ワークショップ アーカイブ

第14回 わく・湧く・ワークショップ イメージワークとメディテーションの夕べ

第14回 わく・湧く・ワークショップ イメージワークとメディテーションの夕べ


夕べのひととき,日頃のあわただしさから抜け出して、
  イメージやメディテーションの世界を体験してみませんか?
  
ここちよいイメージやゆったりとした息づかいで、
  こころが穏やかになり、からだも軽く、
    明日へのエネルギーも湧いてきますよ!
  
医療・社会福祉ご関係者、京都府下の教職員の方々を対象に特別企画をご用意いたしました。
お誘い合わせのうえ、お気軽にご参加ください。

   ※どなたにもリラックスして楽しんで頂けるような内容です。お仕事帰りの一時、ほっと一息入れてみませんか?
  皆様のご参加を、こころよりお待ち申し上げております!

▽開催日時:2012年11月7日(水) 18:00-19:30(受付は17:30~)
▽開催場所:京都大学 稲盛財団記念館 3F 小会議室1 (アクセス)
(南側の駐車場入口からご入館下さい。
なお、実践の都合上18:30以降のご参加はご遠慮下さい。)


120924wakuwaku14.png(クリックするとPDFファイルが大きく開きます)

こころの未来研究センター 夏の研究ワークショップ

京都大学こころの未来研究センターでは、「こころ学の創生」をキーワードに、「こころ」への様々なアプローチからの研究を進めています。この度「夏の研究ワークショップ」として、当センターに所属する若手~中堅スタッフによる研究報告をネタに、多様な専門を持つ人たちがディスカッションし、異なる専門領域についての理解を深める場を設けたいと思います。また、下條信輔先生(Caltech)にもコメンテーターとしてご参加いただく予定です。

一つ一つの研究報告は敢えて短く(20分)し、ディスカッションの時間を十分にとることで、「この際だから、○○の専門家にきいてみたい」「前から疑問なのだが、××分野では、△△についてどう思っているのか」といった、ざっくばらんな議論を通じて、互いの専門への理解を深めたいと考えています。

夏の暑い盛りですが、皆さまにご参加いただき、ディスカッションに加わっていただければ幸いです。また、関心のありそうな方へも、お伝えいただければ幸いです。

【日時】 2011年8月20日(土) 10:00-17:40
【場所】 京都大学稲盛財団記念館・大会議室

【タイムテーブル】
○1 10:00-10:50
快刺激がヒトの視覚的注意に関わる処理に及ぼす影響
上田 祥行(こころの未来研究センター・研究員)

○2 10:50-11:40
レチノトピーに基づいた高次視覚野の同定:
大きな受容野サイズにどう立ち向かうのか?
山本 哲也(こころの未来研究センター・研究員)

○3 11:40-12:30
カウンセリング対話における発話理解の認知的枠組み
長岡 千賀(こころの未来研究センター・研究員)

休憩 12:30 14:00

○4 14:00-14:50
社会生態学的環境に依存する個人主義的傾向の社会的適応価:
関係流動性と独自性欲求のケース
竹村 幸祐(こころの未来研究センター・研究員)

○5 14:50-15:40
文化の中心と周辺:対人関係の視点から
内田 由紀子(こころの未来研究センター・准教授)

休憩 15:40-16:00

○6 16:00- 16:50
コミュニケーションの比較認知・障害児発達研究
森崎 礼子(こころの未来研究センター・助教)

○7 16:50-17:40
社会性の進化と行動遺伝学:双生児による公共財ゲーム実験から
平石 界(こころの未来研究センター・助教)

○全体を通してのコメンテーター
下條信輔先生(Caltech・教授)

※ワークショップ終了後に、懇親会を予定しています。参加ご希望の方は、ここ
ろの未来研究センター・リエゾンオフィスに、【8月12日までに】お名前と
ご所属をご連絡下さい。
kokoro-liaison@educ.kyoto-u.ac.jp

