第3回「進化と文化とここころ」研究会
京都大学こころの未来研究センター「進化と文化とこころ」連携研究プロジェクトの第3回の研究会として、広島大学の清水裕士さんご講演いただけることになりました。
「互恵的利他主義」という、進化生物学における一大理論と、「友情」という我々の日常を結びつける研究をご発表いただきます。さらには「友情の文化差・文化普遍性」などの議論もできればと思います。
#本研究会は、京大総合人間学部における学部特殊講義を兼ねての開催となります。
日時:2011年12月8日(木)10:30-12:00
場所:京都大学・吉田南キャンパス・総合人間学部棟1103教室
話題提供者
清水裕士(広島大学大学院総合科学研究科)
講演タイトル:
友情を支える適応論的メカニズム
要旨:
親密な関係では他の関係に比べて多く利他行動が行われるが、その適応論的メカニズムとして互恵的利他主義があげられる。しかし、親密な関係では「見返りを求めずに利他行動すること」がよしとされる信念、つまり非互恵的利他主義の信念が共有されていることが社会心理学の研究で指摘されている。
では、親密な関係において人々はどのようにして非互恵的利他主義の信念を共有しているのだろうか。この問に答えるために、本研究では同性友人関係における「かけがえのなさの感情」に注目する。そして、かけがえのなさの感情が相互に高まることで、非互恵的利他性の信念が共有されるというモデルを提案する。
2011/12/01