なお世界中の多くの研究者に多大な影響を与え続けている。本書は彼のこれまでの研究の集大成であり、極めて野心的かつユニークに、科学的な知見-とりわけ心理学や神経科学といった、人間のこころと脳のはたらきに関する最新の知見を織り交ぜながら、道徳哲学を議論する珠玉の一冊である。


「解説」続きを読む(PDF)


『モラル・トライブズ―― 共存の道徳哲学へ(上)』岩波書店
『モラル・トライブズ―― 共存の道徳哲学へ(下)』岩波書店

 

15.09.08

吉川教授、阿部准教授、大塚研究員、中井研究員らの共著論文が『Journal of the American Geriatrics Society』に掲載されました

1508AGS.png 吉川左紀子教授、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、大塚結喜研究員、中井隆介研究員らの共著論文が、『Journal of the American Geriatrics Society』Vol.63 Issue 7 (2015 Jul) に掲載されました。


 本研究は、高齢者を対象として12週間の運動介入を実施することで、認知機能の改善、および認知課題遂行中の脳活動の変化がみとめられたことを報告した論文です。この研究は、こころの未来研究センター連携MRI研究施設のMRIを用いておこなわれました。


Nishiguchi S, Yamada M, Tanigawa T, Sekiyama K, Kawagoe T, Suzuki M, Yoshikawa S, Abe N, Otsuka Y, Nakai R, Aoyama T, Tsuboyama T (2015). A 12-week physical and cognitive exercise program can improve cognitive function and neural efficiency in community-dwelling older adults: a randomized controlled trial. Journal of the American Geriatrics Society 63 (7): 1355-1363


○Abstract
Objectives To investigate whether a 12-week physical and cognitive exercise program can improve cognitive function and brain activation efficiency in community-dwelling older adults.
Design Randomized controlled trial.
Setting Kyoto, Japan.
Participants Community-dwelling older adults (N = 48) were randomized into an exercise group (n = 24) and a control group (n = 24).
Intervention Exercise group participants received a weekly dual task-based multimodal exercise class in combination with pedometer-based daily walking exercise during the 12-week intervention phase. Control group participants did not receive any intervention and were instructed to spend their time as usual during the intervention phase.
Measurements The outcome measures were global cognitive function, memory function, executive function, and brain activation (measured using functional magnetic resonance imaging) associated with visual short-term memory.
Results Exercise group participants had significantly greater postintervention improvement in memory and executive functions than the control group (P < .05). In addition, after the intervention, less activation was found in several brain regions associated with visual short-term memory, including the prefrontal cortex, in the exercise group (P < .001, uncorrected).
Conclusion A 12-week physical and cognitive exercise program can improve the efficiency of brain activation during cognitive tasks in older adults, which is associated with improvements in memory and executive function.

15.08.25

福岡県立明善高校の生徒さんがセンターを訪問し、MRI施設の見学などをおこないました

 2015年8月4日、福岡県久留米市の福岡県立明善高校の生徒さん31名がこころの未来研究センターを訪問し、鎌田東二教授と阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)のレクチャーを受け、センター連携MRI研究施設を見学しました。文部科学省SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、その活動の一環として関西研修に訪れた同校の訪問は、昨年、一昨年に続き3度目となり、過去最多の人数で来訪されました。


 はじめに一行は、センター連携MRI研究施設に到着し、認知神経科学が専門の阿部准教授のレクチャーを受けました。阿部准教授は、fMRIの基礎的な知識や発展の歴史、MRI設備を用いて研究する際に注意すべき点、施設内の設備の説明など、動画や写真を多数示しながら紹介しました。その後、柳澤邦昭助教が実際に被験者となり、fMRIを用いた簡単な実験をおこない、生徒さんたちは隣室から実験の様子を見学。質疑応答では、「fMRIによる実験は子どもも被験者になれますか?」「先生はいまfMRIを使ってどんな研究をしているのですか?」といったやりとりがあり、最後まで施設内を熱心に眺める姿が印象的でした。


 続いて、こころの未来研究センター本館のある稲盛財団記念館へ移動し、大会議室にて鎌田教授がレクチャーをおこないました。比叡山に向かって颯爽と法螺貝を吹く鎌田教授の姿に生徒さんたちは釘付けに。講義では、新旧のジブリ映画の描き方について、時代、思想、宗教観などさまざまな要素で比較するなど、具体的で分かりやすい題材を用いて、宗教学、民俗学がどのような学問であるか、解説がありました。理系や文系の枠にとらわれず、分野横断的に研究が進んでいるセンターの特徴にふれた高校生のみなさんは、「初めて知る内容でした」「進路を考える参考になりました」など、感想を話していました。


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福岡県立明善高校ウェブサイト

15.08.22

阿部准教授の論文が『Human Brain Mapping』に掲載されました

1507abe_human.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と、2014年度までこころの未来研究センターに日本学術振興会特別研究員として在籍していた伊藤文人東北福祉大学特任講師らの執筆した論文が、学術誌『Human Brain Mapping』Vol.36 に掲載されました。


 本研究は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、人間が意識的に知覚することのできない「閾下刺激」に対する価値判断の神経基盤を調べた研究です。閾下刺激であっても、後に選好される刺激に対しては、特異的な脳活動が生じることが明らかとなりました。



Ito A, Abe N, Kawachi Y, Kawasaki I, Ueno A, Yoshida K, Sakai S, Matsue Y, Fujii T. Distinct neural correlates of the preference-related valuation of supraliminally and subliminally presented faces. Human Brain Mapping 36: 2865-2877 (2015)


○Abstract
Recent neuroimaging studies have investigated the neural substrates involved in the valuation of supraliminally presented targets and the subsequent preference decisions. However, the neural mechanisms of the valuation of subliminally presented targets, which can guide subsequent preference decisions, remain to be explored. In the present study, we determined whether the neural systems associated with the valuation of supraliminally presented faces are involved in the valuation of subliminally presented faces. The subjects were supraliminally and subliminally presented with faces during functional magnetic resonance imaging (fMRI). Following fMRI, the subjects were presented with pairs of faces and were asked to choose which face they preferred. We analyzed brain activation by back-sorting the fMRI data according to the subjects' choices. The present study yielded two main findings. First, the ventral striatum and the ventromedial prefrontal cortex predict preferences only for supraliminally presented faces. Second, the dorsomedial prefrontal cortex may predict preferences for subliminally presented faces. These findings indicate that neural correlates of the preference-related valuation of faces are dissociable, contingent upon whether the subjects consciously perceive the faces.


15.07.27

阿部准教授のインタビュー「嘘の研究 脳科学で挑む」が産経新聞に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)のインタビュー「嘘の研究 脳科学で挑む」が、2015年7月6日付の産経新聞(京阪奈・京市内版)に掲載されました。「脳科学の観点から人間が嘘をつくメカニズムの解明に取り組む研究者」として、阿部准教授が現在の仕事を志すまでのいきさつや研究への思い、今後の豊富について語っています。


1507abe_sankei.png「嘘の研究 脳科学で挑む」京都大准教授 阿部修士さん(34)


 良くないと分かっていながら、誰しも無縁でいられないのが「嘘」。脳科学の観点から人間が嘘をつくメカニズムの解明に取り組む研究者がいると聞いて、京都大こころの未来研究センターを訪ねた。
 「嘘には、認知や記憶、感情など人間のあらゆる心の働きが含まれている。嘘について研究することで、人間の心のあり方を理解できるのではないか、と思っています」(中略)
 嘘のメカニズムに脳科学からアプローチする研究はまだ少ないが、それを解明することで教育や法律といった社会制度の改善にも役立つと考えている。
 これまでの経験から、研究においては学問分野をまたぐことに抵抗を感じる必要はないというのが持論。今後、環境や文化との関連、加齢による影響など、多角的に嘘の研究を進めていくという。


(記事より)

 

15.07.27

熊谷准教授が TEDxKyotoUniversity に登壇しました【動画をご覧いただけます】

 2015年6月7日、京都大学芝蘭会館(山内ホール)にて開催されたプレゼンテーションイベント TEDxKyotoUniversity で、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)がスピーカーとして登壇しました。


 TEDxKyotoUniversity には、山極寿一京大総長をはじめ、学術、エンターテイメント、アートなど様々な分野で活躍するスピーカーが参加し、プレゼンテーションをおこないました。熊谷准教授は、「Achieving Happiness through Wisdom(智慧を通じた幸福の実現)」というテーマで英語による講演をおこない、ブータン王国の国民総幸福政策を例として取り上げ、同政策の根底に存在する仏教哲学思想を紹介し、古き伝統知の応用可能性について論じました。さらに、国民総幸福(Gross National Happiness)の次なる概念として、地球総幸福(Gross Global Happiness)の重要性を訴えました。


kumagai_TEDxKyotoUniversity.jpgTEDxKyotUniversity_all.jpg


同講演の動画は下記のリンク先で視聴可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=AhQFz5cYk9Q

15.07.24

清家理助教の著書『医療ソーシャルワーカーの医療ソーシャルワーカーの七転び八起きミッション』が出版されました

 清家理(上廣こころ学研究部門)助教の著書『医療ソーシャルワーカーの医療ソーシャルワーカーの七転び八起きミッション』がメジカルビュー社より出版されました。


1507seike_book.png『医療ソーシャルワーカーの医療ソーシャルワーカーの七転び八起きミッション』


○本の概要


著者:清家 理
出版社:メジカルビュー社
定価:2,160円(税込
A5判 216ページ オールカラー
2015年3月30日刊行
ISBN978-4-7583-0389-7


○本の紹介


 この本は、医療ソーシャルワーカー(MSW)として実践と研究を重ねてきた中で、実践の一区切りとして執筆した、学位申請論文「医療ソーシャルワーク機能の実証的研究―地域医療現場をフィールドに―」を土台にしています。
 MSWは、主に医療現場で、病気を機に多岐にわたる「生きづらさ」を抱えてしまった老若男女と向き合い、生きづらさの解決に向けた黒子役を担っています。生きづらさを抱えた方々の思いの尊重、その人らしさを尊重した対応の大切さは、日々、臨床現場の方々から、熱く語られています。これは、医療倫理学や社会福祉学では、意思決定支援と自律の尊重、パーソンセンタードケアといった理論や概念に該当します。しかし、日々の支援の中で普遍的に変わらないものが明確にされない限り、多くのMSWの努力は、「支援効果等、根拠が示されていない」と片づけられてしまいます。そのためには、調査で量的および質的分析をしながら、支援経過や内容、クライエントの変化を丁寧に追う必要がありました。この本では、まず医療ソーシャルワークの理論と医療福祉政策の動向を整理しました。その上で、経済的な課題、認知症や終末期に伴う生きる場所や生きていく術の課題に対するMSWのアプローチ内容と専門性について、探索しました。
 そして、この本の末尾に記載した今後の課題について、一歩先に進んだものが、2014年10月から京都市内で始めた、『孤立防止のための互助・自助強化プログラム開発プロジェクト -くらしの学び庵-』です。「支援する人―支援される人」の関係で、パターナリスティックな関係ではなく、個々人の強みや良さを信じる、引き出しあえる、いわば真の「自律」のあり方を模索し、そして検証する―このような『実践と研究の折衷』を極めていきたいと思っています。
 なお本書は、京都大学総長裁量経費人文・社会系若手研究者出版助成を受けて刊行しました。


<清家理助教(上廣こころ学研究部門)>


Amazon.co.jpの書籍ページ
出版社の書籍ページ

15.07.07

阿部准教授らのグループが第17回日本ヒト脳機能マッピング学会で若手奨励賞を受賞しました

1507mapping.png 2015年7月2日・3日に大阪・毎日新聞オーバルホールで開催された「第17回日本ヒト脳機能マッピング学会」において、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)らのグループによるポスター発表(筆頭発表者:上田竜平京都大学文学研究科修士課程2回生、こころの未来研究センターオフィスアシスタント)が「若手奨励賞」を受賞しました。


【受賞した演題】
前頭前野・報酬系の活動が「無分別な恋愛行動」の個人差を説明する
上田竜平、蘆田宏、阿部修士


 若手奨励賞は、同学会で発表された演題の中から35歳以下の筆頭発表者による優秀な抄録に対して贈られる賞です。研究では、すでに特定の個人と交際している異性に対しても交際してみたいと感じる「無分別な恋愛行動」の個人差が、行動の抑制に関わる「前頭前野」と、報酬情報の処理に関わる「眼窩前頭皮質」という2つの領域における脳活動の個人差によって説明できる可能性が示されました。


 筆頭発表者の上田さんは、「大変光栄に思い、これからの研究生活の励みになります。今後は『我々ヒトが恋愛場面でどのように意思決定をしているか』という大きな問題を、さらに詳細に明らかにしていきたいと考えています」と、コメントしています。なお、本研究は、おもにこころの未来研究センター連携MRI研究施設のfMRI装置を利用して進められました。


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上田竜平さん(京大文学研究科修士2回)

15.07.07

阿部准教授が解説した記事が『読売中高生新聞』に掲載されました

1506abe_yomiuri.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が解説を寄せた記事が、『読売中高生新聞』2015年5月29日号の特集「文系、理系って何?」に掲載されました。


 『読売中高生新聞』は、読売新聞が発行する中学生、高校生向けの新聞です。阿部准教授は、巻頭特集「文系、理系って何?」という記事において、「文系脳、理系脳はある?」「女子は数学が苦手?」というふたつの問いに対し、脳のメカニズムを紹介しながら答えています。文系脳と理系脳の違いについては、脳の左半球と右半球、それぞれに役割があるとしつつも、「論理的に考える人の左半球が発達しているかというと、そう単純ではない。(中略)勉強する時も両方の脳が働いている」など、具体例を挙げて脳の複雑さをわかりやすく解説しています。


『読売中高生新聞』最新号紹介ページ | YOMIURI ONLINE

15.06.04

こころの未来叢書『愛する者は死なない』『愛する者をストレスから守る』(カール・ベッカー編著)が出版されました

 こころの未来叢書『愛する者は死なない―東洋の知恵に学ぶ癒し』『愛する者をストレスから守る―瞑想の力』の二冊が2015年春、晃洋書房より出版されました。


 2009年に出版された『愛する者の死とどう向き合うか―悲嘆の癒し』の続編にあたる『愛する者は死なない―東洋の知恵に学ぶ癒し』は、こころの未来研究センターでカール・ベッカー教授が企画し実現した海外の著名な研究者らによる講演および研究報告をまとめ、学術専門誌『Death Studies』に掲載された記事の翻訳も合わせて収録した一冊です。『愛する者をストレスから守る―瞑想の力』は、ベッカー教授が取り組んできた「ストレス予防研究と教育」研究プロジェクトにおいて、ストレス予防・軽減のための瞑想や瞑想に関連する東洋的技法について様々な角度から研究をおこなった成果を奥野元子研究員と共にまとめています。
 

1505becker_aisurumono.png『愛する者は死なない―東洋の知恵に学ぶ癒し』

カール・ベッカー 編著
駒田 安紀 監訳
発行 晃洋書房
判型 四六
刊行 2015年3月
価格 1,620円(税込)
ISBN 978-4-7710-2535-6
Amazon.co.jpの書籍ページ


○本の概要
死別の悲しみは消えることはない。しかしそれをあるがままに受け入れ、悲しみと共に生きる。それこそが目覚めた人間の姿ではないか。「死の日常性」を忘れてしまった我々が、悲しみと向き合い「死」を受容する為の方法を考える。


1505becker_meisou.png『愛する者をストレスから守る―瞑想の力』
カール・ベッカー・奥野元子 編著
発行 晃洋書房
判型 四六
刊行 2015年3月
価格 2,268円(税込)
ISBN 978-4-7710-2543-1
Amazon.co.jpの書籍ページ


○本の概要
子どもから大人まで、ストレスは現代社会を生きる上で避けて通れない問題である。瞑想は私たちのストレス軽減のための、こころのエクササイズといえる。日本人の智慧である瞑想に、こころと身体の健康のための秘策を探る。

15.05.26

阿部准教授の研究が産経新聞記事「もう一人のあなた 嘘の構図 4」で紹介されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の研究内容が、2015年4月5日付の産経新聞の連載記事「もう一人のあなた 嘘の構図 4」で紹介されました。


 「嘘をつく」という人間ならではといわれる行為に焦点を当てた連載記事第4回は、チンパンジーの研究を通して人の心の進化を探究する京大霊長類研究所の松沢哲郎教授と、認知神経科学が専門でfMRI(機能的磁気共鳴画像装置)を用いた人の正直・不正直さの研究を進める阿部准教授それぞれの研究知見をコメントと共に紹介。阿部准教授が昨年発表した「脳の側坐核の働きが活発な人ほど嘘をつく傾向が大きい」という研究成果が詳しく取り上げられました。


150405abe_sankei.pngチンパンジーは仲間をだましニヤッと笑った...
他者の心が分かる知性と表裏一体の「進化の副産物」


<嘘の個人差と脳との関係は...>


 ...人間の嘘にはどのようなメカニズムがあるのか。脳科学の観点から、そうした課題に迫る研究がある。京都大准教授の阿部修士(34)=認知神経科学=らは昨年8月、脳の特定領域の働きが活発な人ほど嘘をつく傾向が大きいとの研究成果を発表した。
 阿部らは、約30人の参加者がコインを投げ、裏が出るか表が出るかを予想。当たりなら賞金がもらえるゲームを実施した。ただし、正解したかどうかは自己申告だ。
 このとき、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で脳の働きを調べたところ、嘘をつくことによって賞金を得た人ほど、利益が得られることを期待する際に働く「側坐核(そくざかく)」という領域が活発なことが判明した。
 嘘と脳の関係を調べる研究はまだ始まったばかりだが、阿部は「嘘をつく度合いの個人差と、脳の特定領域との相関関係が明らかになったのは、世界でも初めてではないか」と語る。


(記事より)


 記事は産経新聞のウェブサイトに全文が掲載されています。下記リンクにアクセスしてお読みください。


【もう一人のあなた 嘘の構図(4)】 | 産経ニュース・産経WEST


15.04.21

内田准教授と福島研究員の論文がドイツの学術書『Forschung fordern』に掲載されました

1503uchida_Fukushima_book.png 内田由紀子准教授と福島慎太郎研究員(上廣こころ学研究部門)らの共著論文が掲載された学術書『Forschung fördern: Am Beispiel von Lebensqualität im Kulturkontext』が、2015年2月、ドイツのUVK社より刊行されました。日本文化における幸福感の特徴を欧米との比較研究から検討し、グローバル化と日本人の幸福感について考察と展望をおこなっています。


Uchida, Y., Ogihara, Y., & Fukushima, S. (in press). Interdependently Achieved Happiness in East Asian Cultural Context. A Cultural Psychological Point of View.
In G. Trommsdorff, & W. R. Assmann (Hrsg.), Forschung fördern. Am Beispiel von Lebensqualität im Kulturkontext . UVK Verlag., Germany.


○Abstract
Recent cultural psychological studies have suggested that there is considerable variation in how people feel and conceptualize happiness and wellbeing. Particularly in Japan, compared with European American cultural contexts where wellbeing is achieved through personal attainment or self-esteem, wellbeing is construed as balance and harmony and it is achieved collectively and interdependently. We will further discuss the cultural construal of wellbeing during globalization.

15.03.31

畑中助教が金沢大学附属高等学校「同窓生による特別授業」で講演しました

1503hatanaka_kanazawa2.jpg 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、2015年3月14日、母校の金沢大学附属高等学校でおこなわれた「同窓生による特別授業」で講演しました。


 講演は、SGH(スーパーグローバルハイスクール)事業の一環で開催されたもので、「北陸から世界を変えるグローバル・リーダーの育成」を目的に、異なる領域から4つの講演がおこなわれました。畑中助教は「こころを知り、こころとつきあう仕事とは」というタイトルで講演し、京都大学について、研究者の仕事について、心理学という研究領域、こころの未来研究センターでの研究成果について話をしました。文理や性別、学年を問わず80名ほどの生徒さんが参加され、熱心に耳を傾けてくれました。


■「同窓生による特別授業」
・日時:2015年3月14日(土)10:45-12:35
・場所:金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校 有朋館


<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>

15.03.19

ダムチョ・ドルジ ブータン王国内務大臣ご臨席のもと、熊谷誠慈准教授の出版記念祝賀会が行われました。

【イベント名】Bhutanese Buddhism and Its Culture出版記念祝賀会
【日時】2015年2月27日(金)10:30~11:30
【場所】王立ブータン研究所(ブータン王国ティンプ市)

 熊谷誠慈特定准教授(上廣こころ学研究部門)の近著『Bhutanese Buddhism and Its Culture』 (Kathmandu: Vajra Publications, 2014)の出版記念祝賀会が、ダムチョ・ドルジ内務大臣臨席のもと、ブータン王国ティンプ市の王立ブータン研究所にて開催されました。
 熊谷准教授が同書の内容を解説し、ブータン仏教研究プロジェクト紹介およびブータン学の展望について講演を行った後に、ダムチョ・ドルジ内務大臣、カルマ・ウラ王立ブータン研究所長、Vajra Publicationのビドゥル・タンゴル社長から祝辞が述べられました。
 なお、出版記念祝賀会の模様は、同日夜9時からのBBS(ブータン国営放送)のニュースで放送され、BBSのホームページには記事が記載されています。


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  BBS(ブータン国営放送)ニュース(2015年2月27日)より


放送された映像はこちらからご覧いただけます。


▽BBS(ブータン国営放送)のウェブ版はこちら
「Book titled "Bhutanese Buddhism and Its Culture" launched」
http://www.bbs.bt/news/?p=48839

15.03.02

『螢雪時代』に阿部准教授の研究成果が掲載されました

 旺文社が発行する受験生向けの雑誌『螢雪時代』の「螢雪ジャーナル・キャンパスニュース」と、旺文社のウェブサイト「パスナビ」の情報欄に、阿部修士准教授が2014年8月に発表し、論文が『Journal of Neuroscience』に掲載された研究成果「どうして正直者と嘘つきがいるのか? ー脳活動からその原因を解明ー」が紹介されました。下記のリンク先で全文をご覧いただけます。


1411abe_keisetsu.png「なぜ正直者と嘘つきがいる? 脳活動からその原因を解明 京都大学」


 京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門阿部修士准教授たちのグループは、機能的磁気共鳴画像法と呼ばれる脳活動を間接的に測定する方法と、嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組みについて解明した。(中略)
 阿部准教授は「今回の研究では、嘘をついてしまう人と正直な人とで脳の活動パターンに違いがある可能性を明らかにした。この結果は、人間の『道徳性』を科学的に理解するための重要なステップである」と語る。今後の研究の目標は「宇宙で最も複雑な存在」とも言われる脳の仕組みと、人間の心のメカニズムの関係性を明らかにすることという。


(『螢雪時代』2014年11月号 より)


なぜ正直者と嘘つきがいる? 脳活動からその原因を解明 / ニュース | 大学受験パスナビ:旺文社


□関連情報
阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

15.02.13

河合教授の講演録が収められた『わが師・先人を語る 1』(上廣倫理財団 編)が出版されました

1411kawai_uehiro.png 公益財団法人上廣倫理財団が開催する「上廣フォーラム」の8つの講演がまとめられた書籍『わが師・先人を語る 1』(上廣倫理財団 編)が、2014年11月、弘文堂より刊行されました。同財団とこころの未来研究センターが2014年1月に共同開催した『上廣フォーラム~日本人の生き方 「わが先人・師を語る」京都大学知の伝統』で河合俊雄教授が講演した「河合隼雄との三度の再会」をはじめとする3つの講演も収録されています。


 それぞれの学問分野で優れた業績を上げた碩学(学問を広く深く修めた人物)達が、その研究人生で影響を受けた先人や師について語った講演8つは、現代を代表する知のエキスパートが自身の歴史において大きな気づきや学びを与えてくれた偉大な人物の姿を、豊かな言葉と想いで語った貴重な記録となっています。



 師としての河合隼雄について話してほしいという講演を頼まれて、非常にありがたい話だとは思ったのですが、一度はお断りしました。というのも、河合隼雄の学問的評価とか紹介とかなら可能であっても、まだまだ個人的に河合隼雄について話すことはできないと思ったからです。自分にとってはあまりに大切であったり、ことばにならなかったりするものです。また人から見て、父である師について語るのは変なのでは、無理があるのではと思われるかもしれません。下世話な興味しか抱かれないのではないかという危惧もあります。さらには、肉親による回顧は、暴露的なものか、表面的な美辞麗句かという両極になりがちです。ある一部しか話せないというのは、誠実ではないかもしれないとも思います。
 しかしそれにもかかわらずにこうして講演を引き受けたのは、語っていかねばならない責任が自分にはあると思ったからです。それに少しでも河合隼雄という人を伝えていきたいという気持ちも強いです。それでそれなりに話していく筋を見つけたので、それに沿って話していきたいと思います。


(「河合隼雄との三度の再会」河合俊雄 より)


○内容紹介
●八人の碩学が語る師弟関係の妙。
高名な学者、現在活躍している第一線の研究者には、学問上そして人生の師・先人と仰ぐ人がいる。
彼らはいかに師・先人を求め、どのような交流によって高みに導かれたのだろうか。
現代の碩学8人が先人・師との貴重な体験や心の交流を語り、師を求め自らを高める奥義を明かす。


●目次
村井 實(教育学) :ペスタロッチー先生、長田新先生と私
熊野純彦(倫理学) :和辻哲郎と私
斎藤兆史(英語学) :新渡戸稲造の教養と修養
島薗 進(宗教学) :安丸良夫先生と私
中西 寛(政治学) :髙坂正堯先生の日本への思い
河合雅雄(霊長類学):今西錦司先生の仲間たちと私
河合俊雄(心理学) :河合隼雄との三度の再会
富永健一(社会学) :尾高邦雄先生と私


○書籍情報
『わが師・先人を語る 1』上廣倫理財団 編
・発行: 弘文堂(2014/11/4)
・四六判 306ページ
・定価(本体2,000円+税)
・ISBN-10: 4335160771
・ISBN-13: 978-4335160776


出版社の書籍ページ
Amazon.co.jp の商品ページ


□関連ページ
上廣倫理財団との共催で「上廣フォーラム~日本人の生き方『わが先人・師を語る』京都大学知の伝統」を開催しました
公益財団法人上廣倫理財団

15.02.05

熊谷准教授の編著『Bhutanese Buddhism and Its Culture』が出版されました

1412kumagai_book.jpg 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が企画・編集をおこなった『Bhutanese Buddhism and Its Culture』(ブータン仏教とその文化)が、2014年12月、Vajra Publicationsより出版されました。同書には、ダムチョ・ドルジ内務文化大臣(ブータン王国)の巻頭言を皮切りに、カルマ・ウラ所長(王立ブータン研究所)、フランソワーズ・ポマレ研究ディレクター(フランス国立科学研究所)などの著名なブータン学者の論考が載録されています。本センターからは、熊谷准教授、松下賀和研究員、安田章紀研究員が寄稿しています。


 ブータンといえば「国民総幸福(GNH)」という政策が有名ですが、この政策のみならず、ブータン文化全般の根底に仏教の思想が存在しています。熊谷准教授は、2012年1月より、王立ブータン研究所(Centre for Bhutan Studies)と共同で「ブータン仏教研究プロジェクト」(Bhutanese Buddhism Research Project)を進めてきました。本書は、同プロジェクトの中間報告として、ブータンの仏教と文化を、宗教学、人類学、開発学、教育学など多角的な視点から考察した研究書です。


○書誌情報
書名:Bhutanese Buddhism and Its Culture
著者:Seiji Kumagai(編著)
出版社:Vajra Publications
本体価格:40 USD
ページ数:250
初版発行:2014年12月1日
ISBN-10:9937623235
ISBN-13:978-9937623230


○目次
-Foreword by Damcho DORJI (Minister, Ministery of Home & Cultural Affairs)
-Introduction Seiji KUMAGAI

[Chapter 1. Nyingma School]
- Karma URA "Longchen's Forests of Poetry and Rivers of Composition in Bhutan: "The illuminating map - titled as forest park of flower garden - of Bumthang, the divine hidden land" composed in 1355 by Longchen Ramjam (1308-1363)"
- Akinori YASUDA "A Study of Rgyud bu chung Discovered by Pema Lingpa"

[Chapter 2. Drukpa Kagyu School]
- Gembo DORJI "The Lho-Druk Tradition of Bhutan: The Arrival and Spread of Buddhism"
- Karma URA "Monastic System of the Drukpa Kagyu ('Brug pa bka' brgyud) School in Bhutan"
- Thupten Gawa MATSUSHITA "Introduction to the Theory of Mahāmudrā by the Founder of Drukpa Kagyü, Tsangpa Gyaré Yeshe Dorje (1161-1211)"

[Chapter 3. Other Schools]
- Françoise POMMARET "Bon in Bhutan. What is in the name?"
- Seiji KUMAGAI "History and Current Situation of the Sa skya pa School in Bhutan"

[Chapter 4. Buddhist Culture]
- Lungtaen GYATSO "A Note on the Concept of Happiness and Prosperity"
- Akiko UEDA "Understanding the Practice of Dual Residence in the Context of Transhumance: A Case from Western Bhutan"
- Elizabeth MONSON "Alternative Voices: The Unusual Case of Drukpa Kunley ('Brug pa kun legs)"
- Riam KUYAKANON KNAPP "Contemplations on a Bhutanese Buddhist Environmental Narrative"
- Dendup CHOPHEL and Dorji KHANDU "Byis pa'i dpa' bo: The Dance of Youthful Heroes"


Amazon.comの商品ページ(英語サイト)
出版社の書籍紹介ページ(英語サイト)

15.02.03

阿部准教授が読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」に出演しました

1501abe_yomiuritv.png 2014年12月27日に放映された報道番組「ウェークアップ!ぷらす」(制作:読売テレビ」に阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が出演しました。


 番組では、「2014総決算!嘘つきはどろぼうのはじまり」というテーマで、昨年に世の中を賑わした事件や出来事を振り返り、それらにひそむ「嘘」をキーワードに、人がなぜ嘘をつくのか、嘘にちなんだ話題の数々が特集として取り上げられました。冒頭、阿部准教授が昨年に論文発表した「人の正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組み」を調べた研究内容が詳しく紹介され、阿部准教授のコメントと共に「側坐核(そくざかく)の活動が高い人ほど、嘘をつく割合が高い」といった結果が図説で紹介されました。


 番組のホームページに詳しい内容が掲載されています。下記リンク先をご覧ください。


2014総決算!嘘つきはどろぼうのはじまり|ウェークアップ!ぷらす(ytv)


□関連情報:阿部准教授の論文の発表記事と概要はこちら
阿部准教授の共著論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

15.01.12

上廣こころ学研究部門 2014年度研究報告会 「学びの経験と社会」を開催しました

 上廣こころ学研究部門 2014年度研究報告会 「学びの経験と社会」を、2014年12月21日、稲盛財団記念館大会議室にて開催しました。


 こころの未来研究センターでは2012年4月より、公益財団法人上廣倫理財団の御寄付により「上廣こころ学研究部門」を開設し、現代の日本社会が必要とする、倫理を含む広義の「こころ学」に関するユニークな学際的研究活動をおこなっています。今年度の研究報告会は「学びの経験と社会」をテーマに、3名の研究者による口頭発表と若手研究者を中心とするディスカッションをおこないました。午前中に開催した「こころの未来研究センター研究報告会2014 こころの未来~私たちのこころは何を求めているか~」に引き続いて、センターの取り組みに支援をいただいている関係者をはじめ、学内外の研究者などが聴講くださいました。


 冒頭、吉川左紀子センター長の挨拶に続き、丸山登公益財団法人上廣倫理財団事務局長に来賓のご挨拶を頂きました。その後、河合俊雄教授が上廣こころ学研究部門の取り組みを紹介し、若手研究者による発表が始まりました。ひとつめの研究報告は、清家理助教が「学び合いから生まれる新たな価値と力―孤立防止のための互助・自助強化プログラム開発研究より」というテーマで発表。医療倫理学、社会福祉学の視点から日々の現場での経験と知見をふまえた活動の成果を報告しました。続いて、奥井遼研究員が「身体的経験を通じた学びの豊かさ―淡路人形座における稽古場面より」というテーマで教育学の視点から身体を用いたワザの継承と習得に関わる行為、学びと実践に関する研究の成果を報告しました。そして、三つめの報告では阿部修士准教授が「嘘つきはより嘘つきに-繰り返される誘惑には抗えないのか?」というテーマで、認知神経科学の視点からfMRIを用いたヒトの嘘をつく行為に関わる脳機能の実験と調査結果を紹介しました。その後、鎌田東二教授がモデレーターを務め、熊谷誠慈准教授、畑中千紘助教、福島慎太郎研究員、梅村高太郎研究員らをコメンテーターに、上廣こころ学研究部門の研究者らが壇上に揃って活発な質疑応答とディスカッションの時間を持ち、カール・ベッカー教授による閉会の挨拶で報告会は終了しました。


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[開催ポスター]
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[DATA]

▽日時:2014年12月21日(日)14:30~17:30(14:00 受付開始)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム
・14:30 - 14:35 センター長挨拶:吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター教授・センター長)
・14:35 - 14:40 来賓ご挨拶:丸山登(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)
・14:40 - 14:50 上廣こころ学研究部門の取組紹介:河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
・14:50 - 15:20 研究報告①「学び合いから生まれる新たな価値と力―孤立防止のための互助・自助強化プログラム開発研究より」清家理(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)
・15:20 - 15:50 研究報告②「身体的経験を通じた学びの豊かさ ―淡路人形座における稽古場面より」奥井遼(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定研究員)
・15:50 - 16:20 研究報告③「嘘つきはより嘘つきに-繰り返される誘惑には抗えないのか?」阿部修士(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)
・16:20 - 16:40 休憩 (質問用紙回収)
・16:40 - 17:25 部門研究者による全体討論
モデレーター:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
コメンテーター:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)
畑中千紘(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)
福島慎太郎(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・非常勤研究員)
梅村高太郎(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・非常勤研究員)
・17:25 - 17:30 閉会の挨拶:カール・ベッカー(京都大学こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
▽参加者数:58名