【問い合わせ先】
平石 界(京都大学こころの未来研究センター)
@kaihiraishi on Twitter

文化・自己・対人関係のワークショップ

文化・自己・対人関係のワークショップ
Workshop on Culture, Self, and Social Relationships

【趣旨】
様々な比較文化研究の知見を元に、文化と関係性、自己のあり方について検討するワークショップを開催いたします。Steven J. Heine氏(ブリティッシュコロンビア大学教授)、Beth Morling氏(デラウェア大学准教授/京都大学こころの未来研究センターフルブライト研究員)、Vinai Norasakkunkit氏(ミネソタ州立大学准教授/京都大学こころの未来研究センター外国人特別研究員)、竹村幸祐(京都大学こころの未来研究センター研究員)による最新の研究成果の報告とディスカッションを行います。オープンなディスカッションを行いたいと思いますので、関心のある多くの皆様のご出席をお待ちしています。

講演と質疑応答は英語で行われます。当日参加も可能ですが、会場設営の都合上、来場者の人数を把握しておきたいため、お手数ですがご参加いただける場合には事前にメール(竹村幸祐: takemura@educ.kyoto-u.ac.jp)でご所属・お名前をご連絡頂ければ幸いです。入場無料です。奮ってご参加ください。

【日 時】 2011年6月28日(火) 15:00-18:00

【場 所】 京都大学稲盛財団記念館3F大会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/about/access.html

【企画者】 内田由紀子(京都大学こころの未来研究センター准教授)・竹村幸祐(京都大学こころの未来研究センター研究員)

【講演者と演題】
Steven J. Heine (ブリティッシュ・コロンビア大学)
"Positive Self-Views, East and West"
Vinai Norasakkunkit (ミネソタ州立大学・京都大学こころの未来研究センター外国人特別研究員)
"Unpackaging Cultural Differences in Social Anxiety: The Role of Self-Construal, Self-Enhancement, and Holistic Cognition"
竹村幸祐(京都大学こころの未来研究センター)
"Being Different Leads to Being Connected: On the Adaptive Function of Uniqueness in 'Open' Societies"
Beth Morling (デラウェア大学・京都大学こころの未来研究センターフルブライト研究員)
"How Does Social Support Feel? It Depends on Who You Ask"

【プログラム】こちらからダウンロードしてください。

【指定討論】 内田由紀子(京都大学こころの未来研究センター)

【連絡先】
京都大学こころの未来研究センター 竹村幸祐
takemura▲educ.kyoto-u.ac.jp
(送信の際は▲を@に変更してください)
075-753-9677

「進化と文化とこころ」公開高座・第2回ワークショップ「文化系統学への招待」

学生参加 研究者参加


「進化と文化とこころ」公開高座・第2回ワークショップ」
『文化系統学への招待』

■企画主旨
京都大学こころの未来研究センターでは"進化"と"文化"という二つの側面から統合的に人間を理解する枠組みを、研究者同士の交流を通じて探ることを目的に、「進化と文化とこころ」連携研究プロジェクトを実施している。第2回となる本ワークショップ「文化系統学への招待」では、タイトル通り「文化系統学(Cultural Phylogeny)」について学ぶことを目的とする。

進化と文化の関連を考えるときに、文化そのものの(進化的)変化もまた重要な視点である。文化への適応論的アプローチではしばしば、ある文化を、(生態・社会)環境への人々の適応的な反応として説明しようとする。しかし文化が変化を伴いつつ継承されてゆくものならば、現状の文化は、祖先環境への適応が継承されたものに過ぎないかもしれない。「適応の結果」なのか「継承の結果」なのか知ろうとするならば、文化変化の経路を知ることが大きな手掛かりとなる。文化系統学は、こうした問題に挑戦しようとするものである。

さらに加えて「系統」という考え方それ自体もまた、興味深いものである。文化心理学の世界ではしばしば「西洋と東洋」「相互独立的文化と相互依存的文化」といった分類を行う。進化心理学でも「ヒトとヒト以外の霊長類」といった分類を行う。しかし「系統」の元では、ヒトとヒト以外の霊長類は「同じ系統」に入ることにもなる。「分類」に重きを置く世界観を揺さぶるものとして、文化の系統を考えてみることは重要だろう。

近年、発展著しい文化系統学について、勁草書房より中尾央氏・三中信宏氏の編著による「文化系統学への招待」が出版予定である。今回のワークショップは、編著の両氏および勁草書房のご厚意を得て、出版前の原稿を元に文化系統学についての学び、「進化と文化とこころ」研究との関連について議論してみたい。

