第15回こころの未来セミナー
第15回 こころの未来セミナー
1.目的
「こころの未来セミナー」では、心に関するトピックスを取り上げ、幅広いディスカッションを通して、未来に向かうこころのあり方を考えます。
2.講演者と演題
「大脳基底核における報酬情報による行動変化のメカニズム」
中村 加枝 先生(関西医科大学 生理学第2講座 教授)
私たちの行動は期待される報酬の情報によって変化する。近年の研究により、脳の多くの領域の神経活動が報酬の情報により変化することが報告されてきた。しかし、そ の根源となる変化は脳のどの領域で、どのようなメカニズムで起きているのか、未だによくわかっていない。私は、眼球運動課題試行中のサルの、大脳基底核の一部である尾状核の活動を変化させることにより、報酬獲得行動(眼球運動)を人工的に変化、再現することを試みた。第一に、尾状核におけるドパミンの作用、特にD1受容 体を介するものが重要であることがわかった。第二に、報酬情報と運動情報が非常に限られた時間的タイミングで起こることが、報酬による行動の変化に必須であること がわかった。以上のことから、尾状核は報酬による行動変化を起こす責任脳領域であ ることが示された。
日時 平成19年8月2日(木曜日) 午後5時より午後6時半頃まで
場所 京都大学 総合人間学部棟 1階 1102講義室
(京都大学吉田南キャンパスの北東側にある総合人間学部棟の1階)
受講資格 とくにありません。
受講料 無料
申し込み 不要(先着150名まで)
問い合わせ先 京都大学こころの未来研究センター
2007/08/02