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鎌田教授の解説が『ロスト マンチュリア サマン』映画パンフレットに掲載されました

 日中共同プロジェクト合作記念作品『ロスト マンチュリア サマン』(2015年/制作:日本、中国/監督・音楽・構成:金大偉)の映画パンフレットに鎌田東二教授の解説と、アルタンジョラー連携研究員のコメントが掲載されました。
 映画は、『回生〜鶴見和子の遺言』(2001年)、『原郷の詩』(2011)、『花の億土へ』(2013)など鶴見和子氏や石牟礼道子氏の世界を映像表現してきた金大偉監督の最新作です。鎌田教授は、本作において金大偉氏が満州シャーマン(「薩満(さまん)」)の文化の担い手にスポットをあて、シャーマニズムの本質を見出していくプロセスや見どころについて宗教・民俗学者のまなざしから解説しています。

1511kamata_lost.png解説「ロスト マンチュリア サマン」鎌田東二
 「ロスト マンチュリア サマン」はこれまでの金大偉氏の映像作品とは大きく異なっている。たとえばこれまでの映像作品『回生〜鶴見和子の遺言』(2001年)『短歌百選〜回生から花道へ』(2004年)は鶴見和子氏の生きざまと歌の世界を、『しゅうりりえんえん』(2004年)『海霊の宮〜石牟礼道子の世界』(2006)『光凪』『原郷の詩』(ともに2011年)『花の億土へ』(2013年)は石牟礼道子氏の詩の世界を映像詩として表現したものだった。
 それに対して、「ロスト マンチュリア サマン」(Lost Manchuria Shamans)は金大偉氏みずからのルーツに深く潜り込み、失われたあるいは失われつつある満州シャーマンの世界の光と影を描いた作品である。前者は他者の詩の表現世界を、後者は自己のルーツと詩の源泉を探り当てようとする。まさに「魂のロードムービー」と称する所以である。
 シャーマンとは、超越の媒介者である。あの世とこの世、霊的世界と現実世界、見えないモノと見える物、相反し対立・分離するかに見える複数世界に接線や補助線を引いて交通可能な状態にし、両者をつなぎ、高次のバランスと秩序を確立しようとする存在だ。
 金大偉氏は、この失われゆくユーラシア「薩満(サツマン)文化」の核をなすシャーマンの後継者たらんとしている。本作の最後の金大偉氏自身のナレーション「私は天空を見た。天空もまた私を見た」の語がその証明である。
(パンフレットより)

金大偉作品の上映スケジュール
http://www.geocities.jp/taiiproject/schedule.html

2015/11/03

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