本ワークショップは2部からなる。第一部は三中信宏氏による公開高座「文化系統学と系統樹思考:進化するオブジェクトの多様性と系譜」を開く(先着100名)。第二部では「文化系統学への招待」の出版前勉強会を開く。各章ごとに1名が内容を紹介するほか、1~2名の指定討論者による全体コメントをもらう。ディスカッションへの参加は事前登録制とする(下記参照のこと)。

■日時・場所
・2011年3月24日(木) 12:30-18:00
京都大学稲盛財団記念館・3F大会議室
 (荒神橋東詰・川端近衛南東角)
 
■第1部 公開高座
【時間】12:30-13:30
【噺役】三中信宏(農業環境技術研究所/東京大学・院・農生)
【演題】文化系統学と系統樹思考:進化するオブジェクトの多様性と系譜
【要旨】
体系学的思考(systematic thinking)とは,生物と無生物の区別を問わず,対象物の多様性をわれわれ人間が整理して理解するための思考と考えられます.生物を対象とする分類学と系統学は,体系学的思考を構成するふたつのスタイルである分類思考(group thinking)と系統樹思考(tree thinking)の代表例です.今回の講演では,この体系学的思考のもつ以下の側面に焦点を絞って議論を進めます.

論点1)「分類」に関して,われわれ人間は多様なオブジェクト(生物はその代表例)を分類してきた.しかし,分類は「分類学者」の専売特許ではなく,日常生活を送るすべての生活者すなわち「分類者」にとって身近な行為であると考えられます.みなさんにとって「分類」とはどのような意味を持っていますか?

論点2)「系統」に関して,系統樹と言えばたいていの場合,生物の進化を表す図であるという一般的認識があります.しかし,系図による表現は生物進化という考えとは独立な,もっと古くからある宗教的・文化的・社会的なルーツをもつ思考法の反映です.生物にかぎらず,写本・言語・遺物・文化・芸術・製品など思いがけないところで系統樹が用いられています.なぜこのような思考スタイルが広まったのでしょうか?

論点3)「分類思考」と「系統樹思考」はたとえ同じオブジェクトを対象としていても,相異なる視点から世界と自然と人間を体系化するまなざしであると考えられます.私たち人間はこれらふたつの思考法をどのように使い分けていけばいいでしょうか?そもそも,これらの思考法は意識的に使い分けられるものなので

■第2部 勉強会
【内容】
『文化系統学への招待(中尾央・三中信宏編著, 勁草書房)』の出版前勉強会を行う。下記の担当者による各章の内容紹介ならびに全体コメントを元に、参加者間でのディスカッションを行う。各章の内容の精読を目指すのではなく、文化系統学というアプローチの全体像を共有し、それが人間研究にたいして持つ可能性を論じる場としたい。ディスカッションへの参加者を募集中。

【参加申込み方法】
こちらから、連絡先&参加希望理由をお答え下さい。本ワークショップの基準は「(建設的な)発言せざるもの参加すべからず」です。ただのオブザーバーとしての参加はお断りします。

なお、勉強会参加者の方には、事前に原稿を配布いたします。詳しい配布方法は申込みされた方にご連絡いたします。なお、出版前の原稿ですので、取り扱いにはご注意いただく必要のある点、ご了承下さい。希望者多数の場合は、企画者側で選別させていただきますので、予めご了承下さい。

申込み期限は3月6日(日)と致します。短期間で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。

【時間】
14:00-18:00ごろ

【担当者】
・はじめに(中尾央・三中信宏)
平石界(京都大学こころの未来研究センター)
・第1章:文化における進化プロセスとパターン(中尾央)
竹村幸祐(京都大学こころの未来研究センター)
・第2章:文化系統学の起源と普遍的系統樹思考(三中信宏)
第1部の高座で代替
・第3章:言語の文化系統学(Tom Currie/訳)
横田晋大(広島修道大学・人文学部)
・第4章:『老葉』に対する系統学的アプローチ:宗祇による連歌の系譜(矢野環)
小森政嗣(大阪電気通信大学・情報通信工学部)
※原稿未達の場合は小森さんご自身によるマンガ分析の紹介
・第5章:『百鬼夜行絵巻』写本の系統(山田奨治)
網谷祐一(UBC)
・第6章:擬洋風建築の系譜:クブラー『時の形』を通じて(中谷礼仁)
飯島和樹(東京大学・大学院総合文化研究科)
・第7章:イメージの系統(田中純)
池田功毅(東京大学・大学院総合文化研究科)
・第8章:文化系統学と心理(板倉昭二)
森本裕子(京都大学・大学院教育学研究科)
・おわりに(三中信宏・中尾央)
平石界(京都大学こころの未来研究センター)
・指定討論
内田由紀子(京都大学こころの未来研究センター)
一枠未定。