当日のアブストラクトはicon_pdf_32.pngこちらです。

15.01.09

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2014年

「第36回こころの未来セミナー Death and Dying East and West:東洋・西洋における死と臨終」を開催しました

 「第36回こころの未来セミナー Death and Dying East and West:東洋・西洋における死と臨終」を2014年11月17日、稲盛財団記念館3階大会議室にて開催しました。


 講師に Tony Walter先生(Ph.D / Professor & Director of the University of Bath Centre for Death & Society)をお迎えし、 東洋・西洋における死や葬儀、死別悲嘆などに対する関係要因の影響についてお話いただきました。セミナーは英語でおこなわれましたが、企画・司会進行役を務めたカール・ベッカー教授が要所要所を日本語訳し、日本人学生や海外からの研究者など幅広い参加者が熱心に聴講していました。


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[開催ポスター]
1411kokoronomirai_seminar.png


[DATA]
▽ 日時:2014年11月17日(月)15:30~17:00 (受付開始15:00~)
▽ 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽ 講師:Tony Walter先生(Ph.D / Professor & Director of the University of Bath Centre for Death & Society)
▽ 参加資格:特になし
▽ 参加費:無料 / 申込:不要
※本講演は、公益財団法人 上廣倫理財団 平成25年度研究助成により一部支援を受けています。
▽ 参加者数:約30名

14.12.25

京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 2014年度研究報告会 「学びの経験と社会」

京都大学こころの未来研究センター
上廣こころ学研究部門 2014年度研究報告会
「学びの経験と社会」

概要:こころの未来研究センターでは2012年4月より、公益財団法人上廣倫理財団の御寄付により上廣こころ学研究部門を開設しました。本研究部門では現代の日本社会が必要とする、倫理を含む広義の「こころ学」に関するユニークな学際的研究活動を行っています。今年度の研究報告会は「学びの経験と社会」をテーマに、3名の研究者による口頭発表とディスカッションを行います。

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▽ 日時:2014年12月21日(日)14:30~17:30(14:00 受付開始)

▽ 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 アクセス
    (京都市左京区吉田下阿達町46(川端近衛南東角))

▽ 参加費:無料

▽ 定員:100名(申込みによる先着順)。定員になり次第、締め切らせていただきます。

▽ プログラム
  ・14:30 - 14:35 センター長挨拶
   吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター教授・センター長)

  ・14:35 - 14:40 来賓ご挨拶
   丸山登(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)

  ・14:40 - 14:50 上廣こころ学研究部門の取組紹介
   河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

  ・14:50 - 15:20 研究報告①「学び合いから生まれる新たな価値と力 
   ―孤立防止のための互助・自助強化プログラム開発研究より」
   清家理(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)

  ・15:20 - 15:50 研究報告②「身体的経験を通じた学びの豊かさ ―淡路人形座における稽古場面より」
   奥井遼(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定研究員)

  ・15:50 - 16:20 研究報告③「嘘つきはより嘘つきに-繰り返される誘惑には抗えないのか?
   阿部修士(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)

  ・16:20 - 16:40 休憩 (質問用紙回収)

  ・16:40 - 17:25 部門研究者による全体討論
   モデレーター:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
   コメンテーター:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)
   畑中千紘(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)
   福島慎太郎(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・非常勤研究員)
   梅村高太郎(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・非常勤研究員)

  ・17:25 - 17:30 閉会の挨拶
   カール・ベッカー(京都大学こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

申込方法:
E-mailにてお申込みください。件名に「上廣報告会 申込み」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
必要事項:①氏名(ふりがな)②所属・職名 ③返信用ご連絡先(メールアドレス)
申込受付完了後、こちらよりご連絡差し上げます。
連絡先/申込先:
京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-uh*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
TEL:075-753-9681  
URL: http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

14.11.26

第3・4回京都大学ヒマラヤ宗教研究会の報告

【イベント名】第3・4回京都大学ヒマラヤ宗教研究会
【日時】 2014年10 月6日(月)16:30~18:00(第3回)
         11月17日(月)17:00~19:30(第4回)
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【発表者】 小西賢吾(京都大学こころの未来研究センター・研究員)
【講演題目】 「フィールドからみるボン教研究―ボン教の地域性に着目して」

【概要】
 「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」の第3・4回研究会を開催しました。本研究会は、ヒマラヤ圏の宗教・歴史・文化に関心を持つ若手研究者が最新の研究成果を共有・議論する場として、昨年度からこころの未来研究センターで立ち上がったものです。今回はこころの未来研究センター小西賢吾研究員が、ヒマラヤ圏の基層文化を考える上で不可欠な宗教「ボン教」について、最新の研究動向とフィールドワークの成果を2回にわたって紹介しました。講演の要旨は以下の通りです。
 ボン(ポン)教は、かつてチベット高原に仏教が伝来する以前から存在したといわれる宗教であり、近年ではヒマラヤ圏の基層文化を理解する上で不可欠な要素として国際的に注目を集めている。古代チベット王国の衰亡後、11世紀から仏教の「後伝期」のはじまりと並行して、ボン教もまた教義の整備を進め、現代に受け継がれる「ユンドゥン・ボン」の体系が成立した。その教義は、氏族による継承と、中央チベットのメンリ僧院を代表格とする僧侶共同体による継承の二つの側面をもっている。そのため、均一な教義・テクストにとどまらず、各地域に根ざした世界観もまた継承されてきた。
 発表者は、チベット高原東端部のシャルコク地方(中国四川省アバ州松潘県)でのフィールドワークを通じて、固有の地域性と、地域を越えたグローバルなネットワーク双方に支えられてボン教の実践が存続する動態を研究してきた。近年中国の急速な経済発展を背景に、現金収入が増加した人びとは多くの財を宗教活動に投じることが可能になった。それが端的に表れたチョルテン(仏塔、供養塔)建設の事例では、土地神を軸とするローカルな宗教空間と、よりユニバーサルな教義が複合しながら、「村を守る」宗教シンボルが確立したことを論じた。またシャルコクは20世紀以降地域を越えて展開するボン教徒ネットワークの重要な結節点でもあり、ボン教徒が現代の社会変容の中で自らの独自性と生き残りを模索する場となっていることを論じた。そしてボン教の現状をとらえるためには、欧米、中国、日本などを含めた研究者の連携が不可欠であることにも言及した。

 研究会には各分野の研究者が参加して活発な意見交換が行われ、ヒマラヤ宗教の現代的展開とその意義を多角的に議論する場となりました。


(小西賢吾 こころの未来研究センター研究員)

14.11.20

【京大学部生・院生むけ】京都大学付属図書館のレクチャーシリーズ第4回(11月27日)で熊谷准教授が講演します

 2014年11月27日に京都大学付属図書館1階ラーニング・コモンズで開催されるレクチャーシリーズ第4回 で熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が講師を務めます。


 テーマは「チベット・ブータンの宗教文化研究の紹介 〜文献研究およびフィールド研究の両側面から〜」です。仏教がインドから他国へとどのように伝播し、受容され展開していったかを、熊谷准教授がおこなってきた文献学やフィールド研究などに基づきながら解説します。


 セミナーの対象は、京都大学の学部学生、大学院生です(無料・自由参加)。該当者で興味のある方は、下記ページに詳細が載っていますので、ご覧ください。

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京都大学付属図書館レクチャーシリーズ<第4回>熊谷誠慈准教授(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門)

14.11.14

河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』の書評が『心理臨床学研究』に掲載されました

1411kawai_shinririnsho.png 日本心理臨床学会が発行する学会誌『心理臨床学研究』vol.32 No.3 に、河合俊雄教授と田中康裕教育学研究科准教授が編著者を務め、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が二つの章を執筆した『大人の発達障害の見立てと心理療法』(創元社)の書評が掲載されました。評者は、滝川一廣学習院大学教授です。


 『大人の発達障害の見立てと心理療法 』は、上廣こころ学研究部門における臨床心理学領域のプロジェクトの一つである「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」の研究成果がまとまった一冊です。書評では、全体に流れるテーマである「主体」の立ち上がりや世界の捉え分けに着目しながら書籍の全体像と各章の概要を紹介し、「『発達障害』を、ひとつのこころのあり方という観点から捉えて、心理療法的なアプローチの必要性と可能性とを追究し」、「『発達障害』とはいかなる現象かを考える上で示唆に富む内容をもっている」と評しています。


書評1『大人の発達障害の見立てと心理療法 河合俊雄/田中康裕 編』 評者 滝川一廣 学習院大学文学部


 本書の「発達障害」とは公汎性発達障害(自閉症スペクトラム)を指す。これを, 脳中枢神経系の障害という観点からではなく, ひとつのこころのあり方という観点から捉えて, 心理療法的なアプローチの必要性と可能性とを追究しているのが, 本書の大きな特色である。
 もう一つの特色は, 「大人」の発達障害を対象としたことである。ここで大人とは, 単に「成人年齢者」の謂いではなく, アンバランスはあるにせよ, 発達の歩みに極端なおくれはなく(だから幼小児期には発達障害とは気づかれず), 基本的な発達水準は成人レベルに達した人たちを指す。たとえば成人言語によるコミュニケーションが可能で, その点でも心理療法的アプローチに開かれていると言える。裏返せば, そこまで精神発達を遂げながらもなお抱える困難さに, この人々固有の「こころのあり方」が見てとれる。それがどんなあり方なのか, 1章で河合俊雄, 2章で田中康裕が論じている。
 河合は, そのこころのあり方の中核に「主体のなさ」を見る。そしてこれが本書所収の諸論文を貫く縦糸となっている。「主体」とはなにか。...


(書評より)


河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』が出版されました
出版社の書籍ページ
Amazon.co.jpの書籍ページ

14.11.06

「fMRI体験セミナー2014」を開催しました

 9月29日(月)、30日(火)の2日間に渡り、「fMRI体験セミナー2014」をこころの未来研究センター連携MRI研究施設南部総合研究1号館地階MRI実験室にて開催しました。


 本セミナーは、おもに学内の大学院生・学部生・研究員を対象に、現在の脳機能画像研究における主要ツールの一つ「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)」による研究を体感してもらうためにおこなっています。昨年に引き続き、企画運営、レクチャーおよび実験指導を阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、上田祥行助教、中井隆介研究員らが担当しました。


 今年は、文学研究科、人間環境学研究科、情報学研究科、経済学研究科、医学研究科など幅広い分野から、おもに大学院生を中心に学部生や研究員の方々が参加されました。はじめに、MRIの基礎と脳機能画像研究の概要について説明を受け、参加者全員がfMRI装置を実際に使った課題をおこないました。MRI装置の中では、右手の運動と左手の運動をおこなう課題を体験。実験後は、その場で担当者と共にデータの解析へ。運動課題によって脳のどの領域に活動が生じているかを実際に見て分析に挑戦し、質疑応答とディスカッションで知識を深めました。


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[開催ポスター]

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[DATA]
「fMRI体験セミナー2014」
▽日時:2014年9月29日(月)、30日(火)13:00~17:00 
▽場所:南部総合研究1号館地階MRI実験室
▽参加費:無料
▽対象:京都大学に所属する大学院生。今後、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)による研究を行おうと考えている方。
▽担当者:阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)、上田祥行(こころの未来研究センター・特定助教)、中井隆介(こころの未来研究センター・研究員)
▽主催:京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:29日・6人、30日・6人


<報告:阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)>

14.10.09

京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズの講演録が公開されました

1409kyodainochi.png こころの未来研究センターでは、研究拠点のある京都以外の様々な場所に研究者が赴き、研究成果を発信しています。


 2014年5月から6月にかけて、京都大学東京オフィスで4回に渡っておこなわれた連続講演会「東京で学ぶ 京大の知 シリーズ15『こころの未来-私たちのこころは何を求めているのか』」には、吉川左紀子センター長、河合俊雄教授、内田由紀子准教授、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)らが参加し、それぞれの研究分野での知見や成果を紹介し、ディスカッションをおこないました。


 この度、各講演会の詳しいレポートが京都大学のウェブサイトに公開されました。満員盛況となったレクチャーの様子をぜひご覧ください。


 以下、それぞれの概要とレポートへのリンクです。


○「日本文化における主体性とは何か -日本人の意識、感情、関係性からの考察」(2014年5月28日 )
講演者:内田由紀子准教授、ディスカッサント:吉川左紀子センター長
写真と詳しいレポート(PDF)


○「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から こころの未来研究センター」(2014年6月4日)
講演者: 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、ディスカッサント:河合俊雄教授
写真と詳しいレポート(PDF)


○「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福とその根底に横たわる精神性」(2014年6月11日)
講演者:熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)、ディスカッサント:吉川左紀子センター長
写真と詳しいレポート(PDF)


○「主体性は超えられるのか? -心理療法における揺らぎと超越」(2014年6月25日)
講演者:河合俊雄教授 、ディスカッサント:内田由紀子准教授
写真と詳しいレポート(PDF)

14.09.04

熊谷准教授のインタビューが京都新聞「探求人」に掲載されました

 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)のインタビューが、8月23日付京都新聞朝刊の教育面「探求人」に掲載されました。インタビューでは、研究室での様子を写したカラー写真と共に、熊谷准教授が研究人生へと踏み出したいきさつからブータン仏教と出逢ったきっかけ、現在、ブータン学研究室で取り組んでいる古文書の解読や現地に溶け込んでの活動など、独創性に満ちた研究生活がいきいきと語られています。


1408kumagai_kyotonp.png「探求人 『幸せの国』の仏教思想に迫る よりよい社会へのヒント ブータンと精神文化交流を」京都大こころの未来研究センター准教授 熊谷誠慈さん(34)仏教学


 「GNHが生まれたルーツを探ることで、現代社会に応用できる知恵を見つけられないだろうか」。そんな思いから、12年に「ブータン学研究室」を京都大こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門に設け、国内やブータンの研究者とともにブータン仏教の研究を始めた。
 対象とするのは他の研究者が手をつけていない領域だ。現地で探し出した古文書を日本に持ち帰って解読を進める一方、寺院や遺跡を訪ね、僧侶や土地の長老からその歴史を聞き取った。これまでの研究で、ブータン仏教の二大宗派であるドゥク派とニンマ派、少数宗派のサキャ派の思想や成り立ちの全体像がつかめてきた。


(記事より)


□関連情報
こころの未来研究センター ブータン学研究室のページはこちら

14.09.01

阿部准教授の論文が京都新聞や多数のテレビ番組で報道されました

 『Journal of Neuroscience』に掲載された阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」の内容が、京都新聞の「科学トピックス」や、全国放映のニュース番組やバラエティ番組などで多数報道されました。


 8月23日付の京都新聞朝刊の教育面では、論文の内容が詳しく説明され「人間の行動予測に役立つ可能性がある研究成果」と紹介されました。また、下記リストにあるように、テレビでも多数報道され、うそと脳活動の関係への社会の関心の高さがうかがえました。


1408abe_kyotonp.png【新聞報道:追加】
・京都新聞「科学トピックス うそと脳活動に関係」(8月23日付朝刊/教育面)


【テレビ報道:追加】
・日本テレビ ヒルナンデス(2014年8月6日)
・日本テレビ 情報ライブ ミヤネ屋(2014年8月6日)
・朝日放送 キャスト(2014年8月6日)
・日本テレビ Oha!4 NEWS LIVE (2014年8月7日)
・日本テレビ スッキリ!!(2014年8月7日)
・日本テレビ ウェークアップ!ぷらす(2014年8月9日)


□論文の発表記事と概要はこちら
阿部准教授の共著論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

14.09.01

阿部准教授の論文が日本経済新聞で報道されました

 『Journal of Neuroscience』に掲載された阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」の内容が、日本経済新聞(2014年8月6日夕刊14面)で報道されました。


1408abe_nikkei.png「うそつき、脳で分かる?京大、活動領域で解明 学生ら30人を測定」


脳の活動領域から正直者とうそつきの違いが分かったと、京都大の阿部修士特定准教授らの研究グループが発表した。報酬を期待する際に働く「側坐核」という領域の活動が活発な人ほど、うそをつく割合が高かったという。論文は7日、米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(電子版)に掲載される。


(記事より)


□論文の発表記事はこちら
阿部准教授の共著論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

14.08.20

京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画「第13回こころの広場」を開催しました

1408kokoronohiroba_1.png 8月6日、京都府と京都大学こころの未来研究センターの共同企画による「第13回こころの広場 悩みと不安のイマ、むかし ~心理学と宗教学から考える~」が稲盛財団記念館3階大会議室でおこなわれました。


 「こころの広場」は、毎年、「こころ」について多彩なテーマで一般の皆さんと考えるシンポジウムです。今年も大会議室を埋め尽くす満員のご参加をいただき開催しました。今回は、臨床心理学者と仏教学者がそれぞれの専門分野から、「悩みや不安」のむかしといまにスポットをあて、現代の私たちがどんな悩みと向き合っているかについて考える、ユニークなイベントとなりました。


 冒頭、司会進行を務めた河合俊雄教授が、シンポジウムの主旨とこころの未来研究センターの取り組みについて紹介しました。「センターは、幅広い視点からこころを研究しています。私は臨床心理学が専門ですが、現代の人々の『悩み』のタイプが変わってきたように思います。この『悩み』や『不安』の変化について、文献に基づいた研究を進める熊谷准教授と、実践に基づいた研究を進める畑中助教、それぞれの知見から広く長い視点で見つめていきます」と話しました。


 はじめの講演者として熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)は、「悩みと不安のむかし 古き仏教は悩みや苦しみとどう向き合ってきたか」というタイトルにて発表をおこないました。「私は仏教学、宗教学を専門としているので、過去と現在、あるいは世界と日本を比べながら、仏教が悩みや不安とどう向き合ってきたかを考えてみたい」と話し、講演を「0.イントロダクション」「1.原始仏教の説く『苦』」「2.部派仏教や大乗仏教の説く『苦』」「3.仏教の死生観」「4. 悩みと不安のイマ」に分け、仏教の大きな流れ、苦悩への対応、死生観、時代や宗派、地域差について紹介しました。


 熊谷准教授は、原始から教典で説かれているブッダの教えの目標は、心の生み出す「苦」をいかにしてのりこえるか、ということであり、仏教の根源的なテーマが苦悩から開放され乗り越えることだと、紹介しました。その「苦」にも様々な原因とタイプがあり、怒りや恨み、妬みや物惜しみなど、苦悩に関わる心の作用が部派仏教や大乗仏教で事細かに分類され、仏教における「苦」がいかに大きなテーマであるかを詳細に解説しました。また、死の恐怖について仏教は民衆の苦悩といかに向き合ってきたか、それぞれの時代と地域における死生観を紹介しました。最後に現在、世界各地で仏教がどのように広がっているのか、インド、ブータン、チベット、アメリカ、日本それぞれの仏教の特徴を紹介。日本では古くからの仏教が衰退する一方で、娯楽、観光の対象として文化的側面で注目されているものの、仏教の本質が再評価されているにはまだ到っていない、現代人の苦悩や悩みに対応する仏教としてはまだ課題なかばである、と現状を話しました。締めくくりとして、熊谷准教授は、「今日は仏教にかぎって話したが、仏教に限らず様々な古き知恵や伝統をたずねることで、現代の苦悩をのりこえ幸福の可能性を見いだすことができるのではないか」と提言しました。


 続いて、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が「悩みと不安のイマ:現代の悩みのかたちを考える」というテーマで講演をおこないました。「私のほうでは現代人のこころの変化についてお話ししたい。悩みや不安の形から今のこころはどうなっているのか、私自身の10年の臨床心理士の経験からみつめてきた変化を追いながらご紹介したい」と前置きをし、「1.心理療法の前提:こころの『中』への窓口」「2.イマの悩みのかたち:『深さ』の消滅?」「3.くさいものにもふたいらず?:社会・文化的側面」「4.心理テストに現れた変化:プロジェクト研究より」「5.イマのこころのかたち:『関係』に溶け出す<私>」という分け方で、数多くの事例と共に解説しました。


 畑中助教ははじめに、河合隼雄名誉教授の著書『カウンセリングを語る』(講談社+α文庫)や『新版・心理療法論考』(創元社)などを引用し、「心理療法は、その人の悩みのさらに中をみつめる作業。悩んでいる人は、悩みを話すことで自分のこころを見つめ直すことができる」と、心理療法が果たす役割と意義について説明。最近のクライエントの特徴として「簡単にカウンセリングにやってくる」「自分の心のなかで葛藤しない」など、悩み方の変化を紹介。「学期のはじめには授業登録の仕方が分からない、という悩みが心理相談室に寄せられる」というエピソードでは会場に笑いとどよめきが起こりました。また、過去に共同で取り組んだ「トイレ研究」の事例を紹介し、汚さを感じさせず他の空間と区別がなくなってきたトイレが現代人のこころのありようと共通している、と指摘。ロールシャッハ・テストに見る心理テストでは、何が見えているかをはっきりと答えない反応をする人が増え、主体性のなさが浮き彫りとなっていること、SNSやラインに見られるインターネットのサービスでタイムラインの中にそれぞれのつぶやきがまぎれ、中身よりもつながりを重視する傾向、「自分というものが関係に溶け出している」ことを指摘し、「悩みも不安も自分の内部に宿るものではない。だから葛藤もしない。それがイマの悩みや不安の形なのではないか」とこころの変化について考察しました。


 講演のあと、河合教授の進行にて討論の場がもたれました。来場者からの質問やコメントに応えながら、三人によるディスカッションがおこなわれました。河合教授は、「熊谷さんの話を聴き、仏教は心理学であり、分析的な心理療法に通じると思った」と話し、「近代の意識は関係性が重視されるなか、その関係というものがどんどん狭まっている。仏教の関係性はおのれと宇宙にまで及ぶが、現代人の関係性はどんどん閉じた方向へと進んでいる」と指摘しました。熊谷准教授は、「『我がない』という意味では現代の若者が持っている悩みはある種、仏教的だと思ったが、仏教はもともとある我を徹底的に否定する。しかし、現代人には最初から我がない、というのは不思議。似て非なりという感覚だ」と感想を述べました。同じような指摘は参加者から寄せられたコメントにもあり、自我、主体性、関係性をめぐる興味深い考察がなされました。畑中助教は、「人の苦しみに入っていき、それを超えるための教えを説く仏教は、心理療法そのものだと思った。今回、思いがけず仏教と心理療法のつながりを実感した」と話し、河合教授は「今回で得たことをヒントに研究を進めて、共同プロジェクトへとつなげていければ」と今後への展望を話し、シンポジウムを締めくくりました。


 参加者へのアンケートからは「古き仏教の話と現代人のこころの話、それぞれを対比できて良かった」、「熊谷先生の話で仏教の全般が分かり、勉強になった。畑中先生の話からは日頃感じている『今の若者像』がやはり現実なんだなと感じられ、納得しつつも不安になった」、「若い研究者二人の発表は新鮮で興味深く、元気になれた。こころに関する取り組みが知れてよかった」「河合教授の話から二人の発表者の人柄や意図がよく分かった」といった感想が数多く寄せられました。今後も、こころの未来研究センターでは、研究現場からの知見や研究者の声を多くの方々にお届けし、こころについて共に考える場を持ち続けて参ります。


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1408hiroba_kumagai.png1408hiroba_chihi.png
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<開催ポスター>
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<DATA>
▽日時:2014年8月6日(水)15:00~18:00 (受付開始 14:30~)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム
15:00~15:10 はじめに 河合俊雄(こころの未来研究センター・教授/臨床心理学)
15:10~16:00 講演1 熊谷誠慈(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門・特定准教授/仏教学・チベット学)『悩みと不安のむかし:古き仏教は悩みや苦しみとどう向き合ってきたか』
16:00~16:50 講演2 畑中千紘 (こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門・特定助教/臨床心理学)『悩みと不安のイマ:現代の悩みのかたちを考える』※講演順序が当日変更となりました
16:50~17:10 休憩
17:10~18:00 ディスカッション+質疑応答
総合司会:河合俊雄
主催:京都府/京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:131名

14.08.19

【関連情報】上廣・カーネギー・オックスフォード倫理会議 公開シンポジウム 『iPS細胞を含む幹細胞研究の未来に関する倫理』


▽ 日時:2014年8月29日(金) 
     13:00~17:00

▽ 場所:国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)

▽ 参加費:無料

▽ プログラム
  12:15~     開場
  13:00~     開会挨拶
  13:05~     主催者挨拶
  13:15~14:00 「iPS細胞研究の未来と倫理」 山中 伸弥(京都大学 iPS細胞研究所 所長)
  14:10~14:55 「遺伝子改変ブタを利用する臓器再生・臓器移植研究の現状と課題」 長嶋 比呂志(明治大学 バイオリソース研究国際インスティテュート 代表)
  15:05~15:50 生命科学の「ちょっと待てよ」を考える 青野 由利(毎日新聞社 論説室 専門編集委員、論説委員)
  16:10~     質疑応答
  16:55      閉会挨拶
  17:00      終了
  
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主催:公益財団法人 上廣倫理財団
   カーネギー・カウンシル
   オックスフォード大学 上廣応用倫理センター
協力:京都大学iPS細胞研究所(CiRA)

お申し込み方法:下記アドレスからお願いいたします。
        ※席数には限りがありますので、事前予約が必要です。
        http://www.atalacia.com/open-sympo2014/

お問合せ先:シンポジウム運営事務局
       株式会社Atalacia内 担当:国島
       E-mail:sympo2014@atalacia.com
       電話:070-6685-8125

14.08.07

阿部准教授の論文がKTVニュースなど多数のメディアで報道されました

140807abe.png 『Journal of Neuroscience』に掲載された阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」の内容が、KTV(関西テレビ)ニュース、読売テレビニュース、Yahoo!ニュース、マイナビニュース、ライブドアニュースなど、多数のメディアで報道されました。


 関西圏で放映されたKTVニュース(8月6日、午後2時55分〜)では、阿部准教授が大学本部でおこなった記者会見の模様やfMRIを用いた実験の様子が映し出され、今回の論文で発表された「正直な人、嘘をつく人は脳の側坐核(そくざかく)の活動に違いがある」という内容が図表と共に分かりやすく紹介されました。


 また、Yahoo!ニュースのトップなど、インターネット上のニュースメディア各社でも報道されました。以下、ウェブ上でご覧いただけるニュースのリンク(2014年8月7日現在)をご紹介します。


うそつき、脳で分かる? =活動領域で解明―京大 - Yahoo!ニュース

"ウソつき"は脳で分かる...京大研究G発表 - 日テレNEWS24

なぜ正直者と嘘つきがいるのか?-京大が脳活動から原因を解明 - マイナビニュース

"ウソつき"は脳で分かる...京大研究G発表 - ライブドアニュース

うそつき、脳で分かる?=活動領域で解明―京大 - ガジェット通信

"ウソつき"は脳で分かる...京大研究G発表(日本テレビ系(NNN)) - Y!ニュース


□論文の発表記事はこちら
阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

14.08.07

阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」が、8月6日付で『Journal of Neuroscience』に掲載されました。


 以下、論文の概要です(記者発表資料より掲載)。


「どうして正直者と嘘つきがいるのか? -脳活動からその原因を解明―」


論文タイトル:Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty
掲載誌:Journal of Neuroscience
著者:Nobuhito Abe (Kyoto University), Joshua D. Greene (Harvard University)
掲載日:2014年8月6日(米国東海岸時間)


□論文の概要

 世の中には正直者と嘘つきがいますが、どうしてそのような個人差があるのかはわかっていません。今回の研究では、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)と呼ばれる脳活動を間接的に測定する方法と、嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組みを調べました。
 その結果、報酬(今回の研究ではお金)を期待する際の「側坐核(そくざかく)」と呼ばれる脳領域の活動が高い人ほど、嘘をつく割合が高いことがわかりました(図1)。さらに、側坐核の活動が高い人ほど、嘘をつかずに正直な振る舞いをする際に、「背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)」と呼ばれる領域の活動が高いこともわかりました(図2)。
 今回の研究は、側坐核の活動の個人差によって、人間の正直さ・不正直さがある程度決まることを示した、世界的にも初の知見です。


140806abe.png

 

14.08.06

畑中助教がドイツ・ベルリンでのセミナー Psychological Seminar (Dream Interpretation and Psychological Theory) で発表しました

1407hatanaka.png 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、ドイツ・ベルリンで開催された "Psychological Seminar (Dream Interpretation and Psychological Theory)" にて、大人の発達障害の夢についての発表をおこないました。


 このセミナーはすでに出版されている夢セミナーの本の著者でもある Wolfgang Giegerich氏を中心に開催され、夢を中心とした発表とディスカッションが行われます。
http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=11560


 今回は、この中で大人の発達障害の事例でみられた夢について発表をおこないました。議論の中で、もはや失われてしまったものを保持しておこうとする神経症的なこころの動きに対して、夢を通じて次第に接近していくプロセスが明らかになっていき、夢の力について改めて実感させられるセミナーとなりました。


<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>

14.08.01

第10回ブータン研究会の報告

【イベント名】第10回京都大学ブータン研究会
【日時】 2014年7月17日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 西澤和子氏(京都大学霊長類研究所・研究員)
【講演題目】「ブータンの新生児に寄り添って:- 3年間の活動報告と今後の展望 -」


【発表概要】
 ブータンの抱える問題の1つとして慢性的な医師不足が挙げられます。特に新生児医療を担う小児科医は、ブータン国内に計7名しかおらず、毎年何千人と生まれてくるブータンの子供たちを僅か7名の医師で診察・治療しなければならないという困難な状況が存在するようです。
 今回は、現地で3年間、小児科医として医療・研究活動に従事してこられた西澤和子氏をお招きし、ブータンの新生児医療の現状と今後の課題について、自らのご体験やご研究にもとづいてお話し頂きました。
 ブータンを含む途上国が先進国に比べて平均寿命が低いことの主原因の1つとして、幼児の死亡率が高いことが挙げられます。ブータンにおける小児死亡率は下がりつつあるそうですが、依然として1カ月未満の死亡率は高いとのことです。その原因としては、高度な医療設備を持つ病院や小児科医の数が不足していることや、道路の未整備により救急搬送が困難な地域が多数存在するなど、様々な要因があるようです。
 また、これまでのブータンの医療においては臨床のみに力が注がれていたそうですが、西澤氏は、今後の医療の質改善を加速させるために、研究・教育・臨床の3つのバランスの重要性を説いておられます。さらに、病院や医師の数を劇的に増やすことは困難なため、限られた施設、人材、物資を効率よく活用する医療体制を構築していく必要があります。現在、西澤氏はティンプの王立病院を中心として、保健省と共同で、研究・教育・臨床を強化するための政策・システムづくりを行っておられるとのこと。今後のさらなるご活躍が期待されます。
 京都大学では、2010年に開始された京都大学ブータン友好プログラムに加え、2013年には京都大学付属病院、ブータン医科大学、ブータン政府保健省が三者覚書を締結し、京都大学側から医師や看護師が定期派遣されています。今回の研究会には、ブータン滞在をされた京大病院のスタッフも複数参加し、現地で経験した臨床や教育などについて様々な議論が交わされました。また、人類学や開発学、宗教学などの研究者からは、ブータンの文化や社会、死生観などと医療との関わりについて多数の質問や議論が行われました。

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14.07.28

畑中助教の研究紹介記事が『Kyoto University Research Activities』に掲載されました

IMG_3471.jpg 京都大学の外国向け研究紹介冊子『Kyoto University Research Activities』(Vol.4 No.1 June 2014)に、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)の研究紹介記事が、顔写真と共に掲載されました。女性研究者を特集した今号の「Cutting-Edge Research in Kyoto University」というコーナーにて、畑中助教は専門とする臨床心理学の研究において、災害のただ中と災害後における人々のこころの問題の表出と、それに向き合う心理学者の奮闘について英語で紹介しています。


" Do we need psychological problems? - Researching kokoro from the perspective of clinical psychology. " Chihiro Hatanaka, PhD / Uehiro Assistant Professor, Kokoro Research Center

During times of great disaster, the human psyche exhibits no psychological symptoms. The reality of the danger does not allow space for inner conflict. After the disaster, however, many psychological symptoms emerge. We found such phenomena in the care work for the Great East Japan earthquake. Even when peace is attained in the outer world, we need some inner struggles to work itself. Clinical psychologists research into the psychological problems and their transformation through the psychotherapy, which shows us the resilience and potential of our psyche.


