河合教授が日本箱庭療法学会第29回大会一般公開シンポジウムに登壇しました
河合俊雄教授が2015年10月10日・11日に東北福祉大学(宮城県仙台市)でおこなわれた日本箱庭療法学会第29回大会の一般公開シンポジウム「”ゆらぎの物語”を創る」に登壇しました。
シンポジウムの第一部では「おもかげ復元師」としても知られる笹原留以子さんがご自身のお仕事をもとに講演され、第二部では3名のシンポジスト(河合教授、田中康裕教育学研究科准教授、宮城県石巻高等学校養護教諭・千葉久美子先生)からのコメントをもとに、宇田川一夫東北福祉大大学院教授の司会進行でディスカッションがおこなわれました。
河合教授は笹原さんの納棺師としての仕事に対して、死を否定するのではなくて、死者の側からの視点があることに皆が感動を覚えるのではないか、また東北という地がもっている「あの世」への親和性がベースにあるのではとコメントしました。またこれまで2ヶ月に一度震災のこころのケアを学会の震災対策ワーキンググループとして石巻・仙台で続けてきた経験から、必ずしも被害の大きさにこころの傷が比例しないこころの不思議さ、時間とともに乗り越えていく心の自然な回復力について指摘しました。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
【メディア掲載】
シンポジウムが河北新報(10月9日付)、毎日新聞(10月19日付)などに取り上げられました。
東日本大震災:震災後の心の痛み考える シンポに500人参加 仙台/宮城
箱庭心理療法の学会が主催し、学生や養護教諭ら約500人が参加した。パネルディスカッションでは、石巻市のスクールカウンセラー、千葉久美子さんが被災した高校生を見守ってきた経験を語り「生徒は、震災後3カ月を過ぎてから喪失感や悲しみを表現し出した。大変な被害にあった生徒ほどつらさを表現できない現実もまだある」と力を込めた。
同市で援助活動を続けてきた京大こころの未来研究センターの河合俊雄教授は「直接の被害と心の痛みは必ずしも比例しない。被害に遭わなかったからこそ、無力感で苦しんだ人もいる」と話し、京大大学院の田中康裕准教授は「人間が持っている復元力を働かせることが心の専門家の仕事だ」と強調した。
(毎日新聞/2015年10月19日付 より)
箱庭心理療法の学会が主催し、学生や養護教諭ら約500人が参加した。パネルディスカッションでは、石巻市のスクールカウンセラー、千葉久美子さんが被災した高校生を見守ってきた経験を語り「生徒は、震災後3カ月を過ぎてから喪失感や悲しみを表現し出した。大変な被害にあった生徒ほどつらさを表現できない現実もまだある」と力を込めた。
同市で援助活動を続けてきた京大こころの未来研究センターの河合俊雄教授は「直接の被害と心の痛みは必ずしも比例しない。被害に遭わなかったからこそ、無力感で苦しんだ人もいる」と話し、京大大学院の田中康裕准教授は「人間が持っている復元力を働かせることが心の専門家の仕事だ」と強調した。
(毎日新聞/2015年10月19日付 より)
日本箱庭療法学会第29回大会ウェブサイト
日本箱庭療法学会ウェブサイト
2015/10/21