Mini-Workshop (organized by S. Funahashi)

********** プログラム **********
1:00 - 1:40
Matamemory in monkeys: behavioral and neurophysiologial approaches
Akio Tanaka
(Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University)

1:40 - 2:20
The role of prefrontal cortex neurons during pair-association performances in primates
Jorge Mario Andreau
(Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University)

2:30 - 3:10
Dopamine neurons encode long-term reward values of multi-step future actions
Kazuki Enomoto
(Department of Physiology, Kyoto Prefectural University of Medicine)

3:10 - 3:50
Retinotopic representations and visual short-term memory related activity in human intraparietal
sulcus.
Masanori Kanazu
(Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University)

4:00 - 5:00
General discussion and comments from Profs. Dagher, Lee, Phillips, and Whelan


日時:2009年3月2日(月)13:00より

場所:京都大学稲盛財団記念館 3階 小会議室330
(京都市左京区吉田下阿達町46:荒神橋東詰、川端・近衛東南角)
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/about/access.html

問い合わせ先:船橋新太郎

第6回こころの未来フォーラム サテライトワークショップ

この度、こころの未来研究センターでは、第6回こころの未来フォーラム サテライトワークショップを開催することと相成りましたのでご案内差し上げます。


稲盛財団記念館竣工記念
京都大学こころの未来研究センター 第6回 こころの未来フォーラム サテライトワークショップ
"Gambling, Reward, Decision-Making, and The Prefrontal Cortex"

「こころの未来フォーラム」では、現代社会に潜む心の問題を解く鍵概念を取り上げ、専門家による講演、討論、質疑を通して、未来に向かうこころのあり方を考えます。
第6回フォーラム翌日のサテライトワークショップでは、"Gambling, Reward,Decision-Making, and The Prefrontal Cortex"をテーマに、国内外で活躍する研究者を招き、ギャンブル依存、社会的な意志決定に関わるこころのありようについて、より専門的な立場から議論します。特に神経科学的な立場からは、人間の意志決定に重要な役割を果たす前頭前野の神経機構に関する最新の知見を講演していただきます。また、総合討論の時間には当センターのカール・ベッカー氏、船橋新太郎氏を加えて、今後の研究の方向性についての討論を行います。価値観が多様化する現代日本社会の中での「こころ」のあり方について再検討し、様々な問題について取り組んでいく糸口を見つけていきたいと思います。

Program

10:00-10:10 Introduction
Shintaro Funahashi (Kyoto University)

10:10-10:50 "Social decision making and clinical psychiatry"
Toshiya Murai (Kyoto University)

11:00-11:40 "Prefrontal-striatal interactions in drug and non-drug reward processing: fMRI and PET studies"
Alain Dagher (McGill University)

11:50-12:30 "Dopamine neurotransmission during working memory and financial reward processing in health and Parkinson's disease"
Nobukatsu Sawamoto (Kyoto University)

14:00-14:40 "Reward inference by monkey prefrontal and caudate neurons"
Masamichi Sakagami (Tamagawa University)

14:50-15:30 "Effect of reward schedule on task-related activity in the primate dorsolateral prefrontal and orbitofrontal cortex"
Satoe Ichihara-Takeda (Sapporo Medical University)

15:40-16:20 "Anti-Parkinsonian drugs provide important insights into neural substrates of compulsive gambling"
Anthony Phillips (University of British Columbia)

16:20-17:00 General Discussion


日時: 2009年3月1日(日)  10:00-17:00

会場: 京都大学 稲盛財団記念館 3階 大会議室
(京都市左京区吉田下阿達町46:荒神橋東詰、川端・近衛東南角)
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/about/access.html

