第4回「進化と文化とこころ」研究会
京都大学こころの未来研究センター「進化と文化とこころ」連携研究プロジェクトの第4回の研究会として、神戸大学の三船恒裕さんにご講演いただけることになりました。
「利他性」は、人間の進化を考える上で重要なキーワードとなっています。近年、利他性の進化には「文化」の影響が大きかったのではないかと提案がなされています。敢えてそこに異を唱える研究データをご発表いただけるものと思います。「進化と文化とこころ」の視点から、活発な議論ができればと思います。
#本研究会は、京大総合人間学部における学部特殊講義を兼ねての開催となります。
日時:2011年12月15日(木)10:30-12:00
場所:京都大学・吉田南キャンパス・総合人間学部棟1103教室
話題提供者
三船 恒裕(神戸大学/日本学術振興会)
講演タイトル:
進化で解き明かす集団内利他行動
要旨:
社会心理学における多くの研究から、人間は相手が自分と同じ集団に属するという理由だけで利他的に行動することが明らかとなっている。近年、ScienceやNatureではこうした知見を引用しつつ、人間は多層選択あるいは文化的集団淘汰によって利他性を身につけたとする議論が展開されている。発表では、実は人間の集団内利他行動は集団選択モデルでは説明できず、間接互恵性ないしは交換ドメイン間の連結によって説明できるとする一連の研究結果を紹介する。
2011/12/14