冊子は、下記リンク先のページにて後日公開され、ダウンロードのうえご覧いただけます。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/issue/research_activities/index.htm

14.07.07

阿部准教授と伊藤研究員の論文が『Brain and Cognition』に掲載されました

阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と伊藤文人日本学術振興会特別研究員の共著論文「The neural basis of dishonest decisions that serve to harm or help the target」が、『Brain and Cognition』90号に掲載されました。


140707abe.pngAbe N, Fujii T, Ito A, Ueno A, Koseki Y, Hashimoto R, Hayashi A, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2014)
The neural basis of dishonest decisions that serve to harm or help the target
Brain and Cognition 90: 41-49
http://www.journals.elsevier.com/brain-and-cognition/


(論文の紹介/著者より)
人間は自分の利益のために、他者を傷つけてしまう「利己的な嘘」をつく場合もあれば、他者を思いやって「利他的な嘘」をつく場合もあります。今回の研究ではfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いて、この二種類の嘘の意思決定に関わる神経基盤が異なることを明らかにしました。以前に報告したHayashi et al. (2014) の論文では、これら二種類の嘘に対する俯瞰的な道徳判断の神経基盤を報告しましたが、今回の論文では自分自身の意思決定に関わる神経基盤を報告しました。


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14.07.07

京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズで熊谷准教授が講演しました

 京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」が、全4回に渡って港区の京都大学東京オフィスでおこなわれています。第3回目は、2014年6月11日、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部)が「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福政策とその根底に横たわる精神性」という演題で講演しました。当日は、吉川左紀子センター長が司会進行とディスカッサントを務め、講演についての説明やセンターの活動等を紹介するとともに、講演後に熊谷准教授とディスカッションを行いました。


 なお、第4回目は6月25日、河合俊雄教授による講演がおこなわれます(申し込み受付終了)。後日、ホームページにてご報告します。


 京大のウェブサイトでもレポートが掲載されました。
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか- 第3回を開催しました。(2014年6月11日) - 京都大学


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[開催ポスター]
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[DATA]
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」
第3回「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福政策とその根底に横たわる精神性」
▽日時:2014年6月11日(水) 18時30分~20時00分
▽場所:京都大学東京オフィス(港区)
▽講師:熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
▽内容:「 近年、ブータンの「国民総幸福」(GNH)は大きな注目を集めていますが、そもそもブータンの人々はどのような精神性を持ち、いかなる幸福を求めているのでしょうか。宗教学の視点から考えていきたいと思います。」
▽参加者数:103名

14.06.23

京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズで阿部准教授が講演しました

 京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」が、全4回に渡って港区の京都大学東京オフィスでおこなわれています。第2回目は、2014年6月4日、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部)が「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から」という演題で講演しました。当日は、河合俊雄教授が司会進行とディスカッサントを務め、講演についての説明やセンターの活動等を紹介するとともに、講演後に阿部准教授とディスカッションを行いました。


 なお、第3回目は6月11日、熊谷誠慈准教授による講演がおこなわれました。第4回は6月18日に開催されます(申し込み受付終了)。後日、ホームページにてご報告します。


 京大のウェブサイトでもレポートが掲載されました。
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来-私たちのこころは何を求めているのか- 第2回を開催しました。(2014年6月4日)- 京都大学


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[開催ポスター]
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[DATA]
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」
第2回「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から」
▽日時:2014年6月4日(水) 18時30分~20時00分
▽場所:京都大学東京オフィス(港区)
▽講師:阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
▽内容:「現代の社会で私たちは驚くほどたくさんの決断を迫られます。感情の赴くままに決めることもあれば、自分の気持ちを抑えて決めることもあるでしょう。心理学と脳科学の観点から、私たちがどのように迷い、決めているのか、そのメカニズムを考えていきたいと思います。」
▽参加者数:141名

14.06.13

第2回京都大学ヒマラヤ宗教研究会の報告

【イベント名】第2回京都大学ヒマラヤ宗教研究会
【日時】 2014年6 月2日(月)16:30~18:00
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【発表者】 安田章紀(京都大学こころの未来研究センター・研究員)
【講演題目】 「ゾクチェン概論」

【概要】
 「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」の第2回研究会を開催しました。本研究会は、ヒマラヤ圏の宗教・歴史・文化に関心を持つ若手研究者が最新の研究成果を共有・議論する場として、昨年度からこころの未来研究センターで立ち上がったものです。今回はこころの未来研究センター安田章紀研究員が、ヒマラヤ圏で継承された宗教思想体系として知られる「ゾクチェン」について解説し、最新の知見を紹介しました。講演の要旨は以下の通りです。

 「ゾクチェン」は、チベット仏教ニンマ派の教義として有名であるが、その内実はあまり知られていない。ゾクチェンと一言にいっても、ほとんど一千年にも及ぶ長い歴史があり、それに携わった思想家・実践家も膨大な数に上る。例えば、ニンマ派の代表的学僧である14世紀のロンチェンパ1人をとっても、彼のゾクチェンの中には、「心部」の徹底した抽象的一元論と、「教誡部」の、哲学、儀式、身体技法が混然一体となった複雑な体系とが、共存している。しばしば発せられる「ゾクチェンとは何か」という問いに答えるには、歴史的にも思想的にも、未解明な部分があまりに大きいと言わざるを得ないのが現状である。したがって、これからの展望としては、残された膨大なゾクチェン文献の1つ1つに即し、どんな種類のゾクチェンが存在したかを逐一記録し、分析していく作業が求められる。

 研究会には仏教学、宗教学、歴史学、文化人類学等の研究者が参加して活発な意見交換が行われ、分野を越えた議論を通じてヒマラヤの宗教思想を理解する意義を共有する場となりました。

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(小西賢吾 こころの未来研究センター研究員)

14.06.10

第9回ブータン研究会の報告

【イベント名】第9回京都大学ブータン研究会
【日時】 2014年5月15日(木)16:30~18:00
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 藤澤道子(京都大学東南アジア研究所・研究員)
【講演題目】「サムテガンBasic Health Unit (BHU)からの報告」


【発表概要】
ブータンの代名詞とも言えるGNH(国民総幸福)には、4つの柱とともに9つの領域が存在しますが、「健康」(Health)はGNHの9領域の1つとして、ブータンの国政における重要なテーマの1つとなっています。今回は、藤澤道子先生に、ブータンの医療事情についてお話頂きました。
 藤澤先生は、西ブータンのワンデュポダン県、ニショ郡、サムテガンのBasic Health Unit(BHU)を拠点として、同BHUの現地スタッフと共同で、高齢者の日常生活の自立維持を目指すべく、サムテガン地域の高齢者の疾患および身体機能の調査を進めてこられました。これまでの調査により、同地域では高血圧や貧血の患者が多いことが分かり、また糖尿病が増加傾向にあるとの疑いも起こってきたそうです。
 今後は、BHUでの検診をさらに進めていかれるとともに、現地スタッフと共同で、調査結果の分析を進めるとともに、地域での高齢者支援システムの構築を進めていかれるとのことで、今後のご研究ならびに現地への成果還元がさらに期待されます。
 質疑応答中には、現地の伝統的な食文化と疾患との関係性や、都市化と肥満・糖尿病などとの関係性について、さらには栄養学的視点からの質問や議論が行われました。

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藤澤道子先生(京都大学東南アジア研究所)

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研究会終了後の集合写真

14.06.02

清家助教の論文が『Geriatrics Gerontology International』に掲載されました

1405seike.png 清家理助教(上廣こころ学研究部門)の共著論文「初期認知症患者および家族への多職種恊働による教育的支援プログラム開発研究ーー認知症の確定診断直後の患者および家族の学習ニーズと意識変容からの考察(Developing an interdisciplinary program of educational support for early-stage dementia patients and their family members: An investigation based on learning needs and attitude changes)」が、老年医学会の国際誌『Geriatrics Gerontology International』に掲載されました。


 論文は、オンラインで読むことができます。下記リンクにアクセスしてご覧ください。


Aya Seike, Chieko Sumigaki, Akinori Takeda, Hidetoshi Endo, Takashi Sakurai, Kenji Toba. Developing an Inter-professional Program of Educational Support for Patients and their Family Members in the Early Stage of Dementia -An Investigation Based on the Learning Needs and Attitude Changes of Patients and their Family Members -, International Journal of Geriatric Gerontology, In Press, 2014.4


○Aim
The National Center for Geriatrics and Gerontology has begun to provide educational support for family caregivers through interdisciplinary programs focusing on patients in the early stage of dementia. These interdisciplinary programs have established two domains for the purpose of "educational support": cure domains (medical care, medication) and care domains (nursing care, welfare). In the present study, we examined the learning needs and post-learning attitude changes of patients and their families who participated in these programs in order to assess the effectiveness of an interdisciplinary program of educational support in each of these domains.


○目的
国立長寿医療研究センターでは、認知症確定診断直後(以下、初期と定義)の患者、家族を対象とした支援プログラムの提供を開始した。この支援は、キュア領域(医学・薬剤)、ケア領域(看護・福祉)で構成され、多職種恊働によるプログラム提供を「教育的支援」と定義した。本研究では、効果的な教育的支援プログラムの構成要素を探索するため、初期認知症患者や家族の学習ニーズと学習後の意識変容について検証した。


Geriatric Gerontology International
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ggi.12263/full

14.05.14

河合教授、畑中助教、長谷川研究員らの共著論文が『箱庭療法学研究』に掲載されました

 河合俊雄教授、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)、長谷川千紘研究員(上廣こころ学研究部門)らの共著論文が、2014年3月、日本箱庭療法学会の発行する『箱庭療法学研究』に掲載されました。


「発達障害へのプレイセラピーによるアプローチ--新版K式発達検査2001を用いた検討」(箱庭療法学研究, 26(3), 3-14)


 本論文は、「子どもの発達障害への心理療法的アプローチプロジェクト」の研究成果をまとめたものです。当センターのプレイルームにて受け入れた9つのプレイセラピー(遊びを用いた心理療法)の事例について、6ヶ月間のセラピーの前後で発達検査の指数にどのような変化がみられるかを実証的に検討しました。発達障害の子どもには自分を定位するための安定した軸をもちにくいという特徴が見られましたが、プレイセラピーのなかで何セッションにも渡って一つの作品を作り上げたり、共同作業やずれを通して自分とセラピストとの差異に気づいたりすることによって、「焦点」や「境界」が生まれ、子どものこころに軸が獲得されていく様子が見られました。そして、セラピーのなかでこのようなテーマに取り組んでいくことが、左右弁別や文章組立てなどの発達課題の通過と関連していることが示唆されました。


<報告:長谷川千紘研究員(上廣こころ学研究部門/2014年3月まで)>

14.04.17

河合教授の論文が『箱庭療法学研究(特別号)』に掲載されました

 河合俊雄教授の論文が、日本箱庭療法学会の発行する『箱庭療法学研究(特別号)』に掲載されました。


「震災のこころのケア活動--縁と物語」(箱庭療法学研究, 26(特別号), 1-6)


 河合俊雄教授が委員長を務める「日本箱庭療法学会 日本ユング派分析家協会合同震災対策ワーキンググループ」は、東日本大震災被災地の小中学校への訪問や病院での事例検討会などを通して、臨床心理士や養護教諭といった「ケアする人」をケアする活動を続けてきました。このたび、その記録が「箱庭療法学研究第26巻特別号」として発刊されました。


 本論文は、その巻頭に掲載されたものです。被災地訪問を継続するなかで「こころのケアやストレス対処のための何かの方法やノウハウを教えたり、押しつけたりするのではなくて、語りに耳を傾けるという物語のケアがこころのケアとなるのではなかろうか」と述べ、「物語」を一つの視点として呈示しています。そして、震災などの「大きな物語」から、個々人の悩みや心理学的テーマといった「小さな物語」へいかに語りが移行していけるかがこころのケアにおいて重要なポイントであることが指摘されています。


<報告:長谷川千紘研究員(上廣こころ学研究部門/2014年3月まで)>


□日本箱庭療法学会のウェブサイト
http://www.sandplay.jp/
□日本ユング派分析家協会のウェブサイト
http://www.ajaj.info/


14.04.17

熊谷准教授の共編著「Current Issues and Progress in Tibetan Studies」が出版されました

ISYT proceedings.jpg 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)の共編著「Current Issues and Progress in Tibetan Studies」が、神戸市外国語大学から出版されました。


 本書は、熊谷准教授らが2012年9月に神戸市外国語大学にて開催した、Third International Seminar of Young Tibetologists(第3回国際若手チベット学会)の発表者の中から選ばれた30名の若手研究者たちの論稿を集めた論文集です。本書には、宗教学、哲学、言語学、人類学、社会学など、多岐にわたる分野の若手研究者が、チベットをテーマとした論文を提出しており、チベット学という学術分野の持つ学際性を際立たせています。


 書誌情報は以下のとおりです。


Tsuguhito Takeuchi, Kazushi Iwao, Ai Nishida, Seiji Kumagai and Meishi Yamamoto (eds.): Current Issues and Progress in Tibetan Studies: Proceedings of the Third International Seminar of Young Tibetologists, Kobe 2012 (Journal of Research Institute, vol. 51), Kobe: Kobe City University of Foreign Studies. 2014.


14.04.17

上廣こころ学研究部門人事異動のお知らせ


◎離職
長谷川 千紘 特定研究員


◎着任
梅村 高太郎 非常勤研究員

14.04.01

清家助教が「終末期に対する早期支援」研究プロジェクトの一環でワークショップを開催しました

140328seike_engawa1.png 清家理助教(上廣こころ学研究部門)が、平成25年度の研究プロジェクト「終末期に対する早期支援ー日本人の倫理とこころに基づいた Advance Care Planning の開発研究」の一環で、国立長寿医療研究センター老年社会学研究部室長の村田千代栄さん(プロジェクト共同研究者)と共に愛知県常滑市で地域の高齢者を対象とするワークショップを開催しました。


 「縁がわカフェ」と名付けられたワークショップは、2013年10月から5回に渡って実施され、清家助教は2013年11月16日(土)『治療やケア現場で泣き寝入りしないためにー患者学A to Zー』と、2014年1月11日(土)『人生の終末期で泣き寝入りしないためにー終末期の備えを考えてみようー』の2回で講師を務めました。


 以下、清家助教によるレポートをご紹介します。


『治療やケア現場で泣き寝入りしないために-患者学A to Z-』,2013.11.16,常滑 
『人生の終末期で泣き寝入りしないために-終末期の備えを考えてみよう-』,2014.1.11,常滑


◇実施者:京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定助教 清家理、国立長寿医療研究センター老年社会学研究部室長 村田千代栄(平成25年度京大プロジェクト共同研究者)


140328seike_engawa2.png 2013年10月よりヘルスリテラシー(医療受療者が主体性をもって、治療や予防に参画していく行動)を高める目的で、5回シリーズのワークショップが開催されました。村田先生の故郷でもある愛知県常滑市をフィールドに、地域のパワフルリーダー渡辺様をはじめ、住民の方々と共に、試験的にスタートされた取り組みでした。京都大学プロジェクト側は、今後、実施を予定している「人生の終焉を自己決定できる力をつける取り組み」のニーズ探索目的で関わりました。2回にわたり提供したテーマ・話題は、『治療やケア現場で泣き寝入りしないために-患者学A to Z-』、『人生の終末期で泣き寝入りしないために-終末期の備えを考えてみよう-』でした。


 このワークショップより数ヶ月前に実施した別調査では、「自分の終焉をどのように迎えるのか」「万一に備えて、どのような医療を受けたくないのか」をいきなり考えても答えが出にくい結果が示されていました。そのため、重苦しい雰囲気だけが漂うか、全く興味関心がなく空振りで終わるか、いずれかに陥る危険性を危惧していました。しかし、ふたを開けてみると、茶話会のような肩が凝らない雰囲気の中、過去の医療体験で困ったこと、嫌だったこと、逆に嬉しかったことが参加者から口々に出され、次第に「こうしたらよかった」「こうしないといけない」など、自らの行動をふりかえる言葉がたくさん出ていました。また「延命治療」「人工呼吸器」等、医療用語を言っても、それが何なのか、何のためにあるのか、具体的にイメージできない方々が多くおられることも分かり、医療従事者感覚で当然のように用いている言葉にも留意する必要性を痛感しました。医療倫理では、倫理原則で「医療享受者の最大の利益」「自律(自己決定)」がありますが、その前に医療専門職の情報提供や説明のあり方(インフォームドコンセント、インフォームドチョイスを実施する上での対応方法等)もふりかえる必要性があります。平成26年度は、この辺の気づきを踏まえたアクションリサーチの実施を京都にて、地域住民、多職種とともに展開していく予定です。


 そして、今回の取り組みを通じて痛感したこと・・・それは、「人と人のつながり」です。家で閉じこもりがちな方、退職後いきなり地域で過ごす時間が増えて戸惑っている方等々、諸事情でつながりが断絶されている方々もおられました。今回のように、「生きること」に関連するテーマで集うことにより、悩みを打ち明けたり、何か助言的な知恵をもらえたり・・・そんなWin-Winの関係も見られました。この点も、今後のアクションリサーチの「核」になりそうです。


<報告:こころの未来研究センター助教(上廣こころ学研究部門)清家理>


◇メディア掲載
中日新聞知多版(2013年11月8日付朝刊/「和室解放 高齢者講座に」 )に掲載されました。

14.03.28

阿部准教授と伊藤研究員の共著論文が『Brain Research』に掲載されました

140326abe_brain_research.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と伊藤文人日本学術振興会特別研究員らの共著論文が、脳神経科学の国際ジャーナル『Brain Research』(vol.1556, 27 March 2014)に掲載されました。


 この論文では、他者を傷つけてしまう「悪い嘘」と、他者を思いやってつく「良い嘘」が道徳的に許容できるか否かを判断する際の脳のメカニズムを調べた研究です。fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた実験によって、この二種類の嘘の道徳判断は異なる神経基盤によって実現されていることが明らかになりました。


 論文の詳しい情報は、ジャーナルのウェブサイトをご覧ください。下記リンクからアクセス可能です。


Hayashi A, Abe N, Fujii T, Ito A, Ueno A, Koseki Y, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2014)
Dissociable neural systems for moral judgment of anti- and pro-social lying
Brain Research 1556: 46-56


URL:http://dx.doi.org/10.1016/j.brainres.2014.02.011


○Abstract
Pro-social lying, which serves to benefit listeners, is considered more socially and morally acceptable than anti-social lying, which serves to harm listeners. However, it is still unclear whether the neural mechanisms underlying the moral judgment of pro-social lying differ from those underlying the moral judgment of anti-social lying. We used functional magnetic resonance imaging (fMRI) to examine the neural activities associated with moral judgment in anti- and pro-social lying. During fMRI scanning, subjects were provided with scenarios describing a protagonist׳s anti- and pro-social lying and were then asked to judge whether the protagonist׳s act was morally appropriate. The behavioral data showed that anti-social lying was mostly judged to be morally inappropriate and that pro-social lying was mainly judged to be morally appropriate. The functional imaging data revealed dissociable neural systems for moral judgment in anti- and pro-social lying. The anti-social lying, which was judged to be morally inappropriate, was associated with increased activity in the right ventromedial prefrontal cortex, right middle frontal gyrus, right precuneus/posterior cingulate gyrus, left posterior cingulate gyrus, and bilateral temporoparietal junction when compared with the control condition. The pro-social lying, which was judged to be morally appropriate, was associated with increased activity in the right middle temporal gyrus, right supramarginal gyrus, and the left middle cingulate gyrus when compared with the control condition. No overlapping activity was observed during the moral judgment of anti- and pro-social lying. Our data suggest that cognitive and neural processes for the moral judgment of lying are modulated by whether the lie serves to harm or benefit listeners.

14.03.26

清家助教の共編著『認知症なんでも相談室』が出版されました

140320seike_ninchisyo.png 清家理助教(上廣こころ学研究部門)の共編著『患者さんとご家族から学ぶ 認知症なんでも相談室』が、3月20日にメジカルビュー社より出版されました。


 本書は、認知症に関する知識(病気のこと、治療方法等)から、予防方法、介護方法、終末期の対応まで、実生活で応用できるアドバイスをQ&A、コラムなどで分かりやすく解説されたものです。今回、本書に出てくる120のQuestionは、認知症を持つ方やそのご家族の声に基づいています。巻頭に掲載された「病期/情報・相談内容一覧」では、認知症を持つ方やご家族の質問に当てはまるカテゴリーがひと目で分かるようになっており、社会参加、医療倫理といった新たな分類項目も追加されました。また、認知症を持つ人のこころをケアし、回想法の実践につながる「俳句かるた」(作成者:鳥羽研二国立長寿医療研究センター病院長他)のアイデア紹介など、多彩なページ構成となっています。清家助教は、書籍全体の編集に携わり、社会資源(医療・福祉)の活用、終末期に関する章など多くの項目を執筆、編纂しました。


 書籍の序文、目次、Q&Aの一部を出版社とAmazon.co.jpのページで読むことができます。下記リンクよりご覧ください。


○書誌情報
『患者さんとご家族から学ぶ 認知症なんでも相談室』
国立長寿医療研究センター編
監修 鳥羽 研二、編集 武田 章敬、清家 理
定価 2,940円(本体 2,800 円+税)
B5判 168ページ 2色(一部カラー)
2014年3月20日刊行
ISBN978-4-7583-0487-0


○目次
キーワード索引
病期/情報・相談内容一覧


1 予防 認知症にならないためには?/Q01〜12、番外編


2.受診前 認知症かも? と思ったら/Q13〜23、コラム01


3.診断前 認知症かどうかはどう調べるの?/Q24〜25

 
4.診断後 えっ? 認知症! さて,どうしよう!/Q26〜49、コラム02〜05


5.認知症にはどんな治療があるの?/Q50〜105、コラム06〜16


6.小康状態期 認知症とうまく付き合っていくために!/Q106〜114、コラム17


7.終末期 穏やかに送り出してあげるために/Q115〜120、コラム18


出版社の書籍紹介ページ(「立ち読み」できます)
Amazon.co.jpの商品ページ(「なか見!検索」できます)

14.03.26

第4回ブータン文化講座を開催しました

 第4回ブータン文化講座が2月24日、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。今回は関西大学社会学部教授の草郷孝好先生をお迎えし、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)の司会進行で「ブータンの魅力とGNHの現在 ~世界はGNH社会を求めるのか~」というテーマで講演いただきました。

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 今や「GNH」(国民総幸福)という言葉は、ブータンという国の代名詞となっている感があります。第4回ブータン文化講座では、開発学がご専門の草郷孝好先生に、GNHについて、「ブータンの魅力」、「ブータンのGNH」、「GNHに対する世界の目」、「GNHと日本の取り組み」という4つの観点からお話をいただきました。


 ブータンは1960年代からようやく開国を始めた小国として、いわば「最後尾からの近代化」という困難な事業に取り組まねばなりませんでした。その際、先進国の近代化をただ真似るのではなく、自ら「望ましい社会のあり方」を決め、その方向に沿って、適切な近代化の方策を自己決定する、その羅針盤として、GNHを掲げるに至ったのです。GNHは「公正な社会経済の発展」、「文化保存」、「よい政治」、「環境の保全」という4本柱からなっていますが、これらが現代の国際社会が目指す方向と合致していることは、GNHをテーマとする国際会議の開催や、国際幸福デーの制定からはっきりと知ることができます。また我が国とGNHとの関わりとしては、「量」から「質」への大胆なモデルチェンジが必要な時代が到来していること、それを受けて、兵庫県に代表される幾つかの自治体が「良質な」社会発展を目指し、長期的な見通しに立って、実際に政策の形成と導入を進めつつあることが指摘されます。


 講演では、豊富な統計データに加え、ブータンの人々との交流など先生ご自身の体験や取り組みも交えて、分かりやすくお話しいただきました。会場からは、GNHが指標として独り歩きしてはいないのか、ブータンの実社会ではGNHがどのように認知されているのか、といった踏み込んだ質問が多数なされました。


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<報告:安田章紀研究員(上廣こころ学研究部門)>


[開催ポスター]
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[DATA]
第4回ブータン文化講座「ブータンの魅力とGNHの現在 ~世界はGNH社会を求めるのか~」
▽日時:2014年2月24日(月)17:00 ~ 19:00 (16:30開場)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講演者:草郷孝好(関西大学社会学部・教授)
司会進行:熊谷誠慈(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門准教授)
▽参加者数:101名

14.03.06

福島慎太郎研究員(上廣こころ学研究部門)が『社会階層と健康 国際会議2013』で優秀演題賞を受賞しました

上半身カラー写真_福島.PNG 福島慎太郎研究員(上廣こころ学研究部門)が、2013年8月31日・9月1日に東京大学で開催された『社会階層と健康 国際会議2013』において、優秀な演題発表をおこなった若手研究者に贈られる「優秀演題賞」を受賞しました。


 『社会階層と健康 国際会議2013』は、文部科学省科学研究費新学術領域「社会階層と健康」に関心を持つ、あるいは関連した研究をおこなう国内外の研究者や学生らが参加し、講演、シンポジウム、一般演題によるポスターおよび口頭発表などが2日間に渡っておこなわれました。


 福島研究員は「The synergy effect of economic and social capital on health: A multilevel analysis in rural areas of northern Kyoto prefecture」という演題で口頭発表をし、日本の農村地域においては、1)個人の経済水準が人々の幸福感を上昇させる効果は人間関係が密に形成されているコミュニティほど増大するとともに、2)コミュニティ全体の経済水準が人々の幸福感を上昇させることを提示しました。この発表が評価され、優秀演題賞を受賞しました。


『社会階層と健康 国際会議2013』概要
抄録集

14.02.07

上廣倫理財団との共催で「上廣フォーラム~日本人の生き方『わが先人・師を語る』京都大学知の伝統」を開催しました

 1月26日(日)、公益財団法人上廣倫理財団とこころの未来研究センターの共催により『上廣フォーラム~日本人の生き方 「わが先人・師を語る」京都大学知の伝統』が、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。


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 はじめに、主催者を代表して上廣倫理財団の丸山登事務局長がご挨拶のため登壇されました。2012年の3月、東京大学でおこなわれた島薗進教授(宗教学)の退官記念講演において、安丸良夫一橋大学名誉教授(歴史学)との師弟関係について島薗教授が話されていたことにインスピレーションを受け、今回のフォーラムの構想を得たという丸山事務局長は、「偉大な先人たちも、豊かな師弟関係に支えられて近代日本を作り上げた。今日は現代の知を代表する方々に、一世代前の師や先人から受けた学問的、人間的影響について率直に語っていただきたい」と、フォーラムにこめた思いについてお話しになりました。


 続いて、こころの未来研究センターの吉川左紀子センター長が共催の挨拶として、「この会場にも今日、語られる三名の先人から影響を受けてお越しになった方も多いと思います。ぜひゆっくりとお聞きになり、これからの日本人の生き方について思いをめぐらせていただければ、と思います」と話しました。


 フォーラムは、河合俊雄こころの未来研究センター教授、河合雅雄京大名誉教授、中西寛京大法学研究科教授がそれぞれの師について1時間半ずつ講演しました。河合俊雄教授は「河合隼雄との三度の再会」という演題で、河合隼雄京大名誉教授と過ごした日々について、父と同じ心理学の道を歩むことを選んだ若き日の葛藤、京都大学で教鞭をとる父から学びを得た時間、単身渡ったスイスで年に一度開催された「エラノス会議」講演のためにやって来た父と過ごした濃密な時間、そして没後、膨大な量の著書や講演録の編纂にたずさわるなかで出逢うことのできた新たな父の姿について、静かに語りました。


 河合雅雄京大名誉教授は「今西錦司先生と仲間たち」という演題にて、生態学者、人類学者、登山家として多くの後進を育てた今西錦司京大名誉教授との日々を、「猿の行動のその先にある『人間とは何か』という普遍的なテーマのもと集った仲間らと切り拓いた、かけがえのない時間だった」と振り返り、日本の霊長類学の誕生期に伊谷純一郎氏ら個性あふれる研究者たちと経験した様々なエピソードを散りばめながら、終始ユーモアたっぷりに語ってくださいました。


 中西教授は「髙坂正堯先生の日本への思い」という演題で、国際政治学者として60年代以降の日本の外交と政策に多大な影響を与えた高坂正堯(まさたか)元京都大学法学部教授のもとで学んだ13年間を振り返り、国際政治のオピニオンリーダーとして戦後の日本を疾走し、63才の若さでこの世を去った恩師の活躍の軌跡とその人となりについて、数々の具体例を挙げながら切れ味鋭く紹介しました。


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 なお、このフォーラムはNHKラジオ第二放送の「文化講演会」にて後日放送される予定です。詳しい日程は、下記リンク先の番組ホームページにて放映月になりましたら発表されます。


文化講演会|NHKラジオ第2 文化番組 - NHKオンライン


[開催ポスター]
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[DATA]
上廣フォーラム~日本人の生き方「わが先人・師を語る」京都大学知の伝統
▽日時:2014年1月16日(日)10:30~16:30(10:00~受付開始)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム:
10:30~10:40 開会挨拶
丸山登(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)
吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター教授・センター長)
10:40~12:10 「河合隼雄との三度の再会」
河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター 教授)
13:10~14:30 「今西錦司先生と仲間たち」
河合雅雄(京都大学名誉教授)
15:00~16:30 「髙坂正堯先生の日本への思い」
中西寛(京都大学法学研究科 教授)
▽参加者数:110名(関係者をのぞく)

14.02.06

上廣こころ学研究部門2013年度研究報告会「生きることの価値」を開催しました

 こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門2013年度研究報告会「生きることの価値」が、1月25日(土)、稲盛財団記念館3F大会議室にて開催されました。

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■分野を超えてこころを探究する「里山」のような研究部門に


 上廣こころ学研究部門は、こころの未来研究センターの寄付部門として2012年4月に設置されました。その成果を報告する初めての報告会に、一般の方々をはじめ学内外の研究者や学生らが数多く集まり、会場は終始熱気に包まれました。


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 初めに、吉川左紀子センター長からの挨拶があり、「上廣こころ学研究部門では、臨床心理学、倫理学、神経科学、教育学などさまざまな領域の若い研究者らが研究に取り組んでいます。以前からセンターの活動に注目し、お力添えくださっていた上廣倫理財団の事務局長、丸山登さんに、『里山のような研究部門をつくり、こころのあり方を研究したい』とお伝えしたところ、『京都大学の知的伝統を受け継ぎ、こころと倫理を未来につなぐ研究の場を作ってはどうか』とご賛同いただき、上廣こころ学研究部門がスタートしました」と研究部門設立のエピソードが紹介されました。続いて、上廣倫理財団の丸山登事務局長から、「財団は、昨年4月からiPS細胞研究所への支援を開始しており、現在、京都大学では2つの拠点の研究支援をおこなっています。大学の研究機関は、ゆったりとした時間の流れのなかで里山の樹木や花のようにのびのびと研究することがのぞましい。求めずして成る、の思いで研究を見守っています。今日は来場者の皆さんと共に、研究部門で研鑽を積んでいる若い研究者の研究成果を見て喜びたい」と、ご挨拶いただきました。


 続いて、カール・ベッカー教授による上廣こころ学研究部門の紹介があり、「現代社会では、さまざまな物事の価値が揺らいでおり、今こそ、倫理的な自己選択と責任が重要になってきています。今日の前半では『生きることの価値とその揺らぎ』をテーマに、各研究の紹介と問題提起と対策に、後半は『幸福感と伝統の価値』をテーマに、伝統からの育成と科学からの考察を各発表者がおこないます」と、報告会の主旨とプログラムが紹介されました。


■研究報告セッション1「生きることの価値とその揺らぎ」


座長・コメンテーター 河合俊雄(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
発表1:「現代社会における主体と価値の揺らぎ」畑中千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)
発表2:「病をめぐる自己の揺らぎ」長谷川千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)
発表3:「認知症における家族介護者の価値の揺らぎ」清家理(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)


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 前半の研究報告セッション1では、「生きることの価値とその揺らぎ」というテーマで3名の研究者らが各20分の持ち時間で発表しました。


 はじめに畑中千紘助教が「現代社会における主体と価値の揺らぎ」という演題で、臨床心理学領域における「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」「こころの古層と現代の意識」という2つのプロジェクトからの研究成果を紹介しました。畑中助教は、増え続ける発達障害の特徴として「主体の弱さ」に注目し、ロールシャッハテストで発達障害の人たちによくみられる「不確定要素反応」を例として取り上げ、考察しました。また、ソーシャルネットワークなど、インターネットサービスの時代による変化に着目して、「かつてはブログなど自分のページに『訪問してもらう』形態が主流だったものが、Facebookやツイッターなどのタイムラインに自分の書き込みが紛れ『流れていく』形態へと移行している。このことも含め、社会全体が主体性を失いつつあるのではないか」と問題提起しました。

 
 次に長谷川千紘研究員が「病をめぐる自己の揺らぎ」という演題で、臨床心理学領域における「甲状腺疾患におけるこころの働きとケア」プロジェクトからの成果報告をおこないました。身体疾患を抱える人の心理的特性を調べるため、甲状腺疾患患者を対象に実施した3種類のテストを実施した結果を紹介。質問紙に対する自己評定では甲状腺疾患患者は健常者と差がなかったものの、木を描くバウムテストでは、自我境界の危うさを示す「開放型」が多く見られ、反構造化面接(面談)では平静な言葉とは裏腹に泣いてしまうことがあるなど、自己評価、絵、語りの間にあるギャップが特徴的であることが示されました。長谷川研究員は「病気の人は、自覚していなくても深いレベルでしんどさを抱えているのではないか。援助する側は、患者さんの表面的な訴えの背後にあるものを見つめて対処していく必要があると考えられ、今後もこうした研究を進めていきたい」と話しました。


 続いて清家理助教が「認知症における家族介護者の価値の揺らぎ」という演題で、倫理学領域における「倫理的観点に基づく認知症介護改善」プロジェクトからの研究成果を報告しました。清家助教は、昨今、認知症の測定スケール(認知症の程度を調べる質問項目)や薬剤の多様化など、研究や治療法の普及が進む一方で、介護者の負担や価値の揺らぎによって起こる問題が増加している状況を指摘。在宅介護者を対象としたデータ収集をおこない、半年に一度の面接と測定スケールを用いた統計分析に取り組んでいる経過実績を報告しました。清家助教は、「現時点では、介護負担が大きくても前向きな人や、他者のサポートを得て介護負担が下がっても介護の継続に不安を示す人がいるなど、まだまだ全体像の把握が難しい。新しい測定スケールや介護者のこころとワザを支援する方法を開発するための取り組みを進めている。引き続き、臨床現場の声に基づく政策提言型の研究を続けていきたい」と話しました。


■実践と研究をつなぐ学際研究で社会支援を


140125kawai.png 3つの報告の後、河合俊雄教授の座長によるパネルディスカッションがおこなわれました。河合教授は「どの研究も、実践と社会支援の側面を持ちながらも、特殊な事象から社会の動きや方向性を探ろうという研究の視点が含まれている」と評価し、各研究者に対して、「自分の研究は実践的提言として何が言えるのか、何が見えるのか?」と質問を投げかけました。それに対して、「発達障害の増加により社会自体もどう対応すれば良いか試行錯誤している。発達障害をどう理解すべきかを追究すると共に、支援をする人とされる人、それぞれのための研究を進めることが大切と捉えている」(畑中)、「病院でのカウンセリングを出発点に、病気の人たちを対象にして心理検査法をやってきたが、一般の人を見る部分でも研究が活きている。実践、研究、成果、発信という形で、カウンセラーの枠組みづくりに貢献していければ」(長谷川)、「臨床と研究は本来つながっているべきであり、常に折衷点を見出していきたい。政策はあっても実態が伴っていない、という状況があるので、適切な政策を提言していきたい」(清家)と、それぞれが自身の研究の手応えと今後の展望を話しました。討論は各研究から見えてきた現代の他者論、社会の様相にまで発展。河合教授は「社会学の研究者の話を聞けば、社会の意識としての変化が分かるなど、学際的な視点からの研究はとても重要」と話し、あらためてこころの未来研究センターの位置づけと重要性を強調しました。


