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河合教授のコメントが読売新聞の戦後70年企画記事に掲載されました

 戦後70年をテーマに様々な分野を取材した読売新聞の企画記事「戦後70年 ここから変わった [2]恋愛小説」に、河合俊雄教授のコメントが写真付きで紹介されました。
 時代のうつりかわり、社会の変化と共に、文学作品が扱うテーマも変わり続けています。記事では、戦後以降にブームを呼んだ恋愛小説の変遷をたどり、人々が抱える心の問題が作品にも大きく映し出されていることに注目しています。河合教授は、社会的規範の薄れや生き方の多様化がむしろ人々に恋愛する難しさや価値の低下をもたらしていることを指摘しつつ、村上春樹作品の変化をとりあげて、現代人が「真に他者と出会い、愛せる」恋愛のあり方について考察しています。

IMG_9402.JPG「現代小説 必然的に複雑化」
京大教授・河合俊雄さん
 現代における恋愛は、多様化し、恋愛の持つ絶対的な価値が薄れたとも言えます。男女を巡る社会的規範や道徳、性に関する禁忌は薄れました。年齢差がある結婚や離婚、同性愛の話もよく耳にするようになった。
 でも、本当に恋愛関係は自由になり、可能性が広がったのか。制限が弱まって逆に、求めるものをつかみにくくなり、価値が少なくなった面もあるでしょう。(中略)
 村上春樹さんは初期、誰ともつながれない人間などをよく描いていた。だが近作では、『1Q84』をはじめ、現実の恋愛の成就を描こうとしているように見えます。恋愛は「完全な世界」を実現させるものではない。その事実を受け入れれば、人間は真に他者と出会い、愛せるのだとー。
(記事より)

2015/08/05

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