定員: 150名(申込不要、当日先着順)

受講料: 無料
受講資格: 研究者向け/英語での講演、同時通訳なし

第3回こころの未来ワークショップ

◆ 第3回こころの未来ワークショップ
  「日本文化とこころの行方-『こもる』ことの意味」 (2008年2月20日更新)


日時 2008年3月1日(土) 13:00~17:00
場所 京大会館 101号室
http://www.kyodaikaikan.jp/access.html
申し込み等について
申し込みは不要です。
ただし会場の都合により定員は150名、先着順とさせていただきますので
ご了承ください。受付開始は当日11時、開場は12時です。
参加費は無料です。
問い合わせ先
〒606-8501 京都市左京区吉田本町 こころの未来研究センター
Tel: 075-753-9678
e-mail: kokoro-ws@(kokoroの後はハイフン、@以降はeduc.kyoto-u.ac.jp)
第3回ワークショップ担当

ワークショップの内容
 平成19年4月に設立されました「こころの未来研究センター」では、「こころ」を考えるための様々な取り組みを行っております。
  第3回ワークショップでは「日本文化とこころの行方」をテーマに、現代日本の若者のこころのあり方、特に「ひきこもり」や、対人関係の問題、価値観の揺らぎなどについてとりあげてみたいと思います。
  講演者は、「ひきこもりの国」(光文社, 2007)の著者である、ジャーナリストのマイケル・ジーレンジガー氏、文化心理学の第一人者で、日本の文化とこころの問題について多数の研究を行っているミシガン大学の北山忍氏、当研究センター教授で、近年の若者の自己と対人関係について詳しい、臨床心理学者の河合俊雄氏です。ジーレンジガー氏にはいわば「アメリカから見た日本の現状」を、北山氏には「アメリカと日本」両文化の狭間からみた日本の現状を、そして河合氏には「日本の臨床現場」から、それぞれ日本文化とこころの行方について語ってもらいたいと考えています。また総合討論の時間には、メルボルン大学の社会心理学者である嘉志摩佳久氏、こころの未来研究センター長の吉川左紀子氏を加えて、日本のこころに対する「取り組み」についての討論を行います。
  価値観が多様化する現代日本社会の中での「こころ」のあり方について再検討し、様々な問題について取り組んでいく糸口を見つけていきたいと思います。


プログラム
13時~13時15分 はじめに
  吉川 左紀子(京都大学こころの未来研究センター センター長)

13時15分~14時15分 ひきこもり:現代日本社会の"行きづまり"を読み解く
  マイケル・ジーレンジガー(カリフォルニア大学バークレー校/ジャーナリスト)
  (#英語での講演になりますが、同時通訳がつきます)

14時15分~15時15分 文化と自己:ゆらぐ現代日本の構造
  北山 忍(ミシガン大学/文化心理学)

15時30分~16時30分 日本における若者の病理の変化:ひきこもりと行動化
  河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター/臨床心理学)

16時30分~17時 総合討論
  マイケル・ジーレンジガー
  北山 忍
  河合 俊雄
  嘉志摩 佳久(メルボルン大学社会心理学)
  吉川 左紀子

第2回こころの未来ワークショップ

第2回 こころの未来ワークショップ 「こころの探求:私たちの課題 Part 2」

 心理学の基礎研究は,社会に広がる多様な"こころの問題"の理解に,どのような貢献ができるのでしょうか?こころの未来ワークショップ「こころの探求:私たちの課題」は,気鋭の若手研究者による研究報告と議論を通して,多様な角度からその解決の手がかりを探るための企画です. 昨年度の第1回に続く,第2回のワークショップ(Part 2)では,遺伝と環境,社会性,自己,関係性,こころの発達などをキーワードに,「こころ」のはたらきの本質に迫りたいと思います.