■研究報告セッション2「幸福感と伝統の価値」


座長・コメンテーター:鎌田東二(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
発表1「身体の学びと伝統の価値の探究」奥井遼(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)
発表2「GNH(国民総幸福)政策に見られる伝統の価値の探究」熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
発表3「脳科学による幸福感の探究」阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)


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 後半の研究報告セッション1では、「幸福感と伝統の価値」というテーマで3名の研究者らが各20分の持ち時間で発表しました。


 はじめに奥井遼研究員が「身体の学びと伝統の価値の探究」という演題で、民俗学・教育学領域のプロジェクト「こころとモノをつなぐワザの研究―伝統芸能・武道における心技体の研究を中心に」の成果報告をおこないました。奥井研究員は、淡路人形浄瑠璃の一座が全国の学校でおこなっているワークショップを調査し、「学校におけるワザの継承」事例を数多くの写真と共に紹介。人形遣いが子供たちにどのようにワザを伝えているか、「人形遣いと子どもたちの身体の出会い」「教え手のペースに巻き込む稽古」「わきあいあいとしたやりとり」の3要素を挙げ、教え手と学び手それぞれの身体が相互交流し、いつしか学校の空間が「舞台」へと変化し、互いの関心が演技の成功へとつながっていくプロセスと特徴を示し、近年の学校教育のあり方とは異なるワザの継承事例をいきいきと紹介しました。


 続いて熊谷誠慈准教授が「GNH(国民総幸福)政策に見られる伝統の価値の探究」という演題で、幸福感の総合研究領域における「国民総幸福(GNH)を支える倫理観・宗教観研究」プロジェクトからの研究成果を報告しました。熊谷教授は、世界的に注目を集めるブータンのGNH(国民総幸福)政策について、「政策を知る以前に、ブータン人にとっての幸福とは何か、ブータン人にとってのGNHの価値は何かを理解して初めて日本や他国の政策に応用できると考え、総合的に研究を進めている」と説明。ブータンでは仏教の利他的精神が根付いており、物質的、精神的幸福それぞれを重視した「中道の精神」が生かされ、仏教の持つ科学的、哲学的、倫理的な知識を政策に取り入れている、とGNH政策の背景と成り立ちを紹介しました。「日本はいま伝統的な価値が見直されているが、さらに一歩進めて今の社会へと取り入れる必要があるのではないか」と提言し、「今後も宗教学、ヒマラヤ学を通じて、"こころ"と"倫理"をつなぐ研究に取り組んでいきたい」と結びました。


 報告会最後の発表として、阿部修士准教授が「脳科学による幸福感の探究」という演題で、幸福感の総合研究領域における「幸福感の神経基盤」プロジェクトからの研究成果を報告しました。阿部准教授は「文化・社会心理学が専門の内田由紀子准教授の知見と脳科学を融合させた幸福感研究を進めている」とプロジェクトを紹介。心理学における幸福感研究の歴史や幸福感を測定するための評価方法の変遷を紹介すると共に、近年、日本人の精神性に合わせて開発された「協調的幸福感」を評価する尺度とfMRIでの脳測定を組み合わせた研究結果を報告。幸福感が高い人ほどfMRI測定結果における報酬情報の処理に関わる眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)が小さいことが分かり、協調的幸福感と利己的な報酬追求に相関がある可能性が示されたことを紹介しました。阿部准教授は「今後、データ数を増やして研究をさらに進め、脳科学とこころの幸福についてより広い視点で検討していきたい」と話しました。


■現代の課題と伝統的価値を結びつけ、新たな視点を提供する「中間者」の存在へ


140125kamata.png その後、鎌田東二教授の座長によるパネルディスカッションがおこなわれました。鎌田教授は「新たな領域に果敢に挑戦する3つの研究から浮かび上がってきたことは、他者との関係の中でポジティブな価値をいかに見出すかという点と、価値の『地域差』についても考えるべきだという点。伝統の価値を活用するなら、前半の発表で取り上げられた今日的な問題と後半の研究をいかにダイナミックにつなげていくかが課題となる」と話しました。鎌田教授から発表者3人への「他の発表と自分の発表との接点は?」という問いかけに対し、奥井研究員は「ブータンのGNHは現代版に翻訳されたブータンの伝統的な知恵。その意味ではブータン国王はブータンの知恵の『翻訳者』といえる。伝統芸能を伝える人も、言葉を超えた形で伝える翻訳者ではないか」と話し、それを受けて熊谷准教授は「翻訳という意味では、そもそもブータンにおける幸福は"Happiness"というよりも、充足や満足を意味する"Contentment"がふさわしいと提唱者の4代国王が言われている。ブータンの仏教徒たちは『執着』『怒り』『無知』を取り除くための教えを大切にしている。その部分を忘れてはいけない」と補足しました。阿部准教授は「日本人の持つ協調の精神は、震災時の報道からも世界的に評価されている。上廣こころ学研究部門における自分の仕事として、日本人のこころを脳のデータを用いて科学的に裏付けた上で、日本人独自のこころの性質を広く発信していきたい」と話しました。


 鎌田教授は、「これから先に考えるべきことは、生き方をただせばこころの状態が変わり、脳のレベルにも影響が及ぶ可能性を認識すること。そこには人の倫理性も関わってくる。問題に対して指標をつくり、分かりやすく人々に示し、社会に寄与していく『中間者』の存在が重要になってくる。その意味で、こころの未来研究センターの上廣こころ学研究部門が果たす役割は大きい。今後、現代の病理的な課題と伝統的な文化領域、思想領域を結びつけ、新たな理解と実践につながる視点を提供することが課題となるだろう」と話し、報告会を締めくくりました。


[開催ポスター]
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[DATA]
こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門2013年度研究報告会「生きることの価値」
▽日時:2014年1月15日(土)14:00~17:50 (13:30受付開始)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム:
・14:00 - 14:05 センター長挨拶 吉川左紀子(こころの未来研究センター教授・センター長)
・14:05 - 14:15 来賓ご挨拶 丸山登氏(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)
・14:15 - 14:30 上廣こころ学研究部門の紹介 カール・ベッカー(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
・研究報告セッション①「生きることの価値とその揺らぎ」(14:30 - 16:00)座長・コメンテーター 河合俊雄(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
・14:30 - 14:50 「現代社会における主体と価値の揺らぎ」畑中千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)
・14:50 - 15:10 「病をめぐる自己の揺らぎ」長谷川千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)
・15:10 - 15:30 「認知症における家族介護者の価値の揺らぎ」清家理(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)
・15:30 - 16:00 パネルディスカッション
・16:00 - 16:15 休憩
・研究報告セッション②「幸福感と伝統の価値」(16:15 - 17:45)座長・コメンテーター 鎌田東二(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
・16:15 - 16:35 「身体の学びと伝統の価値の探究」奥井遼(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)
・16:35 - 16:55 「GNH(国民総幸福)政策に見られる伝統の価値の探究」熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
・16:55 - 17:15 「脳科学による幸福感の探究」阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
・17:15 - 17:45 パネルディスカッション
・17:45 - 17:50 閉会の挨拶 鎌田東二
▽参加者数:83名(関係者のぞく)
プログラムとアブストラクトはこちらです(PDFファイル 約0.6MB)

14.01.28

畑中助教の論文が『箱庭療法学研究』に掲載されました

 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)の論文「発達障害におけるイメージの曖昧さ-ロールシャッハ・テストにおける「不確定反応」から」が、『箱庭療法学研究』第26巻第2号(発行:日本箱庭療法学会)に掲載されました。


スクリーンショット 2014-01-23 11.09.31.png畑中千紘(2013)発達障害におけるイメージの曖昧さ-ロールシャッハ・テストにおける「不確定反応」から. 『箱庭療法学研究』第26巻第2号 29-40


○ABSTRACT
 本研究は, ロールシャッハ・テストを素材に発達障害のイメージの在り方の特徴を描き出そうとするものである。予備的分析の結果, 反応の中核をなす概念が不確定である「不確定反応」が発達障害のイメージの特徴として導き出された。「不確定反応」の出現個数について147名の発達障害群, 49名の神経症群, 47名の大学生群のデータについて検討した結果, 発達障害群に有意に多くみられることが明らかとなった。「不確定反応」の曖昧さには広いバリエーションが示されたが, これは彼らの夢や語りにも共通していることが指摘された。また, 「不確定反応」に示されるイメージの曖昧さは, 対象に焦点を合わせるための主体が不明瞭で, 視座が不安定になるためと考えられた。


 畑中助教は、この論文について、「これは、発達障害の特徴を『イメージのあり方』から捉えようとするものです。発達障害の人のもつイメージを心理検査から調査すると、奇異な見方や崩れた見方はほとんどみられず、むしろ『焦点づけの弱さ』が特徴的であることが明らかとなりました。その独特の話し方や考え方から発達障害の方は誤解されやすいところがありますが、彼らの生きる世界を本質的に理解できるような研究を進めていきたいと思っています」とコメントしています。


 なお本論文は、上廣こころ学研究部門における臨床心理学領域のプロジェクトの一つである「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」の研究成果です。


○関連情報
河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』が出版されました(2013年12月の記事)

14.01.23

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2013年

京都大学アカデミックデイ2013に参加しました

12月21日(土)、京都大学百周年時計台記念館にて、京都大学アカデミックデイ2013が開催されました。


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◎京都大学アカデミックデイ2013とは?
 京都大学アカデミックデイは、「国民との科学・技術対話」支援事業の一環として毎年京都大学で開催されるイベントです。市民・学生・研究者、文系・理系を問わず、誰もが学問を楽しみ、その魅力について語り合うコミュニケーションの場を提供しています。
(京都大学学術研究支援室の開催概要はこちら


 こころの未来研究センターからは、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)、清家理助教(上廣こころ学研究部門)、安田章紀研究員(上廣こころ学研究部門)、福島慎太郎研究員(上廣こころ学研究部門)、大学院生の富永仁志くん(内田由紀子研究室)が参加しました。


【お茶を片手に座談会】では、熊谷准教授が齊藤准教授( iPS 細胞研究所)と磯部准教授(京都大学学際融合教育研究推進センター)と「宇宙、生命、精神の交差点」 をテーマにトークライブを行いました。


【ポスター前で立ち話】では、時間ごとにポスターをはりかえて、「こころ学」への挑戦として出展しました。
清家特定助教 9時半-11時
福島研究員 11時-13時
富永くん 13時-15時
熊谷特定准教授・安田研究員 15時-17時


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文系・理系によらず幅広い研究者が参加し、研究者それぞれのスタイルで市民のみなさまと「対話」することができる場となりました。


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京都大学アカデミックデイ2013
▽ 日時:2013年12月21日(土)10:00-17:00
▽ 場所:京都大学百周年時計台記念館2階
▽ 参加費:無料(申し込み不要)
主催:京都大学(学術研究支援室、研究国際部研究推進課、「国民との科学・技術対話」ワーキンググループ)
後援:京都府教育委員会、京都市教育委員会、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、奈良県教育委員会、滋賀県教育委員会


◇関連ページ
京都大学学術研究支援室 「京都大学アカデミックデイ」開催。

13.12.27

第8回京都大学ブータン研究会の報告

【イベント名】第8回京都大学ブータン研究会
【日時】 2013年12月5日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 永澤哲氏(京都文教大学 総合社会学部 准教授)
【講演題目】「浄土のために踊ること―第二次ドゥアル戦争とドチュラ祭―」

【概要】
 ブータンといえばGNH(国民総幸福)が思い起こされますが、この理念の背景にはブータンの伝統的な思想、とりわけ仏教思想が存在しています。ブータンという国の理解にはブータンの仏教を理解しておく必要があります。今回は、チベット密教の専門家(仏教学・文化人類学)である永澤哲氏に、2003年の第二次ドゥアル戦争とドチュラ祭との関係についてお話を頂きました。
 ブータンは1990年代後半より、ブータン南部に立て籠もっていたアッサム分離・独立派ゲリラに対し、再三の退去要求をしていましたが要求は受け入れられませんでした。2003年にはインド側からゲリラ掃討に関する最後通牒を受けたことで、アッサムゲリラの国外一掃軍事作戦を行いました。しかし、非暴力・不殺生を掲げる仏教的倫理観と、この軍事行動との狭間で、ブータンは大きなジレンマを抱えるに至りました。戦争後、勝利パレードなどは一切行われず、ドチュラ峠には、ゲリラ側およびブータン側の戦没者慰霊のため仏塔が建立され、ドチュラ祭が行われるようになりました。
 本ご発表では、戦争に至る経緯やその後の展開について時系列にご解説頂いたのち、ドチュラ祭で行われている踊りについても詳細に解説をして頂きました。会場からは、ブータンにおける仏教の位置づけや、経典や踊りの浸透具合や理解度などについて多岐にわたる質問がなされました。
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13.12.25

上廣フォーラム~日本人の生き方 「わが先人・師を語る」 京都大学知の伝統

上廣フォーラム~日本人の生き方 「わが先人・師を語る」
京都大学知の伝統

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▽ 日時:2014年1月26日(日) 10:30~16:30 (受付開始 10:00~)
▽ 会場:京都大学 稲盛財団記念館3階大会議室
      (京都市左京区吉田下阿達町46(荒神橋東詰))
▽ 参加費:無料
▽ 定員:150名(申込による先着順) *定員になり次第、締め切らせていただきます。
▽ 対象:どなたでもご参加いただけます。
*NHKラジオ第二放送(693kHz)文化講演会 同時収録

■プログラム
  10:30~10:40  開会挨拶 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センタ―長)
丸山登(上廣倫理財団・事務局長)
  10:40~12:10 「河合隼雄との三度の再会」
河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授)
  13:10~14:30 「今西錦司先生と仲間たち」
河合雅雄(京都大学名誉教授)
15:00~16:30 「髙坂正堯先生の日本への思い」
中西寛(京都大学法学研究科教授)

申込方法
E-mail またはFAXでお申込みください。件名に「京都大学の知の伝統シンポジウム」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
必要事項:①氏名(ふりがな)②ご連絡先(E-mail または Fax番号)
申込受付完了後、こちらよりご連絡差し上げます。

連絡先/申込先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス
(平日9時~16時)
E-mail: kokoro-uh*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(お手数ですが、*を@に変えてください)
FAX:075-753-9680
URL:http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

13.12.20

京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 2013年度研究報告会 「生きることの価値」

京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門
2013年度研究報告会 「生きることの価値」

定員に達したため、募集を締め切りました。

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日時:2014年1月25日(土)14:00~17:50 (13:30受付開始)
場所:稲盛財団記念館3階大会議室
   (京都市左京区吉田下阿達町46(荒神橋東詰))
参加費:無料
定員:100名(申込みによる先着順) 定員になり次第、締め切らせていただきます。

定員に達したため、募集を締め切りました。

プログラム:
・14:00 - 14:05 センター長挨拶
 吉川左紀子(こころの未来研究センター教授・センター長)

・14:05 - 14:15 来賓ご挨拶
 丸山登氏(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)

・14:15 - 14:30 上廣こころ学研究部門の紹介
 カール・ベッカー(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

 研究報告セッション①「生きることの価値とその揺らぎ」(14:30 - 16:00)
 座長・コメンテーター 河合俊雄(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

・14:30 - 14:50 「現代社会における主体と価値の揺らぎ」
 畑中千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)

・14:50 - 15:10 「病をめぐる自己の揺らぎ」
 長谷川千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)

・15:10 - 15:30 「認知症における家族介護者の価値の揺らぎ」
 清家理(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)

・15:30 - 16:00 パネルディスカッション

 -休憩- 16:00 - 16:15

 研究報告セッション②「幸福感と伝統の価値」(16:15 - 17:45)
 座長・コメンテーター 鎌田東二(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

・16:15 - 16:35 「身体の学びと伝統の価値の探究」
 奥井遼(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)

・16:35 - 16:55 「GNH(国民総幸福)政策に見られる伝統の価値の探究」
 熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)

・16:55 - 17:15 「脳科学による幸福感の探究」
 阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)

・17:15 - 17:45 パネルディスカッション

・17:45 - 17:50 閉会の挨拶
 鎌田東二

申込方法
E-mailにてお申込みください。件名に「上廣報告会 申込み」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
必要事項:①氏名(ふりがな)②所属・職名 ③返信用ご連絡先(メールアドレス)
申込受付完了後、こちらよりご連絡差し上げますので、返信用メールアドレスは明確にお願いします。

連絡先/申込先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス
(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-event-2*educ.kyoto-u.ac.jp(お手数ですが、*を@に変えてください。)
URL: http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

13.12.16

河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』が出版されました

131202otonanohattatsusyogai.png 河合俊雄教授が田中康裕教育学研究科准教授と編・著者を務め、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が第7章、第13章を執筆した『大人の発達障害の見立てと心理療法 (こころの未来選書)』が創元社より11月11日に出版されました。本書は、上廣こころ学研究部門における臨床心理学領域のプロジェクトの一つである「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」の研究成果がまとまった一冊です。


 河合教授は「第Ⅰ部 概説」において、近年増える大人の発達障害について社会的背景を説明し、その大きなキーワードとして「主体のなさ」に着目。主体の成立へとつながる心理療法的なアプローチの具体的な事例を紹介しつつ、その可能性を探り、本書の全体像を明らかにしています。第IV部「社会・文化的背景」では「家族関係の希薄化と密着化」というタイトルで、心理療法からみた日本社会における家族関係の変化と個の主体の喪失について考察。「あとがき」では各章のポイントと執筆者のねらいをまとめています。


 畑中助教は、「第III部 アセスメント」の「第7章 発達障害のロールシャッハ・テストにおける不確定反応――主体と対象の確定の試み」と、「第IV部 社会・文化的背景」の「第13章 発達障害の時代における自己の現況と変遷――ミクシィからフェイスブックへ」を執筆。第7章では、ロールシャッハ・テストの実験結果から「不確定反応」という指標を取り上げ、発達障害の人の主体性の弱さを明らかにすると共に、その現われ方を分析し、発達障害理解のための手がかりを提示しています。第13章では、ミクシィとフェイスブックという日本におけるソーシャルネットワークサービスの人気の変化に注目し、それぞれの特徴の違いから、現代のネット社会と個人の主体のあり方の変化をみつめ、考察しています。


『大人の発達障害の見立てと心理療法 (こころの未来選書)』


○内容紹介
 近年増加が指摘され、治療も困難とされる大人の発達障害に対して、どのような見立てを持ち、どのようにアプローチすればよいのか。描画や箱庭、夢分析を用いた数多くの心理療法の試みと、発達障害の背景にある社会・文化的要因の考察を通じて、従来の「主体」を前提とした心理療法モデルに代わる、「主体」の成立を図る新たなアプローチを提示する。さまざまな問題や症状に覆い隠された大人の発達障害の核心に迫る。
(書籍紹介文より)


○目次
第Ⅰ部 概説
第1章 大人の発達障害における分離と発生の心理療法 .... 河合俊雄
第2章 未だ生まれざる者への心理療法――大人の発達障害における症状とイメージ .... 田中康裕
第II部 事 例
第3章 社交不安障害と診断された20代女性との心理面接――絡まりがほどける時 .... 安念直子
第4章 発達障害傾向のある男性との心理面接――夢分析における「私」が立ち上がるプロセス .... 西谷晋二
第5章 アスペルガー障害と診断された10代男子との面接過程――分離の契機という観点から .... 橋本尚子
第6章 産婆としての心理臨床――母と息子が個々の心を実感したプロセス .... 渡辺あさよ
第III部 アセスメント
第7章 発達障害のロールシャッハ・テストにおける不確定反応――主体と対象の確定の試み .... 畑中千紘
第8章 発達障害的世界の理解のために――描画・箱庭等の表現媒体を通じて .... 石金直美
第9章 風景構成法に見る大人の発達障害の心的世界 .... 長野真奈
第IV部 社会・文化的背景
第10章 家族関係の希薄化と密着化 .... 河合俊雄
第11章 「発達障害増加」と言われる裏側にあるもの――絵本の代わりにタブレット .... 岩宮恵子
第12章 現代におけるユビキタスな自己意識――サイコロジカル・インフラの消失と発達障害 .... 田中康裕
第13章 発達障害の時代における自己の現況と変遷――ミクシィからフェイスブックへ .... 畑中千紘
註および文献
あとがき .... 河合俊雄


・出版社:創元社
・刊行年月日:2013/11/11
・ISBN978-4-422-11226-8
・判型 A5判 210mm × 148mm 256頁


※出版社の書籍ページでは、河合教授による概説の一部とあとがきの全文をお読みいただけます。下記リンクよりアクセスしてご覧ください。


創元社の書籍ページ
Amazon.co.jpの書籍ページ

13.12.02

第1回京都大学ヒマラヤ宗教研究会の報告

【イベント名】第1回京都大学ヒマラヤ宗教研究会
【日時】 2013年9月13日(金)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【司会者】 熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター・准教授)

【概要】
 ヒマラヤ地域には、チベット仏教やヒンドゥー教、ボン教、さらには地域ごとの土着信仰など様々な宗教形態が存在していますが、その文化的影響はインドから中国、遠くモンゴルにまで及びます。しかしながら、通常、研究は地域ごと、分野ごとに棲み分けて行われるため、同じヒマラヤ地域の宗教文化を対象とする研究者でありながら、相互の情報交換・共有は難しいのが現状です。
 そこで、このたび、こころの未来研究センターは、ヒマラヤ地域の宗教およびその文化圏に関する研究に取り組む若手研究者を中心に互いの研究情報を交換し、若手間の交流を活性化することによって、ヒマラヤ圏の宗教文化研究全体の底上げを目指し、「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」を立ち上げました。
 第1回は、国内の若手研究者が集まって当研究会の方針を確定するとともに、今後のヒマラヤ宗教研究のありかたについて議論を行いました。今後、定期的に研究会を開催するとともに、メーリングリストやSNSなどを用い、参加者各自の研究の進捗について適宜情報交換を行っていく予定です。

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13.10.22

2013年度前半期のブータン研究会・ワークショップの報告

2013年度前期には、計3回のブータン研究会・ワークショップを開催いたしました。
以下、各研究会、ワークショップの概要をご報告いたします。



【イベント名】第5回京都大学ブータン研究会
【日時】 2013年4月25日(火)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 上田晶子(大阪大学グローバルコーポレーションセンター・准教授)
【講演題目】「ブータンの農村におけるフードセキュリティ」
コメンテーター 熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター・准教授)

【発表概要】
近年、ブータンでは、首都ティンプへの人口集中とともに、各地で都市化が進行しています。その一方で、農村地域では過疎化に歯止めがかかりません。今回は上田晶子氏に、ブータンの農村におけるフードセキュリティの問題についてお話頂きました。
ブータンでは近代化が進むにつれ、道路交通網が変化し、労働形態が変容を遂げて来ています。また、都市化による首都ティンプへの人口集中の反面、過疎化によって農村地域がいかに変貌しつつあるかなどを事細かに解説して頂きました。さらに、食糧としての作物生産のみならず、換金作物による収入や、農業以外の収入源の実際などについても、これまでの歴史と現状の両面から、詳しく説明して頂きました。
 質疑応答では、コメンテーターの熊谷誠慈氏が、仏教学の視点から、ブータンの農村文化に垣間見える仏教的理念についてコメントを行いました。また他の参加者からも、中国との交易の歴史と現況、香辛料や食品の種類、都市部と農村部との関係などについて、多くの質問や意見が寄せられ、活発な議論が取り交わされました。


 

【イベント名】第6回京都大学ブータン研究会
【日時】 2013年7月4日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 福島慎太郎氏(こころの未来研究センター・研究員)
【講演題目】「ブータンのGNH政策と幸福の多層性」
コメンテーター 内田由紀子氏(京都大学こころの未来研究センター・准教授)

【発表概要】
 GNH(国民総幸福)は、ブータン王国の代名詞ともいえる理念であり、国策の大きな基盤となっています。この理念を理解しなければ、ブータンという国の現在を理解することは難しいと言えます。
今回は、地域社会学、社会心理学の専門家である福島慎太郎氏に、地域社会学的視点から、ブータンのGNH政策の現状と今後の展望についてお話頂きました。
福島氏は、西ブータンのハ県の幸福度が他地域よりも高いことに注目し、その理由の1つとして農村コミュニティが機能していることを挙げました。日本でも都市部より農村部が高い幸福度を維持していることから、この現象は、地域差を超えた普遍的なものではないかという見解が、実例を交えながら解説され、幸福実現のためにコミュニティ(人のつながり)がいかに重要であるかが明確に示されました。
質疑応答では、コメンテーターの内田由紀子氏が、経済的な豊かさとこころの豊かさ、都市部と地方、地域と個人などのバランスをとりながら、いかに幸福度を高めていくべきかについて、さらに議論を掘り下げ、参加者全員で討議を行いました。

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【イベント名】ブータンワークショップ(第7回京都大学ブータン研究会)
【日時】 2013年9月11日(水)13:00~14:30
【場所】 京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
【発表者】 高橋孝郎氏(国際金融公社:元ブータン首相フェロー)
【講演題目】「ブータンのGNH(国民総幸福)政策の詳細と現状」
コメンテーター 内田由紀子氏(京都大学こころの未来研究センター・准教授)

【発表概要】
 ブータンはGNH(国民総幸福)を単なるスローガンに留めず、具体的な政策に反映させるために幾つもの施策を講じており、今や国内外から大きく注目されています。
本ワークショップでは、元ブータン首相フェローの高橋孝郎氏にお越し頂き、GNHの解説を行って頂いた上で、氏がGNH委員会の実務を自ら経験される中で学ばれた政府の取り組みの骨子と、GNH 調査から読み取れるブータンの現状について語って頂きました。また、ブータンの国会における与野党逆転を引き起こした本年7月の総選挙の背景にある経済問題についても解説して頂きました。そして、ブータンとGNH の可能性、そして日本がブータンから学ぶべき点など、有益な提言を行い、お話しを締めくくられました。
 質疑応答では、ブータンの金融政策や農業政策、国内の物流や輸出入、さらに、ブータンに対して日本以外の国々がどのような関心を抱いているかなど、様々な視点から質問がなされ、大変活発なディスカッションが行われました。

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ワークショップの様子

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GNH政策の基本構造を解説する高橋孝郎氏

13.10.17

『本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ』で福島研究員が話題提供しました

京都府立図書館主催の『本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ:第四弾「つながり」をたどる』で福島慎太郎 研究員(上廣こころ学研究部門)が話題提供しました。


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▽ 日時:2013年9月21日(土曜日)13:00~16:30
▽ 会場:京都府立図書館 3階マルチメディアインテグレーション室
▽ 主催:京都府立図書館
▽ 共催:井戸端サイエンス工房


「本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ」は、研究者からの話題提供や参加者同士のコミュニケーションを通じて、ひとつのテーマに対して多様な角度から知識や考えを深め、より能動的な読書へのきっかけをつくることを目的としています。【第四弾:「つながり」をたどる】は、2013年9月21日(土)京都府立図書館にて開催されました。


 ワークショップは、大きく二つのパートからなっていました。


1)研究者のお話を聞く、新しい視点との"出会い" の時間


2人の研究者のお話を聞きながら、この日のテーマ「つながり」へのイメージを膨らませる時間でした。

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1人目は、地域における人々の研究をしている福島慎太郎さん。東日本大震災以降、重視されてきた「つながり」「きずな」(信頼関係)ですが、福島慎太郎さんは、このつながりを大きく二つに分けて調査しています。二つの信頼(不特定の他者に対する信頼&自分が知っている特定の他者に対する信頼)を指標として、日本の農村地域と都市部とで、つながりにどのような違いがあるのかをお話しされました。
2人目は、森と里と海のつながりを研究している福島慶太郎さん。森の健康状態を、窒素(硝酸)を手がかりに調査しています。窒素の流れをたどることによって森だけでなく、森を流れる川、川の近くの里や川が流れ着く海が、それぞれお互いにどのように影響しているのかをお話しされました。


2人のお話を聞いて、「つながり」に対する新しい見方が発見できたはず。


2)参加者同士で語り合う、本との"出会い" の時間


 研究者からの話題提供も参考にしながら、グループで「つながり」に関するイメージやアイディアを出し合う時間をとりました。付箋を使ってキーワードをどんどん挙げながら。ここで出したキーワードも頭に置きつつ、図書館内を探検して、「つながり」に関連しそうな本を集めてもらいました。
 探しにいってすぐに選んで帰ってくる人、なかなか決められなかった人。一冊だけ厳選して選んできた人、選びきれなくてたくさんの本を選んできた人。本の選び方だけでもそれぞれ全く異なっていました。
 みんなが持ち帰った本をグループで共有した後は、グループ内で『これはよい出会いだった!ベスト1』の本を決めます。そして、他のグループの人にプレゼンです。最後は、2人の研究者からこれが読みたい!という本を選んで、ゲスト賞を出してもらいました。


 みんなでつくった『つながりの本棚』。ワークショップ後の1週間は、京都府立図書館で展示されます。
(もちろん、この本棚に並んだ本は、来館者の方が借りてかえることができます。)


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13.10.11

長谷川研究員と河合教授の共著論文が『Psychologia』に掲載されました

IMG_6542.jpg 長谷川千紘研究員(上廣こころ学研究部門)と河合俊雄教授他の共著論文 " Psychological Characteristics of the NEW-FFI and the Tree Drawing Test in Patients With Thyroid Disease " が、国際心理科学誌『Psychologia』第56巻2号(2013年6月/発行:プシコロギア会)に掲載されました。


 論文は、「甲状腺疾患におけるこころの働きとケア」プロジェクトの一環として、2種類の心理テストから甲状腺疾患患者の心理的特徴を検討したものです。意識的に回答される質問紙では極めて標準的な反応を示す一方で、無意識的なあり方が反映されるバウムテスト(投映描画法)では自我境界の曖昧さが示されました。そのため、心理療法では表面に現れてきにくい深いレベルまで見通していく必要があるのではないかと考察しています。


C.Hasegawa, K.Umemura, M.Kaji, N.Nishigaki, T.Kawai, M.Tanaka, Y.Kanayama, H.Kuwabara, A.Fukao, & A.Miyauchi(2013) Psychological Characteristics of the NEW-FFI and the Tree Drawing Test in Patients With Thyroid Disease. Psychologia, 56(2), 138-153


国際心理科学誌『Psychologia』(プシコロギア会)ウェブサイト

13.09.27

奥井遼研究員の論文が『教育哲学研究』第107号に掲載されました

 奥井遼研究員(上廣こころ学研究部門)の論文「身体化された行為者(embodied agent)としての学び手 ーメルロ=ポンティの『身体』概念を手がかりとした学びの探求ー 」が、『教育哲学研究』第107号(発行:教育哲学会/2013年5月)に掲載されました。


 からだを使ったわざの習得に関わる行為と言語のやりとりに注目し、教育における「学び」の再検討を研究課題としている奥井研究員は、本論文においてメルロ=ポンティの現象学的身体論を土台に、クロスリーの「身体化された行為者」という観点から行為論を検討。様々な議論を取り上げながら、相互交流的な「身体による学び」の作用からその先の展望までを丹念に論じています。


奥井遼(2013)身体化された行為者(embodied agent)としての学び手 ーメルロ=ポンティの「身体」概念を手がかりとした学びの探求ー . 『教育哲学研究』107号 60-78


IMG_7755.jpg一 「主体としての身体」と教育
二 メルロ=ポンティの行為論 ー身体は個別的なものか?
三 身体図式の組み替えとしての学び
四 言語=所作の獲得における身体の「転調」
五 学びの共同性ー個から個、から「共同作業」
おわりに ーミクロな相互行為の記述に向けて


 身体化された行為者にとって学びとは、教え手との行為の編み目のなかで、自らを越え出て、自らを越え出たものを取り込みながら変容していく営みである。その学びは、絶えざる相互交流のなかにあるために、常に現在的で流動的である。とすれば、教育的な意図や、管理的な力といったものでさえ、そうした現場を活性化させる項の一つとして位置づけることができる。例えば、表象的な記号操作のみを強化するかのような「塾」という場は、「偏差値」や「受験」などの力によって方向づけられているがーーたとえそれが、かつての村落共同体や職業集団が培ってきたような参加型の教育システムとはかけ離れたものであったとしてもーー、それでも学び手は、教え子とのミクロで相互的な交流のなかにあって学習の場を行きた世界として経験しているのである。
 そうした相互交流的な学びの作用は、漫然と居合わせるだけでは体感されないし、体感することによって変容していくことだろう。哲学的な記述と、身を投じた行為との、どちらに傾くともなく追求し続ける態度を徹底させることによって、そうした作用にまなざしを向けていくことが求められている。


(論文より抜粋)


教育哲学会公式サイト

13.09.02

福島研究員が京都府立図書館のワークショップに話題提供者として参加します

福島慎太郎研究員が、9月21日(土)に開催される京都府立図書館のワークショップ【本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ 第四弾 「つながり」をたどる】に話題提供者として参加します。


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 「本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ」は、研究者からの話題提供や参加者同士のコミュニケーションを通じて、ひとつのテーマに対して多様な角度から知識や考えを深め、より能動的な読書へのきっかけをつくることを目的とした場です。
 今回のテーマは「つながり」です。私たちのまわりに存在する様々な「つながり」をたどると、その先には?ー「つながり」に思いをはせてみませんか。

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本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ 第四弾
「つながり」をたどる


平成25年9月21日(土曜日)13時開始
京都府立図書館にて


応募締め切り:9月8日(日曜日)

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ワークショップは、大きく2つのパートからなります。

1.新しい視点との"出会い"の時間
地域における人々の研究をしている福島慎太郎さんと、森と里と海のつながりを研究している福島慶太郎さんのお二人に、それぞれの観点から「つながり」について話題を提供していただきます。
「つながり」に対する新しい見方が発見できるはずです。
2.本との"出会い"の時間
図書館の書架の間を歩きながら、今回のテーマ「つながり」に関わる本を集めてきます。
もちろん、お気に入りの本と出会うことができたら、図書館から借りて帰ることもできます。
1人で探しても出会えなかった本との出会いが待っているはずです。


【日時】
平成25年9月21日(土曜日)13時00分縲鰀15時30分
(受付開始:12時30分)


