こころの未来 認知行動・脳科学集中レクチャー2017 「社会性の生物学」
こころの未来 認知行動・脳科学集中レクチャー2017
「社会性の生物学」
こころの未来研究センターでは、集中レクチャーとして、心理学を含む多様な関連分野でご活躍の講師を招き、それぞれの研究活動について講義いただいております。
今回は、認知行動・脳科学集中レクチャーとして、生態学・動物行動学がご専門の辻和希先生(琉球大学・教授)、神経生理学がご専門の磯田昌岐先生(生理学研究所・教授)をお招きし、『社会性の生物学』について2日間にわたり講義いただきます。
学内外を問わず多数の学生・研究者の参加をお待ちしています。
▽ 日時:2018年2月1日(木)2日(金)
両日とも10:30 – 12:00、及び13:30 – 16:45
▽ 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 アクセス
京都市左京区吉田下阿達町46(川端近衛南東角)
▽講師:
辻和希先生(琉球大学・教授)
概要:生物における社会と利他行動の進化
私は動物の社会がいかに進化してきたのか、その力学的機構の解明を目的に長年研究してきた。ヒトでもアリでも「社会」は個体間の複雑な関係性の総体だが、それが基本的にいって単なる物理法則である自然選択でいかに自然発生し得たのかが興味の中心である。そこでは、遺伝子、細胞、個体、社会、生物群集という階層性が生物の世界でいかに進化し、その中で働く力のせめぎあいとその帰結の解明がつまるところの焦点になる。本講義では進化生態学の基本的枠組のなかで、生物にみられる利他的行動の進化機構がいまどう理解されているのかを、自身の研究をとりまぜ概説する。
磯田昌岐先生(生理学研究所・教授)
概要:社会的認知機能の生理学的理解:サルを用いた実験研究から
我々は,対面する2個体のサルを用いて社会的認知機能を評価する実験パラダイムを開発し,自己と他者の行動情報処理の神経機構を明らかにしてきた。また,そのような実験系を利用して,ヒトの自閉スペクトラム症とよく似たサルの自然発生例を見出し,その遺伝子変異,神経活動特性,および行動特性を報告した。今回の講義では,こうした2個体のサルを同時に用いる新たな実験研究のストラテジーを紹介しながら,社会的認知機能の神経基盤について議論したい。
▽ 参加費:無料
▽ 対象:研究者・学生
▽ 定員:100名
申込みによる先着順とし、定員になり次第、締め切らせていただきます。
主催:京都大学こころの未来研究センター
2018/02/01