プログラム(敬称略)

13時00分-13時10分 企画趣旨(吉川左紀子 京都大学大学院教育学研究科)

13時10分-13時50分 山形伸二(東京大学) 「不安と抑うつの行動遺伝学」

13時50分-14時30分 川合伸幸(名古屋大学) 「ヒトは他者の視線にどのように注意を向けるか」

14時30分-14時50分 休憩

14時50分-15時30分 守田知代(京都大学) 「社会の中の自己」

15時30分-16時10分 黒川嘉子(仏教大学) 「こころの可能性空間 ―関係性の視点から―」

16時10分-16時30分 休憩

16時30分-17時10分 指定討論
 ・ 矢野智司(教育人間学 京都大学教育学研究科)
 ・ 木下冨雄(社会心理学 京都大学名誉教授 国際高等研究所)

17時10分-17時30分 総合討論

17時30分 閉会


発表趣旨

1 山形伸二 東京大学 専門:行動遺伝学
 「不安と抑うつの行動遺伝学」
 長年にわたる行動遺伝学的研究は,性格や精神疾患など様々な個人差がどの程度遺伝の影響により,どの程度環境によるのかを明らかにしてきた.では,行動遺伝学はもうその役目を終えたかと言えば,もちろんそうではない.本発表では,行動遺伝学の新しい方向性である
複数の変数間の相関/因果関係の背後にある遺伝と環境の分析,
遺伝と環境の交互作用の分析,のふたつについて,不安と抑うつの研究を例に紹介したい.

2 川合 伸幸 名古屋大学  専門:認知科学
  「ヒトは他者の視線にどのように注意を向けるか」
 私たちは,他者の顔や視線のみならず,その方向にも注意を向けてしまう.顔や視線の方向とターゲットの出現位置が一致しなくても,その方向に現れたターゲットの検出や弁別が早くなるというこれまでの実験結果から,そのような社会的な刺激に対して,「反射的に」注意がシフトすると考えられてきた.本発表では,他者への注意が反射的な性質だけでなく,より高次な認知過程も含むことを示す.具体的には,その視線が「どこを見ているか,あるいは見ることができるか?」ということに影響されることなどを示す.また,このことが発達においてどのような効果を持つかも議論したい.

3 守田知代 科学技術振興機構(京都大学)  専門:認知神経科学
 「社会の中の自己」
 社会的な文脈において生じる罪悪感や恥などの自己意識情動は,社会的動物である我々ヒトの行動を決定するうえで重要な役割を果たしている.これまで心理学・発達心理学の領域で主に研究されてきたテーマであるが,近年は脳機能イメージング手法の発達に伴い,社会性の神経基盤に関する理解が急速に進んでいる.本発表では,自己意識情動と自己認識との関連について,認知神経科学および発達心理学の両視点から検討したい.

4 黒川 嘉子 佛教大学 専門:臨床心理学
 「こころの可能性空間 ―関係性の視点から―」
 言葉をもたない乳児infantは,養育者など他者との関係性の中で,どのように固有のこころの世界を築いていくのだろうか.自分と他者の違いを体験し,一人のまとまりのある自分を築いていく過程は,通常思われているほどあたりまえのものではない.むしろ不確実で心もとない歩みであり,それゆえ,それぞれが自分の道筋を発見的に創造していく可能性を秘めている.この大きな問いに,臨床心理学の立場から,自閉症児の特異な体験世界を通して向き合ってみたい.


指定討論者

・矢野 智司 京都大学大学院教育学研究科 教授 専門 教育人間学
 人間のダイナミックな生成変容を,「純粋贈与」や「蕩尽」あるいは「遊び」といった具体的で個別的な現象の人間学的解明を通して,明らかにすることをめざす.著作に『子どもという思想』(玉川大学出版部,1995年),『ソクラテスのダブル・バインド―意味生成の教育人間学』(世織書房,1996年),『自己変容という物語―生成・贈与・教育』(金子書房,2000年),『動物絵本をめぐる冒険―動物‐人間学のレッスン』(勁草書房,2002年),『意味が躍動する生とは何か―遊ぶ子どもの人間学』(世織書房,2006年)など.

・木下 冨雄 国際高等研究所フェロー 京都大学名誉教授 専門 社会心理学
 京都大学教授を経て,甲子園大学学長および日本社会心理学会,日本リスク研究学会などの会長を歴任.現在,財団法人国際高等研究所フェローとして,うわさの研究,リスク研究,社会的規範研究など,複数の研究プロジェクトを主導している.また, KSP(関西社会心理学)研究会の主催者として,長年にわたって日本の若手社会心理学者の育成に尽力してきた.著作に『流言伝達のモデル』(現代社会心理学の発展,ナカニシヤ出版)『流言』(社会心理学講座,東京大学出版会),『法の行動科学』(共編著,福村出版)『記号と情報の行動科学』(共編著,福村出版)など.