【場所】
京都府立図書館 3階マルチメディア室


【お話をする研究者】
福島 慎太郎さん
京都大学こころの未来研究センター 研究員


福島 慶太郎さん
京都大学フィールド科学教育研究センター 特定研究員


【参加費】
無料


【定員】
30名(事前申込み制)
*応募者多数の場合には、抽選となります。


【対象】
どなたでも参加できます。


【申込み方法】
以下のいずれかの方法で、「ワークショップ申込」と明記の上、お名前・連絡先(メール、FAX番号等)をお伝えください。
なお、申し込み先は、「京都府立図書館」です。
*個人情報は今回の催し運営にのみ使用いたします。


1)Eメール:tosyokan-shiryou@pref.kyoto.lg.jp
2)FAX:075-762-4653
3)京都府立図書館のカウンターにて受付


【応募締め切り】
平成25年9月8日(日曜日)


【参加の可否についてのご連絡】
9月13日(金曜日)までに、京都府立図書館からお知らせします。


【お問い合わせ先】
京都府立図書館 総務課企画調整係
TEL:075-762-4655(代)


【主催】
京都府立図書館
http://www.library.pref.kyoto.jp/


【共催】
井戸端サイエンス工房
http://islkyoto.web.fc2.com/


井戸端サイエンス工房は "科学の多様な楽しみ方を提案する" というコンセプトのもと、様々な企画を立案・運営していこうとする、京都大学の学生が主体となった団体です。

13.08.16

阿部准教授の論文が "Neuroscience Research" と "Brain and Development" に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文が、"Neuroscience Research Vol.76-4" と "Brain and Development Vol.35-5" に掲載されました。


 "Neuroscience Research" に掲載された論文は阿部准教授が筆頭著者で、「虚再認」と呼ばれる記憶のエラーに関わる脳活動を、fMRIで調べた研究結果をまとめています。"Brain and Development" には共著論文が掲載され、Prader-Willi症候群における食行動の異常と脳血流との関係を見た研究となっています。


Abe N, Fujii T, Suzuki M, Ueno A, Shigemune Y, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2013)
Encoding- and retrieval-related brain activity underlying false recognition
Neuroscience Research 76 (4): 240-250


Ogura K, Fujii T, Abe N, Hosokai Y, Shinohara M, Fukuda H, Mori E (2013)
Regional cerebral blood flow and abnormal eating behavior in Prader-Willi syndrome
Brain and Development 35 (5): 427-434


 論文の abstract や概要は下記リンク先ページにてご覧いただけます。


Science Direct: "Neuroscience Research Volume 76, Issue 4"
Science Direct: "Brain and Development Volume 35 Issue 5"

13.08.01

国際チベット学会で"Bhutanese Buddhism and Its Culture"を開催。熊谷准教授、安田研究員、松下研究員が口頭発表を行いました

 2013年7月23日、モンゴル国立大学で開催された国際チベット学会において、熊谷誠慈准教授の企画による "Bhutanese Buddhism and Its Culture"(ブータン仏教と文化)と題する研究部会を開催し、計8名が口頭発表を行いました。こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門からは、熊谷准教授、松下賀和研究員、安田章紀研究員の3名が以下の題目で口頭発表を行いました。


 熊谷准教授は「ブータンにおける宗教マイノリティの研究」、松下賀和研究員は「ドゥク派開祖ツァンパギャレーのマハームドラー理論の紹介」、安田章紀研究員は「ペマリンパに発見されたギュブチュン文献の研究」という演題での発表でした。詳しい英語タイトル、全ての発表者の演題は下段の「発表者と演題」をご覧ください。


 また、本研究部会ではセンター外からの発表者として、ルンテン・ギャツォ(王立ブータン大学言語文化研究所・所長)、デンドゥプ・チューペル(王立ブータン研究所・研究員)、デヴィッド・ディヴァレリオ(ウィスコンシン大学・助教)、リアンサラ・クヤカノン・クナップ(ケンブリッジ大学・大学院生)、エリザベス・モンソン(ハーバード大学・大学院生)ら5名の研究者が口頭発表を行いました。


 ブータンに対する注目は世界的に高く、本研究部会にも非常に多くの研究者が聴講に訪れ、活発な議論が取り交わされました。本研究部会の発表者を中心に、近日中に論文集を刊行する予定です。本会議への参加には上廣倫理財団からのご支援をいただきました。心より感謝申し上げます。


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[DATA]
▽研究会名:"Bhutanese Buddhism and Its Culture"(ブータン仏教と文化)
▽場所:モンゴル国立大学(国際チベット学会会場)
▽日時:2013年7月23日
▽企画者:熊谷誠慈准教授(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門)
▽発表者と演題:
・熊谷誠慈准教授(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門) "A Study on the Religious Minorities in Bhutan"(ブータンにおける宗教マイノリティの研究)
・松下賀和研究員(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門) "Introduction on the Theory of Mahamudra by the Founder of Drukpa Kagyu: Tsangpa Gyare Yeshe Dorje (1161-1211)"(ドゥク派開祖ツァンパギャレーのマハームドラー理論の紹介)
・安田章紀研究員(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門) "A Study of rGyu bu chung discovered by Pema Lingpa"(ペマリンパに発見されたギュブチュン文献の研究)
・ルンテン・ギャツォ(王立ブータン大学言語文化研究所・所長) "A Note on the Concept of Happiness and Prosperity Beyond the Radar of 'Deluded Self'"(幸福という概念と惑った自己の探知機を超えた繁栄)
・デンドゥプ・チューペル(王立ブータン研究所・研究員) "Byis pa'i dpa' bo: The Dance of Youthful Heroes"(若き英雄の舞踏について)
・デヴィッド・ディヴァレリオ(ウィスコンシン大学・助教) "Who was Drukpa Kunle?"(ドゥクパ・クンレとはいかなる人物か?)
・リアンサラ・クヤカノン・クナップ(ケンブリッジ大学・大学院生) "Mountain Closure Practice, Buddhist Sacred Sites and Ecological Knowledge in Eastern Bhutan"(閉山儀礼:東ブータンにおける仏教聖地と生態学的知識)
・エリザベス・モンソン(ハーバード大学・大学院生) "Alternative Voices: The Case of the Imperfect Saint, Kun dga' Legs pa"(破天荒な言説:不完全な聖者クンガレクパのケース)


(報告:熊谷誠慈准教授/こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門)

13.07.31

畑中助教のコメントが朝日新聞『京大学食「ぼっち席」人気』記事に掲載されました

130729bocchi.png 7月29日付の朝日新聞・朝日新聞デジタルに『視線気にせずおひとりさま 京大学食「ぼっち席」人気』という記事が掲載され、学生の声などと共に、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)のコメントが掲載されました。


 最近、京大の食堂にできた、ついたてのある「おひとりさま」でも視線を気にせず食べやすい「ぼっち席」が人気だそうです。「大きなテーブルだと恥ずかしい」「急いでいるとき便利」という学生の声と共に、提供する生協側ではテーブルの回転効率が上がったということで、神戸大など他大学にも「ぼっち席」が広まりつつあるそうです。


 記事の最後に登場した畑中助教は、「孤独を恐れる現代の若者らしさがみてとれる。60年代以降、日本の若者に多くみられた『対人恐怖』では、実際に見られていなくても他者の視線を過剰に意識する傾向があった。ついたてで自分の視界を遮れる『ぼっち席』には、対人意識のあり方の変化が表れているようだ」(記事より抜粋)というコメントを提供しています。


 記事は朝日新聞デジタルでご覧いただけます。こちら

13.07.29

清家助教の論文が『日本精神科病院協会雑誌』に掲載されました

 清家理助教(上廣こころ学研究部門)の論文が、『日本精神科病院協会雑誌 第32巻・第6号』に掲載されました。


「診療と一体化した認知症患者および家族への早期支援介入の意義 国立長寿医療研究センター もの忘れセンター『もの忘れ教室』の取り組み」


清家理1.2 櫻井孝1 鳥羽研二1(1.国立長寿医療研究センターもの忘れセンター、2.京都大学こころの未来研究センター)


はじめに
 わが国における認知症患者数は、増加の一途である。高齢者の14.4%(約400万人)が認知症であり、かつ同数の軽度認知障害患者(mild cognitive impairment: MCI)が存在すると推計される。近年、認知症予防に関する研究、診断技術や新約開発等、認知症診療をとりまく環境は大きく変化している。そのようななか、藁にもすがる思いで、認知症疾患医療センターにたどりつく患者や家族も少なくない。しかし、認知症の確定診断がついたあと、認知症の経過のなかでも生じる精神症状に、家族が翻弄されるケースもしばしば見受けられる。その結果、在宅介護の限界を超え、精神病院への長期入院を余儀なくされている。(中略)
 そこで国立長寿医療研究センターでは、認知症の確定診断がついた時点から、認知症患者と家族に対する包括的な教育プログラムを提供する試み(物忘れ教室)を始めている。本実践はアクションリサーチでもある。本稿では筆者ら家族教室の概要を紹介し、初年度の結果を提示する。


(論文より)


 認知症患者が増加の一途をたどる日本の認知症施策において、「早期支援機能」「早期回避支援機能」がケアの基本とうたわれるなか、本研究では、「早期支援」を「認知症の鑑別診断がついた時点で、医療(キュア)と看護・介護(ケア)がシームレスかつ包括的に提供される処方箋」と位置づけ、認知症患者と家族に対して行った包括的な教育プログラムを提供する試み(もの忘れ教室)のアクションリサーチの結果を報告しています。論文では、もの忘れ教室の実施が、参加した患者や家族に認知症への対応術や知識獲得の機会を与え、認知症への理解や生活・介護上の不安解消や意欲向上など心理面への効果をもたらした、としています。

13.07.29

清家助教の共同研究が日本認知症ケア学会大会「石﨑賞」を受賞しました

 清家理助教(上廣こころ学研究部門)の認知症に関する共同研究が、日本認知症ケア学会大会の2013年度「石﨑賞」を受賞しました。


 石﨑賞は、日本認知症ケア学会大会において優秀な演題発表をした者に対し贈られる賞です。認知症ケアに関する独創性・有用性・発展性の観点から評価されます。清家助教らの研究「認知症を有する人と家族に対する早期教育的介入の必要性」(筆頭発表者:櫻井孝国立長寿医療研究センターもの忘れセンター外来部長)は、6月1日・2日に開催された「第14回日本認知症ケア学会大会」で発表され、17の受賞演題のひとつに選ばれました。


「認知症を有する人と家族に対する早期教育的介入の必要性 ー認知症疾患医療センターにおける「もの忘れ教室」アクションリサーチからの考察ー」櫻井孝1. 清家理1.2, 住垣千恵子1. 武田章敬1. 遠藤英俊1. 鳥羽研二1(1 国立長寿医療研究センター, 2 京都大学こころの未来研究センター)


【背景と研究目的】
 認知症政策では、「早期診断・早期対応」が重点課題となった。併せて、患者や家族が早期に治療や生活の備えをする視点も重要である。今回、「早期」「キュアとケアの連続性」を重視したくりにかるサービスを「もの忘れ教室」として開始し、この取組みを「早期教育的介入」と設定した。そこで本研究の目的を「認知症の確定診断直後の患者、家族に対する早期教育的介入の必要性の検証、実証」とした。


(発表内容より抜粋)


一般社団法人日本認知症ケア学会「石﨑賞」のページ

13.07.22

熊谷准教授が、イギリス・オックスフォード大学で開催された2013年カーネギー・上廣・オックスフォード倫理会議にて、口頭発表を行いました。

熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が、2013620日、21日にオックスフォード大学セントクロスカレッジにて開催された、2013 Carnegie-Uehiro-Oxford Ethics Conference2013年カーネギー・上廣・オックスフォード倫理会議)に参加し、"Bhutanese Spirituality and Gross National Happiness"(ブータン人の精神性と国民総幸福)という題目で口頭発表を行いました。ブータンの掲げる「国民総幸福」(GNH)政策は、近年、各国から注目されていますが、「国民総幸福」政策と、その根底に存在する仏教思想との関係については、これまであまり研究されてきませんでした。そこで、同准教授は、GNHをテーマとして、仏教倫理哲学思想とブータン人の幸福観との関係性について分析を行い、ブータン人の保持する幸福区分を仮説として提示しました。本発表の詳細については、近日中に学術雑誌等で公表される予定です。


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発表終了後に上廣オックスフォード倫理研究所のジュリアン・サヴァレスキュ教授と

13.07.19

阿部准教授が第15回ヒト脳機能マッピング学会で若手奨励賞を受賞しました

P7131126.JPG 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が、2013年7月5日・6日に東京大学伊藤国際学術研究センターで開催された「第15回ヒト脳機能マッピング学会」において、「若手奨励賞」を受賞しました。


 若手奨励賞は、同学会で発表された演題の中から35歳以下の筆頭発表者による優秀な抄録に対して贈られる賞です。今回、阿部准教授は「虚記憶の記銘と想起に関わる神経基盤」という演題で、記憶の間違いの背景にある脳活動をfMRIを用いて調べた研究について発表し、同賞に選ばれました。


 阿部准教授は、「このような賞を受賞できて大変光栄です。今後もさらに身を引き締めて研究を続けていこうと思います」と、コメントしています。


第15回日本ヒト脳機能マッピング学会のホームページ
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13.07.17

清家助教が「認知症の予防と治療」パネルディスカッションに登壇します

130708seike.png 清家理助教(上廣こころ学研究部門)が、7月15日に開催されるセミナー「認知症の予防と治療」(主催:杉浦地域医療振興財団、場所:京都テルサ)の第二部パネルディスカッション「多職種による認知症の困難事例の対応」に登壇します。


 医療倫理学・社会福祉学を専門とする清家助教は、本年4月よりこころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門の助教に着任し、終末期患者に対する支援や倫理的観点に基づく認知症介護改善に関する研究などを進めています。本セミナーのパネルディスカッションでは、「多職種による認知症の困難事例の対応」をテーマに、座長を務める荒井秀典京都大学大学院医学研究科教授らと共に、認知症患者の困難事例をみながら幅広い知見によるディスカッションが行われます。


 セミナーについて詳細は、主催者のページをご覧ください。


□杉浦地域医療振興財団
http://sugi-zaidan.jp/index.html

13.07.05

福島慎太郎・非常勤研究員が、ドイツのBad Homburgで開催された第12回日独社会科学学会にて、口頭発表を行いました

福島慎太郎・非常勤研究員が、ドイツのBad Homburgで開催された第12回日独社会科学学会にて、口頭発表を行いました(2013年5月23日)
Shintaro Fukushima & Yukiko Uchida, 発表タイトル:"Collective Well-Being in Japan"

13.05.31

熊谷准教授のフランス語論文が『Circulaire de la Societe Franco-Japonaise des Etudes Orientals』に掲載されました

 熊谷誠慈准教授のフランス語論文「Caracteristiques de la theorie des deux verites en Inde et au Tibet」(インドおよびチベットにおける二真実思想の特性)が、論文雑誌『Circulaire de la Societe Franco-Japonaise des Etudes Orientals』(第34-36号)に掲載されました。


Seiji KUMAGAI (2013): "Caracteristiques de la theorie des deux verites en Inde et au Tibet," Circulaire de la Societe Franco-Japonaise des Etudes Orientals, Vol. 34-36, pp. 15-20.


 論文は、インド仏教で成立した真理の概念区分(究極的真実と世俗的真実)が、チベット仏教に、さらにはヒマラヤの土着宗教であるボン教の中にどのように取り込まれていったのか、思想の受容過程を検証したものです。

13.05.17

上廣こころ学研究部門ウェブサイトを開設しました

上廣こころ学研究部門ウェブサイトを開設しました。メンバー、プロジェクトの概要を紹介します。今後の活動報告と関連ニュースはニュースの項目に掲載していきます。これまでの活動報告は、センターのニュースをご覧下さい。

13.05.14

畑中助教の論文が『箱庭療法学研究』に掲載されました

 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)の論文が、『箱庭療法学研究』第25巻第3号(発行:日本箱庭療法学会)に掲載されました。


Hatanaka,C(2013)From Dual Personalities to Reflected Adult Consciousness in the Psychotherapy of Dissociative Identity Disorder: The Dialectic Movement between Fake and Real 箱庭療法学研究25巻3号75-90

  In contrast to conventional approaches in which it is important to treat the cause of the dissociative symptom, this case of dissociative identity disorder is distinctive in the paradoxical process. Although the child personality of the patient (alter personality) was thought to be a kind of fake, it has been kept in therapy. The process in which her child personality had been one-sidedly exaggerated and emphasized dialectically led the patient to internalize the dissociated personality and have a self-relationship in the end.

("From Dual Personalities to Reflected Adult Consciousness in the Psychotherapy of Dissociative Identity Disorder: The Dialectic Movement between Fake and Real" Abstractより抜粋)

 臨床心理学を専門とし、いまの時代を生きる人々のこころに宿る問題と向き合い、研究に取り組む畑中助教は、本論文で解離性障害という現代の病に対して心理療法的視点からの新しい理解について論じています。

13.04.08

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2014年

「第36回こころの未来セミナー Death and Dying East and West:東洋・西洋における死と臨終」を開催しました

 「第36回こころの未来セミナー Death and Dying East and West:東洋・西洋における死と臨終」を2014年11月17日、稲盛財団記念館3階大会議室にて開催しました。


 講師に Tony Walter先生(Ph.D / Professor & Director of the University of Bath Centre for Death & Society)をお迎えし、 東洋・西洋における死や葬儀、死別悲嘆などに対する関係要因の影響についてお話いただきました。セミナーは英語でおこなわれましたが、企画・司会進行役を務めたカール・ベッカー教授が要所要所を日本語訳し、日本人学生や海外からの研究者など幅広い参加者が熱心に聴講していました。


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[開催ポスター]
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[DATA]
▽ 日時:2014年11月17日(月)15:30~17:00 (受付開始15:00~)
▽ 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽ 講師:Tony Walter先生(Ph.D / Professor & Director of the University of Bath Centre for Death & Society)
▽ 参加資格:特になし
▽ 参加費:無料 / 申込:不要
※本講演は、公益財団法人 上廣倫理財団 平成25年度研究助成により一部支援を受けています。
▽ 参加者数:約30名

14.12.25

京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 2014年度研究報告会 「学びの経験と社会」

京都大学こころの未来研究センター
上廣こころ学研究部門 2014年度研究報告会
「学びの経験と社会」

概要:こころの未来研究センターでは2012年4月より、公益財団法人上廣倫理財団の御寄付により上廣こころ学研究部門を開設しました。本研究部門では現代の日本社会が必要とする、倫理を含む広義の「こころ学」に関するユニークな学際的研究活動を行っています。今年度の研究報告会は「学びの経験と社会」をテーマに、3名の研究者による口頭発表とディスカッションを行います。

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▽ 日時:2014年12月21日(日)14:30~17:30(14:00 受付開始)

▽ 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 アクセス
    (京都市左京区吉田下阿達町46(川端近衛南東角))

▽ 参加費:無料

▽ 定員:100名(申込みによる先着順)。定員になり次第、締め切らせていただきます。

▽ プログラム
  ・14:30 - 14:35 センター長挨拶
   吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター教授・センター長)

  ・14:35 - 14:40 来賓ご挨拶
   丸山登(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)

  ・14:40 - 14:50 上廣こころ学研究部門の取組紹介
   河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

  ・14:50 - 15:20 研究報告①「学び合いから生まれる新たな価値と力 
   ―孤立防止のための互助・自助強化プログラム開発研究より」
   清家理(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)

  ・15:20 - 15:50 研究報告②「身体的経験を通じた学びの豊かさ ―淡路人形座における稽古場面より」
   奥井遼(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定研究員)

  ・15:50 - 16:20 研究報告③「嘘つきはより嘘つきに-繰り返される誘惑には抗えないのか?
   阿部修士(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)

  ・16:20 - 16:40 休憩 (質問用紙回収)

  ・16:40 - 17:25 部門研究者による全体討論
   モデレーター:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
   コメンテーター:熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)
   畑中千紘(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定助教)
   福島慎太郎(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・非常勤研究員)
   梅村高太郎(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・非常勤研究員)

  ・17:25 - 17:30 閉会の挨拶
   カール・ベッカー(京都大学こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

申込方法:
E-mailにてお申込みください。件名に「上廣報告会 申込み」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
必要事項:①氏名(ふりがな)②所属・職名 ③返信用ご連絡先(メールアドレス)
申込受付完了後、こちらよりご連絡差し上げます。
連絡先/申込先:
京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-uh*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
TEL:075-753-9681  
URL: http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

14.11.26

第3・4回京都大学ヒマラヤ宗教研究会の報告

【イベント名】第3・4回京都大学ヒマラヤ宗教研究会
【日時】 2014年10 月6日(月)16:30~18:00(第3回)
         11月17日(月)17:00~19:30(第4回)
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【発表者】 小西賢吾(京都大学こころの未来研究センター・研究員)
【講演題目】 「フィールドからみるボン教研究―ボン教の地域性に着目して」

【概要】
 「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」の第3・4回研究会を開催しました。本研究会は、ヒマラヤ圏の宗教・歴史・文化に関心を持つ若手研究者が最新の研究成果を共有・議論する場として、昨年度からこころの未来研究センターで立ち上がったものです。今回はこころの未来研究センター小西賢吾研究員が、ヒマラヤ圏の基層文化を考える上で不可欠な宗教「ボン教」について、最新の研究動向とフィールドワークの成果を2回にわたって紹介しました。講演の要旨は以下の通りです。
 ボン(ポン)教は、かつてチベット高原に仏教が伝来する以前から存在したといわれる宗教であり、近年ではヒマラヤ圏の基層文化を理解する上で不可欠な要素として国際的に注目を集めている。古代チベット王国の衰亡後、11世紀から仏教の「後伝期」のはじまりと並行して、ボン教もまた教義の整備を進め、現代に受け継がれる「ユンドゥン・ボン」の体系が成立した。その教義は、氏族による継承と、中央チベットのメンリ僧院を代表格とする僧侶共同体による継承の二つの側面をもっている。そのため、均一な教義・テクストにとどまらず、各地域に根ざした世界観もまた継承されてきた。
 発表者は、チベット高原東端部のシャルコク地方(中国四川省アバ州松潘県)でのフィールドワークを通じて、固有の地域性と、地域を越えたグローバルなネットワーク双方に支えられてボン教の実践が存続する動態を研究してきた。近年中国の急速な経済発展を背景に、現金収入が増加した人びとは多くの財を宗教活動に投じることが可能になった。それが端的に表れたチョルテン(仏塔、供養塔)建設の事例では、土地神を軸とするローカルな宗教空間と、よりユニバーサルな教義が複合しながら、「村を守る」宗教シンボルが確立したことを論じた。またシャルコクは20世紀以降地域を越えて展開するボン教徒ネットワークの重要な結節点でもあり、ボン教徒が現代の社会変容の中で自らの独自性と生き残りを模索する場となっていることを論じた。そしてボン教の現状をとらえるためには、欧米、中国、日本などを含めた研究者の連携が不可欠であることにも言及した。

 研究会には各分野の研究者が参加して活発な意見交換が行われ、ヒマラヤ宗教の現代的展開とその意義を多角的に議論する場となりました。


(小西賢吾 こころの未来研究センター研究員)

14.11.20

【京大学部生・院生むけ】京都大学付属図書館のレクチャーシリーズ第4回(11月27日)で熊谷准教授が講演します

 2014年11月27日に京都大学付属図書館1階ラーニング・コモンズで開催されるレクチャーシリーズ第4回 で熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が講師を務めます。


 テーマは「チベット・ブータンの宗教文化研究の紹介 〜文献研究およびフィールド研究の両側面から〜」です。仏教がインドから他国へとどのように伝播し、受容され展開していったかを、熊谷准教授がおこなってきた文献学やフィールド研究などに基づきながら解説します。


 セミナーの対象は、京都大学の学部学生、大学院生です(無料・自由参加)。該当者で興味のある方は、下記ページに詳細が載っていますので、ご覧ください。

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京都大学付属図書館レクチャーシリーズ<第4回>熊谷誠慈准教授(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門)

14.11.14

河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』の書評が『心理臨床学研究』に掲載されました

1411kawai_shinririnsho.png 日本心理臨床学会が発行する学会誌『心理臨床学研究』vol.32 No.3 に、河合俊雄教授と田中康裕教育学研究科准教授が編著者を務め、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が二つの章を執筆した『大人の発達障害の見立てと心理療法』(創元社)の書評が掲載されました。評者は、滝川一廣学習院大学教授です。


 『大人の発達障害の見立てと心理療法 』は、上廣こころ学研究部門における臨床心理学領域のプロジェクトの一つである「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」の研究成果がまとまった一冊です。書評では、全体に流れるテーマである「主体」の立ち上がりや世界の捉え分けに着目しながら書籍の全体像と各章の概要を紹介し、「『発達障害』を、ひとつのこころのあり方という観点から捉えて、心理療法的なアプローチの必要性と可能性とを追究し」、「『発達障害』とはいかなる現象かを考える上で示唆に富む内容をもっている」と評しています。


書評1『大人の発達障害の見立てと心理療法 河合俊雄/田中康裕 編』 評者 滝川一廣 学習院大学文学部


 本書の「発達障害」とは公汎性発達障害(自閉症スペクトラム)を指す。これを, 脳中枢神経系の障害という観点からではなく, ひとつのこころのあり方という観点から捉えて, 心理療法的なアプローチの必要性と可能性とを追究しているのが, 本書の大きな特色である。
 もう一つの特色は, 「大人」の発達障害を対象としたことである。ここで大人とは, 単に「成人年齢者」の謂いではなく, アンバランスはあるにせよ, 発達の歩みに極端なおくれはなく(だから幼小児期には発達障害とは気づかれず), 基本的な発達水準は成人レベルに達した人たちを指す。たとえば成人言語によるコミュニケーションが可能で, その点でも心理療法的アプローチに開かれていると言える。裏返せば, そこまで精神発達を遂げながらもなお抱える困難さに, この人々固有の「こころのあり方」が見てとれる。それがどんなあり方なのか, 1章で河合俊雄, 2章で田中康裕が論じている。
 河合は, そのこころのあり方の中核に「主体のなさ」を見る。そしてこれが本書所収の諸論文を貫く縦糸となっている。「主体」とはなにか。...


(書評より)


河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』が出版されました
出版社の書籍ページ
Amazon.co.jpの書籍ページ

14.11.06

「fMRI体験セミナー2014」を開催しました

 9月29日(月)、30日(火)の2日間に渡り、「fMRI体験セミナー2014」をこころの未来研究センター連携MRI研究施設南部総合研究1号館地階MRI実験室にて開催しました。


 本セミナーは、おもに学内の大学院生・学部生・研究員を対象に、現在の脳機能画像研究における主要ツールの一つ「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)」による研究を体感してもらうためにおこなっています。昨年に引き続き、企画運営、レクチャーおよび実験指導を阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、上田祥行助教、中井隆介研究員らが担当しました。


 今年は、文学研究科、人間環境学研究科、情報学研究科、経済学研究科、医学研究科など幅広い分野から、おもに大学院生を中心に学部生や研究員の方々が参加されました。はじめに、MRIの基礎と脳機能画像研究の概要について説明を受け、参加者全員がfMRI装置を実際に使った課題をおこないました。MRI装置の中では、右手の運動と左手の運動をおこなう課題を体験。実験後は、その場で担当者と共にデータの解析へ。運動課題によって脳のどの領域に活動が生じているかを実際に見て分析に挑戦し、質疑応答とディスカッションで知識を深めました。


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[開催ポスター]

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[DATA]
「fMRI体験セミナー2014」
▽日時:2014年9月29日(月)、30日(火)13:00~17:00 
▽場所:南部総合研究1号館地階MRI実験室
▽参加費:無料
▽対象:京都大学に所属する大学院生。今後、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)による研究を行おうと考えている方。
▽担当者:阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)、上田祥行(こころの未来研究センター・特定助教)、中井隆介(こころの未来研究センター・研究員)
▽主催:京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:29日・6人、30日・6人


<報告:阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)>

14.10.09

京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズの講演録が公開されました

1409kyodainochi.png こころの未来研究センターでは、研究拠点のある京都以外の様々な場所に研究者が赴き、研究成果を発信しています。


 2014年5月から6月にかけて、京都大学東京オフィスで4回に渡っておこなわれた連続講演会「東京で学ぶ 京大の知 シリーズ15『こころの未来-私たちのこころは何を求めているのか』」には、吉川左紀子センター長、河合俊雄教授、内田由紀子准教授、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)らが参加し、それぞれの研究分野での知見や成果を紹介し、ディスカッションをおこないました。


 この度、各講演会の詳しいレポートが京都大学のウェブサイトに公開されました。満員盛況となったレクチャーの様子をぜひご覧ください。


 以下、それぞれの概要とレポートへのリンクです。


○「日本文化における主体性とは何か -日本人の意識、感情、関係性からの考察」(2014年5月28日 )
講演者:内田由紀子准教授、ディスカッサント:吉川左紀子センター長
写真と詳しいレポート(PDF)


○「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から こころの未来研究センター」(2014年6月4日)
講演者: 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、ディスカッサント:河合俊雄教授
写真と詳しいレポート(PDF)


○「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福とその根底に横たわる精神性」(2014年6月11日)
講演者:熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)、ディスカッサント:吉川左紀子センター長
写真と詳しいレポート(PDF)


○「主体性は超えられるのか? -心理療法における揺らぎと超越」(2014年6月25日)
講演者:河合俊雄教授 、ディスカッサント:内田由紀子准教授
写真と詳しいレポート(PDF)

14.09.04

熊谷准教授のインタビューが京都新聞「探求人」に掲載されました

 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)のインタビューが、8月23日付京都新聞朝刊の教育面「探求人」に掲載されました。インタビューでは、研究室での様子を写したカラー写真と共に、熊谷准教授が研究人生へと踏み出したいきさつからブータン仏教と出逢ったきっかけ、現在、ブータン学研究室で取り組んでいる古文書の解読や現地に溶け込んでの活動など、独創性に満ちた研究生活がいきいきと語られています。


1408kumagai_kyotonp.png「探求人 『幸せの国』の仏教思想に迫る よりよい社会へのヒント ブータンと精神文化交流を」京都大こころの未来研究センター准教授 熊谷誠慈さん(34)仏教学


 「GNHが生まれたルーツを探ることで、現代社会に応用できる知恵を見つけられないだろうか」。そんな思いから、12年に「ブータン学研究室」を京都大こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門に設け、国内やブータンの研究者とともにブータン仏教の研究を始めた。
 対象とするのは他の研究者が手をつけていない領域だ。現地で探し出した古文書を日本に持ち帰って解読を進める一方、寺院や遺跡を訪ね、僧侶や土地の長老からその歴史を聞き取った。これまでの研究で、ブータン仏教の二大宗派であるドゥク派とニンマ派、少数宗派のサキャ派の思想や成り立ちの全体像がつかめてきた。


(記事より)


□関連情報
こころの未来研究センター ブータン学研究室のページはこちら

14.09.01

阿部准教授の論文が京都新聞や多数のテレビ番組で報道されました

 『Journal of Neuroscience』に掲載された阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」の内容が、京都新聞の「科学トピックス」や、全国放映のニュース番組やバラエティ番組などで多数報道されました。


 8月23日付の京都新聞朝刊の教育面では、論文の内容が詳しく説明され「人間の行動予測に役立つ可能性がある研究成果」と紹介されました。また、下記リストにあるように、テレビでも多数報道され、うそと脳活動の関係への社会の関心の高さがうかがえました。


1408abe_kyotonp.png【新聞報道:追加】
・京都新聞「科学トピックス うそと脳活動に関係」(8月23日付朝刊/教育面)


【テレビ報道:追加】
・日本テレビ ヒルナンデス(2014年8月6日)
・日本テレビ 情報ライブ ミヤネ屋(2014年8月6日)
・朝日放送 キャスト(2014年8月6日)
・日本テレビ Oha!4 NEWS LIVE (2014年8月7日)
・日本テレビ スッキリ!!(2014年8月7日)
・日本テレビ ウェークアップ!ぷらす(2014年8月9日)


□論文の発表記事と概要はこちら
阿部准教授の共著論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

14.09.01

阿部准教授の論文が日本経済新聞で報道されました

 『Journal of Neuroscience』に掲載された阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」の内容が、日本経済新聞(2014年8月6日夕刊14面)で報道されました。


1408abe_nikkei.png「うそつき、脳で分かる?京大、活動領域で解明 学生ら30人を測定」


脳の活動領域から正直者とうそつきの違いが分かったと、京都大の阿部修士特定准教授らの研究グループが発表した。報酬を期待する際に働く「側坐核」という領域の活動が活発な人ほど、うそをつく割合が高かったという。論文は7日、米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(電子版)に掲載される。


(記事より)


□論文の発表記事はこちら
阿部准教授の共著論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

14.08.20

京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画「第13回こころの広場」を開催しました

1408kokoronohiroba_1.png 8月6日、京都府と京都大学こころの未来研究センターの共同企画による「第13回こころの広場 悩みと不安のイマ、むかし ~心理学と宗教学から考える~」が稲盛財団記念館3階大会議室でおこなわれました。


 「こころの広場」は、毎年、「こころ」について多彩なテーマで一般の皆さんと考えるシンポジウムです。今年も大会議室を埋め尽くす満員のご参加をいただき開催しました。今回は、臨床心理学者と仏教学者がそれぞれの専門分野から、「悩みや不安」のむかしといまにスポットをあて、現代の私たちがどんな悩みと向き合っているかについて考える、ユニークなイベントとなりました。


 冒頭、司会進行を務めた河合俊雄教授が、シンポジウムの主旨とこころの未来研究センターの取り組みについて紹介しました。「センターは、幅広い視点からこころを研究しています。私は臨床心理学が専門ですが、現代の人々の『悩み』のタイプが変わってきたように思います。この『悩み』や『不安』の変化について、文献に基づいた研究を進める熊谷准教授と、実践に基づいた研究を進める畑中助教、それぞれの知見から広く長い視点で見つめていきます」と話しました。


