鎌田教授の講演録が『地球システム・倫理学会会報』に掲載されました
鎌田東二教授の講演録が、2015年10月、『地球システム・倫理学会会報』第10号に掲載されました。
第9回地球システム・倫理学会学術大会(於:つくば国際会議場/2013年11月)では、「諸文明における母性的なるもの―地球文明と人類の未来文明創成へ向けて―」というテーマでシンポジウムがおこなわれました。服部英二地球システム・倫理学会会長による司会のもと、中村桂子JT生命誌研究館館長、鶴岡真弓多摩美術大学芸術人類学研究所所長、安田喜憲東北大学大学院教授、伊東俊太郎東京大学名誉教授、青木三郎筑波大学人文社会系教授らと共に登壇した鎌田教授は、神道や神話からみた女性性や母なるものにふれると共に、性差を超えた生命現象としての自然を伝承する「生態智」をあらためて見直していくことを提言しました。
「諸文明における母性的なるもの―地球文明と人類の未来文明創成へ向けて―」
趣旨説明: 服部英二(地球システム・倫理学会会長)
問題提起: 中村桂子(JT生命誌研究館館長)、鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授)、鶴岡真弓(多摩美術大学芸術人類学研究所所長)、安田喜憲(東北大学大学院教授)
コメント: 伊東俊太郎(東京大学名誉教授)、青木三郎(筑波大学人文社会系教授)
【趣旨】
地球に38億年前に誕生した一つの生命は、さまざまに姿を変え、数千万種の生物を生み出してきた。
ところが、17世紀以降支配的となる「科学の眼」、それによって、本来地上に生きる一つの生物でしかないはずの人間が自然の支配者として君臨し、産業革命を惹起し飛躍的に物質文明を繁栄させたものの、その結果、21世紀を迎えた今、ついに母なる地球までをも滅ぼそうとするに至っている。
こうした姿は、全人性を歪めた理性至上主義に基づく「父性原理」とそれを原動力とする「力の文明」であり、自らをも破滅に導くものである。
しかし、本来の倫理は、そうした歪んだ姿にはなく、その対極に位置しこれまで未開と軽んじられてきた理性・感性・霊性のすべてを和する全人的倫理、それこそが「母性原理」であり、いのちの継承を至上の価値とすることである。
そこで近代文明の深奥に通底する「母性原理」を見直し、父性と母性のバランスを恢復する処方箋を探り、未来文明創成について考える。
(シンポジウム趣旨より)
趣旨説明: 服部英二(地球システム・倫理学会会長)
問題提起: 中村桂子(JT生命誌研究館館長)、鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授)、鶴岡真弓(多摩美術大学芸術人類学研究所所長)、安田喜憲(東北大学大学院教授)
コメント: 伊東俊太郎(東京大学名誉教授)、青木三郎(筑波大学人文社会系教授)
【趣旨】
地球に38億年前に誕生した一つの生命は、さまざまに姿を変え、数千万種の生物を生み出してきた。
ところが、17世紀以降支配的となる「科学の眼」、それによって、本来地上に生きる一つの生物でしかないはずの人間が自然の支配者として君臨し、産業革命を惹起し飛躍的に物質文明を繁栄させたものの、その結果、21世紀を迎えた今、ついに母なる地球までをも滅ぼそうとするに至っている。
こうした姿は、全人性を歪めた理性至上主義に基づく「父性原理」とそれを原動力とする「力の文明」であり、自らをも破滅に導くものである。
しかし、本来の倫理は、そうした歪んだ姿にはなく、その対極に位置しこれまで未開と軽んじられてきた理性・感性・霊性のすべてを和する全人的倫理、それこそが「母性原理」であり、いのちの継承を至上の価値とすることである。
そこで近代文明の深奥に通底する「母性原理」を見直し、父性と母性のバランスを恢復する処方箋を探り、未来文明創成について考える。
(シンポジウム趣旨より)
2015/11/02