日時・会場
2007年3月4日(日曜日) 13時00分-17時30分
京都大学 本部構内 文学部新棟南側2階 新第3講義室
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/psy/jpn/map2/campus.htm
参加費
無料
申込み
不要
問い合わせ先
京都大学 大学院教育学研究科 教育認知心理学講座
吉川左紀子


主催 京都大学こころの未来フォーラム実行委員会

第1回こころの未来ワークショップ

◆第1回 こころの未来ワークショップ「こころの探求:私たちの課題」

心理学の基本研究は、社会に広がる"こころ"の問題の理解にどう貢献するのか?
 気鋭の若手研究者による報告と議論を通してその解決策を探ります。
 
【プログラム】(敬称略)

13時〜13時10分 企画趣旨 吉川左紀子(京都大学大学院教育学研究科)

13時10分〜13時50分 進化心理学の立場から 平石界(東京大学)

13時50分〜14時30分 文化心理学の立場から 内田由紀子(甲子園大学)

14時30分〜14時50分 休憩

14時50分〜15時30分 実験心理学の立場から 鈴木敦命(イリノイ大学)

15時30分〜16時10分 臨床心理学の立場から 石原 宏 (仏教大学) 

16時10分〜16時30分 休憩

16時30分〜17時10分 指定討論
北山忍(ミシガン大学)
木原正博(京都大学大学院医学研究科)
17時10分〜17時30分 総合討論

17時30分〜 閉会
【発表要旨】

平石界
「生物学的視点から心の多様性を探る:信頼とパーソナリティを素材に」
近年、個人のゲノム情報の分析や「〜のための遺伝子」探しが進展しつつある。
しかしヒトの遺伝子数から考えて人間心理の個々の領域について、そのためだけに働く遺伝子が存在すると考えるのは困難である。本発表では、「他人を信頼するための遺伝子」が存在するのか、進化心理学および行動遺伝学の視点から検討し、限られた数の遺伝子が多様な心を産むプロセスについて一つの提案をしたい。
内田由紀子
「社会的適応と感情」
社会的適応において、感情表出や感情推論は重要な役割を果たしている。自己の主体性や対人関係の作られ方、さらにはコミュニケーションルールがそれぞれの文化や社会の中にある価値観や日常的現実のあり方と連動して構築されているならば、感情表出や推論にも文化による多様性が認められると考えられる。今回の発表においては感情表出・推論の日米比較研究を紹介したうえで、それぞれの文化における適応のあり方を検討する。さらに、共感性や対人関係の欠如が招く諸問題に対しての、文化・社会心理学的アプローチの貢献可能性について検討する。
鈴木敦命
「老衰か?熟達か?加齢と感情機能」
加齢と感情は「こころの未来」を考える上で重要なキーワードであると同時に、両者の間には面白い関係が示唆されている。加齢は不快感情の処理に干渉する一方で、快感情の処理を保持するというのである。この関係は不快感情の処理能力の老衰とも不快感情の制御能力の熟達とも解釈できる。本発表ではこうした加齢と感情をめぐる研究と議論を概観し、応用研究としてだけでなく基礎研究としての加齢研究の面白さを伝えられればと思っている。
石原 宏
「主観的体験としてのこころ」
自分自身のものでありながら思うようにならない「こころ」に悩み、苦しむ方々に、実際にお会いし、関わっていく心理臨床の実践から見たときに、最も大切となってくるのは、個の主観的体験としての「こころ」である。普遍性と客観性が重視される心理学においては排除されがちな、個の主観的体験としての「こころ」に取り組む臨床心理学の試みについて、箱庭療法を通した実践の紹介もまじえながら、発表できればと考えている。


日時・会場 平成18年11月18日(土曜日) 13時00分〜17時30分
京都大学 本部構内 文学部新館2階 新第3講義室
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/psy/jpn/map2/campus.htm
参加費 無料
申し込み 不要
問い合わせ先
京都大学 大学院教育学研究科 教育認知心理学講座
吉川左紀子