 はじめの講演者として熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)は、「悩みと不安のむかし 古き仏教は悩みや苦しみとどう向き合ってきたか」というタイトルにて発表をおこないました。「私は仏教学、宗教学を専門としているので、過去と現在、あるいは世界と日本を比べながら、仏教が悩みや不安とどう向き合ってきたかを考えてみたい」と話し、講演を「0.イントロダクション」「1.原始仏教の説く『苦』」「2.部派仏教や大乗仏教の説く『苦』」「3.仏教の死生観」「4. 悩みと不安のイマ」に分け、仏教の大きな流れ、苦悩への対応、死生観、時代や宗派、地域差について紹介しました。


 熊谷准教授は、原始から教典で説かれているブッダの教えの目標は、心の生み出す「苦」をいかにしてのりこえるか、ということであり、仏教の根源的なテーマが苦悩から開放され乗り越えることだと、紹介しました。その「苦」にも様々な原因とタイプがあり、怒りや恨み、妬みや物惜しみなど、苦悩に関わる心の作用が部派仏教や大乗仏教で事細かに分類され、仏教における「苦」がいかに大きなテーマであるかを詳細に解説しました。また、死の恐怖について仏教は民衆の苦悩といかに向き合ってきたか、それぞれの時代と地域における死生観を紹介しました。最後に現在、世界各地で仏教がどのように広がっているのか、インド、ブータン、チベット、アメリカ、日本それぞれの仏教の特徴を紹介。日本では古くからの仏教が衰退する一方で、娯楽、観光の対象として文化的側面で注目されているものの、仏教の本質が再評価されているにはまだ到っていない、現代人の苦悩や悩みに対応する仏教としてはまだ課題なかばである、と現状を話しました。締めくくりとして、熊谷准教授は、「今日は仏教にかぎって話したが、仏教に限らず様々な古き知恵や伝統をたずねることで、現代の苦悩をのりこえ幸福の可能性を見いだすことができるのではないか」と提言しました。


 続いて、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が「悩みと不安のイマ:現代の悩みのかたちを考える」というテーマで講演をおこないました。「私のほうでは現代人のこころの変化についてお話ししたい。悩みや不安の形から今のこころはどうなっているのか、私自身の10年の臨床心理士の経験からみつめてきた変化を追いながらご紹介したい」と前置きをし、「1.心理療法の前提:こころの『中』への窓口」「2.イマの悩みのかたち:『深さ』の消滅?」「3.くさいものにもふたいらず?:社会・文化的側面」「4.心理テストに現れた変化:プロジェクト研究より」「5.イマのこころのかたち:『関係』に溶け出す<私>」という分け方で、数多くの事例と共に解説しました。


 畑中助教ははじめに、河合隼雄名誉教授の著書『カウンセリングを語る』(講談社+α文庫)や『新版・心理療法論考』(創元社)などを引用し、「心理療法は、その人の悩みのさらに中をみつめる作業。悩んでいる人は、悩みを話すことで自分のこころを見つめ直すことができる」と、心理療法が果たす役割と意義について説明。最近のクライエントの特徴として「簡単にカウンセリングにやってくる」「自分の心のなかで葛藤しない」など、悩み方の変化を紹介。「学期のはじめには授業登録の仕方が分からない、という悩みが心理相談室に寄せられる」というエピソードでは会場に笑いとどよめきが起こりました。また、過去に共同で取り組んだ「トイレ研究」の事例を紹介し、汚さを感じさせず他の空間と区別がなくなってきたトイレが現代人のこころのありようと共通している、と指摘。ロールシャッハ・テストに見る心理テストでは、何が見えているかをはっきりと答えない反応をする人が増え、主体性のなさが浮き彫りとなっていること、SNSやラインに見られるインターネットのサービスでタイムラインの中にそれぞれのつぶやきがまぎれ、中身よりもつながりを重視する傾向、「自分というものが関係に溶け出している」ことを指摘し、「悩みも不安も自分の内部に宿るものではない。だから葛藤もしない。それがイマの悩みや不安の形なのではないか」とこころの変化について考察しました。


 講演のあと、河合教授の進行にて討論の場がもたれました。来場者からの質問やコメントに応えながら、三人によるディスカッションがおこなわれました。河合教授は、「熊谷さんの話を聴き、仏教は心理学であり、分析的な心理療法に通じると思った」と話し、「近代の意識は関係性が重視されるなか、その関係というものがどんどん狭まっている。仏教の関係性はおのれと宇宙にまで及ぶが、現代人の関係性はどんどん閉じた方向へと進んでいる」と指摘しました。熊谷准教授は、「『我がない』という意味では現代の若者が持っている悩みはある種、仏教的だと思ったが、仏教はもともとある我を徹底的に否定する。しかし、現代人には最初から我がない、というのは不思議。似て非なりという感覚だ」と感想を述べました。同じような指摘は参加者から寄せられたコメントにもあり、自我、主体性、関係性をめぐる興味深い考察がなされました。畑中助教は、「人の苦しみに入っていき、それを超えるための教えを説く仏教は、心理療法そのものだと思った。今回、思いがけず仏教と心理療法のつながりを実感した」と話し、河合教授は「今回で得たことをヒントに研究を進めて、共同プロジェクトへとつなげていければ」と今後への展望を話し、シンポジウムを締めくくりました。


 参加者へのアンケートからは「古き仏教の話と現代人のこころの話、それぞれを対比できて良かった」、「熊谷先生の話で仏教の全般が分かり、勉強になった。畑中先生の話からは日頃感じている『今の若者像』がやはり現実なんだなと感じられ、納得しつつも不安になった」、「若い研究者二人の発表は新鮮で興味深く、元気になれた。こころに関する取り組みが知れてよかった」「河合教授の話から二人の発表者の人柄や意図がよく分かった」といった感想が数多く寄せられました。今後も、こころの未来研究センターでは、研究現場からの知見や研究者の声を多くの方々にお届けし、こころについて共に考える場を持ち続けて参ります。


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<開催ポスター>
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<DATA>
▽日時:2014年8月6日(水)15:00~18:00 (受付開始 14:30~)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム
15:00~15:10 はじめに 河合俊雄(こころの未来研究センター・教授/臨床心理学)
15:10~16:00 講演1 熊谷誠慈(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門・特定准教授/仏教学・チベット学)『悩みと不安のむかし:古き仏教は悩みや苦しみとどう向き合ってきたか』
16:00~16:50 講演2 畑中千紘 (こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門・特定助教/臨床心理学)『悩みと不安のイマ:現代の悩みのかたちを考える』※講演順序が当日変更となりました
16:50~17:10 休憩
17:10~18:00 ディスカッション+質疑応答
総合司会:河合俊雄
主催:京都府/京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:131名

14.08.19

【関連情報】上廣・カーネギー・オックスフォード倫理会議 公開シンポジウム 『iPS細胞を含む幹細胞研究の未来に関する倫理』


▽ 日時:2014年8月29日(金) 
     13:00~17:00

▽ 場所:国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)

▽ 参加費:無料

▽ プログラム
  12:15~     開場
  13:00~     開会挨拶
  13:05~     主催者挨拶
  13:15~14:00 「iPS細胞研究の未来と倫理」 山中 伸弥(京都大学 iPS細胞研究所 所長)
  14:10~14:55 「遺伝子改変ブタを利用する臓器再生・臓器移植研究の現状と課題」 長嶋 比呂志(明治大学 バイオリソース研究国際インスティテュート 代表)
  15:05~15:50 生命科学の「ちょっと待てよ」を考える 青野 由利(毎日新聞社 論説室 専門編集委員、論説委員)
  16:10~     質疑応答
  16:55      閉会挨拶
  17:00      終了
  
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主催:公益財団法人 上廣倫理財団
   カーネギー・カウンシル
   オックスフォード大学 上廣応用倫理センター
協力:京都大学iPS細胞研究所(CiRA)

お申し込み方法:下記アドレスからお願いいたします。
        ※席数には限りがありますので、事前予約が必要です。
        http://www.atalacia.com/open-sympo2014/

お問合せ先:シンポジウム運営事務局
       株式会社Atalacia内 担当:国島
       E-mail:sympo2014@atalacia.com
       電話:070-6685-8125

14.08.07

阿部准教授の論文がKTVニュースなど多数のメディアで報道されました

140807abe.png 『Journal of Neuroscience』に掲載された阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」の内容が、KTV(関西テレビ)ニュース、読売テレビニュース、Yahoo!ニュース、マイナビニュース、ライブドアニュースなど、多数のメディアで報道されました。


 関西圏で放映されたKTVニュース(8月6日、午後2時55分〜)では、阿部准教授が大学本部でおこなった記者会見の模様やfMRIを用いた実験の様子が映し出され、今回の論文で発表された「正直な人、嘘をつく人は脳の側坐核(そくざかく)の活動に違いがある」という内容が図表と共に分かりやすく紹介されました。


 また、Yahoo!ニュースのトップなど、インターネット上のニュースメディア各社でも報道されました。以下、ウェブ上でご覧いただけるニュースのリンク(2014年8月7日現在)をご紹介します。


うそつき、脳で分かる? =活動領域で解明―京大 - Yahoo!ニュース

"ウソつき"は脳で分かる...京大研究G発表 - 日テレNEWS24

なぜ正直者と嘘つきがいるのか?-京大が脳活動から原因を解明 - マイナビニュース

"ウソつき"は脳で分かる...京大研究G発表 - ライブドアニュース

うそつき、脳で分かる?=活動領域で解明―京大 - ガジェット通信

"ウソつき"は脳で分かる...京大研究G発表(日本テレビ系(NNN)) - Y!ニュース


□論文の発表記事はこちら
阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

14.08.07

阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」が、8月6日付で『Journal of Neuroscience』に掲載されました。


 以下、論文の概要です(記者発表資料より掲載)。


「どうして正直者と嘘つきがいるのか? -脳活動からその原因を解明―」


論文タイトル:Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty
掲載誌:Journal of Neuroscience
著者:Nobuhito Abe (Kyoto University), Joshua D. Greene (Harvard University)
掲載日:2014年8月6日(米国東海岸時間)


□論文の概要

 世の中には正直者と嘘つきがいますが、どうしてそのような個人差があるのかはわかっていません。今回の研究では、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)と呼ばれる脳活動を間接的に測定する方法と、嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組みを調べました。
 その結果、報酬(今回の研究ではお金)を期待する際の「側坐核(そくざかく)」と呼ばれる脳領域の活動が高い人ほど、嘘をつく割合が高いことがわかりました(図1)。さらに、側坐核の活動が高い人ほど、嘘をつかずに正直な振る舞いをする際に、「背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)」と呼ばれる領域の活動が高いこともわかりました(図2)。
 今回の研究は、側坐核の活動の個人差によって、人間の正直さ・不正直さがある程度決まることを示した、世界的にも初の知見です。


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14.08.06

畑中助教がドイツ・ベルリンでのセミナー Psychological Seminar (Dream Interpretation and Psychological Theory) で発表しました

1407hatanaka.png 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、ドイツ・ベルリンで開催された "Psychological Seminar (Dream Interpretation and Psychological Theory)" にて、大人の発達障害の夢についての発表をおこないました。


 このセミナーはすでに出版されている夢セミナーの本の著者でもある Wolfgang Giegerich氏を中心に開催され、夢を中心とした発表とディスカッションが行われます。
http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=11560


 今回は、この中で大人の発達障害の事例でみられた夢について発表をおこないました。議論の中で、もはや失われてしまったものを保持しておこうとする神経症的なこころの動きに対して、夢を通じて次第に接近していくプロセスが明らかになっていき、夢の力について改めて実感させられるセミナーとなりました。


<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>

14.08.01

第10回ブータン研究会の報告

【イベント名】第10回京都大学ブータン研究会
【日時】 2014年7月17日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 西澤和子氏(京都大学霊長類研究所・研究員)
【講演題目】「ブータンの新生児に寄り添って:- 3年間の活動報告と今後の展望 -」


【発表概要】
 ブータンの抱える問題の1つとして慢性的な医師不足が挙げられます。特に新生児医療を担う小児科医は、ブータン国内に計7名しかおらず、毎年何千人と生まれてくるブータンの子供たちを僅か7名の医師で診察・治療しなければならないという困難な状況が存在するようです。
 今回は、現地で3年間、小児科医として医療・研究活動に従事してこられた西澤和子氏をお招きし、ブータンの新生児医療の現状と今後の課題について、自らのご体験やご研究にもとづいてお話し頂きました。
 ブータンを含む途上国が先進国に比べて平均寿命が低いことの主原因の1つとして、幼児の死亡率が高いことが挙げられます。ブータンにおける小児死亡率は下がりつつあるそうですが、依然として1カ月未満の死亡率は高いとのことです。その原因としては、高度な医療設備を持つ病院や小児科医の数が不足していることや、道路の未整備により救急搬送が困難な地域が多数存在するなど、様々な要因があるようです。
 また、これまでのブータンの医療においては臨床のみに力が注がれていたそうですが、西澤氏は、今後の医療の質改善を加速させるために、研究・教育・臨床の3つのバランスの重要性を説いておられます。さらに、病院や医師の数を劇的に増やすことは困難なため、限られた施設、人材、物資を効率よく活用する医療体制を構築していく必要があります。現在、西澤氏はティンプの王立病院を中心として、保健省と共同で、研究・教育・臨床を強化するための政策・システムづくりを行っておられるとのこと。今後のさらなるご活躍が期待されます。
 京都大学では、2010年に開始された京都大学ブータン友好プログラムに加え、2013年には京都大学付属病院、ブータン医科大学、ブータン政府保健省が三者覚書を締結し、京都大学側から医師や看護師が定期派遣されています。今回の研究会には、ブータン滞在をされた京大病院のスタッフも複数参加し、現地で経験した臨床や教育などについて様々な議論が交わされました。また、人類学や開発学、宗教学などの研究者からは、ブータンの文化や社会、死生観などと医療との関わりについて多数の質問や議論が行われました。

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14.07.28

畑中助教の研究紹介記事が『Kyoto University Research Activities』に掲載されました

IMG_3471.jpg 京都大学の外国向け研究紹介冊子『Kyoto University Research Activities』(Vol.4 No.1 June 2014)に、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)の研究紹介記事が、顔写真と共に掲載されました。女性研究者を特集した今号の「Cutting-Edge Research in Kyoto University」というコーナーにて、畑中助教は専門とする臨床心理学の研究において、災害のただ中と災害後における人々のこころの問題の表出と、それに向き合う心理学者の奮闘について英語で紹介しています。


" Do we need psychological problems? - Researching kokoro from the perspective of clinical psychology. " Chihiro Hatanaka, PhD / Uehiro Assistant Professor, Kokoro Research Center

During times of great disaster, the human psyche exhibits no psychological symptoms. The reality of the danger does not allow space for inner conflict. After the disaster, however, many psychological symptoms emerge. We found such phenomena in the care work for the Great East Japan earthquake. Even when peace is attained in the outer world, we need some inner struggles to work itself. Clinical psychologists research into the psychological problems and their transformation through the psychotherapy, which shows us the resilience and potential of our psyche.


冊子は、下記リンク先のページにて後日公開され、ダウンロードのうえご覧いただけます。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/issue/research_activities/index.htm

14.07.07

阿部准教授と伊藤研究員の論文が『Brain and Cognition』に掲載されました

阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と伊藤文人日本学術振興会特別研究員の共著論文「The neural basis of dishonest decisions that serve to harm or help the target」が、『Brain and Cognition』90号に掲載されました。


140707abe.pngAbe N, Fujii T, Ito A, Ueno A, Koseki Y, Hashimoto R, Hayashi A, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2014)
The neural basis of dishonest decisions that serve to harm or help the target
Brain and Cognition 90: 41-49
http://www.journals.elsevier.com/brain-and-cognition/


(論文の紹介/著者より)
人間は自分の利益のために、他者を傷つけてしまう「利己的な嘘」をつく場合もあれば、他者を思いやって「利他的な嘘」をつく場合もあります。今回の研究ではfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いて、この二種類の嘘の意思決定に関わる神経基盤が異なることを明らかにしました。以前に報告したHayashi et al. (2014) の論文では、これら二種類の嘘に対する俯瞰的な道徳判断の神経基盤を報告しましたが、今回の論文では自分自身の意思決定に関わる神経基盤を報告しました。


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14.07.07

京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズで熊谷准教授が講演しました

 京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」が、全4回に渡って港区の京都大学東京オフィスでおこなわれています。第3回目は、2014年6月11日、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部)が「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福政策とその根底に横たわる精神性」という演題で講演しました。当日は、吉川左紀子センター長が司会進行とディスカッサントを務め、講演についての説明やセンターの活動等を紹介するとともに、講演後に熊谷准教授とディスカッションを行いました。


 なお、第4回目は6月25日、河合俊雄教授による講演がおこなわれます(申し込み受付終了)。後日、ホームページにてご報告します。


 京大のウェブサイトでもレポートが掲載されました。
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか- 第3回を開催しました。(2014年6月11日) - 京都大学


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[開催ポスター]
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[DATA]
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」
第3回「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福政策とその根底に横たわる精神性」
▽日時:2014年6月11日(水) 18時30分~20時00分
▽場所:京都大学東京オフィス(港区)
▽講師:熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
▽内容:「 近年、ブータンの「国民総幸福」(GNH)は大きな注目を集めていますが、そもそもブータンの人々はどのような精神性を持ち、いかなる幸福を求めているのでしょうか。宗教学の視点から考えていきたいと思います。」
▽参加者数:103名

14.06.23

京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズで阿部准教授が講演しました

 京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」が、全4回に渡って港区の京都大学東京オフィスでおこなわれています。第2回目は、2014年6月4日、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部)が「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から」という演題で講演しました。当日は、河合俊雄教授が司会進行とディスカッサントを務め、講演についての説明やセンターの活動等を紹介するとともに、講演後に阿部准教授とディスカッションを行いました。


 なお、第3回目は6月11日、熊谷誠慈准教授による講演がおこなわれました。第4回は6月18日に開催されます(申し込み受付終了)。後日、ホームページにてご報告します。


 京大のウェブサイトでもレポートが掲載されました。
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来-私たちのこころは何を求めているのか- 第2回を開催しました。(2014年6月4日)- 京都大学


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[開催ポスター]
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[DATA]
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」
第2回「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から」
▽日時:2014年6月4日(水) 18時30分~20時00分
▽場所:京都大学東京オフィス(港区)
▽講師:阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
▽内容:「現代の社会で私たちは驚くほどたくさんの決断を迫られます。感情の赴くままに決めることもあれば、自分の気持ちを抑えて決めることもあるでしょう。心理学と脳科学の観点から、私たちがどのように迷い、決めているのか、そのメカニズムを考えていきたいと思います。」
▽参加者数:141名

14.06.13

第2回京都大学ヒマラヤ宗教研究会の報告

【イベント名】第2回京都大学ヒマラヤ宗教研究会
【日時】 2014年6 月2日(月)16:30~18:00
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【発表者】 安田章紀(京都大学こころの未来研究センター・研究員)
【講演題目】 「ゾクチェン概論」

【概要】
 「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」の第2回研究会を開催しました。本研究会は、ヒマラヤ圏の宗教・歴史・文化に関心を持つ若手研究者が最新の研究成果を共有・議論する場として、昨年度からこころの未来研究センターで立ち上がったものです。今回はこころの未来研究センター安田章紀研究員が、ヒマラヤ圏で継承された宗教思想体系として知られる「ゾクチェン」について解説し、最新の知見を紹介しました。講演の要旨は以下の通りです。

 「ゾクチェン」は、チベット仏教ニンマ派の教義として有名であるが、その内実はあまり知られていない。ゾクチェンと一言にいっても、ほとんど一千年にも及ぶ長い歴史があり、それに携わった思想家・実践家も膨大な数に上る。例えば、ニンマ派の代表的学僧である14世紀のロンチェンパ1人をとっても、彼のゾクチェンの中には、「心部」の徹底した抽象的一元論と、「教誡部」の、哲学、儀式、身体技法が混然一体となった複雑な体系とが、共存している。しばしば発せられる「ゾクチェンとは何か」という問いに答えるには、歴史的にも思想的にも、未解明な部分があまりに大きいと言わざるを得ないのが現状である。したがって、これからの展望としては、残された膨大なゾクチェン文献の1つ1つに即し、どんな種類のゾクチェンが存在したかを逐一記録し、分析していく作業が求められる。

 研究会には仏教学、宗教学、歴史学、文化人類学等の研究者が参加して活発な意見交換が行われ、分野を越えた議論を通じてヒマラヤの宗教思想を理解する意義を共有する場となりました。

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(小西賢吾 こころの未来研究センター研究員)

14.06.10

第9回ブータン研究会の報告

【イベント名】第9回京都大学ブータン研究会
【日時】 2014年5月15日(木)16:30~18:00
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 藤澤道子(京都大学東南アジア研究所・研究員)
【講演題目】「サムテガンBasic Health Unit (BHU)からの報告」


【発表概要】
ブータンの代名詞とも言えるGNH(国民総幸福)には、4つの柱とともに9つの領域が存在しますが、「健康」(Health)はGNHの9領域の1つとして、ブータンの国政における重要なテーマの1つとなっています。今回は、藤澤道子先生に、ブータンの医療事情についてお話頂きました。
 藤澤先生は、西ブータンのワンデュポダン県、ニショ郡、サムテガンのBasic Health Unit(BHU)を拠点として、同BHUの現地スタッフと共同で、高齢者の日常生活の自立維持を目指すべく、サムテガン地域の高齢者の疾患および身体機能の調査を進めてこられました。これまでの調査により、同地域では高血圧や貧血の患者が多いことが分かり、また糖尿病が増加傾向にあるとの疑いも起こってきたそうです。
 今後は、BHUでの検診をさらに進めていかれるとともに、現地スタッフと共同で、調査結果の分析を進めるとともに、地域での高齢者支援システムの構築を進めていかれるとのことで、今後のご研究ならびに現地への成果還元がさらに期待されます。
 質疑応答中には、現地の伝統的な食文化と疾患との関係性や、都市化と肥満・糖尿病などとの関係性について、さらには栄養学的視点からの質問や議論が行われました。

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藤澤道子先生(京都大学東南アジア研究所)

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研究会終了後の集合写真

14.06.02

清家助教の論文が『Geriatrics Gerontology International』に掲載されました

1405seike.png 清家理助教(上廣こころ学研究部門)の共著論文「初期認知症患者および家族への多職種恊働による教育的支援プログラム開発研究ーー認知症の確定診断直後の患者および家族の学習ニーズと意識変容からの考察(Developing an interdisciplinary program of educational support for early-stage dementia patients and their family members: An investigation based on learning needs and attitude changes)」が、老年医学会の国際誌『Geriatrics Gerontology International』に掲載されました。


 論文は、オンラインで読むことができます。下記リンクにアクセスしてご覧ください。


Aya Seike, Chieko Sumigaki, Akinori Takeda, Hidetoshi Endo, Takashi Sakurai, Kenji Toba. Developing an Inter-professional Program of Educational Support for Patients and their Family Members in the Early Stage of Dementia -An Investigation Based on the Learning Needs and Attitude Changes of Patients and their Family Members -, International Journal of Geriatric Gerontology, In Press, 2014.4


○Aim
The National Center for Geriatrics and Gerontology has begun to provide educational support for family caregivers through interdisciplinary programs focusing on patients in the early stage of dementia. These interdisciplinary programs have established two domains for the purpose of "educational support": cure domains (medical care, medication) and care domains (nursing care, welfare). In the present study, we examined the learning needs and post-learning attitude changes of patients and their families who participated in these programs in order to assess the effectiveness of an interdisciplinary program of educational support in each of these domains.


○目的
国立長寿医療研究センターでは、認知症確定診断直後(以下、初期と定義)の患者、家族を対象とした支援プログラムの提供を開始した。この支援は、キュア領域(医学・薬剤)、ケア領域(看護・福祉)で構成され、多職種恊働によるプログラム提供を「教育的支援」と定義した。本研究では、効果的な教育的支援プログラムの構成要素を探索するため、初期認知症患者や家族の学習ニーズと学習後の意識変容について検証した。


Geriatric Gerontology International
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ggi.12263/full

14.05.14

河合教授、畑中助教、長谷川研究員らの共著論文が『箱庭療法学研究』に掲載されました

 河合俊雄教授、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)、長谷川千紘研究員(上廣こころ学研究部門)らの共著論文が、2014年3月、日本箱庭療法学会の発行する『箱庭療法学研究』に掲載されました。


「発達障害へのプレイセラピーによるアプローチ--新版K式発達検査2001を用いた検討」(箱庭療法学研究, 26(3), 3-14)


 本論文は、「子どもの発達障害への心理療法的アプローチプロジェクト」の研究成果をまとめたものです。当センターのプレイルームにて受け入れた9つのプレイセラピー(遊びを用いた心理療法)の事例について、6ヶ月間のセラピーの前後で発達検査の指数にどのような変化がみられるかを実証的に検討しました。発達障害の子どもには自分を定位するための安定した軸をもちにくいという特徴が見られましたが、プレイセラピーのなかで何セッションにも渡って一つの作品を作り上げたり、共同作業やずれを通して自分とセラピストとの差異に気づいたりすることによって、「焦点」や「境界」が生まれ、子どものこころに軸が獲得されていく様子が見られました。そして、セラピーのなかでこのようなテーマに取り組んでいくことが、左右弁別や文章組立てなどの発達課題の通過と関連していることが示唆されました。


<報告:長谷川千紘研究員(上廣こころ学研究部門/2014年3月まで)>

14.04.17

河合教授の論文が『箱庭療法学研究(特別号)』に掲載されました

 河合俊雄教授の論文が、日本箱庭療法学会の発行する『箱庭療法学研究(特別号)』に掲載されました。


「震災のこころのケア活動--縁と物語」(箱庭療法学研究, 26(特別号), 1-6)


 河合俊雄教授が委員長を務める「日本箱庭療法学会 日本ユング派分析家協会合同震災対策ワーキンググループ」は、東日本大震災被災地の小中学校への訪問や病院での事例検討会などを通して、臨床心理士や養護教諭といった「ケアする人」をケアする活動を続けてきました。このたび、その記録が「箱庭療法学研究第26巻特別号」として発刊されました。


 本論文は、その巻頭に掲載されたものです。被災地訪問を継続するなかで「こころのケアやストレス対処のための何かの方法やノウハウを教えたり、押しつけたりするのではなくて、語りに耳を傾けるという物語のケアがこころのケアとなるのではなかろうか」と述べ、「物語」を一つの視点として呈示しています。そして、震災などの「大きな物語」から、個々人の悩みや心理学的テーマといった「小さな物語」へいかに語りが移行していけるかがこころのケアにおいて重要なポイントであることが指摘されています。


<報告:長谷川千紘研究員(上廣こころ学研究部門/2014年3月まで)>


□日本箱庭療法学会のウェブサイト
http://www.sandplay.jp/
□日本ユング派分析家協会のウェブサイト
http://www.ajaj.info/


14.04.17

熊谷准教授の共編著「Current Issues and Progress in Tibetan Studies」が出版されました

ISYT proceedings.jpg 熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)の共編著「Current Issues and Progress in Tibetan Studies」が、神戸市外国語大学から出版されました。


 本書は、熊谷准教授らが2012年9月に神戸市外国語大学にて開催した、Third International Seminar of Young Tibetologists(第3回国際若手チベット学会)の発表者の中から選ばれた30名の若手研究者たちの論稿を集めた論文集です。本書には、宗教学、哲学、言語学、人類学、社会学など、多岐にわたる分野の若手研究者が、チベットをテーマとした論文を提出しており、チベット学という学術分野の持つ学際性を際立たせています。


 書誌情報は以下のとおりです。


Tsuguhito Takeuchi, Kazushi Iwao, Ai Nishida, Seiji Kumagai and Meishi Yamamoto (eds.): Current Issues and Progress in Tibetan Studies: Proceedings of the Third International Seminar of Young Tibetologists, Kobe 2012 (Journal of Research Institute, vol. 51), Kobe: Kobe City University of Foreign Studies. 2014.


14.04.17

上廣こころ学研究部門人事異動のお知らせ


◎離職
長谷川 千紘 特定研究員


◎着任
梅村 高太郎 非常勤研究員

14.04.01

清家助教が「終末期に対する早期支援」研究プロジェクトの一環でワークショップを開催しました

140328seike_engawa1.png 清家理助教(上廣こころ学研究部門)が、平成25年度の研究プロジェクト「終末期に対する早期支援ー日本人の倫理とこころに基づいた Advance Care Planning の開発研究」の一環で、国立長寿医療研究センター老年社会学研究部室長の村田千代栄さん(プロジェクト共同研究者)と共に愛知県常滑市で地域の高齢者を対象とするワークショップを開催しました。


 「縁がわカフェ」と名付けられたワークショップは、2013年10月から5回に渡って実施され、清家助教は2013年11月16日(土)『治療やケア現場で泣き寝入りしないためにー患者学A to Zー』と、2014年1月11日(土)『人生の終末期で泣き寝入りしないためにー終末期の備えを考えてみようー』の2回で講師を務めました。


 以下、清家助教によるレポートをご紹介します。


『治療やケア現場で泣き寝入りしないために-患者学A to Z-』,2013.11.16,常滑 
『人生の終末期で泣き寝入りしないために-終末期の備えを考えてみよう-』,2014.1.11,常滑


◇実施者:京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 特定助教 清家理、国立長寿医療研究センター老年社会学研究部室長 村田千代栄(平成25年度京大プロジェクト共同研究者)


140328seike_engawa2.png 2013年10月よりヘルスリテラシー(医療受療者が主体性をもって、治療や予防に参画していく行動)を高める目的で、5回シリーズのワークショップが開催されました。村田先生の故郷でもある愛知県常滑市をフィールドに、地域のパワフルリーダー渡辺様をはじめ、住民の方々と共に、試験的にスタートされた取り組みでした。京都大学プロジェクト側は、今後、実施を予定している「人生の終焉を自己決定できる力をつける取り組み」のニーズ探索目的で関わりました。2回にわたり提供したテーマ・話題は、『治療やケア現場で泣き寝入りしないために-患者学A to Z-』、『人生の終末期で泣き寝入りしないために-終末期の備えを考えてみよう-』でした。


 このワークショップより数ヶ月前に実施した別調査では、「自分の終焉をどのように迎えるのか」「万一に備えて、どのような医療を受けたくないのか」をいきなり考えても答えが出にくい結果が示されていました。そのため、重苦しい雰囲気だけが漂うか、全く興味関心がなく空振りで終わるか、いずれかに陥る危険性を危惧していました。しかし、ふたを開けてみると、茶話会のような肩が凝らない雰囲気の中、過去の医療体験で困ったこと、嫌だったこと、逆に嬉しかったことが参加者から口々に出され、次第に「こうしたらよかった」「こうしないといけない」など、自らの行動をふりかえる言葉がたくさん出ていました。また「延命治療」「人工呼吸器」等、医療用語を言っても、それが何なのか、何のためにあるのか、具体的にイメージできない方々が多くおられることも分かり、医療従事者感覚で当然のように用いている言葉にも留意する必要性を痛感しました。医療倫理では、倫理原則で「医療享受者の最大の利益」「自律(自己決定)」がありますが、その前に医療専門職の情報提供や説明のあり方(インフォームドコンセント、インフォームドチョイスを実施する上での対応方法等)もふりかえる必要性があります。平成26年度は、この辺の気づきを踏まえたアクションリサーチの実施を京都にて、地域住民、多職種とともに展開していく予定です。


 そして、今回の取り組みを通じて痛感したこと・・・それは、「人と人のつながり」です。家で閉じこもりがちな方、退職後いきなり地域で過ごす時間が増えて戸惑っている方等々、諸事情でつながりが断絶されている方々もおられました。今回のように、「生きること」に関連するテーマで集うことにより、悩みを打ち明けたり、何か助言的な知恵をもらえたり・・・そんなWin-Winの関係も見られました。この点も、今後のアクションリサーチの「核」になりそうです。


<報告:こころの未来研究センター助教(上廣こころ学研究部門)清家理>


◇メディア掲載
中日新聞知多版(2013年11月8日付朝刊/「和室解放 高齢者講座に」 )に掲載されました。

14.03.28

阿部准教授と伊藤研究員の共著論文が『Brain Research』に掲載されました

140326abe_brain_research.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と伊藤文人日本学術振興会特別研究員らの共著論文が、脳神経科学の国際ジャーナル『Brain Research』(vol.1556, 27 March 2014)に掲載されました。


 この論文では、他者を傷つけてしまう「悪い嘘」と、他者を思いやってつく「良い嘘」が道徳的に許容できるか否かを判断する際の脳のメカニズムを調べた研究です。fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた実験によって、この二種類の嘘の道徳判断は異なる神経基盤によって実現されていることが明らかになりました。


 論文の詳しい情報は、ジャーナルのウェブサイトをご覧ください。下記リンクからアクセス可能です。


Hayashi A, Abe N, Fujii T, Ito A, Ueno A, Koseki Y, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2014)
Dissociable neural systems for moral judgment of anti- and pro-social lying
Brain Research 1556: 46-56


URL:http://dx.doi.org/10.1016/j.brainres.2014.02.011


○Abstract
Pro-social lying, which serves to benefit listeners, is considered more socially and morally acceptable than anti-social lying, which serves to harm listeners. However, it is still unclear whether the neural mechanisms underlying the moral judgment of pro-social lying differ from those underlying the moral judgment of anti-social lying. We used functional magnetic resonance imaging (fMRI) to examine the neural activities associated with moral judgment in anti- and pro-social lying. During fMRI scanning, subjects were provided with scenarios describing a protagonist׳s anti- and pro-social lying and were then asked to judge whether the protagonist׳s act was morally appropriate. The behavioral data showed that anti-social lying was mostly judged to be morally inappropriate and that pro-social lying was mainly judged to be morally appropriate. The functional imaging data revealed dissociable neural systems for moral judgment in anti- and pro-social lying. The anti-social lying, which was judged to be morally inappropriate, was associated with increased activity in the right ventromedial prefrontal cortex, right middle frontal gyrus, right precuneus/posterior cingulate gyrus, left posterior cingulate gyrus, and bilateral temporoparietal junction when compared with the control condition. The pro-social lying, which was judged to be morally appropriate, was associated with increased activity in the right middle temporal gyrus, right supramarginal gyrus, and the left middle cingulate gyrus when compared with the control condition. No overlapping activity was observed during the moral judgment of anti- and pro-social lying. Our data suggest that cognitive and neural processes for the moral judgment of lying are modulated by whether the lie serves to harm or benefit listeners.

