コミュニティ・アイデンティティとコモンズへの愛着が流域レベルにおける環境配慮行動におよぼす影響とは?
研究課題 コミュニティ・アイデンティティとコモンズへの愛着が流域レベルにおける環境配慮行動におよぼす影響とは?
研究代表者 德地直子 京都大学フィールド科学教育研究センター 教授
共同研究者 赤石大輔 京都大学フィールド科学教育研究センター 特定助教
法理樹里 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター 研究員
Andrea Flores Urushima 京都精華大学 特別任用講師
時任美乃理 京都大学大学院 地球環境学堂 研究員
地球環境問題の解決には地域における市民の環境配慮行動の促進が不可欠である。地域への愛着を含む「コミュニティ意識」は,環境配慮行動のひとつである環境保全活動への参加意欲に影響をおよぼすことが明らかにされている(法理・赤石・徳地,2019 Hori, Inoue & Tokuchi, 投稿中。 また,コミュニティへの所属意識や所属を重要視する価値から成立する自己概念をとらえた「コミュニティ・アイデンティティ」が強いほど,琵琶湖といったコモンズの保全に関わる個人行動と集団行動の両者を促進することが示唆されている。さらに,「コモンズへの愛着」は,その保全に関わる特に集団行動へ影響することも明らかにされている(野波・加藤,2009 )。他方,環境問題へ配慮しようとの態度形成には,”問題そのもの” と ”問題が生じた地域”を各々に焦点化した 2 種類の態度 の存在 が報告されている(加藤・池内・野波, 2004 )。
しかし,環境問題そのもの ,および 問題が生じた地域 に おける環境配慮行動の態度形成について 個人行動 と 集団行動 におよぼす コミュニティ・アイデンティ ティや,コモンズへの愛着の影響関係は 個々に詳細 な議論はなされていない 。
本研究では, 環境配慮行動を促進する態度形成に ,「コミュニティ ・アイデンティティ 」と「コモンズへの愛着」がどのような影響をおよぼすのか検討する。本研究の 結果は, 探索的に 実施されてきた『環境配慮行動を促す対策オプションを強化』し,より 実践的な SPI (Science Policy Interface )手法の発展への寄与が期待される。
2021/06/15