14.03.26

清家助教の共編著『認知症なんでも相談室』が出版されました

140320seike_ninchisyo.png 清家理助教(上廣こころ学研究部門)の共編著『患者さんとご家族から学ぶ 認知症なんでも相談室』が、3月20日にメジカルビュー社より出版されました。


 本書は、認知症に関する知識(病気のこと、治療方法等)から、予防方法、介護方法、終末期の対応まで、実生活で応用できるアドバイスをQ&A、コラムなどで分かりやすく解説されたものです。今回、本書に出てくる120のQuestionは、認知症を持つ方やそのご家族の声に基づいています。巻頭に掲載された「病期/情報・相談内容一覧」では、認知症を持つ方やご家族の質問に当てはまるカテゴリーがひと目で分かるようになっており、社会参加、医療倫理といった新たな分類項目も追加されました。また、認知症を持つ人のこころをケアし、回想法の実践につながる「俳句かるた」(作成者:鳥羽研二国立長寿医療研究センター病院長他)のアイデア紹介など、多彩なページ構成となっています。清家助教は、書籍全体の編集に携わり、社会資源(医療・福祉)の活用、終末期に関する章など多くの項目を執筆、編纂しました。


 書籍の序文、目次、Q&Aの一部を出版社とAmazon.co.jpのページで読むことができます。下記リンクよりご覧ください。


○書誌情報
『患者さんとご家族から学ぶ 認知症なんでも相談室』
国立長寿医療研究センター編
監修 鳥羽 研二、編集 武田 章敬、清家 理
定価 2,940円(本体 2,800 円+税)
B5判 168ページ 2色(一部カラー)
2014年3月20日刊行
ISBN978-4-7583-0487-0


○目次
キーワード索引
病期/情報・相談内容一覧


1 予防 認知症にならないためには?/Q01〜12、番外編


2.受診前 認知症かも? と思ったら/Q13〜23、コラム01


3.診断前 認知症かどうかはどう調べるの?/Q24〜25

 
4.診断後 えっ? 認知症! さて,どうしよう!/Q26〜49、コラム02〜05


5.認知症にはどんな治療があるの?/Q50〜105、コラム06〜16


6.小康状態期 認知症とうまく付き合っていくために!/Q106〜114、コラム17


7.終末期 穏やかに送り出してあげるために/Q115〜120、コラム18


出版社の書籍紹介ページ(「立ち読み」できます)
Amazon.co.jpの商品ページ(「なか見!検索」できます)

14.03.26

第4回ブータン文化講座を開催しました

 第4回ブータン文化講座が2月24日、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。今回は関西大学社会学部教授の草郷孝好先生をお迎えし、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)の司会進行で「ブータンの魅力とGNHの現在 ~世界はGNH社会を求めるのか~」というテーマで講演いただきました。

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 今や「GNH」(国民総幸福)という言葉は、ブータンという国の代名詞となっている感があります。第4回ブータン文化講座では、開発学がご専門の草郷孝好先生に、GNHについて、「ブータンの魅力」、「ブータンのGNH」、「GNHに対する世界の目」、「GNHと日本の取り組み」という4つの観点からお話をいただきました。


 ブータンは1960年代からようやく開国を始めた小国として、いわば「最後尾からの近代化」という困難な事業に取り組まねばなりませんでした。その際、先進国の近代化をただ真似るのではなく、自ら「望ましい社会のあり方」を決め、その方向に沿って、適切な近代化の方策を自己決定する、その羅針盤として、GNHを掲げるに至ったのです。GNHは「公正な社会経済の発展」、「文化保存」、「よい政治」、「環境の保全」という4本柱からなっていますが、これらが現代の国際社会が目指す方向と合致していることは、GNHをテーマとする国際会議の開催や、国際幸福デーの制定からはっきりと知ることができます。また我が国とGNHとの関わりとしては、「量」から「質」への大胆なモデルチェンジが必要な時代が到来していること、それを受けて、兵庫県に代表される幾つかの自治体が「良質な」社会発展を目指し、長期的な見通しに立って、実際に政策の形成と導入を進めつつあることが指摘されます。


 講演では、豊富な統計データに加え、ブータンの人々との交流など先生ご自身の体験や取り組みも交えて、分かりやすくお話しいただきました。会場からは、GNHが指標として独り歩きしてはいないのか、ブータンの実社会ではGNHがどのように認知されているのか、といった踏み込んだ質問が多数なされました。


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<報告:安田章紀研究員(上廣こころ学研究部門)>


[開催ポスター]
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[DATA]
第4回ブータン文化講座「ブータンの魅力とGNHの現在 ~世界はGNH社会を求めるのか~」
▽日時:2014年2月24日(月)17:00 ~ 19:00 (16:30開場)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講演者:草郷孝好(関西大学社会学部・教授)
司会進行:熊谷誠慈(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門准教授)
▽参加者数:101名

14.03.06

福島慎太郎研究員(上廣こころ学研究部門)が『社会階層と健康 国際会議2013』で優秀演題賞を受賞しました

上半身カラー写真_福島.PNG 福島慎太郎研究員(上廣こころ学研究部門)が、2013年8月31日・9月1日に東京大学で開催された『社会階層と健康 国際会議2013』において、優秀な演題発表をおこなった若手研究者に贈られる「優秀演題賞」を受賞しました。


 『社会階層と健康 国際会議2013』は、文部科学省科学研究費新学術領域「社会階層と健康」に関心を持つ、あるいは関連した研究をおこなう国内外の研究者や学生らが参加し、講演、シンポジウム、一般演題によるポスターおよび口頭発表などが2日間に渡っておこなわれました。


 福島研究員は「The synergy effect of economic and social capital on health: A multilevel analysis in rural areas of northern Kyoto prefecture」という演題で口頭発表をし、日本の農村地域においては、1)個人の経済水準が人々の幸福感を上昇させる効果は人間関係が密に形成されているコミュニティほど増大するとともに、2)コミュニティ全体の経済水準が人々の幸福感を上昇させることを提示しました。この発表が評価され、優秀演題賞を受賞しました。


『社会階層と健康 国際会議2013』概要
抄録集

14.02.07

上廣倫理財団との共催で「上廣フォーラム~日本人の生き方『わが先人・師を語る』京都大学知の伝統」を開催しました

 1月26日(日)、公益財団法人上廣倫理財団とこころの未来研究センターの共催により『上廣フォーラム~日本人の生き方 「わが先人・師を語る」京都大学知の伝統』が、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。


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 はじめに、主催者を代表して上廣倫理財団の丸山登事務局長がご挨拶のため登壇されました。2012年の3月、東京大学でおこなわれた島薗進教授(宗教学)の退官記念講演において、安丸良夫一橋大学名誉教授(歴史学)との師弟関係について島薗教授が話されていたことにインスピレーションを受け、今回のフォーラムの構想を得たという丸山事務局長は、「偉大な先人たちも、豊かな師弟関係に支えられて近代日本を作り上げた。今日は現代の知を代表する方々に、一世代前の師や先人から受けた学問的、人間的影響について率直に語っていただきたい」と、フォーラムにこめた思いについてお話しになりました。


 続いて、こころの未来研究センターの吉川左紀子センター長が共催の挨拶として、「この会場にも今日、語られる三名の先人から影響を受けてお越しになった方も多いと思います。ぜひゆっくりとお聞きになり、これからの日本人の生き方について思いをめぐらせていただければ、と思います」と話しました。


 フォーラムは、河合俊雄こころの未来研究センター教授、河合雅雄京大名誉教授、中西寛京大法学研究科教授がそれぞれの師について1時間半ずつ講演しました。河合俊雄教授は「河合隼雄との三度の再会」という演題で、河合隼雄京大名誉教授と過ごした日々について、父と同じ心理学の道を歩むことを選んだ若き日の葛藤、京都大学で教鞭をとる父から学びを得た時間、単身渡ったスイスで年に一度開催された「エラノス会議」講演のためにやって来た父と過ごした濃密な時間、そして没後、膨大な量の著書や講演録の編纂にたずさわるなかで出逢うことのできた新たな父の姿について、静かに語りました。


 河合雅雄京大名誉教授は「今西錦司先生と仲間たち」という演題にて、生態学者、人類学者、登山家として多くの後進を育てた今西錦司京大名誉教授との日々を、「猿の行動のその先にある『人間とは何か』という普遍的なテーマのもと集った仲間らと切り拓いた、かけがえのない時間だった」と振り返り、日本の霊長類学の誕生期に伊谷純一郎氏ら個性あふれる研究者たちと経験した様々なエピソードを散りばめながら、終始ユーモアたっぷりに語ってくださいました。


 中西教授は「髙坂正堯先生の日本への思い」という演題で、国際政治学者として60年代以降の日本の外交と政策に多大な影響を与えた高坂正堯(まさたか)元京都大学法学部教授のもとで学んだ13年間を振り返り、国際政治のオピニオンリーダーとして戦後の日本を疾走し、63才の若さでこの世を去った恩師の活躍の軌跡とその人となりについて、数々の具体例を挙げながら切れ味鋭く紹介しました。


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 なお、このフォーラムはNHKラジオ第二放送の「文化講演会」にて後日放送される予定です。詳しい日程は、下記リンク先の番組ホームページにて放映月になりましたら発表されます。


文化講演会|NHKラジオ第2 文化番組 - NHKオンライン


[開催ポスター]
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[DATA]
上廣フォーラム~日本人の生き方「わが先人・師を語る」京都大学知の伝統
▽日時:2014年1月16日(日)10:30~16:30(10:00~受付開始)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム:
10:30~10:40 開会挨拶
丸山登(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)
吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター教授・センター長)
10:40~12:10 「河合隼雄との三度の再会」
河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター 教授)
13:10~14:30 「今西錦司先生と仲間たち」
河合雅雄(京都大学名誉教授)
15:00~16:30 「髙坂正堯先生の日本への思い」
中西寛(京都大学法学研究科 教授)
▽参加者数:110名(関係者をのぞく)

14.02.06

上廣こころ学研究部門2013年度研究報告会「生きることの価値」を開催しました

 こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門2013年度研究報告会「生きることの価値」が、1月25日(土)、稲盛財団記念館3F大会議室にて開催されました。

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■分野を超えてこころを探究する「里山」のような研究部門に


 上廣こころ学研究部門は、こころの未来研究センターの寄付部門として2012年4月に設置されました。その成果を報告する初めての報告会に、一般の方々をはじめ学内外の研究者や学生らが数多く集まり、会場は終始熱気に包まれました。


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 初めに、吉川左紀子センター長からの挨拶があり、「上廣こころ学研究部門では、臨床心理学、倫理学、神経科学、教育学などさまざまな領域の若い研究者らが研究に取り組んでいます。以前からセンターの活動に注目し、お力添えくださっていた上廣倫理財団の事務局長、丸山登さんに、『里山のような研究部門をつくり、こころのあり方を研究したい』とお伝えしたところ、『京都大学の知的伝統を受け継ぎ、こころと倫理を未来につなぐ研究の場を作ってはどうか』とご賛同いただき、上廣こころ学研究部門がスタートしました」と研究部門設立のエピソードが紹介されました。続いて、上廣倫理財団の丸山登事務局長から、「財団は、昨年4月からiPS細胞研究所への支援を開始しており、現在、京都大学では2つの拠点の研究支援をおこなっています。大学の研究機関は、ゆったりとした時間の流れのなかで里山の樹木や花のようにのびのびと研究することがのぞましい。求めずして成る、の思いで研究を見守っています。今日は来場者の皆さんと共に、研究部門で研鑽を積んでいる若い研究者の研究成果を見て喜びたい」と、ご挨拶いただきました。


 続いて、カール・ベッカー教授による上廣こころ学研究部門の紹介があり、「現代社会では、さまざまな物事の価値が揺らいでおり、今こそ、倫理的な自己選択と責任が重要になってきています。今日の前半では『生きることの価値とその揺らぎ』をテーマに、各研究の紹介と問題提起と対策に、後半は『幸福感と伝統の価値』をテーマに、伝統からの育成と科学からの考察を各発表者がおこないます」と、報告会の主旨とプログラムが紹介されました。


■研究報告セッション1「生きることの価値とその揺らぎ」


座長・コメンテーター 河合俊雄(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
発表1:「現代社会における主体と価値の揺らぎ」畑中千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)
発表2:「病をめぐる自己の揺らぎ」長谷川千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)
発表3:「認知症における家族介護者の価値の揺らぎ」清家理(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)


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 前半の研究報告セッション1では、「生きることの価値とその揺らぎ」というテーマで3名の研究者らが各20分の持ち時間で発表しました。


 はじめに畑中千紘助教が「現代社会における主体と価値の揺らぎ」という演題で、臨床心理学領域における「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」「こころの古層と現代の意識」という2つのプロジェクトからの研究成果を紹介しました。畑中助教は、増え続ける発達障害の特徴として「主体の弱さ」に注目し、ロールシャッハテストで発達障害の人たちによくみられる「不確定要素反応」を例として取り上げ、考察しました。また、ソーシャルネットワークなど、インターネットサービスの時代による変化に着目して、「かつてはブログなど自分のページに『訪問してもらう』形態が主流だったものが、Facebookやツイッターなどのタイムラインに自分の書き込みが紛れ『流れていく』形態へと移行している。このことも含め、社会全体が主体性を失いつつあるのではないか」と問題提起しました。

 
 次に長谷川千紘研究員が「病をめぐる自己の揺らぎ」という演題で、臨床心理学領域における「甲状腺疾患におけるこころの働きとケア」プロジェクトからの成果報告をおこないました。身体疾患を抱える人の心理的特性を調べるため、甲状腺疾患患者を対象に実施した3種類のテストを実施した結果を紹介。質問紙に対する自己評定では甲状腺疾患患者は健常者と差がなかったものの、木を描くバウムテストでは、自我境界の危うさを示す「開放型」が多く見られ、反構造化面接(面談)では平静な言葉とは裏腹に泣いてしまうことがあるなど、自己評価、絵、語りの間にあるギャップが特徴的であることが示されました。長谷川研究員は「病気の人は、自覚していなくても深いレベルでしんどさを抱えているのではないか。援助する側は、患者さんの表面的な訴えの背後にあるものを見つめて対処していく必要があると考えられ、今後もこうした研究を進めていきたい」と話しました。


 続いて清家理助教が「認知症における家族介護者の価値の揺らぎ」という演題で、倫理学領域における「倫理的観点に基づく認知症介護改善」プロジェクトからの研究成果を報告しました。清家助教は、昨今、認知症の測定スケール(認知症の程度を調べる質問項目)や薬剤の多様化など、研究や治療法の普及が進む一方で、介護者の負担や価値の揺らぎによって起こる問題が増加している状況を指摘。在宅介護者を対象としたデータ収集をおこない、半年に一度の面接と測定スケールを用いた統計分析に取り組んでいる経過実績を報告しました。清家助教は、「現時点では、介護負担が大きくても前向きな人や、他者のサポートを得て介護負担が下がっても介護の継続に不安を示す人がいるなど、まだまだ全体像の把握が難しい。新しい測定スケールや介護者のこころとワザを支援する方法を開発するための取り組みを進めている。引き続き、臨床現場の声に基づく政策提言型の研究を続けていきたい」と話しました。


■実践と研究をつなぐ学際研究で社会支援を


140125kawai.png 3つの報告の後、河合俊雄教授の座長によるパネルディスカッションがおこなわれました。河合教授は「どの研究も、実践と社会支援の側面を持ちながらも、特殊な事象から社会の動きや方向性を探ろうという研究の視点が含まれている」と評価し、各研究者に対して、「自分の研究は実践的提言として何が言えるのか、何が見えるのか?」と質問を投げかけました。それに対して、「発達障害の増加により社会自体もどう対応すれば良いか試行錯誤している。発達障害をどう理解すべきかを追究すると共に、支援をする人とされる人、それぞれのための研究を進めることが大切と捉えている」(畑中)、「病院でのカウンセリングを出発点に、病気の人たちを対象にして心理検査法をやってきたが、一般の人を見る部分でも研究が活きている。実践、研究、成果、発信という形で、カウンセラーの枠組みづくりに貢献していければ」(長谷川)、「臨床と研究は本来つながっているべきであり、常に折衷点を見出していきたい。政策はあっても実態が伴っていない、という状況があるので、適切な政策を提言していきたい」(清家)と、それぞれが自身の研究の手応えと今後の展望を話しました。討論は各研究から見えてきた現代の他者論、社会の様相にまで発展。河合教授は「社会学の研究者の話を聞けば、社会の意識としての変化が分かるなど、学際的な視点からの研究はとても重要」と話し、あらためてこころの未来研究センターの位置づけと重要性を強調しました。


■研究報告セッション2「幸福感と伝統の価値」


座長・コメンテーター:鎌田東二(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
発表1「身体の学びと伝統の価値の探究」奥井遼(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)
発表2「GNH(国民総幸福)政策に見られる伝統の価値の探究」熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
発表3「脳科学による幸福感の探究」阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)


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 後半の研究報告セッション1では、「幸福感と伝統の価値」というテーマで3名の研究者らが各20分の持ち時間で発表しました。


 はじめに奥井遼研究員が「身体の学びと伝統の価値の探究」という演題で、民俗学・教育学領域のプロジェクト「こころとモノをつなぐワザの研究―伝統芸能・武道における心技体の研究を中心に」の成果報告をおこないました。奥井研究員は、淡路人形浄瑠璃の一座が全国の学校でおこなっているワークショップを調査し、「学校におけるワザの継承」事例を数多くの写真と共に紹介。人形遣いが子供たちにどのようにワザを伝えているか、「人形遣いと子どもたちの身体の出会い」「教え手のペースに巻き込む稽古」「わきあいあいとしたやりとり」の3要素を挙げ、教え手と学び手それぞれの身体が相互交流し、いつしか学校の空間が「舞台」へと変化し、互いの関心が演技の成功へとつながっていくプロセスと特徴を示し、近年の学校教育のあり方とは異なるワザの継承事例をいきいきと紹介しました。


 続いて熊谷誠慈准教授が「GNH(国民総幸福)政策に見られる伝統の価値の探究」という演題で、幸福感の総合研究領域における「国民総幸福(GNH)を支える倫理観・宗教観研究」プロジェクトからの研究成果を報告しました。熊谷教授は、世界的に注目を集めるブータンのGNH(国民総幸福)政策について、「政策を知る以前に、ブータン人にとっての幸福とは何か、ブータン人にとってのGNHの価値は何かを理解して初めて日本や他国の政策に応用できると考え、総合的に研究を進めている」と説明。ブータンでは仏教の利他的精神が根付いており、物質的、精神的幸福それぞれを重視した「中道の精神」が生かされ、仏教の持つ科学的、哲学的、倫理的な知識を政策に取り入れている、とGNH政策の背景と成り立ちを紹介しました。「日本はいま伝統的な価値が見直されているが、さらに一歩進めて今の社会へと取り入れる必要があるのではないか」と提言し、「今後も宗教学、ヒマラヤ学を通じて、"こころ"と"倫理"をつなぐ研究に取り組んでいきたい」と結びました。


 報告会最後の発表として、阿部修士准教授が「脳科学による幸福感の探究」という演題で、幸福感の総合研究領域における「幸福感の神経基盤」プロジェクトからの研究成果を報告しました。阿部准教授は「文化・社会心理学が専門の内田由紀子准教授の知見と脳科学を融合させた幸福感研究を進めている」とプロジェクトを紹介。心理学における幸福感研究の歴史や幸福感を測定するための評価方法の変遷を紹介すると共に、近年、日本人の精神性に合わせて開発された「協調的幸福感」を評価する尺度とfMRIでの脳測定を組み合わせた研究結果を報告。幸福感が高い人ほどfMRI測定結果における報酬情報の処理に関わる眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)が小さいことが分かり、協調的幸福感と利己的な報酬追求に相関がある可能性が示されたことを紹介しました。阿部准教授は「今後、データ数を増やして研究をさらに進め、脳科学とこころの幸福についてより広い視点で検討していきたい」と話しました。


■現代の課題と伝統的価値を結びつけ、新たな視点を提供する「中間者」の存在へ


140125kamata.png その後、鎌田東二教授の座長によるパネルディスカッションがおこなわれました。鎌田教授は「新たな領域に果敢に挑戦する3つの研究から浮かび上がってきたことは、他者との関係の中でポジティブな価値をいかに見出すかという点と、価値の『地域差』についても考えるべきだという点。伝統の価値を活用するなら、前半の発表で取り上げられた今日的な問題と後半の研究をいかにダイナミックにつなげていくかが課題となる」と話しました。鎌田教授から発表者3人への「他の発表と自分の発表との接点は?」という問いかけに対し、奥井研究員は「ブータンのGNHは現代版に翻訳されたブータンの伝統的な知恵。その意味ではブータン国王はブータンの知恵の『翻訳者』といえる。伝統芸能を伝える人も、言葉を超えた形で伝える翻訳者ではないか」と話し、それを受けて熊谷准教授は「翻訳という意味では、そもそもブータンにおける幸福は"Happiness"というよりも、充足や満足を意味する"Contentment"がふさわしいと提唱者の4代国王が言われている。ブータンの仏教徒たちは『執着』『怒り』『無知』を取り除くための教えを大切にしている。その部分を忘れてはいけない」と補足しました。阿部准教授は「日本人の持つ協調の精神は、震災時の報道からも世界的に評価されている。上廣こころ学研究部門における自分の仕事として、日本人のこころを脳のデータを用いて科学的に裏付けた上で、日本人独自のこころの性質を広く発信していきたい」と話しました。


 鎌田教授は、「これから先に考えるべきことは、生き方をただせばこころの状態が変わり、脳のレベルにも影響が及ぶ可能性を認識すること。そこには人の倫理性も関わってくる。問題に対して指標をつくり、分かりやすく人々に示し、社会に寄与していく『中間者』の存在が重要になってくる。その意味で、こころの未来研究センターの上廣こころ学研究部門が果たす役割は大きい。今後、現代の病理的な課題と伝統的な文化領域、思想領域を結びつけ、新たな理解と実践につながる視点を提供することが課題となるだろう」と話し、報告会を締めくくりました。


[開催ポスター]
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[DATA]
こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門2013年度研究報告会「生きることの価値」
▽日時:2014年1月15日(土)14:00~17:50 (13:30受付開始)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム:
・14:00 - 14:05 センター長挨拶 吉川左紀子(こころの未来研究センター教授・センター長)
・14:05 - 14:15 来賓ご挨拶 丸山登氏(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)
・14:15 - 14:30 上廣こころ学研究部門の紹介 カール・ベッカー(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
・研究報告セッション①「生きることの価値とその揺らぎ」(14:30 - 16:00)座長・コメンテーター 河合俊雄(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
・14:30 - 14:50 「現代社会における主体と価値の揺らぎ」畑中千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)
・14:50 - 15:10 「病をめぐる自己の揺らぎ」長谷川千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)
・15:10 - 15:30 「認知症における家族介護者の価値の揺らぎ」清家理(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)
・15:30 - 16:00 パネルディスカッション
・16:00 - 16:15 休憩
・研究報告セッション②「幸福感と伝統の価値」(16:15 - 17:45)座長・コメンテーター 鎌田東二(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)
・16:15 - 16:35 「身体の学びと伝統の価値の探究」奥井遼(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)
・16:35 - 16:55 「GNH(国民総幸福)政策に見られる伝統の価値の探究」熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
・16:55 - 17:15 「脳科学による幸福感の探究」阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
・17:15 - 17:45 パネルディスカッション
・17:45 - 17:50 閉会の挨拶 鎌田東二
▽参加者数:83名(関係者のぞく)
プログラムとアブストラクトはこちらです(PDFファイル 約0.6MB)

14.01.28

畑中助教の論文が『箱庭療法学研究』に掲載されました

 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)の論文「発達障害におけるイメージの曖昧さ-ロールシャッハ・テストにおける「不確定反応」から」が、『箱庭療法学研究』第26巻第2号(発行:日本箱庭療法学会)に掲載されました。


スクリーンショット 2014-01-23 11.09.31.png畑中千紘(2013)発達障害におけるイメージの曖昧さ-ロールシャッハ・テストにおける「不確定反応」から. 『箱庭療法学研究』第26巻第2号 29-40


○ABSTRACT
 本研究は, ロールシャッハ・テストを素材に発達障害のイメージの在り方の特徴を描き出そうとするものである。予備的分析の結果, 反応の中核をなす概念が不確定である「不確定反応」が発達障害のイメージの特徴として導き出された。「不確定反応」の出現個数について147名の発達障害群, 49名の神経症群, 47名の大学生群のデータについて検討した結果, 発達障害群に有意に多くみられることが明らかとなった。「不確定反応」の曖昧さには広いバリエーションが示されたが, これは彼らの夢や語りにも共通していることが指摘された。また, 「不確定反応」に示されるイメージの曖昧さは, 対象に焦点を合わせるための主体が不明瞭で, 視座が不安定になるためと考えられた。


 畑中助教は、この論文について、「これは、発達障害の特徴を『イメージのあり方』から捉えようとするものです。発達障害の人のもつイメージを心理検査から調査すると、奇異な見方や崩れた見方はほとんどみられず、むしろ『焦点づけの弱さ』が特徴的であることが明らかとなりました。その独特の話し方や考え方から発達障害の方は誤解されやすいところがありますが、彼らの生きる世界を本質的に理解できるような研究を進めていきたいと思っています」とコメントしています。


 なお本論文は、上廣こころ学研究部門における臨床心理学領域のプロジェクトの一つである「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」の研究成果です。


○関連情報
河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』が出版されました(2013年12月の記事)

14.01.23

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2013年

京都大学アカデミックデイ2013に参加しました

12月21日(土)、京都大学百周年時計台記念館にて、京都大学アカデミックデイ2013が開催されました。


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◎京都大学アカデミックデイ2013とは?
 京都大学アカデミックデイは、「国民との科学・技術対話」支援事業の一環として毎年京都大学で開催されるイベントです。市民・学生・研究者、文系・理系を問わず、誰もが学問を楽しみ、その魅力について語り合うコミュニケーションの場を提供しています。
(京都大学学術研究支援室の開催概要はこちら


 こころの未来研究センターからは、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)、清家理助教(上廣こころ学研究部門)、安田章紀研究員(上廣こころ学研究部門)、福島慎太郎研究員(上廣こころ学研究部門)、大学院生の富永仁志くん(内田由紀子研究室)が参加しました。


【お茶を片手に座談会】では、熊谷准教授が齊藤准教授( iPS 細胞研究所)と磯部准教授(京都大学学際融合教育研究推進センター)と「宇宙、生命、精神の交差点」 をテーマにトークライブを行いました。


【ポスター前で立ち話】では、時間ごとにポスターをはりかえて、「こころ学」への挑戦として出展しました。
清家特定助教 9時半-11時
福島研究員 11時-13時
富永くん 13時-15時
熊谷特定准教授・安田研究員 15時-17時


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文系・理系によらず幅広い研究者が参加し、研究者それぞれのスタイルで市民のみなさまと「対話」することができる場となりました。


[DATA]
京都大学アカデミックデイ2013
▽ 日時:2013年12月21日(土)10:00-17:00
▽ 場所:京都大学百周年時計台記念館2階
▽ 参加費:無料(申し込み不要)
主催:京都大学(学術研究支援室、研究国際部研究推進課、「国民との科学・技術対話」ワーキンググループ)
後援:京都府教育委員会、京都市教育委員会、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、奈良県教育委員会、滋賀県教育委員会


◇関連ページ
京都大学学術研究支援室 「京都大学アカデミックデイ」開催。

13.12.27

第8回京都大学ブータン研究会の報告

【イベント名】第8回京都大学ブータン研究会
【日時】 2013年12月5日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 永澤哲氏(京都文教大学 総合社会学部 准教授)
【講演題目】「浄土のために踊ること―第二次ドゥアル戦争とドチュラ祭―」

【概要】
 ブータンといえばGNH(国民総幸福)が思い起こされますが、この理念の背景にはブータンの伝統的な思想、とりわけ仏教思想が存在しています。ブータンという国の理解にはブータンの仏教を理解しておく必要があります。今回は、チベット密教の専門家(仏教学・文化人類学)である永澤哲氏に、2003年の第二次ドゥアル戦争とドチュラ祭との関係についてお話を頂きました。
 ブータンは1990年代後半より、ブータン南部に立て籠もっていたアッサム分離・独立派ゲリラに対し、再三の退去要求をしていましたが要求は受け入れられませんでした。2003年にはインド側からゲリラ掃討に関する最後通牒を受けたことで、アッサムゲリラの国外一掃軍事作戦を行いました。しかし、非暴力・不殺生を掲げる仏教的倫理観と、この軍事行動との狭間で、ブータンは大きなジレンマを抱えるに至りました。戦争後、勝利パレードなどは一切行われず、ドチュラ峠には、ゲリラ側およびブータン側の戦没者慰霊のため仏塔が建立され、ドチュラ祭が行われるようになりました。
 本ご発表では、戦争に至る経緯やその後の展開について時系列にご解説頂いたのち、ドチュラ祭で行われている踊りについても詳細に解説をして頂きました。会場からは、ブータンにおける仏教の位置づけや、経典や踊りの浸透具合や理解度などについて多岐にわたる質問がなされました。
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13.12.25

上廣フォーラム~日本人の生き方 「わが先人・師を語る」 京都大学知の伝統

上廣フォーラム~日本人の生き方 「わが先人・師を語る」
京都大学知の伝統

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▽ 日時:2014年1月26日(日) 10:30~16:30 (受付開始 10:00~)
▽ 会場:京都大学 稲盛財団記念館3階大会議室
      (京都市左京区吉田下阿達町46(荒神橋東詰))
▽ 参加費:無料
▽ 定員:150名(申込による先着順) *定員になり次第、締め切らせていただきます。
▽ 対象:どなたでもご参加いただけます。
*NHKラジオ第二放送(693kHz)文化講演会 同時収録

■プログラム
  10:30~10:40  開会挨拶 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センタ―長)
丸山登(上廣倫理財団・事務局長)
  10:40~12:10 「河合隼雄との三度の再会」
河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授)
  13:10~14:30 「今西錦司先生と仲間たち」
河合雅雄(京都大学名誉教授)
15:00~16:30 「髙坂正堯先生の日本への思い」
中西寛(京都大学法学研究科教授)

申込方法
E-mail またはFAXでお申込みください。件名に「京都大学の知の伝統シンポジウム」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
必要事項:①氏名(ふりがな)②ご連絡先(E-mail または Fax番号)
申込受付完了後、こちらよりご連絡差し上げます。

連絡先/申込先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス
(平日9時~16時)
E-mail: kokoro-uh*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(お手数ですが、*を@に変えてください)
FAX:075-753-9680
URL:http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

13.12.20

京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門 2013年度研究報告会 「生きることの価値」

京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門
2013年度研究報告会 「生きることの価値」

定員に達したため、募集を締め切りました。

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日時:2014年1月25日(土)14:00~17:50 (13:30受付開始)
場所:稲盛財団記念館3階大会議室
   (京都市左京区吉田下阿達町46(荒神橋東詰))
参加費:無料
定員:100名(申込みによる先着順) 定員になり次第、締め切らせていただきます。

定員に達したため、募集を締め切りました。

プログラム:
・14:00 - 14:05 センター長挨拶
 吉川左紀子(こころの未来研究センター教授・センター長)

・14:05 - 14:15 来賓ご挨拶
 丸山登氏(公益財団法人 上廣倫理財団 事務局長)

・14:15 - 14:30 上廣こころ学研究部門の紹介
 カール・ベッカー(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

 研究報告セッション①「生きることの価値とその揺らぎ」(14:30 - 16:00)
 座長・コメンテーター 河合俊雄(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

・14:30 - 14:50 「現代社会における主体と価値の揺らぎ」
 畑中千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)

・14:50 - 15:10 「病をめぐる自己の揺らぎ」
 長谷川千紘(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)

・15:10 - 15:30 「認知症における家族介護者の価値の揺らぎ」
 清家理(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定助教)

・15:30 - 16:00 パネルディスカッション

 -休憩- 16:00 - 16:15

 研究報告セッション②「幸福感と伝統の価値」(16:15 - 17:45)
 座長・コメンテーター 鎌田東二(こころの未来研究センター教授・上廣こころ学研究部門兼任)

・16:15 - 16:35 「身体の学びと伝統の価値の探究」
 奥井遼(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員)

・16:35 - 16:55 「GNH(国民総幸福)政策に見られる伝統の価値の探究」
 熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)

・16:55 - 17:15 「脳科学による幸福感の探究」
 阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)

・17:15 - 17:45 パネルディスカッション

・17:45 - 17:50 閉会の挨拶
 鎌田東二

申込方法
E-mailにてお申込みください。件名に「上廣報告会 申込み」と明記し、必要事項を記入の上、ご送付ください。
必要事項:①氏名(ふりがな)②所属・職名 ③返信用ご連絡先(メールアドレス)
申込受付完了後、こちらよりご連絡差し上げますので、返信用メールアドレスは明確にお願いします。

連絡先/申込先:京都大学こころの未来研究センター・リエゾンオフィス
(平日9時~17時)
E-mail: kokoro-event-2*educ.kyoto-u.ac.jp(お手数ですが、*を@に変えてください。)
URL: http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/index.html

13.12.16

河合教授、畑中助教による『大人の発達障害の見立てと心理療法』が出版されました

131202otonanohattatsusyogai.png 河合俊雄教授が田中康裕教育学研究科准教授と編・著者を務め、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が第7章、第13章を執筆した『大人の発達障害の見立てと心理療法 (こころの未来選書)』が創元社より11月11日に出版されました。本書は、上廣こころ学研究部門における臨床心理学領域のプロジェクトの一つである「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」の研究成果がまとまった一冊です。


 河合教授は「第Ⅰ部 概説」において、近年増える大人の発達障害について社会的背景を説明し、その大きなキーワードとして「主体のなさ」に着目。主体の成立へとつながる心理療法的なアプローチの具体的な事例を紹介しつつ、その可能性を探り、本書の全体像を明らかにしています。第IV部「社会・文化的背景」では「家族関係の希薄化と密着化」というタイトルで、心理療法からみた日本社会における家族関係の変化と個の主体の喪失について考察。「あとがき」では各章のポイントと執筆者のねらいをまとめています。


 畑中助教は、「第III部 アセスメント」の「第7章 発達障害のロールシャッハ・テストにおける不確定反応――主体と対象の確定の試み」と、「第IV部 社会・文化的背景」の「第13章 発達障害の時代における自己の現況と変遷――ミクシィからフェイスブックへ」を執筆。第7章では、ロールシャッハ・テストの実験結果から「不確定反応」という指標を取り上げ、発達障害の人の主体性の弱さを明らかにすると共に、その現われ方を分析し、発達障害理解のための手がかりを提示しています。第13章では、ミクシィとフェイスブックという日本におけるソーシャルネットワークサービスの人気の変化に注目し、それぞれの特徴の違いから、現代のネット社会と個人の主体のあり方の変化をみつめ、考察しています。


『大人の発達障害の見立てと心理療法 (こころの未来選書)』


○内容紹介
 近年増加が指摘され、治療も困難とされる大人の発達障害に対して、どのような見立てを持ち、どのようにアプローチすればよいのか。描画や箱庭、夢分析を用いた数多くの心理療法の試みと、発達障害の背景にある社会・文化的要因の考察を通じて、従来の「主体」を前提とした心理療法モデルに代わる、「主体」の成立を図る新たなアプローチを提示する。さまざまな問題や症状に覆い隠された大人の発達障害の核心に迫る。
(書籍紹介文より)


○目次
第Ⅰ部 概説
第1章 大人の発達障害における分離と発生の心理療法 .... 河合俊雄
第2章 未だ生まれざる者への心理療法――大人の発達障害における症状とイメージ .... 田中康裕
第II部 事 例
第3章 社交不安障害と診断された20代女性との心理面接――絡まりがほどける時 .... 安念直子
第4章 発達障害傾向のある男性との心理面接――夢分析における「私」が立ち上がるプロセス .... 西谷晋二
第5章 アスペルガー障害と診断された10代男子との面接過程――分離の契機という観点から .... 橋本尚子
第6章 産婆としての心理臨床――母と息子が個々の心を実感したプロセス .... 渡辺あさよ
第III部 アセスメント
第7章 発達障害のロールシャッハ・テストにおける不確定反応――主体と対象の確定の試み .... 畑中千紘
第8章 発達障害的世界の理解のために――描画・箱庭等の表現媒体を通じて .... 石金直美
第9章 風景構成法に見る大人の発達障害の心的世界 .... 長野真奈
第IV部 社会・文化的背景
第10章 家族関係の希薄化と密着化 .... 河合俊雄
第11章 「発達障害増加」と言われる裏側にあるもの――絵本の代わりにタブレット .... 岩宮恵子
第12章 現代におけるユビキタスな自己意識――サイコロジカル・インフラの消失と発達障害 .... 田中康裕
第13章 発達障害の時代における自己の現況と変遷――ミクシィからフェイスブックへ .... 畑中千紘
註および文献
あとがき .... 河合俊雄


・出版社:創元社
・刊行年月日:2013/11/11
・ISBN978-4-422-11226-8
・判型 A5判 210mm × 148mm 256頁


※出版社の書籍ページでは、河合教授による概説の一部とあとがきの全文をお読みいただけます。下記リンクよりアクセスしてご覧ください。


創元社の書籍ページ
Amazon.co.jpの書籍ページ

13.12.02

第1回京都大学ヒマラヤ宗教研究会の報告

【イベント名】第1回京都大学ヒマラヤ宗教研究会
【日時】 2013年9月13日(金)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター225会議室
【司会者】 熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター・准教授)

【概要】
 ヒマラヤ地域には、チベット仏教やヒンドゥー教、ボン教、さらには地域ごとの土着信仰など様々な宗教形態が存在していますが、その文化的影響はインドから中国、遠くモンゴルにまで及びます。しかしながら、通常、研究は地域ごと、分野ごとに棲み分けて行われるため、同じヒマラヤ地域の宗教文化を対象とする研究者でありながら、相互の情報交換・共有は難しいのが現状です。
 そこで、このたび、こころの未来研究センターは、ヒマラヤ地域の宗教およびその文化圏に関する研究に取り組む若手研究者を中心に互いの研究情報を交換し、若手間の交流を活性化することによって、ヒマラヤ圏の宗教文化研究全体の底上げを目指し、「京都大学ヒマラヤ宗教研究会」を立ち上げました。
 第1回は、国内の若手研究者が集まって当研究会の方針を確定するとともに、今後のヒマラヤ宗教研究のありかたについて議論を行いました。今後、定期的に研究会を開催するとともに、メーリングリストやSNSなどを用い、参加者各自の研究の進捗について適宜情報交換を行っていく予定です。

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13.10.22

2013年度前半期のブータン研究会・ワークショップの報告

2013年度前期には、計3回のブータン研究会・ワークショップを開催いたしました。
以下、各研究会、ワークショップの概要をご報告いたします。



【イベント名】第5回京都大学ブータン研究会
【日時】 2013年4月25日(火)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 上田晶子(大阪大学グローバルコーポレーションセンター・准教授)
【講演題目】「ブータンの農村におけるフードセキュリティ」
コメンテーター 熊谷誠慈(京都大学こころの未来研究センター・准教授)

【発表概要】
近年、ブータンでは、首都ティンプへの人口集中とともに、各地で都市化が進行しています。その一方で、農村地域では過疎化に歯止めがかかりません。今回は上田晶子氏に、ブータンの農村におけるフードセキュリティの問題についてお話頂きました。
ブータンでは近代化が進むにつれ、道路交通網が変化し、労働形態が変容を遂げて来ています。また、都市化による首都ティンプへの人口集中の反面、過疎化によって農村地域がいかに変貌しつつあるかなどを事細かに解説して頂きました。さらに、食糧としての作物生産のみならず、換金作物による収入や、農業以外の収入源の実際などについても、これまでの歴史と現状の両面から、詳しく説明して頂きました。
 質疑応答では、コメンテーターの熊谷誠慈氏が、仏教学の視点から、ブータンの農村文化に垣間見える仏教的理念についてコメントを行いました。また他の参加者からも、中国との交易の歴史と現況、香辛料や食品の種類、都市部と農村部との関係などについて、多くの質問や意見が寄せられ、活発な議論が取り交わされました。


 

【イベント名】第6回京都大学ブータン研究会
【日時】 2013年7月4日(木)17:00~18:30
【場所】 京都大学こころの未来研究センター(稲盛財団記念館2階)225会議室
【発表者】 福島慎太郎氏(こころの未来研究センター・研究員)
【講演題目】「ブータンのGNH政策と幸福の多層性」
コメンテーター 内田由紀子氏(京都大学こころの未来研究センター・准教授)

【発表概要】
 GNH(国民総幸福)は、ブータン王国の代名詞ともいえる理念であり、国策の大きな基盤となっています。この理念を理解しなければ、ブータンという国の現在を理解することは難しいと言えます。
今回は、地域社会学、社会心理学の専門家である福島慎太郎氏に、地域社会学的視点から、ブータンのGNH政策の現状と今後の展望についてお話頂きました。
福島氏は、西ブータンのハ県の幸福度が他地域よりも高いことに注目し、その理由の1つとして農村コミュニティが機能していることを挙げました。日本でも都市部より農村部が高い幸福度を維持していることから、この現象は、地域差を超えた普遍的なものではないかという見解が、実例を交えながら解説され、幸福実現のためにコミュニティ(人のつながり)がいかに重要であるかが明確に示されました。
質疑応答では、コメンテーターの内田由紀子氏が、経済的な豊かさとこころの豊かさ、都市部と地方、地域と個人などのバランスをとりながら、いかに幸福度を高めていくべきかについて、さらに議論を掘り下げ、参加者全員で討議を行いました。

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【イベント名】ブータンワークショップ(第7回京都大学ブータン研究会)
【日時】 2013年9月11日(水)13:00~14:30
【場所】 京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
【発表者】 高橋孝郎氏(国際金融公社:元ブータン首相フェロー)
【講演題目】「ブータンのGNH(国民総幸福)政策の詳細と現状」
コメンテーター 内田由紀子氏(京都大学こころの未来研究センター・准教授)

【発表概要】
 ブータンはGNH(国民総幸福)を単なるスローガンに留めず、具体的な政策に反映させるために幾つもの施策を講じており、今や国内外から大きく注目されています。
本ワークショップでは、元ブータン首相フェローの高橋孝郎氏にお越し頂き、GNHの解説を行って頂いた上で、氏がGNH委員会の実務を自ら経験される中で学ばれた政府の取り組みの骨子と、GNH 調査から読み取れるブータンの現状について語って頂きました。また、ブータンの国会における与野党逆転を引き起こした本年7月の総選挙の背景にある経済問題についても解説して頂きました。そして、ブータンとGNH の可能性、そして日本がブータンから学ぶべき点など、有益な提言を行い、お話しを締めくくられました。
 質疑応答では、ブータンの金融政策や農業政策、国内の物流や輸出入、さらに、ブータンに対して日本以外の国々がどのような関心を抱いているかなど、様々な視点から質問がなされ、大変活発なディスカッションが行われました。

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ワークショップの様子

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GNH政策の基本構造を解説する高橋孝郎氏

13.10.17

『本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ』で福島研究員が話題提供しました

京都府立図書館主催の『本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ:第四弾「つながり」をたどる』で福島慎太郎 研究員(上廣こころ学研究部門)が話題提供しました。


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▽ 日時:2013年9月21日(土曜日)13:00~16:30
▽ 会場:京都府立図書館 3階マルチメディアインテグレーション室
▽ 主催:京都府立図書館
▽ 共催:井戸端サイエンス工房


「本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ」は、研究者からの話題提供や参加者同士のコミュニケーションを通じて、ひとつのテーマに対して多様な角度から知識や考えを深め、より能動的な読書へのきっかけをつくることを目的としています。【第四弾:「つながり」をたどる】は、2013年9月21日(土)京都府立図書館にて開催されました。


 ワークショップは、大きく二つのパートからなっていました。


1)研究者のお話を聞く、新しい視点との"出会い" の時間


2人の研究者のお話を聞きながら、この日のテーマ「つながり」へのイメージを膨らませる時間でした。

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1人目は、地域における人々の研究をしている福島慎太郎さん。東日本大震災以降、重視されてきた「つながり」「きずな」(信頼関係)ですが、福島慎太郎さんは、このつながりを大きく二つに分けて調査しています。二つの信頼(不特定の他者に対する信頼&自分が知っている特定の他者に対する信頼)を指標として、日本の農村地域と都市部とで、つながりにどのような違いがあるのかをお話しされました。
2人目は、森と里と海のつながりを研究している福島慶太郎さん。森の健康状態を、窒素(硝酸)を手がかりに調査しています。窒素の流れをたどることによって森だけでなく、森を流れる川、川の近くの里や川が流れ着く海が、それぞれお互いにどのように影響しているのかをお話しされました。


2人のお話を聞いて、「つながり」に対する新しい見方が発見できたはず。


2)参加者同士で語り合う、本との"出会い" の時間


 研究者からの話題提供も参考にしながら、グループで「つながり」に関するイメージやアイディアを出し合う時間をとりました。付箋を使ってキーワードをどんどん挙げながら。ここで出したキーワードも頭に置きつつ、図書館内を探検して、「つながり」に関連しそうな本を集めてもらいました。
 探しにいってすぐに選んで帰ってくる人、なかなか決められなかった人。一冊だけ厳選して選んできた人、選びきれなくてたくさんの本を選んできた人。本の選び方だけでもそれぞれ全く異なっていました。
 みんなが持ち帰った本をグループで共有した後は、グループ内で『これはよい出会いだった!ベスト1』の本を決めます。そして、他のグループの人にプレゼンです。最後は、2人の研究者からこれが読みたい!という本を選んで、ゲスト賞を出してもらいました。


 みんなでつくった『つながりの本棚』。ワークショップ後の1週間は、京都府立図書館で展示されます。
(もちろん、この本棚に並んだ本は、来館者の方が借りてかえることができます。)


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13.10.11

長谷川研究員と河合教授の共著論文が『Psychologia』に掲載されました

IMG_6542.jpg 長谷川千紘研究員(上廣こころ学研究部門)と河合俊雄教授他の共著論文 " Psychological Characteristics of the NEW-FFI and the Tree Drawing Test in Patients With Thyroid Disease " が、国際心理科学誌『Psychologia』第56巻2号(2013年6月/発行:プシコロギア会)に掲載されました。


 論文は、「甲状腺疾患におけるこころの働きとケア」プロジェクトの一環として、2種類の心理テストから甲状腺疾患患者の心理的特徴を検討したものです。意識的に回答される質問紙では極めて標準的な反応を示す一方で、無意識的なあり方が反映されるバウムテスト(投映描画法)では自我境界の曖昧さが示されました。そのため、心理療法では表面に現れてきにくい深いレベルまで見通していく必要があるのではないかと考察しています。


C.Hasegawa, K.Umemura, M.Kaji, N.Nishigaki, T.Kawai, M.Tanaka, Y.Kanayama, H.Kuwabara, A.Fukao, & A.Miyauchi(2013) Psychological Characteristics of the NEW-FFI and the Tree Drawing Test in Patients With Thyroid Disease. Psychologia, 56(2), 138-153


国際心理科学誌『Psychologia』(プシコロギア会)ウェブサイト

13.09.27

奥井遼研究員の論文が『教育哲学研究』第107号に掲載されました

 奥井遼研究員(上廣こころ学研究部門)の論文「身体化された行為者(embodied agent)としての学び手 ーメルロ=ポンティの『身体』概念を手がかりとした学びの探求ー 」が、『教育哲学研究』第107号(発行:教育哲学会/2013年5月)に掲載されました。


 からだを使ったわざの習得に関わる行為と言語のやりとりに注目し、教育における「学び」の再検討を研究課題としている奥井研究員は、本論文においてメルロ=ポンティの現象学的身体論を土台に、クロスリーの「身体化された行為者」という観点から行為論を検討。様々な議論を取り上げながら、相互交流的な「身体による学び」の作用からその先の展望までを丹念に論じています。


奥井遼(2013)身体化された行為者(embodied agent)としての学び手 ーメルロ=ポンティの「身体」概念を手がかりとした学びの探求ー . 『教育哲学研究』107号 60-78


IMG_7755.jpg一 「主体としての身体」と教育
二 メルロ=ポンティの行為論 ー身体は個別的なものか?
三 身体図式の組み替えとしての学び
四 言語=所作の獲得における身体の「転調」
五 学びの共同性ー個から個、から「共同作業」
おわりに ーミクロな相互行為の記述に向けて


 身体化された行為者にとって学びとは、教え手との行為の編み目のなかで、自らを越え出て、自らを越え出たものを取り込みながら変容していく営みである。その学びは、絶えざる相互交流のなかにあるために、常に現在的で流動的である。とすれば、教育的な意図や、管理的な力といったものでさえ、そうした現場を活性化させる項の一つとして位置づけることができる。例えば、表象的な記号操作のみを強化するかのような「塾」という場は、「偏差値」や「受験」などの力によって方向づけられているがーーたとえそれが、かつての村落共同体や職業集団が培ってきたような参加型の教育システムとはかけ離れたものであったとしてもーー、それでも学び手は、教え子とのミクロで相互的な交流のなかにあって学習の場を行きた世界として経験しているのである。
 そうした相互交流的な学びの作用は、漫然と居合わせるだけでは体感されないし、体感することによって変容していくことだろう。哲学的な記述と、身を投じた行為との、どちらに傾くともなく追求し続ける態度を徹底させることによって、そうした作用にまなざしを向けていくことが求められている。


(論文より抜粋)


教育哲学会公式サイト

13.09.02

福島研究員が京都府立図書館のワークショップに話題提供者として参加します

福島慎太郎研究員が、9月21日(土)に開催される京都府立図書館のワークショップ【本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ 第四弾 「つながり」をたどる】に話題提供者として参加します。


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 「本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ」は、研究者からの話題提供や参加者同士のコミュニケーションを通じて、ひとつのテーマに対して多様な角度から知識や考えを深め、より能動的な読書へのきっかけをつくることを目的とした場です。
 今回のテーマは「つながり」です。私たちのまわりに存在する様々な「つながり」をたどると、その先には?ー「つながり」に思いをはせてみませんか。

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本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ 第四弾
「つながり」をたどる


平成25年9月21日(土曜日)13時開始
京都府立図書館にて


応募締め切り:9月8日(日曜日)

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ワークショップは、大きく2つのパートからなります。

1.新しい視点との"出会い"の時間
地域における人々の研究をしている福島慎太郎さんと、森と里と海のつながりを研究している福島慶太郎さんのお二人に、それぞれの観点から「つながり」について話題を提供していただきます。
「つながり」に対する新しい見方が発見できるはずです。
2.本との"出会い"の時間
図書館の書架の間を歩きながら、今回のテーマ「つながり」に関わる本を集めてきます。
もちろん、お気に入りの本と出会うことができたら、図書館から借りて帰ることもできます。
1人で探しても出会えなかった本との出会いが待っているはずです。


【日時】
平成25年9月21日(土曜日)13時00分縲鰀15時30分
(受付開始:12時30分)


【場所】
京都府立図書館 3階マルチメディア室


【お話をする研究者】
福島 慎太郎さん
京都大学こころの未来研究センター 研究員


福島 慶太郎さん
京都大学フィールド科学教育研究センター 特定研究員


【参加費】
無料


【定員】
30名(事前申込み制)
*応募者多数の場合には、抽選となります。


【対象】
どなたでも参加できます。


【申込み方法】
以下のいずれかの方法で、「ワークショップ申込」と明記の上、お名前・連絡先(メール、FAX番号等)をお伝えください。
なお、申し込み先は、「京都府立図書館」です。
*個人情報は今回の催し運営にのみ使用いたします。


1)Eメール:tosyokan-shiryou@pref.kyoto.lg.jp
2)FAX:075-762-4653
3)京都府立図書館のカウンターにて受付


【応募締め切り】
平成25年9月8日(日曜日)


【参加の可否についてのご連絡】
9月13日(金曜日)までに、京都府立図書館からお知らせします。


【お問い合わせ先】
京都府立図書館 総務課企画調整係
TEL:075-762-4655(代)


【主催】
京都府立図書館
http://www.library.pref.kyoto.jp/


【共催】
井戸端サイエンス工房
http://islkyoto.web.fc2.com/


井戸端サイエンス工房は "科学の多様な楽しみ方を提案する" というコンセプトのもと、様々な企画を立案・運営していこうとする、京都大学の学生が主体となった団体です。

13.08.16

阿部准教授の論文が "Neuroscience Research" と "Brain and Development" に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文が、"Neuroscience Research Vol.76-4" と "Brain and Development Vol.35-5" に掲載されました。


 "Neuroscience Research" に掲載された論文は阿部准教授が筆頭著者で、「虚再認」と呼ばれる記憶のエラーに関わる脳活動を、fMRIで調べた研究結果をまとめています。"Brain and Development" には共著論文が掲載され、Prader-Willi症候群における食行動の異常と脳血流との関係を見た研究となっています。


Abe N, Fujii T, Suzuki M, Ueno A, Shigemune Y, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2013)
Encoding- and retrieval-related brain activity underlying false recognition
Neuroscience Research 76 (4): 240-250


Ogura K, Fujii T, Abe N, Hosokai Y, Shinohara M, Fukuda H, Mori E (2013)
Regional cerebral blood flow and abnormal eating behavior in Prader-Willi syndrome
Brain and Development 35 (5): 427-434


 論文の abstract や概要は下記リンク先ページにてご覧いただけます。


Science Direct: "Neuroscience Research Volume 76, Issue 4"
Science Direct: "Brain and Development Volume 35 Issue 5"

13.08.01

国際チベット学会で"Bhutanese Buddhism and Its Culture"を開催。熊谷准教授、安田研究員、松下研究員が口頭発表を行いました

 2013年7月23日、モンゴル国立大学で開催された国際チベット学会において、熊谷誠慈准教授の企画による "Bhutanese Buddhism and Its Culture"(ブータン仏教と文化)と題する研究部会を開催し、計8名が口頭発表を行いました。こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門からは、熊谷准教授、松下賀和研究員、安田章紀研究員の3名が以下の題目で口頭発表を行いました。


 熊谷准教授は「ブータンにおける宗教マイノリティの研究」、松下賀和研究員は「ドゥク派開祖ツァンパギャレーのマハームドラー理論の紹介」、安田章紀研究員は「ペマリンパに発見されたギュブチュン文献の研究」という演題での発表でした。詳しい英語タイトル、全ての発表者の演題は下段の「発表者と演題」をご覧ください。


 また、本研究部会ではセンター外からの発表者として、ルンテン・ギャツォ(王立ブータン大学言語文化研究所・所長)、デンドゥプ・チューペル(王立ブータン研究所・研究員)、デヴィッド・ディヴァレリオ(ウィスコンシン大学・助教)、リアンサラ・クヤカノン・クナップ(ケンブリッジ大学・大学院生)、エリザベス・モンソン(ハーバード大学・大学院生)ら5名の研究者が口頭発表を行いました。


 ブータンに対する注目は世界的に高く、本研究部会にも非常に多くの研究者が聴講に訪れ、活発な議論が取り交わされました。本研究部会の発表者を中心に、近日中に論文集を刊行する予定です。本会議への参加には上廣倫理財団からのご支援をいただきました。心より感謝申し上げます。


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[DATA]
▽研究会名:"Bhutanese Buddhism and Its Culture"(ブータン仏教と文化)
▽場所:モンゴル国立大学(国際チベット学会会場)
▽日時:2013年7月23日
▽企画者:熊谷誠慈准教授(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門)
▽発表者と演題:
・熊谷誠慈准教授(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門) "A Study on the Religious Minorities in Bhutan"(ブータンにおける宗教マイノリティの研究)
・松下賀和研究員(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門) "Introduction on the Theory of Mahamudra by the Founder of Drukpa Kagyu: Tsangpa Gyare Yeshe Dorje (1161-1211)"(ドゥク派開祖ツァンパギャレーのマハームドラー理論の紹介)
・安田章紀研究員(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門) "A Study of rGyu bu chung discovered by Pema Lingpa"(ペマリンパに発見されたギュブチュン文献の研究)
・ルンテン・ギャツォ(王立ブータン大学言語文化研究所・所長) "A Note on the Concept of Happiness and Prosperity Beyond the Radar of 'Deluded Self'"(幸福という概念と惑った自己の探知機を超えた繁栄)
・デンドゥプ・チューペル(王立ブータン研究所・研究員) "Byis pa'i dpa' bo: The Dance of Youthful Heroes"(若き英雄の舞踏について)
・デヴィッド・ディヴァレリオ(ウィスコンシン大学・助教) "Who was Drukpa Kunle?"(ドゥクパ・クンレとはいかなる人物か?)
・リアンサラ・クヤカノン・クナップ(ケンブリッジ大学・大学院生) "Mountain Closure Practice, Buddhist Sacred Sites and Ecological Knowledge in Eastern Bhutan"(閉山儀礼:東ブータンにおける仏教聖地と生態学的知識)
・エリザベス・モンソン(ハーバード大学・大学院生) "Alternative Voices: The Case of the Imperfect Saint, Kun dga' Legs pa"(破天荒な言説:不完全な聖者クンガレクパのケース)


(報告:熊谷誠慈准教授/こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門)

13.07.31

畑中助教のコメントが朝日新聞『京大学食「ぼっち席」人気』記事に掲載されました

130729bocchi.png 7月29日付の朝日新聞・朝日新聞デジタルに『視線気にせずおひとりさま 京大学食「ぼっち席」人気』という記事が掲載され、学生の声などと共に、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)のコメントが掲載されました。


 最近、京大の食堂にできた、ついたてのある「おひとりさま」でも視線を気にせず食べやすい「ぼっち席」が人気だそうです。「大きなテーブルだと恥ずかしい」「急いでいるとき便利」という学生の声と共に、提供する生協側ではテーブルの回転効率が上がったということで、神戸大など他大学にも「ぼっち席」が広まりつつあるそうです。


 記事の最後に登場した畑中助教は、「孤独を恐れる現代の若者らしさがみてとれる。60年代以降、日本の若者に多くみられた『対人恐怖』では、実際に見られていなくても他者の視線を過剰に意識する傾向があった。ついたてで自分の視界を遮れる『ぼっち席』には、対人意識のあり方の変化が表れているようだ」(記事より抜粋)というコメントを提供しています。


 記事は朝日新聞デジタルでご覧いただけます。こちら

13.07.29

清家助教の論文が『日本精神科病院協会雑誌』に掲載されました

 清家理助教(上廣こころ学研究部門)の論文が、『日本精神科病院協会雑誌 第32巻・第6号』に掲載されました。


「診療と一体化した認知症患者および家族への早期支援介入の意義 国立長寿医療研究センター もの忘れセンター『もの忘れ教室』の取り組み」


清家理1.2 櫻井孝1 鳥羽研二1(1.国立長寿医療研究センターもの忘れセンター、2.京都大学こころの未来研究センター)


はじめに
 わが国における認知症患者数は、増加の一途である。高齢者の14.4%(約400万人)が認知症であり、かつ同数の軽度認知障害患者(mild cognitive impairment: MCI)が存在すると推計される。近年、認知症予防に関する研究、診断技術や新約開発等、認知症診療をとりまく環境は大きく変化している。そのようななか、藁にもすがる思いで、認知症疾患医療センターにたどりつく患者や家族も少なくない。しかし、認知症の確定診断がついたあと、認知症の経過のなかでも生じる精神症状に、家族が翻弄されるケースもしばしば見受けられる。その結果、在宅介護の限界を超え、精神病院への長期入院を余儀なくされている。(中略)
 そこで国立長寿医療研究センターでは、認知症の確定診断がついた時点から、認知症患者と家族に対する包括的な教育プログラムを提供する試み(物忘れ教室)を始めている。本実践はアクションリサーチでもある。本稿では筆者ら家族教室の概要を紹介し、初年度の結果を提示する。


(論文より)


 認知症患者が増加の一途をたどる日本の認知症施策において、「早期支援機能」「早期回避支援機能」がケアの基本とうたわれるなか、本研究では、「早期支援」を「認知症の鑑別診断がついた時点で、医療(キュア)と看護・介護(ケア)がシームレスかつ包括的に提供される処方箋」と位置づけ、認知症患者と家族に対して行った包括的な教育プログラムを提供する試み(もの忘れ教室)のアクションリサーチの結果を報告しています。論文では、もの忘れ教室の実施が、参加した患者や家族に認知症への対応術や知識獲得の機会を与え、認知症への理解や生活・介護上の不安解消や意欲向上など心理面への効果をもたらした、としています。

13.07.29

清家助教の共同研究が日本認知症ケア学会大会「石﨑賞」を受賞しました

 清家理助教(上廣こころ学研究部門)の認知症に関する共同研究が、日本認知症ケア学会大会の2013年度「石﨑賞」を受賞しました。


 石﨑賞は、日本認知症ケア学会大会において優秀な演題発表をした者に対し贈られる賞です。認知症ケアに関する独創性・有用性・発展性の観点から評価されます。清家助教らの研究「認知症を有する人と家族に対する早期教育的介入の必要性」(筆頭発表者:櫻井孝国立長寿医療研究センターもの忘れセンター外来部長)は、6月1日・2日に開催された「第14回日本認知症ケア学会大会」で発表され、17の受賞演題のひとつに選ばれました。


「認知症を有する人と家族に対する早期教育的介入の必要性 ー認知症疾患医療センターにおける「もの忘れ教室」アクションリサーチからの考察ー」櫻井孝1. 清家理1.2, 住垣千恵子1. 武田章敬1. 遠藤英俊1. 鳥羽研二1(1 国立長寿医療研究センター, 2 京都大学こころの未来研究センター)


【背景と研究目的】
 認知症政策では、「早期診断・早期対応」が重点課題となった。併せて、患者や家族が早期に治療や生活の備えをする視点も重要である。今回、「早期」「キュアとケアの連続性」を重視したくりにかるサービスを「もの忘れ教室」として開始し、この取組みを「早期教育的介入」と設定した。そこで本研究の目的を「認知症の確定診断直後の患者、家族に対する早期教育的介入の必要性の検証、実証」とした。


(発表内容より抜粋)


一般社団法人日本認知症ケア学会「石﨑賞」のページ

13.07.22

熊谷准教授が、イギリス・オックスフォード大学で開催された2013年カーネギー・上廣・オックスフォード倫理会議にて、口頭発表を行いました。

熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が、2013620日、21日にオックスフォード大学セントクロスカレッジにて開催された、2013 Carnegie-Uehiro-Oxford Ethics Conference2013年カーネギー・上廣・オックスフォード倫理会議)に参加し、"Bhutanese Spirituality and Gross National Happiness"(ブータン人の精神性と国民総幸福)という題目で口頭発表を行いました。ブータンの掲げる「国民総幸福」(GNH)政策は、近年、各国から注目されていますが、「国民総幸福」政策と、その根底に存在する仏教思想との関係については、これまであまり研究されてきませんでした。そこで、同准教授は、GNHをテーマとして、仏教倫理哲学思想とブータン人の幸福観との関係性について分析を行い、ブータン人の保持する幸福区分を仮説として提示しました。本発表の詳細については、近日中に学術雑誌等で公表される予定です。


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発表終了後に上廣オックスフォード倫理研究所のジュリアン・サヴァレスキュ教授と

13.07.19

阿部准教授が第15回ヒト脳機能マッピング学会で若手奨励賞を受賞しました

P7131126.JPG 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が、2013年7月5日・6日に東京大学伊藤国際学術研究センターで開催された「第15回ヒト脳機能マッピング学会」において、「若手奨励賞」を受賞しました。


 若手奨励賞は、同学会で発表された演題の中から35歳以下の筆頭発表者による優秀な抄録に対して贈られる賞です。今回、阿部准教授は「虚記憶の記銘と想起に関わる神経基盤」という演題で、記憶の間違いの背景にある脳活動をfMRIを用いて調べた研究について発表し、同賞に選ばれました。


 阿部准教授は、「このような賞を受賞できて大変光栄です。今後もさらに身を引き締めて研究を続けていこうと思います」と、コメントしています。


第15回日本ヒト脳機能マッピング学会のホームページ
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13.07.17

清家助教が「認知症の予防と治療」パネルディスカッションに登壇します

130708seike.png 清家理助教(上廣こころ学研究部門)が、7月15日に開催されるセミナー「認知症の予防と治療」(主催:杉浦地域医療振興財団、場所:京都テルサ)の第二部パネルディスカッション「多職種による認知症の困難事例の対応」に登壇します。


 医療倫理学・社会福祉学を専門とする清家助教は、本年4月よりこころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門の助教に着任し、終末期患者に対する支援や倫理的観点に基づく認知症介護改善に関する研究などを進めています。本セミナーのパネルディスカッションでは、「多職種による認知症の困難事例の対応」をテーマに、座長を務める荒井秀典京都大学大学院医学研究科教授らと共に、認知症患者の困難事例をみながら幅広い知見によるディスカッションが行われます。


 セミナーについて詳細は、主催者のページをご覧ください。


□杉浦地域医療振興財団
http://sugi-zaidan.jp/index.html

13.07.05

福島慎太郎・非常勤研究員が、ドイツのBad Homburgで開催された第12回日独社会科学学会にて、口頭発表を行いました

福島慎太郎・非常勤研究員が、ドイツのBad Homburgで開催された第12回日独社会科学学会にて、口頭発表を行いました(2013年5月23日)
Shintaro Fukushima & Yukiko Uchida, 発表タイトル:"Collective Well-Being in Japan"

13.05.31

熊谷准教授のフランス語論文が『Circulaire de la Societe Franco-Japonaise des Etudes Orientals』に掲載されました

 熊谷誠慈准教授のフランス語論文「Caracteristiques de la theorie des deux verites en Inde et au Tibet」(インドおよびチベットにおける二真実思想の特性)が、論文雑誌『Circulaire de la Societe Franco-Japonaise des Etudes Orientals』(第34-36号)に掲載されました。


Seiji KUMAGAI (2013): "Caracteristiques de la theorie des deux verites en Inde et au Tibet," Circulaire de la Societe Franco-Japonaise des Etudes Orientals, Vol. 34-36, pp. 15-20.


 論文は、インド仏教で成立した真理の概念区分(究極的真実と世俗的真実)が、チベット仏教に、さらにはヒマラヤの土着宗教であるボン教の中にどのように取り込まれていったのか、思想の受容過程を検証したものです。

13.05.17

上廣こころ学研究部門ウェブサイトを開設しました

上廣こころ学研究部門ウェブサイトを開設しました。メンバー、プロジェクトの概要を紹介します。今後の活動報告と関連ニュースはニュースの項目に掲載していきます。これまでの活動報告は、センターのニュースをご覧下さい。

13.05.14

畑中助教の論文が『箱庭療法学研究』に掲載されました

 畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)の論文が、『箱庭療法学研究』第25巻第3号(発行:日本箱庭療法学会)に掲載されました。


Hatanaka,C(2013)From Dual Personalities to Reflected Adult Consciousness in the Psychotherapy of Dissociative Identity Disorder: The Dialectic Movement between Fake and Real 箱庭療法学研究25巻3号75-90

  In contrast to conventional approaches in which it is important to treat the cause of the dissociative symptom, this case of dissociative identity disorder is distinctive in the paradoxical process. Although the child personality of the patient (alter personality) was thought to be a kind of fake, it has been kept in therapy. The process in which her child personality had been one-sidedly exaggerated and emphasized dialectically led the patient to internalize the dissociated personality and have a self-relationship in the end.

("From Dual Personalities to Reflected Adult Consciousness in the Psychotherapy of Dissociative Identity Disorder: The Dialectic Movement between Fake and Real" Abstractより抜粋)

 臨床心理学を専門とし、いまの時代を生きる人々のこころに宿る問題と向き合い、研究に取り組む畑中助教は、本論文で解離性障害という現代の病に対して心理療法的視点からの新しい理解について論じています。

13.04.08